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少女依頼…アドゥルモア討伐戦
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サツマタウンに来てから1ヶ月経つ。のどかで良い町だ。
飯は旨いし、温泉もあるし。
まあ温泉に入る時だけエクスが実体化するので、町の若いのがエクスの裸を見ようとして女風呂に潜入しエクスカリバーで切り捨てられるのは笑ってしまったが…ここにいると帝国軍や聖道教会との確執を忘れられる。
リィナも毎日色んな食事を作って喜んでいる。
酒場の看板娘をやっていただけはあり、黒豚を使って多彩な料理を作ってくれた。補給が覚束ない旅では味わえない楽しみだ。
こんな日々が永遠に続けば良いのにと誰しもが思うだろう。
しかしそうは行かない。サツマタウンにも黒い影が色濃く刺していった。
俺達の行く先は闘争しかないというのか。俺には分からなかった。
リィナ…
あたしは毎日が楽しいです。特上の素材を使って料理を作りそれを皆に振る舞う。町の皆も美味しいって喜んでくれます。
それに何といっても温泉があるんです。旅の疲れが癒えます。しかもエクスカリバーさんが温泉に入る時だけ人間になるんです。闘い以外ではならないと思っていたのでビックリしました。
やっぱり可愛くて美しいなぁと溜め息。何を食べたらこんな美人に育つんでしょうか?あたしだって十人前の容姿はしていると思いますし、身嗜みも整えています。それでもやっぱり素材が違うんですよ。とても叶わないなぁ。
シオンはあたしとエクスカリバーさんだったら…いやいやヤメヤメ。はいっこの話はこれでお仕舞いです。
そんなこんなの楽しい旅路ですが、終わりとは必ず訪れるもの。サツマタウンも例外ではありませんでした。あたし達が遭遇した化物についてお話しましょう。
それはじとじととした嫌な天気の日でした。いつも元気いっぱいの町の皆さんの様子が明らかにおかしいです。長老さんもどこか困った様子。シオンが話し掛けます。
「………なんだって、町の人を執拗に?」
「そうなんです。もう五人は殺されました。昨日だけでです。今は町に防衛線を引いて侵入を防いでいますが、あの強さ並みの魔物ではありません。このままではサツマタウンは鏖殺されます。どなたか腕の立つ冒険者でも居れば…」
皆が殺されている。あたしは聞いた時ゾッとしました。この町でも死人が出るの?何処に行っても避けられない運命なんですか。
あたしはとても黙っていられませんでした。
「長老さん。あたしが敵を倒します。詳細を教えてください。お世話になった優しい町の人を殺すなんて許せません。絶対に。あたしが討ちます。今日、ここで。」
シオンはあたしが怒っている事に驚いているようでした。あたしは戦闘でも余程の事が無い限り切れません。でも今回の敵はその一線を踏み越えて来ました。絶対に許せません。
「リィナ…お前がそこまでいうとはな。まあどうせ町の外で障害になるかもしれないし、ここで打ち払おう。長老依頼を受けよう。その化物の名前は?」
「アドゥルモア…豪腕のアドゥルモアという魔物です。牛の頭に鍛えぬかれた鋼の肉体を持つ神話の時代の化物です。昔からこの辺りでは五十年おきに現れては殺戮を繰り返していました。放っておけば奴は冬眠を始めますが…それまでにサツマタウンは灰塵と帰すでしょう。」
「アドゥルモアか…聞いた事がないな。エクス…お前の記憶には何かあるか?」
「そうね。ミノタウロスの亜種ってところかしらヨーロッパサークルの魔物よ。何でジャパンサークルに居るのかは分からないわ。そもそも神代の生き物が現世に居る時点でね。まあ今の世界は神の干渉を強く受けているからそれが原因なのかもしれないわ。まあ私達にはそこまで難しい敵では無いでしょう。」
あたしは勇気を出して口を開いた。
