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6日目:お家さんぽ
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僕は昨日のまま、下を履いていない状態で目を覚ました。無防備にも脚を開いて眠っていたらしく、起きたらものすごくだらしない体勢になっていた。
お兄さんに何かされていないかお尻を少し触ってみると、なんとなく違和感を感じた。
「ん…んん…?なんか指…入っ……」
「風音ぇーおはよう~」
「ぴゃっ!?わ、わんわん!!わんっ」
お兄さんが部屋に入ってきて、慌ててお尻から指を抜く。危ない危ない、自分からお尻を弄るだなんて誤解されでもしたら、変態だと思われる。
「ん?お尻気持ちよかった?」
「わ…わうぅ…?」
「わかんないか、ならいいんだ。君の寝顔はとっても可愛いんだよ。」
寝顔を見られていたらしい。それと、やっぱり僕のお尻に何かしたらしい。僕がドン引きしている間に、お兄さんは僕の首輪にリードを付けていた。
「わんっ…!?わぅっ…わゔゔぅ…!」
「そんな怒らなくても。お部屋のお散歩だよ。仲良くなろ?だらだらばっかりじゃ体力落ちるよ?」
僕は引きずられる様にして部屋から出された。仕方なく四つん這いのまま部屋の中を歩く。リビングを出ようとした時、本棚が目に入った。お兄さんの本が並べてあって、その中にはアルバムらしきものも入っている。
「…?ほら早く。階段登って。……四足歩行、慣れてきたね。」
「きゅー…」
階段を上がると、洗濯物の山があった。少し甘いような、さっぱりした匂いがする。僕はすんすんと匂いを嗅ぐと、洗濯物の上にごろんと寝転がって身体を擦りつけた。
「ん?…なにしてるの……犬っぽくなってきた…?」
「わんっ、わふ……ぅあ?」
ハッと我にかえる。僕は今何をしていたんだろう。いい匂いの物に身体をこすりつけるなんて、本当の動物みたいじゃないか。
僕は人間、家に帰るためにお兄さんに従っているだけ。犬なんかじゃない。
「うぅぅ…」
でも、洗濯物の匂いに包まれるのがやめられない。僕の好みの匂いで、ずっと嗅いでいたくなる。
ふと辺りを見回すと、なんだ、居るじゃないか。身体を擦りつけるのに丁度いい大きさの人が。
僕はお兄さんに駆け寄ると、そのままぎゅっと抱きしめ、頬ずりをした。お兄さんのズボンにすりすりしていると、顔に硬いものが当たってきた。
「わんっわんっ!」
「風音、なんか楽しそうだね。……言葉話せなくなったりは…してないよね?」
そんなこと、あるわけ無い。このままでは危ういかもしれないが、ちゃんと自我を持って行動すれば大丈夫なはずだ。
「…わぅ……言葉、話せますよ。…この匂い好き……ねぇお兄さん、僕の服もこれで洗って欲しいな…寝るときも…その…、洗濯物1つ、置いてくれたら……」
「話せるのは安心したけど…この柔軟剤そんなに気に入ったの?変な薬とか混ぜてないのに…不思議だな…」
お兄さんは首を傾げながらそんなことをブツブツ言っていた。僕はこの後も部屋の中をなんとなく散歩したが、これ以上の収穫は得られなかった。
お兄さんに何かされていないかお尻を少し触ってみると、なんとなく違和感を感じた。
「ん…んん…?なんか指…入っ……」
「風音ぇーおはよう~」
「ぴゃっ!?わ、わんわん!!わんっ」
お兄さんが部屋に入ってきて、慌ててお尻から指を抜く。危ない危ない、自分からお尻を弄るだなんて誤解されでもしたら、変態だと思われる。
「ん?お尻気持ちよかった?」
「わ…わうぅ…?」
「わかんないか、ならいいんだ。君の寝顔はとっても可愛いんだよ。」
寝顔を見られていたらしい。それと、やっぱり僕のお尻に何かしたらしい。僕がドン引きしている間に、お兄さんは僕の首輪にリードを付けていた。
「わんっ…!?わぅっ…わゔゔぅ…!」
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「…?ほら早く。階段登って。……四足歩行、慣れてきたね。」
「きゅー…」
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「ん?…なにしてるの……犬っぽくなってきた…?」
「わんっ、わふ……ぅあ?」
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僕は人間、家に帰るためにお兄さんに従っているだけ。犬なんかじゃない。
「うぅぅ…」
でも、洗濯物の匂いに包まれるのがやめられない。僕の好みの匂いで、ずっと嗅いでいたくなる。
ふと辺りを見回すと、なんだ、居るじゃないか。身体を擦りつけるのに丁度いい大きさの人が。
僕はお兄さんに駆け寄ると、そのままぎゅっと抱きしめ、頬ずりをした。お兄さんのズボンにすりすりしていると、顔に硬いものが当たってきた。
「わんっわんっ!」
「風音、なんか楽しそうだね。……言葉話せなくなったりは…してないよね?」
そんなこと、あるわけ無い。このままでは危ういかもしれないが、ちゃんと自我を持って行動すれば大丈夫なはずだ。
「…わぅ……言葉、話せますよ。…この匂い好き……ねぇお兄さん、僕の服もこれで洗って欲しいな…寝るときも…その…、洗濯物1つ、置いてくれたら……」
「話せるのは安心したけど…この柔軟剤そんなに気に入ったの?変な薬とか混ぜてないのに…不思議だな…」
お兄さんは首を傾げながらそんなことをブツブツ言っていた。僕はこの後も部屋の中をなんとなく散歩したが、これ以上の収穫は得られなかった。
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