僕が立派な忠犬になるまで。

まぐろ

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65日目(後編):最終日

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 ずるん、と僕の中からお兄さんのものが抜ける。犯されたあとのぼーっとする時間が好きだった。お兄さんは僕の穴から溢れる精液を見て楽しそうにしている。

「ねぇ、まだ家帰りたい?」

「んぁ…いや…お家…帰りたくない…」

 脱力感が気持ちよくて、つい思ったことを口走ってしまった。あ、やべ。なんて思ったが、もう家に帰るつもりもないしもういい。
 どうせならこの勢いで言いたいことも全部言ってしまおう。

「僕お兄さんのこと大好き。調教も辛かったけど少しだけ嬉しかった。お兄さんずっと一緒にいてね。」

 ひとりで練習したおかげか、いつもより滑らかに話せた。ちゃんと僕は僕に戻れたみたいだ。
 お兄さんは僕が流暢に話したことに驚いたみたいで、びっくりしたような、嬉しいようなそんな顔をしていた。

「や…やっと言ってくれた……風音…」

 思いっきり抱きしめられて、キスをされる。口内を舐められたり舌を絡めていたりすると、はっきりしてきた意識がまた蕩けていってしまう。僕はもうお兄さんだけのものなんだ。そう思うだけで幸せでいっぱいになった。

「じゃあ風音は…今日から正式に、俺だけの犬だね。お返事は?」

「わんっ!」

 僕はにっこりと笑った。また犬耳や尻尾をつけるのかなと思ったが、お兄さん曰く何も着けていなくても、風音は犬っぽいから着けなくて良いそうだ。僕はちゃんと犬になれているんだと思い、嬉しくなった。

「人間卒業のお祝いに、お散歩行こうか。もちろん、お外出ようね。」

「わんわんっ!」

 ぴょんっと跳ねて、お兄さんのあとをついていく。僕は今日から、お兄さんの忠犬。お兄さんへの愛情は、きっと何年経っても変わらないだろう。
 これからの日々にわくわくして、僕は1言、わんっ!と鳴いた。





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