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軟禁開始2
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階段を上り、リビングにつく。お兄さんがお料理する間、僕はそれを見る。ひたすら暇をするよりマシだ。
「うーん…1時間…おやつでも作ろうか。ゼリーでも作るかな…」
お兄さんは少し悩んだ後、型を軽く水で流した。その後で、ボウルで水や砂糖が混ぜられていく……
「………お兄さん…お兄さん……」
僕はぬいぐるみを抱っこしたままお兄さんの服の裾を引っ張る。
まだ15分くらいしか経っていないのに、不安になってくる。
「なに?大丈夫?」
「あ……ゼリー…きれいな色だなって…あはは…」
お兄さんを心配させたらだめだ。僕のために頑張ってくれてるのに。
お兄さんは出来上がった液体を型に入れ、冷蔵庫に入れた。
「30分か…悠佳くん、辛そうだね。だいじょ…あ、危ないよ、それ。」
逃げたときに持っていった包丁。置いてあったから手に取ったが、お兄さんに取られてしまった。
「んっ…は、はぁ、はぁ、」
「1回戻ろうね。大丈夫大丈夫。よしよし…」
地下室に戻ると、僕の体調も良くなる。お兄さんが言うには刷り込みというやつで、僕自身、地下室にいることがデフォルトだと思いこんでしまっているらしい。
鳥が初めて見た物を親と思って付いていくのと同じらしいが、僕は無意識だ。
僕がしばらく休むと、お兄さんが出来上がったゼリーを持ってきてくれた。
「くま型だよ。悠佳くんくまちゃん好きだから。」
「ありがとうお兄さん。いただきます…」
甘くてとろっとしている。美味しい。冷たくて食べやすいから、なんだかさっぱりして気分もいい。
「お兄さん、僕また頑張ってみるね。」
「…無理して笑わないで。悠佳くんはここにいたいんでしょう?頑張らなくていいんだよ。ちょっとでも、慣らせたらそれでいい。」
お兄さんが微笑む。そう、僕はここにいたい。ここにいたらお兄さんに独り占めされるし、お兄さんを独り占めできるから。
もし、もしも大きく成長できるんだったら、今度は僕がお兄さんを監禁してあげたかったのに。
「うーん…1時間…おやつでも作ろうか。ゼリーでも作るかな…」
お兄さんは少し悩んだ後、型を軽く水で流した。その後で、ボウルで水や砂糖が混ぜられていく……
「………お兄さん…お兄さん……」
僕はぬいぐるみを抱っこしたままお兄さんの服の裾を引っ張る。
まだ15分くらいしか経っていないのに、不安になってくる。
「なに?大丈夫?」
「あ……ゼリー…きれいな色だなって…あはは…」
お兄さんを心配させたらだめだ。僕のために頑張ってくれてるのに。
お兄さんは出来上がった液体を型に入れ、冷蔵庫に入れた。
「30分か…悠佳くん、辛そうだね。だいじょ…あ、危ないよ、それ。」
逃げたときに持っていった包丁。置いてあったから手に取ったが、お兄さんに取られてしまった。
「んっ…は、はぁ、はぁ、」
「1回戻ろうね。大丈夫大丈夫。よしよし…」
地下室に戻ると、僕の体調も良くなる。お兄さんが言うには刷り込みというやつで、僕自身、地下室にいることがデフォルトだと思いこんでしまっているらしい。
鳥が初めて見た物を親と思って付いていくのと同じらしいが、僕は無意識だ。
僕がしばらく休むと、お兄さんが出来上がったゼリーを持ってきてくれた。
「くま型だよ。悠佳くんくまちゃん好きだから。」
「ありがとうお兄さん。いただきます…」
甘くてとろっとしている。美味しい。冷たくて食べやすいから、なんだかさっぱりして気分もいい。
「お兄さん、僕また頑張ってみるね。」
「…無理して笑わないで。悠佳くんはここにいたいんでしょう?頑張らなくていいんだよ。ちょっとでも、慣らせたらそれでいい。」
お兄さんが微笑む。そう、僕はここにいたい。ここにいたらお兄さんに独り占めされるし、お兄さんを独り占めできるから。
もし、もしも大きく成長できるんだったら、今度は僕がお兄さんを監禁してあげたかったのに。
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