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少女大竜…神秘のレッドドラゴン
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俺達はイサシティを抜けて更に北ヒトヨシシティを目指す。瓦礫は無くなり森が続く。シンジュクスラムに居る時は回りには瓦礫の山しかなかったので自然は新鮮だった。
リィナも物珍しい様で辺りをキョロキョロ見回している。
「うわー虫が居ますよ。マクラザキシティにもメガロゴキブリは出ましたけど、小さくて可愛い虫なんて初めて見ます!」
「ええ…貴女の酒場でもメガロゴキブリが出るの?」
「はい!夏場は大きいのが山の様に出てました。対ゴキブリ地雷を店中に敷き詰めて爆破して処理してましたよ。」
俺が突っ込む。
「おィィィィ!そんな場所で人に飯食わせてたんかい!ゴキブリ天国じゃないのよ。どうなってんのリィナの酒場!」
「大丈夫ですよ。人が来る前に片付けてましたから…たまに人が来て地雷を踏んでぶっ飛んでましたけど。」
「結局巻き込まれてるんじゃねぇか。ゴキブリ以上に地雷の方が危険だよ。やべぇリィナの酒場行かない方が良かったかも…」
「でもシオン達が来てくれたからあたし達出会えたんですよ。だから来なかった方が良かったとか言わないで下さい。メガロゴキブリの始末はちゃんとしてましたから。」
エクスが口を開く。
「一方的に巻き込まれたってのに怒ってないのね。腕まで失って強烈な痛みを受けたっていうのに…」
「あれが…あそこで貴女達に会うのが運命だったんです。酒場で働くのも参ってましたから。」
「本当に今の生活に不満が無いのなら良かった。ウラグスクまで行けば俺達の旅は終わる。闘うのはそれまでの辛抱だからな。」
と俺。
「はい。いつかもう人を傷つけなくても良い日が来るのを待っています。この旅の果てにそれがあるならあたしは歩き続けましょう。血塗られた旅路だとしても…」
エクスが口を開く。
「お話の最中申し訳ないけど、敵性反応よ。探知結界に引っ掛かったわ。人形無し、神秘種1。」
「神秘種ってなんだ?エクス。」
「神代から生息する魔物よ。何故こんな黄昏の時代にいるか分からないけれど…強力なモンスターの可能性が高いわ。」
「あたしが幻想顕現で先行します。幻想顕現!神代黒弓!ガラティン!」
リィナは聖騎士の剣…ガラティンを幻想顕現すると神代黒弓につがえた。そして…
「ここからが幻想顕現の真骨頂です。英雄の素質…魔眼解放!うぅあああ!敵性生物捕捉距離500メートル!ガラティン射出!」
リィナは魔眼の能力で遠方の敵を察知し狙いを定めるとガラティンを矢として発射した。真空波を発しながらガラティンは飛んでいく。そして遠くで大きい爆発音が聞こえた。
何かが空を飛ぶ音。咆哮…それは気づくと頭上に居た。赤い龍。機械のモンスターじゃない。
ガオシャンロンのような正真正銘の龍種だ。胸に大きな穴が開き神聖生物にありがちなコアが露出している。
ガラティンの一撃が弱点を露出するのに一役買った訳だ。
リィナは霊脈を使い果たし、その場にへたりこんだ。
「後は…シオン!お願いします。」
「おうともさ!エクス!対軍奥義でいってくれ!」
「少し防御に専念させて!ドラゴンは甘い敵では無いわ。」
エクスはアヴァロンを展開。俺はエクスカリバーを目の前に構え、防御の姿勢を取る。
龍は口を大きく開き俺にかぶりついて来た。
「うおっなんだこいつ!食おうとしてるのか!」
「シオン、落ち着きなさい。並の攻撃じゃアヴァロンは抜けない。」
と言っても俺達は今龍の口の中だ。龍は更に灼熱の火炎を吹き出してきた。
「熱い熱い熱い!死ぬ死ぬ死ぬ。」
ダメージは防げても熱は防げない。何とかしないと本当に死ぬ。
「エクス…一瞬防御を解いて攻撃に転じるぞ!」
「了解!一瞬の勝負になるわ。対龍の必殺奥義で迎えうちましょう。」
エクスカリバーが赤く染まり凝縮する光の質量を増加させていく。アヴァロンの守りが解けた!
俺の足に龍の歯が食い込む!いてぇ!早くしてくれ~!エクス!
