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少女…新たなる出会い
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俺が次目が覚めた時はベットの上だった。一人でに歩きでもしたのだろうか?まったく記憶にない。
ここは何処だ?俺は火山に居たはず…
小声で話し掛ける。
「エクスここは何処だ?何故こんなところに居る?俺達は火山で倒れたはずじゃあないか?」
「おはよう。シオン。ここはナインステイツのマクラザキシティ。ジャパンサークルの西の端らしいわ。貴方が気絶している間に身体の主導権を奪ってここまで歩かせたの。宿屋の会計とかも私がやっておいたわ。」
「そんなことも出きるのか。不気味だから控えてもらえますかねぇ。シオンさんゾンビじゃないか!?」
一呼吸おいて俺はまた話し出した。
「マクラザキシティか…聞いたことも無いな。俺の今までの世界はシンジュクスラムだけだったから、ジャパンサークルの他の土地とか全く判らん。」
「ガルバニア帝国の勢力圏内なのかしら?」
「恐らくはね。ここの人達の事を考えても長居できないな。ガルバニア帝国からの追っ手や聖道教会の執行者がやってくるかもしれない。…まずは腹ごしらえだ。酒場にでも行くか。」
「人間は食べないといけないから大変ね。私は貴方の霊脈から力を吸い上げて現界していられるけど。」
「ちょっと何人から勝手にエナジー吸い上げてんのォォォ!バンパイアかよぉ!」
「聖剣ですぅ。この美貌と性能を維持する為には捧げ物が必要なのよ。私の糧になれることを光栄に思いなさい。」
「ちょっと前に死後の魂を頂くだけとか言ってなかったっけ?どう言うことなんです?」
「それは確実に頂く物だから先に言っておいたのよ。別に諸経費が必要なのよ。私みたいなSSランクの聖剣を使役できるんだから甘んじて受け入れなさい。」
「くっ…この駄聖剣め…まあ今まで支障は無かったし良しとするか。相手にしてても頭に来るだけだ。元の目的の酒場に行こう。」
俺達は宿屋を出ると近くにある酒場に向かった。店の扉を開ける。
と…人懐っこい笑顔の黒髪の少女が迎えてくれた。
「いらっしゃいませ。一名様ですか?」
「ああ…俺一人だ。水を一杯貰えるかな。」
「勿論です。その出で立ち…輝く剣…貴方は噂の勇者様ではないですか?」
「ハハッ…違うよ。俺はただの冒険者さ。」
少女は話ながら水を持ってきた。ここの気候は暑い。この水一杯がありがたかった。
ゴクゴクと音を立てて水を飲み干す。
「美味しかったよ。ありがとう…お嬢さん。」
「リィナです。お嬢さんではありません。冒険者さん…冒険者さんの名前は何ですか?」
「俺か…俺はシオンと言うんだ。この酒場は一人で切り盛りしているのかい?」
「はい…父は事故で死に…母は流行り病で死にました。この酒場だけが残ったんです。」
「そうか…それは御愁傷様だな。…食事を貰えるかな。腹が減って仕方がないんだ。」
「承知しました。メニューはお任せで良いですか?」
「勿論…リィナに任せよう。」
「分かりました。お口に合うかどうか分かりませんが頑張ります。それでは後ほど…」
そう言うとリィナは酒場の奥に消えて行った。
十分程待つとリィナが食器を持ってやってきた。
「お待たせしました。焼き魚定食です。シオン…どうぞ召し上がれ。」
「ありがとう。リィナ。早速頂くとするよ。」
もぐもぐ…塩気が効いていて旨い。白米まで有るじゃないか…瓦礫だらけのジャパンサークルでは農産物は貴重品だ。西の外れでこんな物を食えるとは思わなかった。
フゥ…完食。ごちそうさまでした。せっかくリィナと知り合ったのすぐにお別れとは切ないものだな。
「ごちそうさま。リィナ。俺は行くよ。」
「行くって何処にですか?もっとマクラザキシティにいれば良いのに。シオン…出会ったばかりなのにもうお別れなんですね。」
「ウラグスク連邦共和国を目指しているんだ。俺はガルバニア帝国に追われていてな。ここに居ると皆に迷惑が掛かるんだ。本当にご飯美味しかったよ。何度でも食べたい味だった。これは俺の気持ちだ。」
俺はずっしりと重い布袋をリィナに渡した。
「こんなに頂けません。シオン…貴方はずるいです。あたしを…ここから連れて行ってくれませんか?私も旅立ちたい気分なんです。」
「それは出来ない。俺達は…聖剣エクスカリバーと俺シオンは命懸けの旅をしているんだ。正直な話…リィナの面倒を見切れない。」
「あたしは闘えないけど…シオンを見守る事は出来ます。どうか連れてって下さい。」
「…もう一人の相棒に聞いてみよう。エクスカリバー答えよ。この少女を連れていくべきか…」
エクスカリバーがリィナにも聞こえるように喋った。
「お初にお目にかかるわね。私は神代の聖剣エクスカリバー…私達の旅は甘くない。酒場の小娘風情が着いてきたって何も出来ないわ。それにすぐに嫌になるわ。絶対にね。」
「あたしは…あたしはこの生活が嫌で仕方がないんです。どうしても外の光溢れる世界を知りたいんです。」
俺は口を開く。
「それでも…俺はリィナを…」
その時だった。重く鈍い砲撃の音。ズズゥン…
酒場の扉が砕け砲弾がリィナを貫いた。リィナの右腕だったものが弾けた。
「痛い痛い痛いです。シオン…助けて…死んじゃう。あたし死にたくない。」
エクスが吠える。
「シオン。帝国軍よ。恐らく重装歩兵…打って出るわ。」
「でもリィナが…!放っておけない。」
「私は貴方が生き延びる事を最優先するわ。この娘は今日この時が寿命だったのよ。」
「俺達に出会ったばかりに…クソ!畜生!」
「嘆いている暇は無いわ。ここで敵を叩かないと町中で暴れられて更に死傷者が出るわ。さあ行きましょう。」
俺は酒場の外に躍り出た。そこには十名余りの兵隊が居た。四五人がかりでばかでかい大砲を操っている。あれを酒場にぶちこんできたのか…砲門を俺に向けてきて発射してきた。
エクスカリバーが自動で反応して砲弾を切り捨てた。大砲を操る兵隊に動揺が広がる。
エクスが唱える。
「聖剣抜刀!対軍奥義!エクスカリバーアルテマストライク!」
虹色の極光が兵隊達を凪払った。上半身と下半身が別れて血飛沫を上げる。
俺は兵隊全員が絶滅した事を確認すると酒場の中に戻った。
そこには右腕を失いおびただしい出血をするリィナの姿があった。彼女は気絶している。
「エクス…リィナが死んじまう。無敵の聖剣なんだろう。何とかならないのかよ。オィィ…何とか言えよ。」
「私のマスターとして契約すれば傷もなおって全快するわ。でも私達と一緒に底知れぬ地獄を見ることになる。帝国軍と聖道教会との争いをね。」
「それでも今死ぬよりはずっといい…俺がこれからもリィナを守ろう。約束するよ。エクス。」
「分かったわ。リィナと契約しましょう。」
そうエクスが言うとリィナは淡い光に包まれた。欠損していた右腕が元に戻り出血も止まった。そして目を覚ます。
「あれ、あたし…腕が無くなってすごく痛くて…シオンに助けを求めて…死んじゃったはずじゃあ…」
俺が応える。
「エクスカリバーの能力で君の傷は直ったんだ。ただし代償として君は魂をエクスカリバーに捧げた。これからの旅は君も一緒だ。一生エクスカリバーから君は離れられない。」
「そうなんですね。あたし旅に出れるんだ。エクスカリバーさんの事は良く分からないけど…私なりに一生懸命頑張りますね。何も出来ないですけど料理は得意です。さあ旅にでましょう。シオン、エクスカリバーさん。」
守る者を背負い込んじまった。それでもリィナを見捨てる事は出来なかった。厳しい旅になるが彼女の笑顔が癒しになる。それで良いじゃないか…
エクスが独り語る。
「やれやれ…お守りが二人に増えるとは…私で守りきれるかしら…でもシオンと二人で旅するよりも賑やかで楽しいかもしれないわね。それに二人分の霊脈に龍脈へのアクセスも出きるし戦力は上がった方かしら。まあなんにせよ。闘いは続くわ。聖剣の私が最強だけれど。」
