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少女金策…賞金首
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あれから三日経った。俺達はマクラザキシティから北上した位置にあるサウスサツマシティに到着した。
町は活気に溢れている。本当はこういう賑やかな町に腰を据えたいものだが…俺達は帝国に追われる身だ。あまり長居はできないだろう。
リィナが目を輝かせている。
「シオン、エクスカリバーさん。凄いです。沢山人が居て…皆イキイキしています。あたしは生まれてからマクラザキシティを出たことが無かったから…こんなに賑やかな所は初めてです!」
「そうか…それは良かった。旅の醍醐味は色々な町や場所を巡れる所だからな。精一杯楽しむといい…今だけでもな。リィナが喜んでくれればシオンさんも嬉しくなるってもんさ。」
エクスも口を挟む。
「本当に活気がある町ね。神代のブリテンを思い出すわ。アーサー王の統治下の町は何処もこれぐらい賑やかだったもの。市でも見て回りましょうか。何か面白いものがあるかもしれないわ。」
「それもそうだな。看板によると町の中心部にマーケットがあるらしい。行ってみるか。」
「掘り出し物があるといいですね。あたしワクワクします。」
俺達はマーケットの中に入っていった。様々な店を見ていった。結構目移りする。リィナも頑張ったし彼女に何か買ってやりたいが…
アクセサリーショップでリィナは真剣な眼差しで首飾りを見つめている。
お値段金貨ずっしり一袋なり。
…ま…まあシオンさんのお財布で買えなくはないですよ。タハハハ…でも買ったら宿代も覚束なくなる。
そう考えを巡らせているとエクスが耳打ちしてきた。
「シオン…ここで買ってあげないと男が下がるわよ。」
ヒソヒソ…
「でも買ったら宿屋にも泊まれなくなるぜ…」
「こういう時の為に酒場に依頼があるんじゃない。」
「モンスター退治か。暴れる機械獣の討伐。危険だけど今の俺達なら問題ないか…リィナも凄い必殺技を覚えた訳だし。」
リィナが不審そうな顔でこちらを覗き込んできた。
「シーオーン…どうしたんですか?エクスさんと話し込んじゃって。」
俺は慌てて応える。
「いや…大した事じゃないんだが…リィナにこの首飾りを買ってあげようかなと思ってな。」
「えっ…こんな高いもの頂けません。別の事にお金を使ってください。」
「まあそう言うなよ。この間の戦闘では助けられたしさ…そのお礼も兼ねてな。その代わり一つお願いがあるんだ。」
ドキッ…シオンが真剣な眼差しであたしを見つめてくる。身体が目当てなの?流石に早すぎないかなぁ…ちゃんと断らないと…アセアセ
あたしは覚悟を決めて口を開く。
「あのあたしに出来ることはなんでもしますけど…あんまりムフムフなのは避けてくださると助かります。」
「ムフムフって何さ?」
エクスが口を開く。
「シオン…説明しよう!ムフムフとはとってもエッチな事なのだ。古の神代から使われている霊験あらたかな言葉なのである。」
「な…何だって!確かにリィナは可愛いけど俺がいきなりムフムフするわけないだろう!俺のお願いってのはこの町で受けられる機械獣の討伐依頼を一緒にこなしてくれっていうことなんだ。大丈夫かな?」
「ええっそうだったんですか…あたし勘違いして恥ずかしい…。」
俺は店のなかに入ると主人に声をかけた。
「まあ…と言うことで店の親父さん…この首飾りを買わせてもらう。これが金貨だ。」
「あいよ。お兄さん…お目が高いねぇ。大事に扱ってくだせぇよ。そいつは上物なんだ。」
リィナが口を開く。
「もちろんあたしが大切に使います。なんてったってシオンからの贈り物なんですもの。」
主人は羨ましそうだ。
「こんな美人なお嬢さんに使われるんならこの首飾りも本望だろう。それではさようなら。」
俺達は店を出た。その足で酒場に向かう。まだ昼ということもあり飲んだくれ達は居なかった。酒場の主人に話しかける。
「親父さん。とびきりヤバイ依頼はないか?危険で金払いが良い奴。」
「お兄さん。命を大切にしないといけないよ。まあ無くはないさ。バイストンドラゴンの討伐依頼…帝国歴が始まる前から暴れまわっている機械獣さ。どれ程の屈強な傭兵が死んでいったか分からない。倒せたら金貨十袋は固いね。」
金貨十袋…さっき首飾りに払った金貨の十倍だ。しばらく食うには困らないだろう。
「その依頼受けた。場所は何処だ?」
「サウスサツマシティから東へ一日行ったところに機械の古戦場って名前のエリアがある。奴はそこで獲物を待っている。もう二千年もな。」
「了解。倒して金貨を頂く。リィナ、エクス…行くぞ!」
「「わかりました…了解!」」
俺達は機械の古戦場まで移動した。道中では何も敵は出なかったが…機械の古戦場にそれは居た。
全長二十メートルに達する程の機械の龍…
エクスも身構えている。
「こいつはかなりの猛者よ!一撃も受けずに必殺で倒さないと何が起こるか分からない。覚悟しなさい!シオン、リィナ!」
「了解!リィナは幻想顕現で遠距離支援を頼む。俺はエクスと一緒に切り込む!」
「了解しました!幻想顕現!神代黒弓…偽偽エクスカリバー!」
リィナが神代黒弓に偽偽エクスカリバーをつがえてバイストンドラゴンに発射した。本来のエクスカリバーよりランクは劣るが弓矢としては異次元の性能を誇る。
リィナは幻想顕現の余波で霊脈を消耗しつくしその場に倒れこんだ。
偽偽エクスカリバーはバイストンドラゴンの腹部に着弾、爆砕。
機械龍は悲痛な叫び声を上げた。
「ギィヤアアアアアア…テキセイリョクキョクダイハンゲキプロトコルジッコウ…アルテマレーザー!」
赤い光線がバイストンドラゴンの口から発射される。俺に目掛けて一直線で発射してきた。
「エクス、防御結界!」
「言われなくても!限定結界…アヴァロン!」
結界が俺の全身を覆う。そこにアルテマレーザーが着弾する。何十秒も照射を受けたが…アヴァロンは無傷だ。しかし中の人間は無傷といかない。
俺は異常な身体の火照りを感じた。
くぅ…立ってられない。
「シオン…しっかりしなさい!反撃で一気に決めるわよ!起きて!」
「ああ…せめて一撃…叩き込む!」
俺は気力を奮い立たせ起き上がった。エクスが選ぶ最強の一撃を俺がぶつける。
エクスが吠える。
「行くわよ!エクスカリバー!霊刃伸長!極大閃光刃!アルテマカリバー!」
青い何処までも伸びる閃光の剣がバイストンドラゴンに振り下ろされ一刀両断に切って捨てた。
…ああ…勝った…
俺はその場に気絶してしまった。
その後リィナが俺を担いでくれたらしい。まる二日気絶し続けサウスサツマシティで俺は目を覚ました。
そこには数えきれない程の金貨と泣きそうなリィナと胸を撫で下ろしたエクスの姿があった。
町は活気に溢れている。本当はこういう賑やかな町に腰を据えたいものだが…俺達は帝国に追われる身だ。あまり長居はできないだろう。
リィナが目を輝かせている。
「シオン、エクスカリバーさん。凄いです。沢山人が居て…皆イキイキしています。あたしは生まれてからマクラザキシティを出たことが無かったから…こんなに賑やかな所は初めてです!」
「そうか…それは良かった。旅の醍醐味は色々な町や場所を巡れる所だからな。精一杯楽しむといい…今だけでもな。リィナが喜んでくれればシオンさんも嬉しくなるってもんさ。」
エクスも口を挟む。
「本当に活気がある町ね。神代のブリテンを思い出すわ。アーサー王の統治下の町は何処もこれぐらい賑やかだったもの。市でも見て回りましょうか。何か面白いものがあるかもしれないわ。」
「それもそうだな。看板によると町の中心部にマーケットがあるらしい。行ってみるか。」
「掘り出し物があるといいですね。あたしワクワクします。」
俺達はマーケットの中に入っていった。様々な店を見ていった。結構目移りする。リィナも頑張ったし彼女に何か買ってやりたいが…
アクセサリーショップでリィナは真剣な眼差しで首飾りを見つめている。
お値段金貨ずっしり一袋なり。
…ま…まあシオンさんのお財布で買えなくはないですよ。タハハハ…でも買ったら宿代も覚束なくなる。
そう考えを巡らせているとエクスが耳打ちしてきた。
「シオン…ここで買ってあげないと男が下がるわよ。」
ヒソヒソ…
「でも買ったら宿屋にも泊まれなくなるぜ…」
「こういう時の為に酒場に依頼があるんじゃない。」
「モンスター退治か。暴れる機械獣の討伐。危険だけど今の俺達なら問題ないか…リィナも凄い必殺技を覚えた訳だし。」
リィナが不審そうな顔でこちらを覗き込んできた。
「シーオーン…どうしたんですか?エクスさんと話し込んじゃって。」
俺は慌てて応える。
「いや…大した事じゃないんだが…リィナにこの首飾りを買ってあげようかなと思ってな。」
