16 / 27
美味しい話
しおりを挟む
大工仕事も少しずつ減ってきた頃、昔の仲間内の一人から、良い儲け話があるから一口乗らないかと誘われた。
買取先が決まっているお宝を盗む仕事だそうだ。今回は、良い金になりそうだが、
任されるのが囮役であるから、捕まれば打ち首ものだ。
懐も今は十二分に潤っているが、金はいつなくなるかわからない。
下手すりゃ婆ぁよりも先にくたばる事になる。
そしたらあの婆ぁの世話係はお役御免だ。
などとまた勝手なことを考えていると、焦れたらしい仲間が舌打ちをして、
「答えは、また聞く。日和やがって。」
とぶつくさ言いながら駆けて行った。
まぁ確かに一枚噛んで、この話が上手くいけば、少しは泥棒としての名も上がって、
質の良いお宝の買い取り手を客に付ける事が出来るかもしれねぇ。
美味しい話と言えばそうだと思う。
男はこれも良いかもしれんと思いながら、
どうにも煮え切らない気持ちで手土産を片手でぶぅらぶぅらと振り回し、老婆の家に帰っていった。
買取先が決まっているお宝を盗む仕事だそうだ。今回は、良い金になりそうだが、
任されるのが囮役であるから、捕まれば打ち首ものだ。
懐も今は十二分に潤っているが、金はいつなくなるかわからない。
下手すりゃ婆ぁよりも先にくたばる事になる。
そしたらあの婆ぁの世話係はお役御免だ。
などとまた勝手なことを考えていると、焦れたらしい仲間が舌打ちをして、
「答えは、また聞く。日和やがって。」
とぶつくさ言いながら駆けて行った。
まぁ確かに一枚噛んで、この話が上手くいけば、少しは泥棒としての名も上がって、
質の良いお宝の買い取り手を客に付ける事が出来るかもしれねぇ。
美味しい話と言えばそうだと思う。
男はこれも良いかもしれんと思いながら、
どうにも煮え切らない気持ちで手土産を片手でぶぅらぶぅらと振り回し、老婆の家に帰っていった。
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

なんども濡れ衣で責められるので、いい加減諦めて崖から身を投げてみた
下菊みこと
恋愛
悪役令嬢の最後の抵抗は吉と出るか凶と出るか。
ご都合主義のハッピーエンドのSSです。
でも周りは全くハッピーじゃないです。
小説家になろう様でも投稿しています。
君は妾の子だから、次男がちょうどいい
月山 歩
恋愛
侯爵家のマリアは婚約中だが、彼は王都に住み、彼女は片田舎で遠いため会ったことはなかった。でもある時、マリアは妾の子であると知られる。そんな娘は大事な子息とは結婚させられないと、病気療養中の次男との婚約に一方的に変えさせられる。そして次の日には、迎えの馬車がやって来た。
【完結】忘れてください
仲 奈華 (nakanaka)
恋愛
愛していた。
貴方はそうでないと知りながら、私は貴方だけを愛していた。
夫の恋人に子供ができたと教えられても、私は貴方との未来を信じていたのに。
貴方から離婚届を渡されて、私の心は粉々に砕け散った。
もういいの。
私は貴方を解放する覚悟を決めた。
貴方が気づいていない小さな鼓動を守りながら、ここを離れます。
私の事は忘れてください。
※6月26日初回完結
7月12日2回目完結しました。
お読みいただきありがとうございます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる