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一節 トラック事故 貴方には2つの選択肢があります
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俺の名前は一ノ瀬達也。どこにでもいるごく平凡なトラック運転手だ。今日も日がな一日中トラックを運転している。目の前の車が邪魔くさくて渋滞が起きてしまっている。くっそ送れると親方に怒られるっつーの。
「マグナシャイン!ファイアボルト!全弾着弾!爆破!敵軽自動車爆破!確認!」
オリジナルで考えた魔法を口で問えて、言霊を渋滞の先頭でトロトロしている軽自動車にぶつけている。ラジオをかき消す気合の詠唱だったのだがまるで効いていない。
それも当然ここは平和な日本である。効かなくて当然なのだ。あー俺の中二能力がもてはやされる世界に行きてえな。と思う。今日の昼めしはラーメンにしよう。そうだかつ丼セットにするか!
行きつけの定食屋アンドウでの食事の事を考えながらぼーっとしていた。意識が落ちる落ちる…
はッ何分か落ちていたかな?先頭の車は変わっていた。距離感が掴めないがアクセルを間違えて踏み込んでしまった。
先頭の車両は鉄骨を荷台に積んだトラックで俺のトラックはそのまま突っ込んでいってしまう。体が硬直してブレーキを踏みなおせない!まずい。死ぬ死ぬ死ぬこのままでは死ぬ。
「終わった!俺の人生終わった!助けてよママ!」
絶叫する俺にトラックの荷台の鉄骨が迫り、そしてそのまま頭蓋骨叩き砕いた。
俺は死んでしまったのだ。二五歳の若さで彼女もできず、一杯やり残したエッチなゲームもあるのに死んでしまった。それをトラックより少し高い場所から眺めている。俺の霊力の躰ともいうべきだろうか。自由に動き回れるしどこにでも行けるが困ってしまった。
どうしよう。葬式が終わるまではその場に留まってついて行った方がいいのかな?それとも先に天国からお迎えが来るのだろうか?
クッソフェニックスリザレクション!蘇生の効果がある…わけないか。
がっくし。途方に暮れる。この後どうしよう。
「一ノ瀬達也…一ノ瀬達也の御霊ですか?」
なんだろう。きれいな女の人が現れてその声が聞こえる。
「はい。そうです。俺が一ノ瀬達也ですが何の御用でしょうか?」
「貴方にはこれから二つの選択肢があります。このまま死後の世界に行くか、こことは違うファンタジックな世界に行くかどちらにしますか?」
「質問です。死後の世界とは天国の事ですか?」
「そういうことになりますね。さあこのまま死後の世界に行くか、こことは違うファンタジックな世界に行くかどちらにしますか?」
「うーん。そうですね。正直俺にはやり残したこともないし、天国に連れて行ってもらえませんか。」
「若いのに根性がありませんね。貴方にはこれから二つの選択肢があります。このまま死後の世界に行くか、こことは違うファンタジックな世界に行くかどちらにしますか?」
「はあ?天国に行きますけど。」
「貴方の中二病で考えてみなさい。貴方にはこれから二つの選択肢があります。このまま死後の世界に行くか、こことは違うファンタジックな世界に行くかどちらにしますか?」
これは伝説のロールプレイングゲームの問答ではないか?こいつ俺を天国に行かせる気がないな。やばい。いつもならファンタジックな世界を選ぶんだけど、今に限ってファンタジックな世界に生きたくない。またおれは一つ賢くなった。人間はいざという時はファンタジックな世界に転生したくなくなるという事だ。
「答えがどうやら煮え切らないようですね。良いでしょう。貴方はファンタジックな世界。イスワルドに追放します。転生に際するボーナスも一切なしです。楽しい転生生活をお楽しみください。」
「えっ普通なんかありませんか?無敵になったり、美形になったり、若返ったりって?いやまあ若返るほど年は取ってないんですけど。着の身着のままで行かされるんですか?」
「そうなりますね。さあイスワルドへの扉を開きましょう。それから一ノ瀬達也という名前を聞かれるとまずいことになります。今私がホーリーネームを与えましょう。そうですね…うーん…ぼそっブフォクソ受ける…タッツン。貴方のホーリーネームはタッツンに決定しました。」
「おい!今クソ受けるとか言っただろう!何で小学生のあだ名みたいになってるんですか?勘弁してくださいよ!」
亜空跳躍ゲート解放!と女神様が叫んだ。俺の目の前に見たことも無い渦巻く穴が広がっている。俺はその中に押し込まれてしまった!畜生覚えていろよ!イスワルドで絶対見つけて尻にタイキックしてやるからな。
こうして俺は異世界イスワルドへの転生を果たした。潤いが失われつつああり日々けだるい二五歳の肉体のままで…
「マグナシャイン!ファイアボルト!全弾着弾!爆破!敵軽自動車爆破!確認!」
オリジナルで考えた魔法を口で問えて、言霊を渋滞の先頭でトロトロしている軽自動車にぶつけている。ラジオをかき消す気合の詠唱だったのだがまるで効いていない。
それも当然ここは平和な日本である。効かなくて当然なのだ。あー俺の中二能力がもてはやされる世界に行きてえな。と思う。今日の昼めしはラーメンにしよう。そうだかつ丼セットにするか!
行きつけの定食屋アンドウでの食事の事を考えながらぼーっとしていた。意識が落ちる落ちる…
はッ何分か落ちていたかな?先頭の車は変わっていた。距離感が掴めないがアクセルを間違えて踏み込んでしまった。
先頭の車両は鉄骨を荷台に積んだトラックで俺のトラックはそのまま突っ込んでいってしまう。体が硬直してブレーキを踏みなおせない!まずい。死ぬ死ぬ死ぬこのままでは死ぬ。
「終わった!俺の人生終わった!助けてよママ!」
絶叫する俺にトラックの荷台の鉄骨が迫り、そしてそのまま頭蓋骨叩き砕いた。
俺は死んでしまったのだ。二五歳の若さで彼女もできず、一杯やり残したエッチなゲームもあるのに死んでしまった。それをトラックより少し高い場所から眺めている。俺の霊力の躰ともいうべきだろうか。自由に動き回れるしどこにでも行けるが困ってしまった。
どうしよう。葬式が終わるまではその場に留まってついて行った方がいいのかな?それとも先に天国からお迎えが来るのだろうか?
クッソフェニックスリザレクション!蘇生の効果がある…わけないか。
がっくし。途方に暮れる。この後どうしよう。
「一ノ瀬達也…一ノ瀬達也の御霊ですか?」
なんだろう。きれいな女の人が現れてその声が聞こえる。
「はい。そうです。俺が一ノ瀬達也ですが何の御用でしょうか?」
「貴方にはこれから二つの選択肢があります。このまま死後の世界に行くか、こことは違うファンタジックな世界に行くかどちらにしますか?」
「質問です。死後の世界とは天国の事ですか?」
「そういうことになりますね。さあこのまま死後の世界に行くか、こことは違うファンタジックな世界に行くかどちらにしますか?」
「うーん。そうですね。正直俺にはやり残したこともないし、天国に連れて行ってもらえませんか。」
「若いのに根性がありませんね。貴方にはこれから二つの選択肢があります。このまま死後の世界に行くか、こことは違うファンタジックな世界に行くかどちらにしますか?」
「はあ?天国に行きますけど。」
「貴方の中二病で考えてみなさい。貴方にはこれから二つの選択肢があります。このまま死後の世界に行くか、こことは違うファンタジックな世界に行くかどちらにしますか?」
これは伝説のロールプレイングゲームの問答ではないか?こいつ俺を天国に行かせる気がないな。やばい。いつもならファンタジックな世界を選ぶんだけど、今に限ってファンタジックな世界に生きたくない。またおれは一つ賢くなった。人間はいざという時はファンタジックな世界に転生したくなくなるという事だ。
「答えがどうやら煮え切らないようですね。良いでしょう。貴方はファンタジックな世界。イスワルドに追放します。転生に際するボーナスも一切なしです。楽しい転生生活をお楽しみください。」
「えっ普通なんかありませんか?無敵になったり、美形になったり、若返ったりって?いやまあ若返るほど年は取ってないんですけど。着の身着のままで行かされるんですか?」
「そうなりますね。さあイスワルドへの扉を開きましょう。それから一ノ瀬達也という名前を聞かれるとまずいことになります。今私がホーリーネームを与えましょう。そうですね…うーん…ぼそっブフォクソ受ける…タッツン。貴方のホーリーネームはタッツンに決定しました。」
「おい!今クソ受けるとか言っただろう!何で小学生のあだ名みたいになってるんですか?勘弁してくださいよ!」
亜空跳躍ゲート解放!と女神様が叫んだ。俺の目の前に見たことも無い渦巻く穴が広がっている。俺はその中に押し込まれてしまった!畜生覚えていろよ!イスワルドで絶対見つけて尻にタイキックしてやるからな。
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