「えっ…こんな高いもの頂けません。別の事にお金を使ってください。」
「まあそう言うなよ。この間の戦闘では助けられたしさ…そのお礼も兼ねてな。その代わり一つお願いがあるんだ。」
ドキッ…シオンが真剣な眼差しであたしを見つめてくる。身体が目当てなの?流石に早すぎないかなぁ…ちゃんと断らないと…アセアセ
あたしは覚悟を決めて口を開く。
「あのあたしに出来ることはなんでもしますけど…あんまりムフムフなのは避けてくださると助かります。」
「ムフムフって何さ?」
エクスが口を開く。
「シオン…説明しよう!ムフムフとはとってもエッチな事なのだ。古の神代から使われている霊験あらたかな言葉なのである。」
「な…何だって!確かにリィナは可愛いけど俺がいきなりムフムフするわけないだろう!俺のお願いってのはこの町で受けられる機械獣の討伐依頼を一緒にこなしてくれっていうことなんだ。大丈夫かな?」
「ええっそうだったんですか…あたし勘違いして恥ずかしい…。」
俺は店のなかに入ると主人に声をかけた。
「まあ…と言うことで店の親父さん…この首飾りを買わせてもらう。これが金貨だ。」
「あいよ。お兄さん…お目が高いねぇ。大事に扱ってくだせぇよ。そいつは上物なんだ。」
リィナが口を開く。
「もちろんあたしが大切に使います。なんてったってシオンからの贈り物なんですもの。」
主人は羨ましそうだ。
「こんな美人なお嬢さんに使われるんならこの首飾りも本望だろう。それではさようなら。」
俺達は店を出た。その足で酒場に向かう。まだ昼ということもあり飲んだくれ達は居なかった。酒場の主人に話しかける。
「親父さん。とびきりヤバイ依頼はないか?危険で金払いが良い奴。」
「お兄さん。命を大切にしないといけないよ。まあ無くはないさ。バイストンドラゴンの討伐依頼…帝国歴が始まる前から暴れまわっている機械獣さ。どれ程の屈強な傭兵が死んでいったか分からない。倒せたら金貨十袋は固いね。」
金貨十袋…さっき首飾りに払った金貨の十倍だ。しばらく食うには困らないだろう。
「その依頼受けた。場所は何処だ?」
「サウスサツマシティから東へ一日行ったところに機械の古戦場って名前のエリアがある。奴はそこで獲物を待っている。もう二千年もな。」
「了解。倒して金貨を頂く。リィナ、エクス…行くぞ!」
「「わかりました…了解!」」
俺達は機械の古戦場まで移動した。道中では何も敵は出なかったが…機械の古戦場にそれは居た。
全長二十メートルに達する程の機械の龍…
エクスも身構えている。
「こいつはかなりの猛者よ!一撃も受けずに必殺で倒さないと何が起こるか分からない。覚悟しなさい!シオン、リィナ!」
「了解!リィナは幻想顕現で遠距離支援を頼む。俺はエクスと一緒に切り込む!」
「了解しました!幻想顕現!神代黒弓…偽偽エクスカリバー!」
リィナが神代黒弓に偽偽エクスカリバーをつがえてバイストンドラゴンに発射した。本来のエクスカリバーよりランクは劣るが弓矢としては異次元の性能を誇る。
リィナは幻想顕現の余波で霊脈を消耗しつくしその場に倒れこんだ。
偽偽エクスカリバーはバイストンドラゴンの腹部に着弾、爆砕。
機械龍は悲痛な叫び声を上げた。
「ギィヤアアアアアア…テキセイリョクキョクダイハンゲキプロトコルジッコウ…アルテマレーザー!」
赤い光線がバイストンドラゴンの口から発射される。俺に目掛けて一直線で発射してきた。
「エクス、防御結界!」
「言われなくても!限定結界…アヴァロン!」
結界が俺の全身を覆う。そこにアルテマレーザーが着弾する。何十秒も照射を受けたが…アヴァロンは無傷だ。しかし中の人間は無傷といかない。
俺は異常な身体の火照りを感じた。
くぅ…立ってられない。
「シオン…しっかりしなさい!反撃で一気に決めるわよ!起きて!」
「ああ…せめて一撃…叩き込む!」
俺は気力を奮い立たせ起き上がった。エクスが選ぶ最強の一撃を俺がぶつける。
エクスが吠える。
「行くわよ!エクスカリバー!霊刃伸長!極大閃光刃!アルテマカリバー!」
青い何処までも伸びる閃光の剣がバイストンドラゴンに振り下ろされ一刀両断に切って捨てた。
…ああ…勝った…
俺はその場に気絶してしまった。
その後リィナが俺を担いでくれたらしい。まる二日気絶し続けサウスサツマシティで俺は目を覚ました。
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