「待たせたわね!エクスカリバードラゴンスレイヤーモード!全霊力解放!龍脈大剣!」
龍の頭が光に包まれはぜた。赤い龍は死亡。自動換金システムが尋常じゃない量の金貨を排出している。
「やったわね。」
「やりました。やっぱりエクスカリバーさんは凄いです!あたしのガラティンでは胸の外郭の破壊しか出来ませんでしたから。」
俺も口を開く。
「本当は露出しているコアを砕けば良かったんだが、そう上手くは行かなかったな。」
「戦闘なんて上手く行かないことばかりよ。良くやったわ。龍に飲み込まれながらも攻撃にしっかり転じるなんてね。また一歩成長ね。シオン。」
「ああ…俺も強くなっているん…だよな。もっと成長しなくては…エクスカリバーのマスターとして…」
「もう充分強いですよ。シオンは…。あたしこそまだまだです。強くなりたい。貴方を護りたいです。」
「そうだな。お互いに強くなろう。この闘いの奔流を生き残る為に…」
「まっ真剣な話はこの位にしときましょう!今晩はドラゴンステーキですよ!いくらでも食べて良いです。ドラゴンステーキ食べ放題です!」
「えっこれを食べるのかしら?神話の時代から生きてるドラゴンの肉…生きながらにして腐ってそうだけど大丈夫?」
「腐りかけが一番美味しいって言うじゃないですか。ドラゴンなんて食べる機会はそうそうありません。食べましょう!ドラゴンステーキ。」
「ああ…旨そうだよな。ははは…俺腹の調子が悪いからドラゴンステーキは遠慮しとくわ。」
「そんなにあたしの調理は信用できませんか?うるうる…」
「ばっか!そんなこと無いよ。ドラゴンステーキでもドラゴンフライでも何でも持ってきなさい。シオンさんが食べてあげるから!腹の調子も良くなってきたし食べられるとも!」
エクス…
男って単純…お腹を壊さない事を祈ってるわ。実体化してなくて良かったわね。
………………………
俺は翌日猛烈な下痢と吐き気に襲われた。リィナは何事も無かったようにケロリとしている。
ああ…神様。俺が何かしたって言うんですか…。
まあ…気を取り直して…ヒトヨシシティまでの旅はこの後何の問題もなく終了した。二週間程掛かったが、異常なく何よりだ。
次の冒険でまた会おう!
リィナも物珍しい様で辺りをキョロキョロ見回している。
「うわー虫が居ますよ。マクラザキシティにもメガロゴキブリは出ましたけど、小さくて可愛い虫なんて初めて見ます!」
「ええ…貴女の酒場でもメガロゴキブリが出るの?」
「はい!夏場は大きいのが山の様に出てました。対ゴキブリ地雷を店中に敷き詰めて爆破して処理してましたよ。」
俺が突っ込む。
「おィィィィ!そんな場所で人に飯食わせてたんかい!ゴキブリ天国じゃないのよ。どうなってんのリィナの酒場!」
「大丈夫ですよ。人が来る前に片付けてましたから…たまに人が来て地雷を踏んでぶっ飛んでましたけど。」
「結局巻き込まれてるんじゃねぇか。ゴキブリ以上に地雷の方が危険だよ。やべぇリィナの酒場行かない方が良かったかも…」
「でもシオン達が来てくれたからあたし達出会えたんですよ。だから来なかった方が良かったとか言わないで下さい。メガロゴキブリの始末はちゃんとしてましたから。」
エクスが口を開く。
「一方的に巻き込まれたってのに怒ってないのね。腕まで失って強烈な痛みを受けたっていうのに…」
「あれが…あそこで貴女達に会うのが運命だったんです。酒場で働くのも参ってましたから。」
「本当に今の生活に不満が無いのなら良かった。ウラグスクまで行けば俺達の旅は終わる。闘うのはそれまでの辛抱だからな。」
と俺。
「はい。いつかもう人を傷つけなくても良い日が来るのを待っています。この旅の果てにそれがあるならあたしは歩き続けましょう。血塗られた旅路だとしても…」
エクスが口を開く。
「お話の最中申し訳ないけど、敵性反応よ。探知結界に引っ掛かったわ。人形無し、神秘種1。」
「神秘種ってなんだ?エクス。」
「神代から生息する魔物よ。何故こんな黄昏の時代にいるか分からないけれど…強力なモンスターの可能性が高いわ。」
