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その日、僕はお葬式に来ていた。
お父さんとお母さんが事故にあったのだ。僕は宿題を留守番してやっていたので、1人だけ生き残ってしまった。
お父さんとお母さんが乗っていた車は酷く変形し、目も当てられない状態だったらしい。
「…………」
未だに信じられない。
ついさっきまで一緒にいたような、そんな感覚なのに。もう大好きな2人はいない。僕はただ俯いて、回らない頭のままぼうっとしていた。
「なぁ。」
「……?」
不意に声がかけられ、声の主の方を向いた。そこには、お母さんの弟…つまり僕の叔父がいた。
背の高い叔父は、僕の事を見下ろしている。
「お前さ、このあとどうすんの?」
「………お父さんと…お母さんのとこいく…」
じわじわと現実を理解する。それでも、信じたくなくてそう言うと、叔父さんはぷっと笑った。
「あはっ、お前死にたいわけ?確かまだ9歳だろ。かわいそー。」
叔父さんと最後に会ったのはおばあちゃんのお葬式以来だ。僕の事をじっと見てて怖かったのを覚えている。
「お前さ、うち来ない?」
「ふぇ?………え?」
困惑しているうちに叔父は親戚に事情を説明し、葬式が終わると僕は連れて帰られた。
叔父さんの家は遠くて、僕は車の中で眠った。知らない人の匂い。いつもなら緊張して眠れないが、疲れきっていたせいでぐっすりと眠れた。
✱✱✱✱✱✱
「おい、いつまで寝てんだよ。起きろ。」
顔を掴まれて揺さぶられる。強く掴まれて頬が痛い。僕が呻きながらもうとうとすると、今度はお腹に鈍い痛みが走った。
「ん゛ぅっ………い、いた、いたい…っ…」
「起きろよ。あーやっぱり顔立ち整ってんな。ほらほらほら。」
僕はお腹を蹴られたらしい。フローリングの床に寝そべっている。どうして…?僕の頭の中はそれでいっぱいになった。
「困惑してる?初めてみたときからさ、可愛い顔してんなーって。で、運良く拾って。今から俺が飼い主な。」
ぐりぐりとお腹を押される。蹴られたばかりでズキズキする。
幸せそのものだったのに。この人に僕の全部は奪われていった。
お父さんとお母さんが事故にあったのだ。僕は宿題を留守番してやっていたので、1人だけ生き残ってしまった。
お父さんとお母さんが乗っていた車は酷く変形し、目も当てられない状態だったらしい。
「…………」
未だに信じられない。
ついさっきまで一緒にいたような、そんな感覚なのに。もう大好きな2人はいない。僕はただ俯いて、回らない頭のままぼうっとしていた。
「なぁ。」
「……?」
不意に声がかけられ、声の主の方を向いた。そこには、お母さんの弟…つまり僕の叔父がいた。
背の高い叔父は、僕の事を見下ろしている。
「お前さ、このあとどうすんの?」
「………お父さんと…お母さんのとこいく…」
じわじわと現実を理解する。それでも、信じたくなくてそう言うと、叔父さんはぷっと笑った。
「あはっ、お前死にたいわけ?確かまだ9歳だろ。かわいそー。」
叔父さんと最後に会ったのはおばあちゃんのお葬式以来だ。僕の事をじっと見てて怖かったのを覚えている。
「お前さ、うち来ない?」
「ふぇ?………え?」
困惑しているうちに叔父は親戚に事情を説明し、葬式が終わると僕は連れて帰られた。
叔父さんの家は遠くて、僕は車の中で眠った。知らない人の匂い。いつもなら緊張して眠れないが、疲れきっていたせいでぐっすりと眠れた。
✱✱✱✱✱✱
「おい、いつまで寝てんだよ。起きろ。」
顔を掴まれて揺さぶられる。強く掴まれて頬が痛い。僕が呻きながらもうとうとすると、今度はお腹に鈍い痛みが走った。
「ん゛ぅっ………い、いた、いたい…っ…」
「起きろよ。あーやっぱり顔立ち整ってんな。ほらほらほら。」
僕はお腹を蹴られたらしい。フローリングの床に寝そべっている。どうして…?僕の頭の中はそれでいっぱいになった。
「困惑してる?初めてみたときからさ、可愛い顔してんなーって。で、運良く拾って。今から俺が飼い主な。」
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幸せそのものだったのに。この人に僕の全部は奪われていった。
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