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庭と骨(完結)
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この日、僕は花を植えるための花壇を作っていた。スコップで庭の土を掘り、柔らかくしていく。
「ご主人様、これくらいですか?」
「そうだね。……あ。そこってもしかすると…」
カツンッ
ご主人様の話を聞きながら土を掘っていると、スコップの先端が何かにぶつかった。音的に硬いものだ。
なぜか少し焦るご主人様をよそに、僕は地面を掘り進めていく。
「…………あ。」
地面から出てきたのは…つい最近まで僕に優しくしてくれた…一部骨が出てしまっているが、僕なら分かる。これは…………
「誰…だっけ…」
僕に家事のやり方もご主人様のプレイの相手のやり方も調教してくれた人。唯一僕の為を思って色々動いてくれていた人。なのに。思い出せない。
「………ご主人様、やっぱり……」
「あー、藤?君を逃がそうとしたりいろんなこと吹き込むから…殺しちゃった。」
ああ思い出した。藤さんだ………
でも…今の僕にはもうどうでもいい事だ。それに、ここに花を植えたら藤さんを弔えるはず。
「ご主人様、お花、種ありますか?」
「うん。あるよ。」
ご主人様から種を受け取り、地面にぱらぱらとまいた。
「さようなら藤さん。僕に優しくしてくれてありがとうございました。」
水をかけ、花が綺麗に咲くように祈った。
一通りの作業が終わり、僕はふう、と息をつく。すると、後ろからご主人様に抱きしめられた。
「祐希くん、俺の実験に付き合ってくれてありがとう。こうしたら、みんな俺の事好きになってくれるんだね。祐希くん、これからは…」
「ご主人様。」
ぎゅっと、ご主人様を抱きしめた。ご主人様が言いたいことは言わなくたってわかる。きっと、僕は優しくしてもらえる。ご主人様の狂った愛情の中で。
「言わなくたって、僕はもうご主人様しか見ませんよ。」
ご主人様が僕を撫でる。ご主人様の後ろに見える空は、雲1つない快晴だった。
「…あ、祐希くん、種変なとこ落ちてる。」
ご主人様は一旦僕を離し、僕が落とした種を拾おうとかがんだ。ご主人様の後ろ姿は、僕が買われた日、ついて行ったかっこいいあの背中と同じで。
僕はずっとご主人様のことを好きでいたい、から。
「ずっとずっと、愛してます。ご主人様。僕もすぐ行きますからね。」
ご主人様と同じ笑みを浮かべて、僕は目の前の頭にスコップを振り下ろした。
「ご主人様、これくらいですか?」
「そうだね。……あ。そこってもしかすると…」
カツンッ
ご主人様の話を聞きながら土を掘っていると、スコップの先端が何かにぶつかった。音的に硬いものだ。
なぜか少し焦るご主人様をよそに、僕は地面を掘り進めていく。
「…………あ。」
地面から出てきたのは…つい最近まで僕に優しくしてくれた…一部骨が出てしまっているが、僕なら分かる。これは…………
「誰…だっけ…」
僕に家事のやり方もご主人様のプレイの相手のやり方も調教してくれた人。唯一僕の為を思って色々動いてくれていた人。なのに。思い出せない。
「………ご主人様、やっぱり……」
「あー、藤?君を逃がそうとしたりいろんなこと吹き込むから…殺しちゃった。」
ああ思い出した。藤さんだ………
でも…今の僕にはもうどうでもいい事だ。それに、ここに花を植えたら藤さんを弔えるはず。
「ご主人様、お花、種ありますか?」
「うん。あるよ。」
ご主人様から種を受け取り、地面にぱらぱらとまいた。
「さようなら藤さん。僕に優しくしてくれてありがとうございました。」
水をかけ、花が綺麗に咲くように祈った。
一通りの作業が終わり、僕はふう、と息をつく。すると、後ろからご主人様に抱きしめられた。
「祐希くん、俺の実験に付き合ってくれてありがとう。こうしたら、みんな俺の事好きになってくれるんだね。祐希くん、これからは…」
「ご主人様。」
ぎゅっと、ご主人様を抱きしめた。ご主人様が言いたいことは言わなくたってわかる。きっと、僕は優しくしてもらえる。ご主人様の狂った愛情の中で。
「言わなくたって、僕はもうご主人様しか見ませんよ。」
ご主人様が僕を撫でる。ご主人様の後ろに見える空は、雲1つない快晴だった。
「…あ、祐希くん、種変なとこ落ちてる。」
ご主人様は一旦僕を離し、僕が落とした種を拾おうとかがんだ。ご主人様の後ろ姿は、僕が買われた日、ついて行ったかっこいいあの背中と同じで。
僕はずっとご主人様のことを好きでいたい、から。
「ずっとずっと、愛してます。ご主人様。僕もすぐ行きますからね。」
ご主人様と同じ笑みを浮かべて、僕は目の前の頭にスコップを振り下ろした。
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