4 / 50
4
しおりを挟む
エドガーとドナルドから用事を聞き、ジョンと一緒に出かける。
「ノラさんは喋り出すと止まらない…から」
「そんな感じね。昨日ちゃんと話せてなかったわね。これからよろしくね」
「ぼ…僕は…」
ボソボソとジョンは自分の事を少し教えてくれた。16歳でご主人様に拾われた孤児で庭の手入れや小間使いをしてるみたいだ。
ある程度頼まれたものは買えたが、あと少し自分の日用品を買いたかったのでジョンには先に帰ってもらう。
こんな店もあるのねと街中を頭に入れながら歩いていると、目の前の人がふらふらしながら足取りも少しおかしく今にも倒れそうだ。
きちんとした仕立ての良い服を着てるから貴族だと思うが連れの人はおらずどうしようかと思ったが…もう倒れそうなので声をかける。
「大丈夫ですか?どうされましたか?」
「ちょっと…暑くて」
「では…あちらに座りましょう」
店の並んだ一角に少し広場があり日陰にベンチがあった。そこにその人を座らせ近くの水場から水を持ってくる。
「どうぞ。一気にではなく少しづつ飲んでください。もし出来れば襟元緩めて…大丈夫ですか?」
渡された水を飲み、襟元のタイも外す。
「失礼しますね」
「なにを…!!」
クレアは持ってたハンカチを水で濡らし首元に当てる。適当な物がなかったので手で仰ぎ少しでも風を送る。
「ふー」
少しマシになったのか、男は身体を動かす。クレアは再度水とハンカチを濡らし
「もう大丈夫ですか?もう少しお水飲んでふらつきが無くなれば歩けると思いますが…お付の方はいらっしゃいませんか」
「すまない。助かった…馬車が待ってるはずで…」
クレアはチラっとカフスの紋章を確認してお待ちくださいとその場を離れた。しばらくしてその男の馬車が近くまできて従者が走ってくる。
「大丈夫ですか?お1人にして申し訳ございません!!」
「先程の人は…?」
「我々を呼びに来られてそのまま去って行かれました。お止めしたんですが…」
従者に支えられながらその男は馬車に乗った。
◇◆◇
「遅くなってすみません。すぐお昼用意しますね」
屋敷に戻ってからすぐに調理場で準備する。ドナルドが後ろから見てるが口を出すことはない。昼はノラも一緒のようで、机の周りは一気に騒がしくなる。
「公爵夫人からの紹介って…あんたの母親は…ああ公爵家のメイドだったんだね~で、父親働かずで弟置いて出稼ぎね~そりゃ大変だ」
間違ってる事も正しい事も勝手に納得して話を進めるので、訂正するのも面倒でそのままにしておく。
「そこまで大変じゃないですよ」
「いやいや中々出来ないよ。それでね…」
「ノラさん…クレアさん、困ってる…」
「食べたら仕事だ!!ほれ行った」
「全くなんだい。ちょっとくらい休憩してもいいだろうに…クレア昼からの掃除手伝ってもらえるかい?」
「はい。大丈夫ですよ」
「いやいや夕飯の仕込みもあるぞ」
それもやりますよと言いながら食器を片付ける。ジョンが運ぶのを手伝ってくれたので、ありがとうと言うと照れて出ていった。
野菜を切り、メインのお肉に下味つけて、煮込みを仕掛けあとはドナルドに任せてノラの元に行く。ホールの掃除をしてたノラは後階段をすれば今日は終わりと言ってよく言えば効率よく、悪く言えばかなり手を抜いて掃除していた。まあ毎日この屋敷の掃除を1人でするのは無理がある。
ではと客室のある2階を掃除し始める。全ての部屋の窓をあけ風を通し上からホコリをはたいて落とす。
──拭き掃除は明日かな
見事な流れるような作業で掃き掃除をものすごい速さで終わらせる。普段使ってないわよね…ベッドもほぼ綺麗なままだしね。ご主人様のお連れ様とか来ないのかしら。
「いやクレア。あなた掃除得意なのね~綺麗になってるわ!私がやると角にゴミ残ってるって文句言われるのよ~すごいわ~」
ノアがものすごく褒めてくれた。家でやってたことが役にたつのは嬉しい。
調理場戻りますと階段を降りかけた時、エドガーが玄関から入ってきた。
「ちょうどいい。クレアさん」
「はい。なんでしょうか」
そのまま2人で調理場まで行き、ドナルドを交えて話を聞く。
「今日ご主人様が騎士団員を連れて帰宅することになりそうです」
「何人くらいですか?」
「10人は超えないと…」
「おいおい、さすがに今からじゃ無理だろ」
帰ってくる時に飲み物などは発注して持ってきてもらうよう手配はしたみたいだが、問題は料理だ。
「適当でいいんです。どうせ味より量ですから」
苦笑しながらクレアは考える。
「…とりあえず明日の材料も使って量を増やせば何とかなります?」
「おいおいクレア」
「ノラさんまだいらっしゃいますよね!手伝ってもらいましょう。さて時間ももったいないからはじめましょう!」
コースのように準備は出来ないが、立食にしてしまえば給仕の人数いなくてもなんとかなる!大皿料理はクレアは得意である。
──とりあえず量よね!!
