恋なき人生いと楽し! 〜アセクシャルかつアロマンティックな私の思うこと〜

夢守紗月

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恋愛とは何ぞ?悩んだ学生時代

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 その後多少大人しくなったとはいえ、小学校に入っても、私は変わらず男子や女子と遊んだりバカやったりして過ごしていた。恋バナになったときは、何となく聞いてばかりの態度でその場をやり過ごしていた。だって語ることがないので。


 中学校に入ると、男女の違いが目立ち初め、男子と女子で完全にグループが分断された。私も勉強で忙しくなり、女子グループで話してばかりになった。

 公立だったため、体格の大きくなった男子が校内暴力や授業妨害等起こすのが怖くなったこともある。


 そして女子高に入学してから一気に男子と話す機会がなくなり、それとともに周囲から恋バナを聞く機会も減り、精神的に楽な期間を過ごすことになる。


 大学に入学してから。久しぶりに見た男子たちは皆な大人になり、きちんと授業をお座って聞く人種になっていた(当たり前のことだが、中学時代の記憶が強くて地味に感動した)。サークルやコースで男女関係なく友人もでき、充実した毎日を送っていた。


 自体が変わってきたのは、しばらくしてから。学内カップルが次々と誕生し、同棲し始めた話や、生々しい話、ドラマ脚本家も真っ青な修羅場の話などに、いきなり晒されるようになったのだ。


 この年齢になって、恋愛したことないってまずいのではないか、人間としてどこかおかしいのではないか。私は焦りだした。しかし時は無常にも過ぎる。


 しかも問題だったのは、彼氏が欲しい!ではなく、そもそも恋したことがないのだ。


 ときめきとはなんぞ。恋とは?愛とは?

 迷走した私はだんだん哲学的なことまで考えるようになった。


 それでも時は無常に過ぎる。

 私だけ5歳の頃のままで、他の人たちに置いて行かれているような気になった。

 ある友人にそのことを話したとき「他人に興味ないんじゃない?」と言われ、はっとした。

 興味がないわけではないが、誰か特定の一人に入れ込む気持ちがよくわからないのだ、とその時気がついた。

 おそらく恋愛感情には、ある程度独占欲や嫉妬心が伴うことがあると思うのだが(間違ってたらすみません)、そういうのを他人に感じたことがない。

 自分が好きな人は他の友人にも紹介して皆で仲良くしたいし、逆にそこで私を蔑ろにする人には興味がなくなる。

 私は友人たちは男女関係なく皆大切だし、それぞれに特別な思いもある。だから、特定の人間一人をパートナーとして選び、特別扱いすることに非常に違和感を覚えるのだ。

 そして別れたらいきなりそれが解消されることも。

 また性的感情が一切ないので、彼氏彼女と過ごしたい、触れたいというのも理解できない。

 そもそも男女関係なく手を繋いだり体を触られるのが苦手だ。

 挨拶とかハグの文化圏の時は極力相手に合わせるがそれでも嫌だ。

 女子高のとき、着替えている時に触ってくる女子がとても不快だった。

 そんな思いを抱えながらずっと過ごしてきた。それが実は私のセクシュアリティだったとわかり、私はこれでいいんだ、と肯定してもらえた気になり、とても安心した。



 願わくば、アセクシャルやアロマンティックに関してもっと認知度が上がり、同じように苦しんでいる人たちが減ればいいな、と思う。

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