僕が立派な忠犬になるまで。

まぐろ

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44日目:怪しいお店

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 車の中でうとうとしていると、お兄さんにぽんぽんと叩かれて起こされた。目的地に着いたらしく、僕は慌てて起き上がり、車から降りた。

「お兄さんっ、ここどこ?」

「ここはねぇ、いろんな面白い物が売ってるお店だよ。」

 お兄さんに連れられて店の中に入ると、お兄さんの部屋にあった物の数々と同じようなものがたくさん並んでいた。なるほど、お兄さんはこういうお店であれを買っていたのか。

「みてみて風音、こんな太いやつあるよ。入るかな?」

「えっ…そ…それ…お尻…に…?」

 目の前に置かれた物を見て、僕の顔はすっと青くなる。これは…お兄さんのものよりも大きいのでは。
 慌てて首を振って、別の商品を見ようとあたりを見回す。すると、手のひらに収まるようなサイズの不思議な形をしたものが目に止まった。

「ん…?なにこれ?」

 僕が商品を指差すと、お兄さんはにやりと笑った。

「それエネマグラっていうマッサージ器具だよ。買っちゃおうか。」

「んぇ?いいの?」

 お兄さんは店員を呼び、何やら相談を始めた。店員は僕の方をちらりと見ると腕を組んで考え出し、商品を選びだした。
 店員はしばらくすると、僕の方に近づいてきた。

「ぼくー?気持ちいいのは好き?」

「え…あ…はい…」

「そっかそっか。うんうん…大体中指くらいの深さかぁ。この身長で…んー…どれがいいかなー」

 店員はしばらく悩み、またお兄さんと話し出した。お兄さんはニコニコしながら話しているから、良い人のようだ。

「そうですね、振動するやつがいいです。」

「なるほど…気絶しないよう長く…うーん…やっぱりこれですかねぇ…各箇所の開発はこちらのグッズがおすすめです。」

 お兄さんは楽しそうに商品をかごに入れていく。僕は少し震えた。なぜかは分からないけど、家に帰ったらとんでもない事をされそうな予感がした。…でも、少し楽しみだ。

「お兄さん、犬の尻尾って書いてあるやつ売ってるよ!」

「コスプレ系か。いいね。こっちも買うか。」

 買う物がどんどん増えていく。僕がお兄さんにお金は大丈夫なのか聞いても、お兄さんは大丈夫大丈夫と答えた。
 かごの中に犬耳や首輪が入っているあたり、お兄さんは本当に犬が好きなんだなぁと思った。

「じゃあこれでお会計お願いします。」

 お兄さんがお会計を済ませ、店を出る。後に知ったがこういう物はアダルトグッズと言うらしい。快感を得るための道具…ということは、お兄さんが最初に言ったエネマグラもそうなのだろうか。あの形は、どうやって使うものなんだろう?



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