日も傾いた頃、玄関でガヤガヤと声がする。
「副団長我々は納得してません!!」
「そこで騒ぐな。中に入ってからにしろ」
「はっ!!」
控えていたエドガーが帰ってきた主人と騎士団員を食堂へと案内する。ジョンが頑張って立食しやすい配置に替えてある。もちろん座りやすいように椅子も配置済で、入ってきた騎士はそれぞれ椅子に座る。
「副団長!あの討伐は元は我が第二騎士団に任命されるはずではなかったのですか!!」
「そうだ!なぜ今さら第一の奴らに…」
「第一の団長が…」
各々一斉に喋っている騎士の間を邪魔することなくクレアが食前酒を配っていく
「どうぞ」
「ありがとうございます。新しい使用人の方ですか?」
騎士の中でも1番若く見えるジン・クーパーはグラスを受け取る。
「はい。クレアと申します。何かあればお呼びください」
まだまだ不満が爆発してる騎士たちだったが
「既に決まった事だ。我々は今やるべきことを!とりあえず疲れを取ろう」
レオンがグラスを持ち上げ飲みきったのが合図だったようで騎士たちはおおーと盛り上がる。
「ノラさんは喋り出すと止まらない…から」
「そんな感じね。昨日ちゃんと話せてなかったわね。これからよろしくね」
「ぼ…僕は…」
ボソボソとジョンは自分の事を少し教えてくれた。16歳でご主人様に拾われた孤児で庭の手入れや小間使いをしてるみたいだ。
ある程度頼まれたものは買えたが、あと少し自分の日用品を買いたかったのでジョンには先に帰ってもらう。
こんな店もあるのねと街中を頭に入れながら歩いていると、目の前の人がふらふらしながら足取りも少しおかしく今にも倒れそうだ。
きちんとした仕立ての良い服を着てるから貴族だと思うが連れの人はおらずどうしようかと思ったが…もう倒れそうなので声をかける。
「大丈夫ですか?どうされましたか?」
「ちょっと…暑くて」
「では…あちらに座りましょう」
店の並んだ一角に少し広場があり日陰にベンチがあった。そこにその人を座らせ近くの水場から水を持ってくる。
「どうぞ。一気にではなく少しづつ飲んでください。もし出来れば襟元緩めて…大丈夫ですか?」
渡された水を飲み、襟元のタイも外す。
「失礼しますね」
「なにを…!!」
クレアは持ってたハンカチを水で濡らし首元に当てる。適当な物がなかったので手で仰ぎ少しでも風を送る。
「ふー」
少しマシになったのか、男は身体を動かす。クレアは再度水とハンカチを濡らし
「もう大丈夫ですか?もう少しお水飲んでふらつきが無くなれば歩けると思いますが…お付の方はいらっしゃいませんか」
「すまない。助かった…馬車が待ってるはずで…」
クレアはチラっとカフスの紋章を確認してお待ちくださいとその場を離れた。しばらくしてその男の馬車が近くまできて従者が走ってくる。
「大丈夫ですか?お1人にして申し訳ございません!!」
「先程の人は…?」
「我々を呼びに来られてそのまま去って行かれました。お止めしたんですが…」
従者に支えられながらその男は馬車に乗った。
◇◆◇
「遅くなってすみません。すぐお昼用意しますね」
屋敷に戻ってからすぐに調理場で準備する。ドナルドが後ろから見てるが口を出すことはない。昼はノラも一緒のようで、机の周りは一気に騒がしくなる。
「公爵夫人からの紹介って…あんたの母親は…ああ公爵家のメイドだったんだね~で、父親働かずで弟置いて出稼ぎね~そりゃ大変だ」
間違ってる事も正しい事も勝手に納得して話を進めるので、訂正するのも面倒でそのままにしておく。
「そこまで大変じゃないですよ」
「いやいや中々出来ないよ。それでね…」
「ノラさん…クレアさん、困ってる…」
「食べたら仕事だ!!ほれ行った」
「全くなんだい。ちょっとくらい休憩してもいいだろうに…クレア昼からの掃除手伝ってもらえるかい?」
