25 / 27
25 謎 (アルフ視点)
しおりを挟む
パーティーの次の日アルフはセドリックに会うために学園に行った。
昨日何も連絡もよこさず来なかった事、妹を傷つけた事を問い詰め、返答次第では父親から預かった書類を出すつもりでいた。
学園の門をくぐってから真っ直ぐにセドリックのクラスに向かった。中に入り見渡すがセドリックはいなかった。
「殿下はまだ来られてないか?」
座っていたクラスメイトに聞くが今日はまだ来ていないと言われどうしようかと考えていると、もうひとつの入口からピンク色の髪を揺らしながら入ってくる人物が見えた。
レイラから少し前の騒動を聞いていたが、何も反省することも無くセドリックの側にいるコラリーに怒りを感じていたからか、顔を見た瞬間駆け寄っていた。
いきなり近づいてきたアルフに怪訝な顔をしながらも繕った笑顔を向け話しかけた。
「アルフ様別のクラスにおこしになるなんて珍しいですわね」
「貴方は数日前、私の妹にしたことを反省しないのか!!」
アルフが強い口調で尋ねるも、コラリーは考えもせず答えた。
「私、レイラ様とお会いしておりませんが?何かの間違いでは?」
「は?貴方が殿下の元に押しかけて…」
「アルフ様酷いですわ!私がそんな事する訳ないではありませんか」
わっと机に突っ伏し泣き出した。
「誤魔化す気か?貴方が王族専用区域に許可なく入ったのだろう!」
「そんな事許可もなしにいたしません!本当に酷いです」
心外だと泣いているコラリーを見ていると嘘をついているようには見えない。
──どういう事だ…?
周りが騒がしくなってきた為、再度確認の為コラリーに聞く。
「本当に貴方はお茶会に乗り込んだりは…」
「しておりません」
「それは…すまない」
一応謝罪をしてそのまま教室から出たアルフはものすごい違和感を感じ混乱していた。
もしコラリーが嘘をついていたとしても、何も咎を受けず今までいることもおかしい。
嘘をついていないとすると…
──お茶会の日の事だけ忘れているのか?
そんな都合のいい話があるわけないと頭を振る。
そのまましばらく待っていたがセドリックは学園に来なかった。
──もしかして体調でも悪かったか?いや…その場合は連絡が来るはずだ。
一度寮に戻りどうするか考えていたが、先延ばしにできない。セドリックに会う為に王族専用区域に向かった。
昨日何も連絡もよこさず来なかった事、妹を傷つけた事を問い詰め、返答次第では父親から預かった書類を出すつもりでいた。
学園の門をくぐってから真っ直ぐにセドリックのクラスに向かった。中に入り見渡すがセドリックはいなかった。
「殿下はまだ来られてないか?」
座っていたクラスメイトに聞くが今日はまだ来ていないと言われどうしようかと考えていると、もうひとつの入口からピンク色の髪を揺らしながら入ってくる人物が見えた。
レイラから少し前の騒動を聞いていたが、何も反省することも無くセドリックの側にいるコラリーに怒りを感じていたからか、顔を見た瞬間駆け寄っていた。
いきなり近づいてきたアルフに怪訝な顔をしながらも繕った笑顔を向け話しかけた。
「アルフ様別のクラスにおこしになるなんて珍しいですわね」
「貴方は数日前、私の妹にしたことを反省しないのか!!」
アルフが強い口調で尋ねるも、コラリーは考えもせず答えた。
「私、レイラ様とお会いしておりませんが?何かの間違いでは?」
「は?貴方が殿下の元に押しかけて…」
「アルフ様酷いですわ!私がそんな事する訳ないではありませんか」
わっと机に突っ伏し泣き出した。
「誤魔化す気か?貴方が王族専用区域に許可なく入ったのだろう!」
「そんな事許可もなしにいたしません!本当に酷いです」
心外だと泣いているコラリーを見ていると嘘をついているようには見えない。
──どういう事だ…?
周りが騒がしくなってきた為、再度確認の為コラリーに聞く。
「本当に貴方はお茶会に乗り込んだりは…」
「しておりません」
「それは…すまない」
一応謝罪をしてそのまま教室から出たアルフはものすごい違和感を感じ混乱していた。
もしコラリーが嘘をついていたとしても、何も咎を受けず今までいることもおかしい。
嘘をついていないとすると…
──お茶会の日の事だけ忘れているのか?
そんな都合のいい話があるわけないと頭を振る。
そのまましばらく待っていたがセドリックは学園に来なかった。
──もしかして体調でも悪かったか?いや…その場合は連絡が来るはずだ。
一度寮に戻りどうするか考えていたが、先延ばしにできない。セドリックに会う為に王族専用区域に向かった。
24
お気に入りに追加
616
あなたにおすすめの小説

【完結】義姉の言いなりとなる貴方など要りません
かずきりり
恋愛
今日も約束を反故される。
……約束の時間を過ぎてから。
侍女の怒りに私の怒りが収まる日々を過ごしている。
貴族の結婚なんて、所詮は政略で。
家同士を繋げる、ただの契約結婚に過ぎない。
なのに……
何もかも義姉優先。
挙句、式や私の部屋も義姉の言いなりで、義姉の望むまま。
挙句の果て、侯爵家なのだから。
そっちは子爵家なのだからと見下される始末。
そんな相手に信用や信頼が生まれるわけもなく、ただ先行きに不安しかないのだけれど……。
更に、バージンロードを義姉に歩かせろだ!?
流石にそこはお断りしますけど!?
もう、付き合いきれない。
けれど、婚約白紙を今更出来ない……
なら、新たに契約を結びましょうか。
義理や人情がないのであれば、こちらは情けをかけません。
-----------------------
※こちらの作品はカクヨムでも掲載しております。

【本編完結】婚約を解消したいんじゃないの?!
as
恋愛
伯爵令嬢アーシアは公爵子息カルゼの婚約者。
しかし学園の食堂でカルゼが「アーシアのような性格悪い女とは結婚したくない。」と言っているのを聞き、その場に乗り込んで婚約を解消したつもりだったけどーーー

妹に婚約者を奪われたので妹の服を全部売りさばくことに決めました
常野夏子
恋愛
婚約者フレデリックを妹ジェシカに奪われたクラリッサ。
裏切りに打ちひしがれるも、やがて復讐を決意する。
ジェシカが莫大な資金を投じて集めた高級服の数々――それを全て売りさばき、彼女の誇りを粉々に砕くのだ。


妹ばかり見ている婚約者はもういりません
水谷繭
恋愛
子爵令嬢のジュスティーナは、裕福な伯爵家の令息ルドヴィクの婚約者。しかし、ルドヴィクはいつもジュスティーナではなく、彼女の妹のフェリーチェに会いに来る。
自分に対する態度とは全く違う優しい態度でフェリーチェに接するルドヴィクを見て傷つくジュスティーナだが、自分は妹のように愛らしくないし、魔法の能力も中途半端だからと諦めていた。
そんなある日、ルドヴィクが妹に婚約者の証の契約石に見立てた石を渡し、「君の方が婚約者だったらよかったのに」と言っているのを聞いてしまう。
さらに婚約解消が出来ないのは自分が嫌がっているせいだという嘘まで吐かれ、我慢の限界が来たジュスティーナは、ルドヴィクとの婚約を破棄することを決意するが……。
◆エールありがとうございます!
◇表紙画像はGirly Drop様からお借りしました💐
◆なろうにも載せ始めました
◇いいね押してくれた方ありがとうございます!

私のことが大嫌いらしい婚約者に婚約破棄を告げてみた結果。
夢風 月
恋愛
カルディア王国公爵家令嬢シャルロットには7歳の時から婚約者がいたが、何故かその相手である第二王子から酷く嫌われていた。
顔を合わせれば睨まれ、嫌味を言われ、周囲の貴族達からは哀れみの目を向けられる日々。
我慢の限界を迎えたシャルロットは、両親と国王を脅……説得して、自分たちの婚約を解消させた。
そしてパーティーにて、いつものように冷たい態度をとる婚約者にこう言い放つ。
「私と殿下の婚約は解消されました。今までありがとうございました!」
そうして笑顔でパーティー会場を後にしたシャルロットだったが……次の日から何故か婚約を解消したはずのキースが家に押しかけてくるようになった。
「なんで今更元婚約者の私に会いに来るんですか!?」
「……好きだからだ」
「……はい?」
いろんな意味でたくましい公爵令嬢と、不器用すぎる王子との恋物語──。
※タグをよくご確認ください※

【短編完結】婚約破棄ですか?了承致いたしますが確認です婚約者様
鏑木 うりこ
恋愛
マリア・ライナス!お前との婚約を破棄して、私はこのリーリエ・カント男爵令嬢と婚約する事にする!
わたくしの婚約者であるサルトル様が声高に叫びました。
なるほど分かりましたが、状況を良く確認させていただきましょうか?
あとからやはりなかった、間違いだったなどと言われてはたまったものではございませんからね?
シーン書き2作目です(*'ω'*)楽しい。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる