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14 違和感
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お茶会から帰ってきたレイラは、3日も寝込んでしまい学園を休んでしまった。
あの日、少しの時間ではあったがいつもと違うセドリックに戸惑い、コラリーが言っていた事にも驚き、混乱しすぎて帰りの馬車の中からの記憶がないほどだった。
──あの後どうなったのかしら…
ベッドで上半身を起こし窓の外を見ながらふと気がつく。そっとベッドから降り部屋の扉を開け廊下を見ても誰もいなかった。
そのまま声がする1階に降りていくとバタバタと使用人たちが動いていて、荷物を運んでいたアイナがレイラに気づいた。
「お嬢様!申し訳ございません!すぐに参ります」
「いいのよ。何かみんな忙しそうね…」
「パーティーの準備とかそのほかもあって…申し訳ございません。歩いても大丈夫ですか?」
手をとめず同僚に荷物を預け前まで来てレイラの体調を気遣う。
「ありがとう。本当に大丈夫よ。それより私に何か連絡はなかった?」
「特に何も…」
「そう…」
──学園では特に変わりはないのかしら…何かあればお兄様から連絡あると思ったのだけど
少し考え込んでいたが顔をあげ手を止めていたアイナを仕事に戻らせた。
一人部屋に戻り、胸の奥に感じるほんの小さなひっかかりを気にしながら明日に向けて眠りについた。
朝まだ行きなたくないと拒否するかのように重い身体を起こし、支度をした。
学園に着き感じる違和感…
限定的な目撃者しかいなかったがあれだけの事があったはずなのに、何一つ変わることなくいつも通りの学園風景が広がっているからだ。
コラリーを見たわけではないが、退学や処分といった話も一切出ない。
「レイラ様もう体調はよろしいのですか?」
「はい。もう大丈夫です」
「お休みの間に食堂のメニューが変更になりましたの。カフェのメニューも増えたので一度行ってみませんか?」
「そうですね…」
笑って答えるも、まとわりつく違和感を取り除くことはできず恐怖すら感じながら教室から出て食堂まで歩いて行くと目線の先に信じられない光景が広がっていた。
メニューが変更になったためか、いつもより人の多い食堂の中、一際目立つ集団の中心にセドリックとコラリーが向かい合って座り、笑いながらお茶を飲んでいた。
ショック…?
驚き?
怒り?
呆れ?
戸惑い?
思いつく言葉では表すことの出来ない感情が渦巻き吐きそうになったレイラはその場から走って逃げた。
教室まで戻り息を整えようとしても動悸が激しく苦しかった。
心配で戻ってきたクラスメイトに支えられ医務室に行ったが教室に戻るまで回復せずそのまま屋敷まで帰ることになった。
クラスメイトが知らせたのか医務室にアルフが来て、馬車まで付き添ってくれた。
「レイラ大丈夫か?」
「お兄様…私…」
「今は身体を治すことに集中してゆっくり休みなさい」
「…はい」
「誕生パーティー楽しみにしている。早くいつもの笑顔を見せてくれ」
笑顔で見送る兄にこれ以上心配かけてはと手を振って別れたが、馬車が動き始めると椅子に背中を完全に預け目を閉じた。
1日寝込んではいたが比較的早く体調は元に戻っていた。
しかしレイラは学園に行くことが怖く、そのまま休み続けた。
その間セドリックからは何も連絡もなく、ただ時間だけが止まることなく進み、父親に期限と決められた誕生日パーティーは既に明日と迫っていた。
あの日、少しの時間ではあったがいつもと違うセドリックに戸惑い、コラリーが言っていた事にも驚き、混乱しすぎて帰りの馬車の中からの記憶がないほどだった。
──あの後どうなったのかしら…
ベッドで上半身を起こし窓の外を見ながらふと気がつく。そっとベッドから降り部屋の扉を開け廊下を見ても誰もいなかった。
そのまま声がする1階に降りていくとバタバタと使用人たちが動いていて、荷物を運んでいたアイナがレイラに気づいた。
「お嬢様!申し訳ございません!すぐに参ります」
「いいのよ。何かみんな忙しそうね…」
「パーティーの準備とかそのほかもあって…申し訳ございません。歩いても大丈夫ですか?」
手をとめず同僚に荷物を預け前まで来てレイラの体調を気遣う。
「ありがとう。本当に大丈夫よ。それより私に何か連絡はなかった?」
「特に何も…」
「そう…」
──学園では特に変わりはないのかしら…何かあればお兄様から連絡あると思ったのだけど
少し考え込んでいたが顔をあげ手を止めていたアイナを仕事に戻らせた。
一人部屋に戻り、胸の奥に感じるほんの小さなひっかかりを気にしながら明日に向けて眠りについた。
朝まだ行きなたくないと拒否するかのように重い身体を起こし、支度をした。
学園に着き感じる違和感…
限定的な目撃者しかいなかったがあれだけの事があったはずなのに、何一つ変わることなくいつも通りの学園風景が広がっているからだ。
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「レイラ様もう体調はよろしいのですか?」
「はい。もう大丈夫です」
「お休みの間に食堂のメニューが変更になりましたの。カフェのメニューも増えたので一度行ってみませんか?」
「そうですね…」
笑って答えるも、まとわりつく違和感を取り除くことはできず恐怖すら感じながら教室から出て食堂まで歩いて行くと目線の先に信じられない光景が広がっていた。
メニューが変更になったためか、いつもより人の多い食堂の中、一際目立つ集団の中心にセドリックとコラリーが向かい合って座り、笑いながらお茶を飲んでいた。
ショック…?
驚き?
怒り?
呆れ?
戸惑い?
思いつく言葉では表すことの出来ない感情が渦巻き吐きそうになったレイラはその場から走って逃げた。
教室まで戻り息を整えようとしても動悸が激しく苦しかった。
心配で戻ってきたクラスメイトに支えられ医務室に行ったが教室に戻るまで回復せずそのまま屋敷まで帰ることになった。
クラスメイトが知らせたのか医務室にアルフが来て、馬車まで付き添ってくれた。
「レイラ大丈夫か?」
「お兄様…私…」
「今は身体を治すことに集中してゆっくり休みなさい」
「…はい」
「誕生パーティー楽しみにしている。早くいつもの笑顔を見せてくれ」
笑顔で見送る兄にこれ以上心配かけてはと手を振って別れたが、馬車が動き始めると椅子に背中を完全に預け目を閉じた。
1日寝込んではいたが比較的早く体調は元に戻っていた。
しかしレイラは学園に行くことが怖く、そのまま休み続けた。
その間セドリックからは何も連絡もなく、ただ時間だけが止まることなく進み、父親に期限と決められた誕生日パーティーは既に明日と迫っていた。
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