「はい。大丈夫ですよ」
「いやいや夕飯の仕込みもあるぞ」
それもやりますよと言いながら食器を片付ける。ジョンが運ぶのを手伝ってくれたので、ありがとうと言うと照れて出ていった。
野菜を切り、メインのお肉に下味つけて、煮込みを仕掛けあとはドナルドに任せてノラの元に行く。ホールの掃除をしてたノラは後階段をすれば今日は終わりと言ってよく言えば効率よく、悪く言えばかなり手を抜いて掃除していた。まあ毎日この屋敷の掃除を1人でするのは無理がある。
ではと客室のある2階を掃除し始める。全ての部屋の窓をあけ風を通し上からホコリをはたいて落とす。
──拭き掃除は明日かな
見事な流れるような作業で掃き掃除をものすごい速さで終わらせる。普段使ってないわよね…ベッドもほぼ綺麗なままだしね。ご主人様のお連れ様とか来ないのかしら。
「いやクレア。あなた掃除得意なのね~綺麗になってるわ!私がやると角にゴミ残ってるって文句言われるのよ~すごいわ~」
ノアがものすごく褒めてくれた。家でやってたことが役にたつのは嬉しい。
調理場戻りますと階段を降りかけた時、エドガーが玄関から入ってきた。
「ちょうどいい。クレアさん」
「はい。なんでしょうか」
そのまま2人で調理場まで行き、ドナルドを交えて話を聞く。
「今日ご主人様が騎士団員を連れて帰宅することになりそうです」
「何人くらいですか?」
「10人は超えないと…」
「おいおい、さすがに今からじゃ無理だろ」
帰ってくる時に飲み物などは発注して持ってきてもらうよう手配はしたみたいだが、問題は料理だ。
「適当でいいんです。どうせ味より量ですから」
苦笑しながらクレアは考える。
「…とりあえず明日の材料も使って量を増やせば何とかなります?」
「おいおいクレア」
「ノラさんまだいらっしゃいますよね!手伝ってもらいましょう。さて時間ももったいないからはじめましょう!」
コースのように準備は出来ないが、立食にしてしまえば給仕の人数いなくてもなんとかなる!大皿料理はクレアは得意である。
──とりあえず量よね!!
日も傾いた頃、玄関でガヤガヤと声がする。
「副団長我々は納得してません!!」
「そこで騒ぐな。中に入ってからにしろ」
「はっ!!」
控えていたエドガーが帰ってきた主人と騎士団員を食堂へと案内する。ジョンが頑張って立食しやすい配置に替えてある。もちろん座りやすいように椅子も配置済で、入ってきた騎士はそれぞれ椅子に座る。
「副団長!あの討伐は元は我が第二騎士団に任命されるはずではなかったのですか!!」
「そうだ!なぜ今さら第一の奴らに…」
「第一の団長が…」
各々一斉に喋っている騎士の間を邪魔することなくクレアが食前酒を配っていく
「どうぞ」
「ありがとうございます。新しい使用人の方ですか?」
騎士の中でも1番若く見えるジン・クーパーはグラスを受け取る。
「はい。クレアと申します。何かあればお呼びください」
まだまだ不満が爆発してる騎士たちだったが
「既に決まった事だ。我々は今やるべきことを!とりあえず疲れを取ろう」
レオンがグラスを持ち上げ飲みきったのが合図だったようで騎士たちはおおーと盛り上がる。
0
お気に入りに追加
253
あなたにおすすめの小説
婚姻初日、「好きになることはない」と宣言された公爵家の姫は、英雄騎士の夫を翻弄する~夫は家庭内で私を見つめていますが~
扇 レンナ
恋愛
公爵令嬢のローゼリーンは1年前の戦にて、英雄となった騎士バーグフリートの元に嫁ぐこととなる。それは、彼が褒賞としてローゼリーンを望んだからだ。
公爵令嬢である以上に国王の姪っ子という立場を持つローゼリーンは、母譲りの美貌から『宝石姫』と呼ばれている。