「あたしにアドゥルモアの退治を任せてくれませんか。お世話になったサツマタウンを無茶苦茶にした代償を払わせてやりたいんです。」
シオンは頭をかいて答える。
「分かったよ。危険だったらすぐにサポートするからな。取り敢えずアドゥルモアを探そう。長老俺達は行く。町の守りを万全にかためてくれ。これ以上一人も死なせない。亡くなった五人も蘇生出来るか試してみよう。エクス…後で頼むぜ。」
「了解したわ。時間が経っているから難しいかも…なんにせよアドゥルモアに割ける霊脈は無いわね。リィナの手をどちらにしろ借りるしかないわ。よろしくね。リィナ。」
「分かりました。お任せください!さあアドゥルモア討伐に出掛けましょう!」
あたし達はサーチの結果に従い西にある悪霊の洞窟という場所を発見しました。そこから嫌な霊圧が漏れ出ているというのがエクスカリバーさんの談。
「本当はこういう技は使いたくないし得意でもないんだけど…アドゥルモアを炙り出す為には仕方無いわね。ポイズンブレス。」
そうエクスカリバーさんが唱えると禍々しい色をした毒ガスがエクスカリバーさんから出ていきます。
そのガスは洞窟の中に入っていき、充満していきました。しばらくするとドシンドシンと地面が揺れ始めました。始めはゆっくりでしたがダンダン間隔が短くなっていきます。
ドスドスドスドス!どんどん音が近づいてきます。
あたしは冷や汗をかきはじめました。でも負けない。あたしがこの手で倒すんだ。絶対に。
そして目の前にそれは現れました。三メートル程の牛頭にムキムキの筋肉で包まれた鋼の肉体を持つ魔物。アドゥルモアです。
「ウゥグゥアアアファラアアア!」
大声を上げて怒っています。毒ガスを浴びたはずなのですが平気なんでしょうか?
こいつが町の皆を…最初から全力で行く。あたしは天に腕を伸ばします。
幻想顕現…常にイメージするのは最強の武器…そしてそれを使いこなす自分自身。
妖刀村雨…ファンタズムオーバーロード!
神代の妖刀をこの手に写しとります。まだこの国が侍の国だった頃の刀…妖魔を討伐する概念兵装。
アドゥルモアは奇声を上げながら手を組んであたしに振り下ろしてきます。見える…死閃…アドゥルモアの動きがとてもスローになり、腕、胸、首に一本の光る線が見えました。
あたしはそこに村雨を滑らせます。バターを切るような軽い手応え。アドゥルモアは腕を両断され、胸と首から血を吹き出しています。
「村雨の元の持ち主の技巧をコピーしたのね。」
「そんな馬鹿げた事がと言いたい所だが、幻想顕現は神から授けられた謎の技術。何でもありだな。」
激昂したアドゥルモアは血を吹き出しながらこちらの懐に入ってきます。あたしはゆっくりと頭の上に刀を構えました。
アドゥルモアが凄くスローに見えます。あたしが早すぎるのでしょうか?
そのまま頭から股まで一刀両断。アドゥルモアは死にました。
あたしはぺたりとその場にへたりこみました。何かどっとつかれちゃいましたね。
「やったな。リィナ。腕を上げたじゃないか。」
「やめてください。シオン。あたしは武器の持主に身体を貸しているだけなんですから。それでも勝利は勝利ですよね。さあサツマタウンに戻って亡くなった方を蘇生してみましょう。」
「了解。今回は見せ場が無かったエクスカリバーよ。成功するか分からないけど出来る限りの事はしてみましょう。」
なんだかんだ言ってもエクスカリバーさんは凄いです。シオンが卒倒するほど霊脈とその土地の龍脈から霊力を吸い上げましたが、亡くなった人を全員蘇生してしまいました。
町は喜びに包まれ大宴会になりました。いつもは参加しないエクスさんもついでに霊脈を拝借して顕現し、飲んで騒いでの楽しい宴会になりました。
その後、名残惜しく後ろ髪を引かれながらもサツマタウンに別れを告げて次なる町イサシティを目指すことになりました。
今回はあたしリィナがナレーションを勤めさせて頂きました。次の冒険でお会いしましょう!