リィナを加えてウラグスク連邦共和国を目指す旅は続く。
ここは何処だ?俺は火山に居たはず…
小声で話し掛ける。
「エクスここは何処だ?何故こんなところに居る?俺達は火山で倒れたはずじゃあないか?」
「おはよう。シオン。ここはナインステイツのマクラザキシティ。ジャパンサークルの西の端らしいわ。貴方が気絶している間に身体の主導権を奪ってここまで歩かせたの。宿屋の会計とかも私がやっておいたわ。」
「そんなことも出きるのか。不気味だから控えてもらえますかねぇ。シオンさんゾンビじゃないか!?」
一呼吸おいて俺はまた話し出した。
「マクラザキシティか…聞いたことも無いな。俺の今までの世界はシンジュクスラムだけだったから、ジャパンサークルの他の土地とか全く判らん。」
「ガルバニア帝国の勢力圏内なのかしら?」
「恐らくはね。ここの人達の事を考えても長居できないな。ガルバニア帝国からの追っ手や聖道教会の執行者がやってくるかもしれない。…まずは腹ごしらえだ。酒場にでも行くか。」
「人間は食べないといけないから大変ね。私は貴方の霊脈から力を吸い上げて現界していられるけど。」
「ちょっと何人から勝手にエナジー吸い上げてんのォォォ!バンパイアかよぉ!」
「聖剣ですぅ。この美貌と性能を維持する為には捧げ物が必要なのよ。私の糧になれることを光栄に思いなさい。」
「ちょっと前に死後の魂を頂くだけとか言ってなかったっけ?どう言うことなんです?」
「それは確実に頂く物だから先に言っておいたのよ。別に諸経費が必要なのよ。私みたいなSSランクの聖剣を使役できるんだから甘んじて受け入れなさい。」
「くっ…この駄聖剣め…まあ今まで支障は無かったし良しとするか。相手にしてても頭に来るだけだ。元の目的の酒場に行こう。」
俺達は宿屋を出ると近くにある酒場に向かった。店の扉を開ける。
と…人懐っこい笑顔の黒髪の少女が迎えてくれた。
「いらっしゃいませ。一名様ですか?」
「ああ…俺一人だ。水を一杯貰えるかな。」
「勿論です。その出で立ち…輝く剣…貴方は噂の勇者様ではないですか?」
「ハハッ…違うよ。俺はただの冒険者さ。」
少女は話ながら水を持ってきた。ここの気候は暑い。この水一杯がありがたかった。
ゴクゴクと音を立てて水を飲み干す。
「美味しかったよ。ありがとう…お嬢さん。」
「リィナです。お嬢さんではありません。冒険者さん…冒険者さんの名前は何ですか?」
「俺か…俺はシオンと言うんだ。この酒場は一人で切り盛りしているのかい?」
「はい…父は事故で死に…母は流行り病で死にました。この酒場だけが残ったんです。」
「そうか…それは御愁傷様だな。…食事を貰えるかな。腹が減って仕方がないんだ。」
「承知しました。メニューはお任せで良いですか?」
「勿論…リィナに任せよう。」
「分かりました。お口に合うかどうか分かりませんが頑張ります。それでは後ほど…」
そう言うとリィナは酒場の奥に消えて行った。
十分程待つとリィナが食器を持ってやってきた。
「お待たせしました。焼き魚定食です。シオン…どうぞ召し上がれ。」
「ありがとう。リィナ。早速頂くとするよ。」
もぐもぐ…塩気が効いていて旨い。白米まで有るじゃないか…瓦礫だらけのジャパンサークルでは農産物は貴重品だ。西の外れでこんな物を食えるとは思わなかった。
フゥ…完食。ごちそうさまでした。せっかくリィナと知り合ったのすぐにお別れとは切ないものだな。
「ごちそうさま。リィナ。俺は行くよ。」
「行くって何処にですか?もっとマクラザキシティにいれば良いのに。シオン…出会ったばかりなのにもうお別れなんですね。」
「ウラグスク連邦共和国を目指しているんだ。俺はガルバニア帝国に追われていてな。ここに居ると皆に迷惑が掛かるんだ。本当にご飯美味しかったよ。何度でも食べたい味だった。これは俺の気持ちだ。」
