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「ああ……はぁ…」
家の前でうずくまる。学校では痣が増えたせいでやっぱり怪しまれたし、色んなところが痛くて友達とも遊べない。
早瀬さんは仕事だからいつ帰ってくるかわからない。。鍵もないし、僕は外で待つしかない。
「ふー……」
僕が息を吐くと、息は白く染まった。寒い。
わりと薄着で、学校では暖房とストーブのおかげで暖かかったけど、今はとても寒い。
「寒い…寒いよ…さむ…寒い…」
カタカタと震えながら僕は身を縮こまらせる。玄関の前で座っていて、お尻も痛い。
「あぅぅ……早瀬さん……」
なんだか眠たい。僕は力なくその場に横たわり、目を閉じた。身体が冷えていく。それも眠くてもうどうでもいい。
ランドセルを背負ったまま、僕はそこで息絶え──ることはなく。
「おい、おーきーろー。」
バチンッ!バチンッ!バシャッ…
「……ゔっ…」
身体が一瞬温まって、また冷える。目を開けると、早瀬さんがお茶のペットボトルを持って笑っていた。
「鍵ねぇから入れなかったんだろ。そこのコンビニ行くとか頭回らなかったわけ?馬鹿?」
身体が痛い。さっきの音は僕が叩かれた音だったらしい。早瀬さんが帰ってくるのを待っていたのに急に罵られて悲しくなった。
「うっ…ひぐっ…だってぇっ…ぅぁぁぁんっ…」
「泣くな」
肩を強く押され、バランスを崩して転んだ。それでも僕は悲しくて泣いた。早瀬さんはは玄関のドアを開けると、僕を小脇に抱えて家に入った。
4年生の頭じゃコンビニに行くなんて発想は出ない。
「よっ…と」
「あっ…!!」
お風呂場に投げられた。当然転がって背中を打つ。早瀬さんはササッと僕の寝間着も持ってきて脱衣所に投げた。
「寒かったんだろ。温まっとけ。」
「うぅ……あ…ありがとうございます…」
涙を拭きながら服を脱ぐ。早瀬さんが僕を先にお風呂に入れるなんて…
こんな生活になってから、早瀬さんの少しの優しさがものすごく大きなものに見えてくる。
「…いたっ…」
身体を洗うと、痣が痛い。僕はなるべく早くお風呂を出て、いつも座っている部屋の隅っこに戻った。
家の前でうずくまる。学校では痣が増えたせいでやっぱり怪しまれたし、色んなところが痛くて友達とも遊べない。
早瀬さんは仕事だからいつ帰ってくるかわからない。。鍵もないし、僕は外で待つしかない。
「ふー……」
僕が息を吐くと、息は白く染まった。寒い。
わりと薄着で、学校では暖房とストーブのおかげで暖かかったけど、今はとても寒い。
「寒い…寒いよ…さむ…寒い…」
カタカタと震えながら僕は身を縮こまらせる。玄関の前で座っていて、お尻も痛い。
「あぅぅ……早瀬さん……」
なんだか眠たい。僕は力なくその場に横たわり、目を閉じた。身体が冷えていく。それも眠くてもうどうでもいい。
ランドセルを背負ったまま、僕はそこで息絶え──ることはなく。
「おい、おーきーろー。」
バチンッ!バチンッ!バシャッ…
「……ゔっ…」
身体が一瞬温まって、また冷える。目を開けると、早瀬さんがお茶のペットボトルを持って笑っていた。
「鍵ねぇから入れなかったんだろ。そこのコンビニ行くとか頭回らなかったわけ?馬鹿?」
身体が痛い。さっきの音は僕が叩かれた音だったらしい。早瀬さんが帰ってくるのを待っていたのに急に罵られて悲しくなった。
「うっ…ひぐっ…だってぇっ…ぅぁぁぁんっ…」
「泣くな」
肩を強く押され、バランスを崩して転んだ。それでも僕は悲しくて泣いた。早瀬さんはは玄関のドアを開けると、僕を小脇に抱えて家に入った。
4年生の頭じゃコンビニに行くなんて発想は出ない。
「よっ…と」
「あっ…!!」
お風呂場に投げられた。当然転がって背中を打つ。早瀬さんはササッと僕の寝間着も持ってきて脱衣所に投げた。
「寒かったんだろ。温まっとけ。」
「うぅ……あ…ありがとうございます…」
涙を拭きながら服を脱ぐ。早瀬さんが僕を先にお風呂に入れるなんて…
こんな生活になってから、早瀬さんの少しの優しさがものすごく大きなものに見えてくる。
「…いたっ…」
身体を洗うと、痣が痛い。僕はなるべく早くお風呂を出て、いつも座っている部屋の隅っこに戻った。
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