飯は旨いし、温泉もあるし。
まあ温泉に入る時だけエクスが実体化するので、町の若いのがエクスの裸を見ようとして女風呂に潜入しエクスカリバーで切り捨てられるのは笑ってしまったが…ここにいると帝国軍や聖道教会との確執を忘れられる。
リィナも毎日色んな食事を作って喜んでいる。
酒場の看板娘をやっていただけはあり、黒豚を使って多彩な料理を作ってくれた。補給が覚束ない旅では味わえない楽しみだ。
こんな日々が永遠に続けば良いのにと誰しもが思うだろう。
しかしそうは行かない。サツマタウンにも黒い影が色濃く刺していった。
俺達の行く先は闘争しかないというのか。俺には分からなかった。
リィナ…
あたしは毎日が楽しいです。特上の素材を使って料理を作りそれを皆に振る舞う。町の皆も美味しいって喜んでくれます。
それに何といっても温泉があるんです。旅の疲れが癒えます。しかもエクスカリバーさんが温泉に入る時だけ人間になるんです。闘い以外ではならないと思っていたのでビックリしました。
やっぱり可愛くて美しいなぁと溜め息。何を食べたらこんな美人に育つんでしょうか?あたしだって十人前の容姿はしていると思いますし、身嗜みも整えています。それでもやっぱり素材が違うんですよ。とても叶わないなぁ。
シオンはあたしとエクスカリバーさんだったら…いやいやヤメヤメ。はいっこの話はこれでお仕舞いです。
そんなこんなの楽しい旅路ですが、終わりとは必ず訪れるもの。サツマタウンも例外ではありませんでした。あたし達が遭遇した化物についてお話しましょう。
それはじとじととした嫌な天気の日でした。いつも元気いっぱいの町の皆さんの様子が明らかにおかしいです。長老さんもどこか困った様子。シオンが話し掛けます。
「………なんだって、町の人を執拗に?」
「そうなんです。もう五人は殺されました。昨日だけでです。今は町に防衛線を引いて侵入を防いでいますが、あの強さ並みの魔物ではありません。このままではサツマタウンは鏖殺されます。どなたか腕の立つ冒険者でも居れば…」
皆が殺されている。あたしは聞いた時ゾッとしました。この町でも死人が出るの?何処に行っても避けられない運命なんですか。
あたしはとても黙っていられませんでした。
「長老さん。あたしが敵を倒します。詳細を教えてください。お世話になった優しい町の人を殺すなんて許せません。絶対に。あたしが討ちます。今日、ここで。」
シオンはあたしが怒っている事に驚いているようでした。あたしは戦闘でも余程の事が無い限り切れません。でも今回の敵はその一線を踏み越えて来ました。絶対に許せません。
「リィナ…お前がそこまでいうとはな。まあどうせ町の外で障害になるかもしれないし、ここで打ち払おう。長老依頼を受けよう。その化物の名前は?」
「アドゥルモア…豪腕のアドゥルモアという魔物です。牛の頭に鍛えぬかれた鋼の肉体を持つ神話の時代の化物です。昔からこの辺りでは五十年おきに現れては殺戮を繰り返していました。放っておけば奴は冬眠を始めますが…それまでにサツマタウンは灰塵と帰すでしょう。」
「アドゥルモアか…聞いた事がないな。エクス…お前の記憶には何かあるか?」
「そうね。ミノタウロスの亜種ってところかしらヨーロッパサークルの魔物よ。何でジャパンサークルに居るのかは分からないわ。そもそも神代の生き物が現世に居る時点でね。まあ今の世界は神の干渉を強く受けているからそれが原因なのかもしれないわ。まあ私達にはそこまで難しい敵では無いでしょう。」
あたしは勇気を出して口を開いた。
「あたしにアドゥルモアの退治を任せてくれませんか。お世話になったサツマタウンを無茶苦茶にした代償を払わせてやりたいんです。」
シオンは頭をかいて答える。