はっきりと言って、全く釣り合わない結婚だ。それでも、王家の血を引く者として、ローゼリーンはバーグフリートの元に嫁ぐことに。
しかし、婚姻初日。晩餐の際に彼が告げたのは、予想もしていない言葉だった。
拗らせストーカータイプの英雄騎士(26)×『宝石姫』と名高い公爵令嬢(21)のすれ違いラブコメ。
▼掲載先→アルファポリス、小説家になろう、エブリスタ
あなたが選んだのは私ではありませんでした 裏切られた私、ひっそり姿を消します
矢野りと
恋愛
旧題:贖罪〜あなたが選んだのは私ではありませんでした〜
言葉にして結婚を約束していたわけではないけれど、そうなると思っていた。
お互いに気持ちは同じだと信じていたから。
それなのに恋人は別れの言葉を私に告げてくる。
『すまない、別れて欲しい。これからは俺がサーシャを守っていこうと思っているんだ…』
サーシャとは、彼の亡くなった同僚騎士の婚約者だった人。
愛している人から捨てられる形となった私は、誰にも告げずに彼らの前から姿を消すことを選んだ。
一宿一飯の恩義で竜伯爵様に抱かれたら、なぜか監禁されちゃいました!
当麻月菜
恋愛
宮坂 朱音(みやさか あかね)は、電車に跳ねられる寸前に異世界転移した。そして異世界人を保護する役目を担う竜伯爵の元でお世話になることになった。
しかしある日の晩、竜伯爵当主であり、朱音の保護者であり、ひそかに恋心を抱いているデュアロスが瀕死の状態で屋敷に戻ってきた。
彼は強い媚薬を盛られて苦しんでいたのだ。
このまま一晩ナニをしなければ、死んでしまうと知って、朱音は一宿一飯の恩義と、淡い恋心からデュアロスにその身を捧げた。
しかしそこから、なぜだかわからないけれど監禁生活が始まってしまい……。
好きだからこそ身を捧げた異世界女性と、強い覚悟を持って異世界女性を抱いた男が異世界婚をするまでの、しょーもないアレコレですれ違う二人の恋のおはなし。
※いつもコメントありがとうございます!現在、返信が遅れて申し訳ありません(o*。_。)oペコッ 甘口も辛口もどれもありがたく読ませていただいてます(*´ω`*)
※他のサイトにも重複投稿しています。
【完結】名ばかりの妻を押しつけられた公女は、人生のやり直しを求めます。2度目は絶対に飼殺し妃ルートの回避に全力をつくします。
yukiwa (旧PN 雪花)
恋愛
*タイトル変更しました。(旧題 黄金竜の花嫁~飼殺し妃は遡る~)
パウラ・ヘルムダールは、竜の血を継ぐ名門大公家の跡継ぎ公女。
この世を支配する黄金竜オーディに望まれて側室にされるが、その実態は正室の仕事を丸投げされてこなすだけの、名のみの妻だった。
しかもその名のみの妻、側室なのに選抜試験などと御大層なものがあって。生真面目パウラは手を抜くことを知らず、ついつい頑張ってなりたくもなかった側室に見事当選。
もう一人の側室候補エリーヌは、イケメン試験官と恋をしてさっさと選抜試験から引き揚げていた。
「やられた!」と後悔しても、後の祭り。仕方ないからパウラは丸投げされた仕事をこなし、こなして一生を終える。そしてご褒美にやり直しの転生を願った。
「二度と絶対、飼殺しの妃はごめんです」
そうして始まった2度目の人生、なんだか周りが騒がしい。
竜の血を継ぐ4人の青年(後に試験官になる)たちは、なぜだかみんなパウラに甘い。
後半、シリアス風味のハピエン。
3章からルート分岐します。
小説家になろう、カクヨムにも掲載しています。
表紙画像はwaifulabsで作成していただきました。
https://waifulabs.com/
婚約破棄された公爵令嬢のお嬢様がいい人すぎて悪女になれないようなので異世界から来た私が代わりにざまぁしていいですか?
すだもみぢ
ファンタジー
気が付いたら目の前で唐突に起きていた誰かの婚約破棄シーン。
私は誰!?ここはどこ!?
どうやら現世で塾講師だった私は異世界に飛ばされて、リリアンヌというメイドの娘の体にのり移ったらしい。
婚約破棄をされていたのは、リリアンヌの乳姉妹のメリュジーヌお嬢様。先妻の娘のお嬢様はこの家では冷遇されているようで。
お嬢様の幼い頃からの婚約者はそんなお嬢様を見捨てて可愛がられている義理の姉の方に乗り換えた模様。
私のすべきことは、この家を破滅に導き、お嬢様の婚約者に復讐し、お嬢様を幸せにすることですね?
※成り上がりストーリーですが、恋愛要素多めです。ざまぁは最後の方です。
※主人公はあまり性格よくありません。
【連載版】ヒロインは元皇后様!?〜あら?生まれ変わりましたわ?〜
naturalsoft
恋愛
その日、国民から愛された皇后様が病気で60歳の年で亡くなった。すでに現役を若き皇王と皇后に譲りながらも、国内の貴族のバランスを取りながら暮らしていた皇后が亡くなった事で、王国は荒れると予想された。
しかし、誰も予想していなかった事があった。
「あら?わたくし生まれ変わりましたわ?」
すぐに辺境の男爵令嬢として生まれ変わっていました。
「まぁ、今世はのんびり過ごしましょうか〜」
──と、思っていた時期がありましたわ。
orz
これは何かとヤラカシて有名になっていく転生お皇后様のお話しです。
おばあちゃんの知恵袋で乗り切りますわ!
婚約破棄された検品令嬢ですが、冷酷辺境伯の子を身籠りました。 でも本当はお優しい方で毎日幸せです
青空あかな
恋愛
旧題:「荷物検査など誰でもできる」と婚約破棄された検品令嬢ですが、極悪非道な辺境伯の子を身籠りました。でも本当はお優しい方で毎日心が癒されています
チェック男爵家長女のキュリティは、貴重な闇魔法の解呪師として王宮で荷物検査の仕事をしていた。
しかし、ある日突然婚約破棄されてしまう。
婚約者である伯爵家嫡男から、キュリティの義妹が好きになったと言われたのだ。
さらには、婚約者の権力によって検査係の仕事まで義妹に奪われる。
失意の中、キュリティは辺境へ向かうと、極悪非道と噂される辺境伯が魔法実験を行っていた。
目立たず通り過ぎようとしたが、魔法事故が起きて辺境伯の子を身ごもってしまう。
二人は形式上の夫婦となるが、辺境伯は存外優しい人でキュリティは温かい日々に心を癒されていく。
一方、義妹は仕事でミスばかり。
闇魔法を解呪することはおろか見破ることさえできない。
挙句の果てには、闇魔法に呪われた荷物を王宮内に入れてしまう――。
※おかげさまでHOTランキング1位になりました! ありがとうございます!
※ノベマ!様で短編版を掲載中でございます。
婚約者の王子に殺された~時を巻き戻した双子の兄妹は死亡ルートを回避したい!~
椿蛍
恋愛
大国バルレリアの王位継承争いに巻き込まれ、私とお兄様は殺された――
私を殺したのは婚約者の王子。
死んだと思っていたけれど。
『自分の命をあげますから、どうか二人を生き返らせてください』
誰かが願った声を私は暗闇の中で聞いた。
時間が巻き戻り、私とお兄様は前回の人生の記憶を持ったまま子供の頃からやり直すことに。
今度は死んでたまるものですか!
絶対に生き延びようと誓う私たち。
双子の兄妹。
兄ヴィルフレードと妹の私レティツィア。
運命を変えるべく選んだ私たちは前回とは違う自分になることを決めた。
お兄様が選んだ方法は女装!?
それって、私達『兄妹』じゃなくて『姉妹』になるってことですか?
完璧なお兄様の女装だけど、運命は変わるの?
それに成長したら、バレてしまう。
どんなに美人でも、中身は男なんだから!!
でも、私達はなにがなんでも死亡ルートだけは回避したい!
※1日2回更新
※他サイトでも連載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる