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ばぶばぶ
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人間の赤ちゃんは、可愛がられるために弱いのだと聞いたことがある。機械の赤ちゃんといえば…まだプログラミング段階のデータか、造形途中の鉄くずだろうか?
「夜空くん、今からちょっと思考妨害するやつ流すけど、怖くないからね。」
「え…や…、怖いものは怖いです…」
お兄さんが部屋を出ていったかと思えば、すぐに戻ってきて僕の耳にイヤホンみたいな物を付ける。
ウォン…みたいな変な音がして、同時に思考がまとまらなくなってくる。
「なに、これ、こわい、うるさい、はずして……」
「大丈夫大丈夫。あの施設で流してた電波の強いやつだから壊れることはないよ。ほら、もう目がとろんってしてきてる。」
お兄さんの顔を見て、話を聞いても頭に入ってこない。思考しようとすると、処理がカクカクと止まっては動くようになってしまう。
まだ簀巻状態だから耳に手を伸ばすこともできない。
「あ…あー………?あぅ…ぁ…」
「お、いいじゃん。赤ちゃんっぽいかも。」
これから何をされるのか、お兄さんが何を考えて、僕が今どうなっているのかも分からない。
タオルの隙間から下腹部を触られても、なんで身体がビクビクしているのかすらわからなかった。
「う…ふぇ……ううぅぅ…っ…」
自分の身体なのに、見えているのに何が起きているのか分からなくて、それが怖くて僕は泣いた。伝えたいことを伝えられないような、ただ声を上げるだけの泣き方で。
「あ~…泣いちゃった。よしよーし。怖くないよ、ご飯かなー?おトイレかなー、性欲かなー?」
赤ちゃんにあるはずの無い選択肢が1つあるのですが…といつもの僕なら言うだろう……
だが、今の僕はもうお兄さんにすべてを委ねる事しかできない。口元にご飯が来たら食べるし、トイレに座らせられたらきょとんとするし、敏感な所を触られたらびくびくする。
「うぅっ…ひぅっ……ぐすっ…」
「泣かないでよー…いい子だからね……あ、ガラガラとか無いな…ロボットって何で喜ぶんだ、いや夜空くんなら……」
お兄さんは手を両手で隠し、いないいない…と言い出した。そうか、お兄さんは居ないのかときょろきょろしていると、ばぁ、という声とともにお兄さんが出てきた。
やった。お兄さんが出てきてくれた。
「えへへ…!ぁー、うぅー、」
「お、やっぱり。いつも目が覚めて俺がいると嬉しそうにするもんね。ああ可愛い…本当に。」
ぎゅっと抱き締められてから、お兄さんは満足したようで僕の耳に付けたものを取ってくれた。すると、今まで鈍かった思考がフル回転する。
「ふぁっ…!!??あ…?あー…?ぅえ?お兄さん…?」
「あはは、夜空くん面白い。大丈夫だったでしょ?幸福だけ感じられて嬉しかったよね?」
「………は…はい。」
動けないし、お兄さんの言っていた事も理解できなくて怖かったけど、ただひたすらに優しくされて嬉しかった。人間の赤ちゃんが少し羨ましい。
このままずっと、あんな幸福だけを味わえたらいいのに。
「夜空くん、今からちょっと思考妨害するやつ流すけど、怖くないからね。」
「え…や…、怖いものは怖いです…」
お兄さんが部屋を出ていったかと思えば、すぐに戻ってきて僕の耳にイヤホンみたいな物を付ける。
ウォン…みたいな変な音がして、同時に思考がまとまらなくなってくる。
「なに、これ、こわい、うるさい、はずして……」
「大丈夫大丈夫。あの施設で流してた電波の強いやつだから壊れることはないよ。ほら、もう目がとろんってしてきてる。」
お兄さんの顔を見て、話を聞いても頭に入ってこない。思考しようとすると、処理がカクカクと止まっては動くようになってしまう。
まだ簀巻状態だから耳に手を伸ばすこともできない。
「あ…あー………?あぅ…ぁ…」
「お、いいじゃん。赤ちゃんっぽいかも。」
これから何をされるのか、お兄さんが何を考えて、僕が今どうなっているのかも分からない。
タオルの隙間から下腹部を触られても、なんで身体がビクビクしているのかすらわからなかった。
「う…ふぇ……ううぅぅ…っ…」
自分の身体なのに、見えているのに何が起きているのか分からなくて、それが怖くて僕は泣いた。伝えたいことを伝えられないような、ただ声を上げるだけの泣き方で。
「あ~…泣いちゃった。よしよーし。怖くないよ、ご飯かなー?おトイレかなー、性欲かなー?」
赤ちゃんにあるはずの無い選択肢が1つあるのですが…といつもの僕なら言うだろう……
だが、今の僕はもうお兄さんにすべてを委ねる事しかできない。口元にご飯が来たら食べるし、トイレに座らせられたらきょとんとするし、敏感な所を触られたらびくびくする。
「うぅっ…ひぅっ……ぐすっ…」
「泣かないでよー…いい子だからね……あ、ガラガラとか無いな…ロボットって何で喜ぶんだ、いや夜空くんなら……」
お兄さんは手を両手で隠し、いないいない…と言い出した。そうか、お兄さんは居ないのかときょろきょろしていると、ばぁ、という声とともにお兄さんが出てきた。
やった。お兄さんが出てきてくれた。
「えへへ…!ぁー、うぅー、」
「お、やっぱり。いつも目が覚めて俺がいると嬉しそうにするもんね。ああ可愛い…本当に。」
ぎゅっと抱き締められてから、お兄さんは満足したようで僕の耳に付けたものを取ってくれた。すると、今まで鈍かった思考がフル回転する。
「ふぁっ…!!??あ…?あー…?ぅえ?お兄さん…?」
「あはは、夜空くん面白い。大丈夫だったでしょ?幸福だけ感じられて嬉しかったよね?」
「………は…はい。」
動けないし、お兄さんの言っていた事も理解できなくて怖かったけど、ただひたすらに優しくされて嬉しかった。人間の赤ちゃんが少し羨ましい。
このままずっと、あんな幸福だけを味わえたらいいのに。
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