花火

天野 帝釈

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病気の若武者

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それからしばらくして、本当に一人の高そうな服を着た若武者が家臣に連れられてやって来た。

服装は立派なのにお話しに出てくる貴族のように白い肌をしておらず、
色黒で体もごつごつとして、前一緒の村にいたどの男衆よりもずっと背が高かった。

こんなにごつごつした体をしていると、どうにも金持ちとは程遠い不思議な感じがしたが、
顔をみれば成程良い家の出らしい気品ある顔立ちをしていた。

しかし、病のせいか色が黒いのにも関わらず、健康そうには見えない。

むしろ・・・そう土気色をしているのだ。若そうに見える侍が。



何だかおミツにはその武者がとても不憫に見えた。
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