花火

天野 帝釈

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幸せ

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それからおミツは、生まれてからここまで嬉しい時があったかと思うくらい幸せな日々を過ごした。

相楽もどこか遠い目をしていたが、今はおミツをその目にしつかりと映している。

相楽はもう鍛錬に出ることはせず、おミツと散歩に出る事を好んだ。

鍛錬を辞めてからと言うもの、以前よりも少し体調は良さそうに見えた。

おミツは散歩がてら村を案内したり、野草を見つけてはどう料理すると美味しいだの、
この時期は何処に咲く花が綺麗だのとお喋りが止まらなかった。

家の中にいる時は相楽が少しずつ字の書き方を教えてくれ、
おミツは少しだが文字がわかるようになった。

おミツが自分の名の漢字を知らないと言えば、相楽は満という素敵な漢字を紙に書き、
これからはこの字を使えとお満に改めて名を送ってくれた。

笑顔に満ち、人の心を満たすという意味でつけてくれたそうだ。


少し書き辛いが、嬉しくて、お満は何度もその字を練習した。
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