「分かったよ。危険だったらすぐにサポートするからな。取り敢えずアドゥルモアを探そう。長老俺達は行く。町の守りを万全にかためてくれ。これ以上一人も死なせない。亡くなった五人も蘇生出来るか試してみよう。エクス…後で頼むぜ。」
「了解したわ。時間が経っているから難しいかも…なんにせよアドゥルモアに割ける霊脈は無いわね。リィナの手をどちらにしろ借りるしかないわ。よろしくね。リィナ。」
「分かりました。お任せください!さあアドゥルモア討伐に出掛けましょう!」
あたし達はサーチの結果に従い西にある悪霊の洞窟という場所を発見しました。そこから嫌な霊圧が漏れ出ているというのがエクスカリバーさんの談。
「本当はこういう技は使いたくないし得意でもないんだけど…アドゥルモアを炙り出す為には仕方無いわね。ポイズンブレス。」
そうエクスカリバーさんが唱えると禍々しい色をした毒ガスがエクスカリバーさんから出ていきます。
そのガスは洞窟の中に入っていき、充満していきました。しばらくするとドシンドシンと地面が揺れ始めました。始めはゆっくりでしたがダンダン間隔が短くなっていきます。
ドスドスドスドス!どんどん音が近づいてきます。
あたしは冷や汗をかきはじめました。でも負けない。あたしがこの手で倒すんだ。絶対に。
そして目の前にそれは現れました。三メートル程の牛頭にムキムキの筋肉で包まれた鋼の肉体を持つ魔物。アドゥルモアです。
「ウゥグゥアアアファラアアア!」
大声を上げて怒っています。毒ガスを浴びたはずなのですが平気なんでしょうか?
こいつが町の皆を…最初から全力で行く。あたしは天に腕を伸ばします。
幻想顕現…常にイメージするのは最強の武器…そしてそれを使いこなす自分自身。
妖刀村雨…ファンタズムオーバーロード!
神代の妖刀をこの手に写しとります。まだこの国が侍の国だった頃の刀…妖魔を討伐する概念兵装。
アドゥルモアは奇声を上げながら手を組んであたしに振り下ろしてきます。見える…死閃…アドゥルモアの動きがとてもスローになり、腕、胸、首に一本の光る線が見えました。
あたしはそこに村雨を滑らせます。バターを切るような軽い手応え。アドゥルモアは腕を両断され、胸と首から血を吹き出しています。
「村雨の元の持ち主の技巧をコピーしたのね。」
「そんな馬鹿げた事がと言いたい所だが、幻想顕現は神から授けられた謎の技術。何でもありだな。」
激昂したアドゥルモアは血を吹き出しながらこちらの懐に入ってきます。あたしはゆっくりと頭の上に刀を構えました。
アドゥルモアが凄くスローに見えます。あたしが早すぎるのでしょうか?
そのまま頭から股まで一刀両断。アドゥルモアは死にました。
あたしはぺたりとその場にへたりこみました。何かどっとつかれちゃいましたね。
「やったな。リィナ。腕を上げたじゃないか。」
「やめてください。シオン。あたしは武器の持主に身体を貸しているだけなんですから。それでも勝利は勝利ですよね。さあサツマタウンに戻って亡くなった方を蘇生してみましょう。」
「了解。今回は見せ場が無かったエクスカリバーよ。成功するか分からないけど出来る限りの事はしてみましょう。」
なんだかんだ言ってもエクスカリバーさんは凄いです。シオンが卒倒するほど霊脈とその土地の龍脈から霊力を吸い上げましたが、亡くなった人を全員蘇生してしまいました。
町は喜びに包まれ大宴会になりました。いつもは参加しないエクスさんもついでに霊脈を拝借して顕現し、飲んで騒いでの楽しい宴会になりました。
その後、名残惜しく後ろ髪を引かれながらもサツマタウンに別れを告げて次なる町イサシティを目指すことになりました。
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