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僕は早瀬さんが好き。早瀬さんは僕が好き。
なのになんでこんな生活なんだろう?僕はずっと怯えて、安心したと思ったらまた殴られる。
ご飯はもらえるから…きっといいほうなんだ。これは虐待なんかじゃない。だって早瀬さんは僕のことが好きだから。
「あのさ…唯、なんかさ、叔父さん?のとこ住んでからお前…おかしいよ…怪我だらけだし…体育の着替えのときだって、痣だらけだったじゃん…!」
「そんなことないよ。あれは…その…階段から落ちたんだもん。それにこの怪我とかは…えっと…そう、!トラックにぶつかって…!」
「ごまかすの下手すぎだろ!!」
学校でも先生や友達に心配される。このままじゃまずい。よく知らないけど、虐待を疑われたら僕はもう早瀬さんのところにいられなくなる。
変な施設に入れられるって、ニュースでみたことがある。痛くても苦しくても早瀬さんがいなくちゃ寂しい。寂しいのは嫌だ。
「とっ…とにかく…!これは…その、はゃ…っ…叔父さんは悪くないから…!」
「そうかぁ…?唯のこと信じるけど…なんかやばかったら相談しろよなー」
「う、うん!ありがとうね…!」
良かった。なんとかごまかせた。このままじゃだめだ。確実に、いつか周りの大人にバレてしまう。僕がなんとかしなきゃ。
だって早瀬さんは何も悪くないから。
✱✱✱✱✱✱
「……お前…学習能力前の家に置いてきたのか?」
「はや…せ…さん…ぇへへ…」
僕はいつも通り家の前で待つ。でもやっぱり寒くて凍りそうになる。
早瀬さんは眉をひそめ、不機嫌そうだった。僕は愛想笑いなんかしたせいで引っぱたかれた。
「ぼ、僕言いたいことあってっ…!ごめんなさい…!あのっ、!」
「はぁ……で、なに?」
早瀬さんが打つのを止めてくれたから、僕は痛がりながらも話した。学校で虐待を疑われかけたこと。このままじゃいつか通報されるかもしれないということ。
「そ…そしたら僕…ここにいられなくなっちゃう…」
「へーぇ。いなくなれば?」
ズキン、と心が痛くなる。思わず胸を押さえた。
ここじゃないところに行けば、もう殴られたりしない。でも……早瀬さんと会えない。
「あ?なんだよ。」
「早瀬さん…あの…ぼ…僕ここがいいです…いさせて…ください…」
思わず早瀬さんに抱きついた。早瀬さんは何も返さず、ただ僕をじっと見つめていた。
なのになんでこんな生活なんだろう?僕はずっと怯えて、安心したと思ったらまた殴られる。
ご飯はもらえるから…きっといいほうなんだ。これは虐待なんかじゃない。だって早瀬さんは僕のことが好きだから。
「あのさ…唯、なんかさ、叔父さん?のとこ住んでからお前…おかしいよ…怪我だらけだし…体育の着替えのときだって、痣だらけだったじゃん…!」
「そんなことないよ。あれは…その…階段から落ちたんだもん。それにこの怪我とかは…えっと…そう、!トラックにぶつかって…!」
「ごまかすの下手すぎだろ!!」
学校でも先生や友達に心配される。このままじゃまずい。よく知らないけど、虐待を疑われたら僕はもう早瀬さんのところにいられなくなる。
変な施設に入れられるって、ニュースでみたことがある。痛くても苦しくても早瀬さんがいなくちゃ寂しい。寂しいのは嫌だ。
「とっ…とにかく…!これは…その、はゃ…っ…叔父さんは悪くないから…!」
「そうかぁ…?唯のこと信じるけど…なんかやばかったら相談しろよなー」
「う、うん!ありがとうね…!」
良かった。なんとかごまかせた。このままじゃだめだ。確実に、いつか周りの大人にバレてしまう。僕がなんとかしなきゃ。
だって早瀬さんは何も悪くないから。
✱✱✱✱✱✱
「……お前…学習能力前の家に置いてきたのか?」
「はや…せ…さん…ぇへへ…」
僕はいつも通り家の前で待つ。でもやっぱり寒くて凍りそうになる。
早瀬さんは眉をひそめ、不機嫌そうだった。僕は愛想笑いなんかしたせいで引っぱたかれた。
「ぼ、僕言いたいことあってっ…!ごめんなさい…!あのっ、!」
「はぁ……で、なに?」
早瀬さんが打つのを止めてくれたから、僕は痛がりながらも話した。学校で虐待を疑われかけたこと。このままじゃいつか通報されるかもしれないということ。
「そ…そしたら僕…ここにいられなくなっちゃう…」
「へーぇ。いなくなれば?」
ズキン、と心が痛くなる。思わず胸を押さえた。
ここじゃないところに行けば、もう殴られたりしない。でも……早瀬さんと会えない。
「あ?なんだよ。」
「早瀬さん…あの…ぼ…僕ここがいいです…いさせて…ください…」
思わず早瀬さんに抱きついた。早瀬さんは何も返さず、ただ僕をじっと見つめていた。
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