少年を拾ったら懐かれたので徹底的に甘やかしたいと思います。

浴槽

「はぁぁ～…あったかい～…」

「気持ちよさそうだね。お風呂好き？」

浴槽でちゃぷちゃぷとお湯で遊ぶポチ。
ポチは本当にお風呂が好きになった。最初は冷たい水が怖いとぷるぷる震えていたのに。

「お兄ちゃんあわあわ～！みてみて僕の耳ついたー」

「んー？ホントだ。流すぞー」

「きゃーっ！あははー！」

ポチについていた泡を流してやると、ポチは大はしゃぎで喜んだ。今日はいつにも増して元気だ。
耳もぴこぴこ動いていて可愛い。

「あ、ここもちょっと泡が、」

「お兄ちゃん駄目！そこ触っちゃやぁー！」

犬耳は触られたくないようなので慌てて手を引っ込める。シャワーだけかけた。

「耳触られるとなんか変になるから駄目ー。ほら、お兄ちゃんもお風呂！」

「あ、ああ。うん。」

浴槽に入ると、お湯が溢れた。ポチはお湯がざばーっとなるのが楽しいようで、またきゃっきゃとはしゃぐ。
と、ポチは急に立ち上がり、俺の肩に触れる。

「どうしたの？」

「お兄ちゃんをね！3年？経ったらぼくのにするんだ！」

「そうだねって…俺はどっちなの？」

ポチは俺と結婚すると言っているが、俺は彼氏なのか彼女なのか、ポジション的にはどっちなんだろう。

「お兄ちゃんはぼくの子産むからお嫁さんだよ？あれ、分かってると思ってた。」

「う、うん。確認確認…」

薄々…というか分かってはいたけどやっぱり俺は彼女ポジションか。いや、ポジションとか関係ない。俺は俺でいればいい、はず。
あとポチはまだ俺に子供を産ませる気なのか。

「ぼく犬でよかった。あ、見た目が、だよ。犬耳、生えてなかったらお兄ちゃんと結婚なんてできなかったかもだから。」

「んー。俺は犬耳じゃなくても好きだけどなぁ、」

「お兄ちゃん…！ぼくうれしい！」

ポチは嬉しそうに尻尾を振る。
お湯の中だと尻尾の毛がなびいているようでなんだか面白い。

「はー。熱くなってきたし出よっか。のぼせてない？」

「大丈夫！」

風呂から出てポチに寝間着を着せた。
ポチに着せる服は買い揃えた。そういえば、ポチの身長は測っていないが伸びているんだろうか？

「！！お尻のとこ穴空いてる！」

「うん。尻尾出てるときはこっちの寝間着着ようね。ちょっと穴開けて縫っておいたから。」

「ありがとうお兄ちゃん！」

ズボンから出ている尻尾が揺れる。振りやすそうでよかった。