少年人形の調教録。

まぐろ

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僕との関係

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 次の日の朝。僕は昨日の夜から全然眠れていない。違和感がすごいのだ。いつもパンツの中に収まっているものが、檻に閉じ込められた上で収まっている。
 お兄さんの隣で身体をくねらせてみても、なんとか外せないか手で触ってみても、貞操帯は外れない。

「夜空くんずっと起きてたの?夜中ずーっとゴソゴソしててうるさかったんだけど。」

「そ…それは…ごめんなさい…」

 お兄さんは僕の背中にそっと手を回し、そのまま撫でてくれた。風邪を引いた子供を看病するような、優しい撫で方。嬉しいけど、僕が今苦しんでいるのはお兄さんのせいなのだが。

  「大丈夫だよ。ゆっくり慣れていこうね。君はロボットなのに人間みたいだね?」

「ぼ、僕は…前はもっと…人間っぽかったですよ……お兄さんは…あ…」

 お兄さんは、僕の好意をなんとも思っていない。だから、僕の好きな気持ちはずたずたになりかけている。
 今あるのは、お兄さんへの服従心だ。

「俺は…?何?」

「い…いえ。なんでもないですよ。」

 僕はお兄さんに寄りかかる。お兄さんのことが好きなのか、ただただ服従しているだけなのか、いまいち分からない。
 でも、お兄さんがいないと僕は駄目になってしまう。これだけは分かった。

「……あれ?」

 そういえば、どうして僕はこんなにお兄さんに懐いたんだろう。
 普通、買ったばかりのロボットが懐くためには5ヶ月くらいはかかるのに。僕は3日くらいでお兄さんにべたべたに懐いていた。

「夜空くんが人間だったらさー、多分…割と尻軽なんじゃない?誰にでも犯されてそう。」

「僕が犯されたいのはお兄さんだけですよ…そんなこと…言わないで…」

 お兄さんは、たった3日で僕を手懐けた。考えられる原因は2つ。快楽を叩き込むことによって洗脳した…それか、長期間僕の電源を切っていたかのどちらかだ。
 お兄さんに懐いた状態で長期間電源を落とされると、記憶の一部が欠落する。だが、懐いた情報だけは残るからこういうことも起こり得る。

「お兄さん……2年くらい僕のこと放置しました?」

 僕が聞くと、お兄さんはニヤリと笑った。

「なんで分かったの?駄目でしょ、思い出したら。記憶が混濁して壊れちゃうよ。」

「お、思い出してはないんですけど…僕のお兄さんに懐く速度があまりにも早くて…もしかしたらって…思って…」

 お兄さんは少し困ったような顔をしてからため息をついた。
 そうか…僕とお兄さんは、初対面じゃなかったらしい。
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