「あたしが幻想顕現で先行します。幻想顕現!神代黒弓!ガラティン!」
リィナは聖騎士の剣…ガラティンを幻想顕現すると神代黒弓につがえた。そして…
「ここからが幻想顕現の真骨頂です。英雄の素質…魔眼解放!うぅあああ!敵性生物捕捉距離500メートル!ガラティン射出!」
リィナは魔眼の能力で遠方の敵を察知し狙いを定めるとガラティンを矢として発射した。真空波を発しながらガラティンは飛んでいく。そして遠くで大きい爆発音が聞こえた。
何かが空を飛ぶ音。咆哮…それは気づくと頭上に居た。赤い龍。機械のモンスターじゃない。
ガオシャンロンのような正真正銘の龍種だ。胸に大きな穴が開き神聖生物にありがちなコアが露出している。
ガラティンの一撃が弱点を露出するのに一役買った訳だ。
リィナは霊脈を使い果たし、その場にへたりこんだ。
「後は…シオン!お願いします。」
「おうともさ!エクス!対軍奥義でいってくれ!」
「少し防御に専念させて!ドラゴンは甘い敵では無いわ。」
エクスはアヴァロンを展開。俺はエクスカリバーを目の前に構え、防御の姿勢を取る。
龍は口を大きく開き俺にかぶりついて来た。
「うおっなんだこいつ!食おうとしてるのか!」
「シオン、落ち着きなさい。並の攻撃じゃアヴァロンは抜けない。」
と言っても俺達は今龍の口の中だ。龍は更に灼熱の火炎を吹き出してきた。
「熱い熱い熱い!死ぬ死ぬ死ぬ。」
ダメージは防げても熱は防げない。何とかしないと本当に死ぬ。
「エクス…一瞬防御を解いて攻撃に転じるぞ!」
「了解!一瞬の勝負になるわ。対龍の必殺奥義で迎えうちましょう。」
エクスカリバーが赤く染まり凝縮する光の質量を増加させていく。アヴァロンの守りが解けた!
俺の足に龍の歯が食い込む!いてぇ!早くしてくれ~!エクス!
「待たせたわね!エクスカリバードラゴンスレイヤーモード!全霊力解放!龍脈大剣!」
龍の頭が光に包まれはぜた。赤い龍は死亡。自動換金システムが尋常じゃない量の金貨を排出している。
「やったわね。」
「やりました。やっぱりエクスカリバーさんは凄いです!あたしのガラティンでは胸の外郭の破壊しか出来ませんでしたから。」
俺も口を開く。
「本当は露出しているコアを砕けば良かったんだが、そう上手くは行かなかったな。」
「戦闘なんて上手く行かないことばかりよ。良くやったわ。龍に飲み込まれながらも攻撃にしっかり転じるなんてね。また一歩成長ね。シオン。」
「ああ…俺も強くなっているん…だよな。もっと成長しなくては…エクスカリバーのマスターとして…」
「もう充分強いですよ。シオンは…。あたしこそまだまだです。強くなりたい。貴方を護りたいです。」
「そうだな。お互いに強くなろう。この闘いの奔流を生き残る為に…」
「まっ真剣な話はこの位にしときましょう!今晩はドラゴンステーキですよ!いくらでも食べて良いです。ドラゴンステーキ食べ放題です!」
「えっこれを食べるのかしら?神話の時代から生きてるドラゴンの肉…生きながらにして腐ってそうだけど大丈夫?」
「腐りかけが一番美味しいって言うじゃないですか。ドラゴンなんて食べる機会はそうそうありません。食べましょう!ドラゴンステーキ。」
「ああ…旨そうだよな。ははは…俺腹の調子が悪いからドラゴンステーキは遠慮しとくわ。」
「そんなにあたしの調理は信用できませんか?うるうる…」
「ばっか!そんなこと無いよ。ドラゴンステーキでもドラゴンフライでも何でも持ってきなさい。シオンさんが食べてあげるから!腹の調子も良くなってきたし食べられるとも!」
エクス…
男って単純…お腹を壊さない事を祈ってるわ。実体化してなくて良かったわね。
………………………
俺は翌日猛烈な下痢と吐き気に襲われた。リィナは何事も無かったようにケロリとしている。
ああ…神様。俺が何かしたって言うんですか…。
まあ…気を取り直して…ヒトヨシシティまでの旅はこの後何の問題もなく終了した。二週間程掛かったが、異常なく何よりだ。
次の冒険でまた会おう!
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