俺はずっしりと重い布袋をリィナに渡した。
「こんなに頂けません。シオン…貴方はずるいです。あたしを…ここから連れて行ってくれませんか?私も旅立ちたい気分なんです。」
「それは出来ない。俺達は…聖剣エクスカリバーと俺シオンは命懸けの旅をしているんだ。正直な話…リィナの面倒を見切れない。」
「あたしは闘えないけど…シオンを見守る事は出来ます。どうか連れてって下さい。」
「…もう一人の相棒に聞いてみよう。エクスカリバー答えよ。この少女を連れていくべきか…」
エクスカリバーがリィナにも聞こえるように喋った。
「お初にお目にかかるわね。私は神代の聖剣エクスカリバー…私達の旅は甘くない。酒場の小娘風情が着いてきたって何も出来ないわ。それにすぐに嫌になるわ。絶対にね。」
「あたしは…あたしはこの生活が嫌で仕方がないんです。どうしても外の光溢れる世界を知りたいんです。」
俺は口を開く。
「それでも…俺はリィナを…」
その時だった。重く鈍い砲撃の音。ズズゥン…
酒場の扉が砕け砲弾がリィナを貫いた。リィナの右腕だったものが弾けた。
「痛い痛い痛いです。シオン…助けて…死んじゃう。あたし死にたくない。」
エクスが吠える。
「シオン。帝国軍よ。恐らく重装歩兵…打って出るわ。」
「でもリィナが…!放っておけない。」
「私は貴方が生き延びる事を最優先するわ。この娘は今日この時が寿命だったのよ。」
「俺達に出会ったばかりに…クソ!畜生!」
「嘆いている暇は無いわ。ここで敵を叩かないと町中で暴れられて更に死傷者が出るわ。さあ行きましょう。」
俺は酒場の外に躍り出た。そこには十名余りの兵隊が居た。四五人がかりでばかでかい大砲を操っている。あれを酒場にぶちこんできたのか…砲門を俺に向けてきて発射してきた。
エクスカリバーが自動で反応して砲弾を切り捨てた。大砲を操る兵隊に動揺が広がる。
エクスが唱える。
「聖剣抜刀!対軍奥義!エクスカリバーアルテマストライク!」
虹色の極光が兵隊達を凪払った。上半身と下半身が別れて血飛沫を上げる。
俺は兵隊全員が絶滅した事を確認すると酒場の中に戻った。
そこには右腕を失いおびただしい出血をするリィナの姿があった。彼女は気絶している。
「エクス…リィナが死んじまう。無敵の聖剣なんだろう。何とかならないのかよ。オィィ…何とか言えよ。」
「私のマスターとして契約すれば傷もなおって全快するわ。でも私達と一緒に底知れぬ地獄を見ることになる。帝国軍と聖道教会との争いをね。」
「それでも今死ぬよりはずっといい…俺がこれからもリィナを守ろう。約束するよ。エクス。」
「分かったわ。リィナと契約しましょう。」
そうエクスが言うとリィナは淡い光に包まれた。欠損していた右腕が元に戻り出血も止まった。そして目を覚ます。
「あれ、あたし…腕が無くなってすごく痛くて…シオンに助けを求めて…死んじゃったはずじゃあ…」
俺が応える。
「エクスカリバーの能力で君の傷は直ったんだ。ただし代償として君は魂をエクスカリバーに捧げた。これからの旅は君も一緒だ。一生エクスカリバーから君は離れられない。」
「そうなんですね。あたし旅に出れるんだ。エクスカリバーさんの事は良く分からないけど…私なりに一生懸命頑張りますね。何も出来ないですけど料理は得意です。さあ旅にでましょう。シオン、エクスカリバーさん。」
守る者を背負い込んじまった。それでもリィナを見捨てる事は出来なかった。厳しい旅になるが彼女の笑顔が癒しになる。それで良いじゃないか…
エクスが独り語る。
「やれやれ…お守りが二人に増えるとは…私で守りきれるかしら…でもシオンと二人で旅するよりも賑やかで楽しいかもしれないわね。それに二人分の霊脈に龍脈へのアクセスも出きるし戦力は上がった方かしら。まあなんにせよ。闘いは続くわ。聖剣の私が最強だけれど。」
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