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「おはよう風音ーっ!」
「ひっ…!?きゃんきゃんっ…!!」
お兄さんが部屋に入ってくるなり僕は怖がって、狂ったように部屋の中を跳ねまわった後、クッションと壁の間に挟まった。
「すっごい震えてるけど…そんなにお仕置きが怖かったんだ。大丈夫、今日は甘やかしたげるからさぁ…」
「うぅぅっ…わぅ…わ…わん…わん…」
優しい言葉をかけられても震えは止まらなかった。それどころか、手を近づけられると更に怖くなってしまう。ガタガタと震え、怯えきった表情でお兄さんを見つめる。
「小動物じゃないんだからさ…ほらおいで、…ねぇってば。」
僕が動けないでいると、お兄さんは部屋を出ていった。そして、しばらくして帰ってくる。手には霧吹きを持っていて、多分僕にかけるつもりなんだと理解する。
2回、3回と僕に霧吹きがかけられ、僕は身を縮こまらせる。
「うぅわんっ…!わんぁっ…!きゅぅぅっ…」
「こういう時は薬漬けにするしかないからなぁ。ほらほら気持ちよくなるよ~、お口開けて~。」
「んっ…わ…わん…っ…」
プシュッと液体がかかる度に、思考がぼんやりしていく。あれ、僕は何に怯えていたんだっけ。そんな事より、お兄さんに撫でられたい。
「わ…わうぅ…?」
ゆっくりとクッションと壁の隙間から抜け出し、お兄さんに顔を近づける。そしてすんすんと匂いを嗅ぎ、お兄さんの手に自分の頭をくっつけた。
「お、よしよし。風音いい子だね~、今なら注射も打てるかな。」
「わぅ…??」
ぷつりと何かを刺された気がしたが、うまく思考できないから寝っ転がって手足をぱたぱたと動かした。まるでひっくり返って起き上がれない虫みたいだ。
「頭の中、気持ちいいでしょう?いい子にしてたらまたあげるからね。今ならお仕置きも気持ちいいよ。」
「うぅ、?……きゅっ……」
唐突に首が絞められる。ただですら働かない思考がふわふわして、とても幸せな気分になった。身体を時折ぴくぴくと痙攣させ、自分は今絶頂しているのかもしれないとすら錯覚した。
先程までの僕なら、泣き喚いて謝り続けただろう。
「はい終わり。あんまりやると身体に良くないからね。おやつ欲しい?」
「わぅっ!わんわんっ!」
お兄さんが僕にビーフジャーキーを見せる。僕は当然、ぴょんぴょんとジャンプしながら喜んだ。
「タダじゃあげないよ。おすわり。お手。」
「わんっ!」
舌をちょっと出しながら、僕はあんなに恥ずかしがっていた芸を喜んでやった。おやつが貰えるなら、やるしかない。おやつは犬用だけど。
「はい、いいよ。」
「んぐんぐ……」
美味しくは…ない。だけど、今の僕にはそれがとても美味しいものに感じられた。こんなに美味しいご褒美をくれるなんて、お兄さんはなんていい人なんだろうと思いながら、僕は夢中で犬用のビーフジャーキーを食べた。
「ひっ…!?きゃんきゃんっ…!!」
お兄さんが部屋に入ってくるなり僕は怖がって、狂ったように部屋の中を跳ねまわった後、クッションと壁の間に挟まった。
「すっごい震えてるけど…そんなにお仕置きが怖かったんだ。大丈夫、今日は甘やかしたげるからさぁ…」
「うぅぅっ…わぅ…わ…わん…わん…」
優しい言葉をかけられても震えは止まらなかった。それどころか、手を近づけられると更に怖くなってしまう。ガタガタと震え、怯えきった表情でお兄さんを見つめる。
「小動物じゃないんだからさ…ほらおいで、…ねぇってば。」
僕が動けないでいると、お兄さんは部屋を出ていった。そして、しばらくして帰ってくる。手には霧吹きを持っていて、多分僕にかけるつもりなんだと理解する。
2回、3回と僕に霧吹きがかけられ、僕は身を縮こまらせる。
「うぅわんっ…!わんぁっ…!きゅぅぅっ…」
「こういう時は薬漬けにするしかないからなぁ。ほらほら気持ちよくなるよ~、お口開けて~。」
「んっ…わ…わん…っ…」
プシュッと液体がかかる度に、思考がぼんやりしていく。あれ、僕は何に怯えていたんだっけ。そんな事より、お兄さんに撫でられたい。
「わ…わうぅ…?」
ゆっくりとクッションと壁の隙間から抜け出し、お兄さんに顔を近づける。そしてすんすんと匂いを嗅ぎ、お兄さんの手に自分の頭をくっつけた。
「お、よしよし。風音いい子だね~、今なら注射も打てるかな。」
「わぅ…??」
ぷつりと何かを刺された気がしたが、うまく思考できないから寝っ転がって手足をぱたぱたと動かした。まるでひっくり返って起き上がれない虫みたいだ。
「頭の中、気持ちいいでしょう?いい子にしてたらまたあげるからね。今ならお仕置きも気持ちいいよ。」
「うぅ、?……きゅっ……」
唐突に首が絞められる。ただですら働かない思考がふわふわして、とても幸せな気分になった。身体を時折ぴくぴくと痙攣させ、自分は今絶頂しているのかもしれないとすら錯覚した。
先程までの僕なら、泣き喚いて謝り続けただろう。
「はい終わり。あんまりやると身体に良くないからね。おやつ欲しい?」
「わぅっ!わんわんっ!」
お兄さんが僕にビーフジャーキーを見せる。僕は当然、ぴょんぴょんとジャンプしながら喜んだ。
「タダじゃあげないよ。おすわり。お手。」
「わんっ!」
舌をちょっと出しながら、僕はあんなに恥ずかしがっていた芸を喜んでやった。おやつが貰えるなら、やるしかない。おやつは犬用だけど。
「はい、いいよ。」
「んぐんぐ……」
美味しくは…ない。だけど、今の僕にはそれがとても美味しいものに感じられた。こんなに美味しいご褒美をくれるなんて、お兄さんはなんていい人なんだろうと思いながら、僕は夢中で犬用のビーフジャーキーを食べた。
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