幸せ隔離室。

まぐろ

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休日だ。早瀬さんと2人っきり。

「おい、宿題は?」

「終わってます…」

「腹は?」

「減ってません…」

早瀬さんが舌打ちする。僕はそのたびに怯える。何がしたいのか分からないけど、僕にたくさん質問してくる。
きっと正しく答えないと殴られるんだ。

「腹減ってないの?昼飯の時間なのに?」

「……………」

その時、ぐぅ…と僕のお腹が鳴った。慌ててお腹を押さえると早瀬さんはニヤリと笑った。お腹が空いてると正直に答えたら…何をされるかわからなかったから我慢したのに。

「言っただろ?ガリガリは嫌だって。なぁ…!」

「あぐっ…ぅ……ごめんなさい…ごめんなさい…!」

髪の毛を掴まれて、揺さぶられてぱっと離される。僕はそのまま転んだ。壁に背中をぶつけて痛い。もう痣だらけだ。

「ほら食えよ。ほら…!!!」

「ん゛ー!!」

昨日の晩御飯の残りを出され、口に無理やり入れられる。僕が咳き込んでも早瀬さんは止めてくれなかった。

「あーもう、ちゃんと素直に言えよな。次またやったらこうなるから。わかった??」

「ごほっ、ごほっ…!は、はい…」

いい子にならなきゃ。今までがきっと甘すぎたんだ。これが普通。頑張らなきゃいけないんだ。
僕はご飯を食べながら考えた。どうすれば早瀬さんは僕を殴らないんだろう。

「ごちそうさま…でした…」

「ん。ああそうだ。唯、これ着ろ。」

早瀬さんが出してきたものは、女の子用の服だった。1言で言うとかわいい、という言葉が当てはまる。
僕が素直に着ると、早瀬さんは喜んだ。

「お前痣だらけだからさぁー、ふわふわな服着れば隠せるだろ?女の子みたいだし。スカートならそのまま種付けできるぞ。よかったな?」

「はい…うれしい…です」

「かわいいやつめー!」

嬉しいのは本当だった。なんでも、貰ったら嬉しい。服は僕にサイズがちょっと大きくて長く着られそうだ。

「………ほんとに嬉しそうだな?」

「こんな可愛いの着たの初めてで…!ふわふわで楽しいです!」

くるんと回ったり、ぴょんぴょん跳ねる。が、はっとして振り返る。変に喜んだら早瀬さんに叩かれる…そう思ったけど、早瀬さんはニコニコしたままだ。

「…早瀬さん、お洋服ありがとうございます!」

「ああ。そうだよ唯。いい子にしていれば殴らないから。ご褒美だ、今日はゆっくり犯してやるよ。」

良かった。やっぱりいい子にしていればいいんだ。僕はそのまま、夜までゆっくり過ごした。

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