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修理
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「んぎぃっ…!!?」
ぞりぞり…と何か、変な音が響く。外で鳴っている音ではなく、身体の内側から響いてくる。
視界の端でお兄さんの手が動いているのが見える。お兄さんは僕に何をしているんだろう。
「あれ、壊れてなかったの?言ってくれればいいのに…まぁ、多少不具合出るから今から調整するけど」
「あっ…あ……ぐぅっ…、ぐぎっ…!!」
痛いわけじゃない。ただ、声が漏れる。
お兄さんが手を動かすたびに、身体が痙攣し、変に力が入って手足がピンと伸びる。
視界はぐにゃぐにゃと曲がったり暗転したり、全てがぐちゃぐちゃで酔いそうだ。
「あ゛ー…あ゛ぁーッ…!!」
「よしよし、大丈夫だよ。直してるだけだから…顔色悪くなってきちゃってる。ほらゆっくり深呼吸。」
背中を擦られ、ビクビクと跳ねる。深呼吸なんてできるわけが無い。勝手に声が出てくるんだから。
「なんだっけ、気持ちいいとこみたいなのあるよね、この辺?」
「かひゅっ……ひぅっ、…♡?」
やっと分かった。僕は今脳を弄られているんだ。だからぞりぞりなんて音が内側から鳴るし、身体が勝手に跳ねるんだ。
お兄さんの動かし方次第で、僕の苦しみも変わる。今は、呼吸すら気持ちいい。
「あ゛…は、はぁ…♡はぁ…♡」
射精することはない、だけどずっと絶頂しているみたいだ。頭だけで絶頂できるとは思わなかったが、身体全部が性感帯になってしまったみたいに感じる。
「あ……きも…ち…ひ……」
目がくるりと上を向き、僕は動かなくなった。お兄さんの方も修復が終わったらしく、マイナスドライバーをくるくると回して僕の中の何かを閉め、耳から抜いた。
「いっぱいイっちゃったね。ロボットはさ、人間の事好きになればなるほど脆くなるんだよね、今の君はもう、俺に嫌いって言われただけで自我が崩壊するくらいだから…」
お兄さんは動かないままの僕の頭を撫で、開いたままの僕の目を閉じてくれた。
僕は再起不能になった訳ではなく、無理矢理脳部分への干渉…つまりハッキングを感知して停止しただけだ。
「失恋なんてしたら、夜空くん別人みたいになるんだろうなぁ…」
僕の身体は未だにぴくぴくと痙攣している。お兄さんはそっと、痙攣していた僕の腕を押さえる。
「可愛い寝顔。夜空くんはやっぱり俺のものだよね、前は…見捨ててごめんね。」
そっと、お兄さんが呟く。僕には聞き取れないし、聞かせる気もなかったんだろう。
ぞりぞり…と何か、変な音が響く。外で鳴っている音ではなく、身体の内側から響いてくる。
視界の端でお兄さんの手が動いているのが見える。お兄さんは僕に何をしているんだろう。
「あれ、壊れてなかったの?言ってくれればいいのに…まぁ、多少不具合出るから今から調整するけど」
「あっ…あ……ぐぅっ…、ぐぎっ…!!」
痛いわけじゃない。ただ、声が漏れる。
お兄さんが手を動かすたびに、身体が痙攣し、変に力が入って手足がピンと伸びる。
視界はぐにゃぐにゃと曲がったり暗転したり、全てがぐちゃぐちゃで酔いそうだ。
「あ゛ー…あ゛ぁーッ…!!」
「よしよし、大丈夫だよ。直してるだけだから…顔色悪くなってきちゃってる。ほらゆっくり深呼吸。」
背中を擦られ、ビクビクと跳ねる。深呼吸なんてできるわけが無い。勝手に声が出てくるんだから。
「なんだっけ、気持ちいいとこみたいなのあるよね、この辺?」
「かひゅっ……ひぅっ、…♡?」
やっと分かった。僕は今脳を弄られているんだ。だからぞりぞりなんて音が内側から鳴るし、身体が勝手に跳ねるんだ。
お兄さんの動かし方次第で、僕の苦しみも変わる。今は、呼吸すら気持ちいい。
「あ゛…は、はぁ…♡はぁ…♡」
射精することはない、だけどずっと絶頂しているみたいだ。頭だけで絶頂できるとは思わなかったが、身体全部が性感帯になってしまったみたいに感じる。
「あ……きも…ち…ひ……」
目がくるりと上を向き、僕は動かなくなった。お兄さんの方も修復が終わったらしく、マイナスドライバーをくるくると回して僕の中の何かを閉め、耳から抜いた。
「いっぱいイっちゃったね。ロボットはさ、人間の事好きになればなるほど脆くなるんだよね、今の君はもう、俺に嫌いって言われただけで自我が崩壊するくらいだから…」
お兄さんは動かないままの僕の頭を撫で、開いたままの僕の目を閉じてくれた。
僕は再起不能になった訳ではなく、無理矢理脳部分への干渉…つまりハッキングを感知して停止しただけだ。
「失恋なんてしたら、夜空くん別人みたいになるんだろうなぁ…」
僕の身体は未だにぴくぴくと痙攣している。お兄さんはそっと、痙攣していた僕の腕を押さえる。
「可愛い寝顔。夜空くんはやっぱり俺のものだよね、前は…見捨ててごめんね。」
そっと、お兄さんが呟く。僕には聞き取れないし、聞かせる気もなかったんだろう。
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