37 / 59
愛情1
しおりを挟む
お兄さんが好き。好き。好き。
考えれば考えるほど頭の中でぐるぐると感情が渦巻く。優しくて好き。かっこよくて好き。笑ってくれるから好き。
「ただいま悠佳くん。いい子にしてた?……ねぇ、息荒いよ、どうしたの?」
「おに…ぃっ、おにぃ…さんっ…、」
お兄さんの手が僕の頭を撫でる。大きくて少しゴツゴツしている大人の手。お兄さんから僕の髪はどんな感触なんだろう。
「急にどうしたの?…体温高いね。1回薬混ぜるのやめよっか。」
「ぼ、僕お兄さんがっ…!」
好き。言えない。まただ。好きだと言いたいはずなのに、頭の中で駄目だと何かが叫ぶ。
手のひらの上で転がされるな、お母さんはもういいのか。アイツに復讐しろ、と。
アイツが誰のことかはわからないけど、お兄さんのところにいたら復讐っていうのはできなさそうだ。
「………どうしたの?なんで…やめちゃったの…?」
拘束がゆっくり解かれていく。大人しくしていれば、痛くないしすぐに取ってくれる。
──お前は幸せにはなれないよ。
ズキン、と頭が痛くなる。誰の言葉だったかは忘れてしまったけど、僕は今幸せなんだ。
このまま幸せでいたい。それなら。
「お兄さん。」
「うん。」
「僕、お兄さんのことが好き。ずっと…僕といてください。」
拘束を解かれた僕の手で、お兄さんの手をぎゅっと握る。お兄さんは一瞬戸惑ったような笑いを浮かべ、その後うつむいた。
「ありがとう。俺も嬉しいよ。でもね、あくまでも俺がしたこと……名目上は誘拐なんだ。
だからさ…」
通報されたりしたらお兄さんは捕まる。僕の学校も、捜索届けを出しているかもしれない。
ここは僕の住んでたところから遠く離れた所だけど、捕まる可能性はゼロじゃない。
お兄さんはそう前置きした。
「俺と一緒に…生きてくれますか?」
僕のお母さんは、お兄さんに僕の色んなものを渡していた。僕が大切にしていたものや書類……お兄さんはその中から1枚、紙を取り出した。
これで苗字を変えれば、ずっと一緒だよ。
そう言われた。
「……………お兄さん…」
「……大丈夫。ゆっくり決めて。時間はたくさんありそうだからさ。」
お兄さんは少し残念そうにそう言った。
考えれば考えるほど頭の中でぐるぐると感情が渦巻く。優しくて好き。かっこよくて好き。笑ってくれるから好き。
「ただいま悠佳くん。いい子にしてた?……ねぇ、息荒いよ、どうしたの?」
「おに…ぃっ、おにぃ…さんっ…、」
お兄さんの手が僕の頭を撫でる。大きくて少しゴツゴツしている大人の手。お兄さんから僕の髪はどんな感触なんだろう。
「急にどうしたの?…体温高いね。1回薬混ぜるのやめよっか。」
「ぼ、僕お兄さんがっ…!」
好き。言えない。まただ。好きだと言いたいはずなのに、頭の中で駄目だと何かが叫ぶ。
手のひらの上で転がされるな、お母さんはもういいのか。アイツに復讐しろ、と。
アイツが誰のことかはわからないけど、お兄さんのところにいたら復讐っていうのはできなさそうだ。
「………どうしたの?なんで…やめちゃったの…?」
拘束がゆっくり解かれていく。大人しくしていれば、痛くないしすぐに取ってくれる。
──お前は幸せにはなれないよ。
ズキン、と頭が痛くなる。誰の言葉だったかは忘れてしまったけど、僕は今幸せなんだ。
このまま幸せでいたい。それなら。
「お兄さん。」
「うん。」
「僕、お兄さんのことが好き。ずっと…僕といてください。」
拘束を解かれた僕の手で、お兄さんの手をぎゅっと握る。お兄さんは一瞬戸惑ったような笑いを浮かべ、その後うつむいた。
「ありがとう。俺も嬉しいよ。でもね、あくまでも俺がしたこと……名目上は誘拐なんだ。
だからさ…」
通報されたりしたらお兄さんは捕まる。僕の学校も、捜索届けを出しているかもしれない。
ここは僕の住んでたところから遠く離れた所だけど、捕まる可能性はゼロじゃない。
お兄さんはそう前置きした。
「俺と一緒に…生きてくれますか?」
僕のお母さんは、お兄さんに僕の色んなものを渡していた。僕が大切にしていたものや書類……お兄さんはその中から1枚、紙を取り出した。
これで苗字を変えれば、ずっと一緒だよ。
そう言われた。
「……………お兄さん…」
「……大丈夫。ゆっくり決めて。時間はたくさんありそうだからさ。」
お兄さんは少し残念そうにそう言った。
0
お気に入りに追加
272
あなたにおすすめの小説
身体検査
RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、
選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。
双葉病院小児病棟
moa
キャラ文芸
ここは双葉病院小児病棟。
病気と闘う子供たち、その病気を治すお医者さんたちの物語。
この双葉病院小児病棟には重い病気から身近な病気、たくさんの幅広い病気の子供たちが入院してきます。
すぐに治って退院していく子もいればそうでない子もいる。
メンタル面のケアも大事になってくる。
当病院は親の付き添いありでの入院は禁止とされています。
親がいると子供たちは甘えてしまうため、あえて離して治療するという方針。
【集中して治療をして早く治す】
それがこの病院のモットーです。
※この物語はフィクションです。
実際の病院、治療とは異なることもあると思いますが暖かい目で見ていただけると幸いです。
塾の先生を舐めてはいけません(性的な意味で)
ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
個別指導塾で講師のアルバイトを始めたが、妙にスキンシップ多めで懐いてくる生徒がいた。
そしてやがてその生徒の行為はエスカレートし、ついに一線を超えてくる――。
こども病院の日常
moa
キャラ文芸
ここの病院は、こども病院です。
18歳以下の子供が通う病院、
診療科はたくさんあります。
内科、外科、耳鼻科、歯科、皮膚科etc…
ただただ医者目線で色々な病気を治療していくだけの小説です。
恋愛要素などは一切ありません。
密着病院24時!的な感じです。
人物像などは表記していない為、読者様のご想像にお任せします。
※泣く表現、痛い表現など嫌いな方は読むのをお控えください。
歯科以外の医療知識はそこまで詳しくないのですみませんがご了承ください。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる