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私達はサイガ村に到着した。海岸から一時間ほど歩かされただろうか。ミーシャと共に私達を襲った面を付けた半裸の男達もついて来る。
私はストームカリバーに手を掛けたままずっと着いて行った。エリカは無警戒にも程が無かった。何も用意せずに頭の後ろで手を組んでミーシャ達に着いて行ったのだ。相変わらず油断が過ぎるわね…
サイガの村は数百人が暮らしている集落の様だった。文明のレベルはお世辞にも私達の暮していたニブルヘルムやブリジストの街に遠く及んでいない。
村に到着するとミーシャが声を上げた。
「マリク、イシス、エイレン、ガダリカ、アイクは自分の家に帰っていなさい。私は神託の巫女に話があるから。イビルグレード様もお待ちいただいているしね。」
面の半裸男達は頷くとそれぞれの家へと帰っていった。
私達はミーシャについて行くことにする。村には藁で編まれた小屋の様な物が点々と存在していた。それが恐らく家なのだろう。ミーシャはその中でも一際大きい小屋へと私達を案内した。
「ここはイビルグレード様の神域よ。直にイビルグレード様が神託を授けて下さるわ。それまで待っていて。さあイビルグレード様お越しください。神託の巫女を連れてまいりました…。」
しばらくすると神声が響き渡った。これはイビルグレードの物だ。
「呼ばれて乞われてすぐ登場。フーハッハッハ!我こそはサイガ村の守り神イビルグレードだ。神託の巫女達よ。そなたらの経歴は調べさせてもらったぞ。オーディン大陸から長旅ご苦労。まさか万の軍勢を平然と屠る程の能力を持ち合わせているとはな。我ながら調べていて驚いたぞ。女神アイリスとも少し会話をしてきた。俺よりも神格の高い神だからそう長い事会話をすることは出来なかったけれどな。何でもエリカとやらが秘蔵っ子のようだな。そちらのエリスルージュも一部ギフテッドの能力が使えるとか…本当に面白いな…お前達は!」
私が答える。神様だからって関係ない。
「イビルグレード様。お言葉ですが、私達は貴方達に殺されかけたのです。この村に住んでいる人達なら、エリカと私の戦闘能力で簡単に血祭に上げる事が出来ます。どうして私達を呼んだのですか?私は少なくとも戦闘の準備は済んでいます。お答えください。返答次第ではこの村を消滅させなくてはなりません。」
イビルグレード様の神声がまた響き渡った。
「血気盛んだな。エリスルージュ。俺がお前達を呼んだ理由は他でもない。村に襲い掛かる困難な状況を打破するために呼んだのだ。まずは近隣の部族の襲撃だ。サイガ村の周りにも集落がある。その集落から攻撃的な者が送り込まれてくるんだ。それの撃退を手伝って欲しい。我々も戦士を何人も持っていたんだが、戦いの中で一人、二人とどんどん減ってしまってな。今では五人しか居なくなってしまったのだ。一万人を屠る強さを持つ君達ならば、どんな敵でも倒せるだろう。それに加えて危険な化物が村の周辺を徘徊している。その討伐もお願いしたい。」
「仰りたい事は理解しました。ようは私達を体の良い始末屋として扱いたいんですね。お断りします。私達は冒険の為に新大陸に来ました。小間使いの為に来たわけでは無いのです。イビルグレード様。助けて頂いたことは感謝しますが、貴方のお力にはなれません。村を傷つける事もしたくないです。これにて去らせてもらいましょう。さらばです。」
ミーシャが口を挟んできた。
「イビルグレード様に…何たる不敬な!お前達はサイガ村で役目を果たしてもらわねばならない。私からも頼む!お願いだ。サイガ村を護ってくれ。このままでは村が本当に滅びてしまうんだ。近隣の集落からの襲撃に加えて、危険な化物の襲来も最近重なってきている。本当にこのままでは村が危ない!ここにいれば衣食住は確保してやる。冒険の拠点として使ってくれて構わない。だからこの村を護ってくれないか?私からもお願いだ。」
ミーシャは土下座して頼み込んできた。ここまでやられると無下に出来ないわね…
エリカが口を開いた。まだ頭の後ろで手を組んでいる。
「良いんじゃない。助けてあげれば?どうせボク達に新大陸での拠点も無いでしょう。村の周りの危険な物を根こそぎ滅ぼした後にボク達の拠点としてサイガ村を使おうよ。それなら問題は無いんじゃないかな。どうせこの先も戦いに塗れているんだ。危険な化物も集落の戦士もボクらの手に掛かればちょちょいのちょいじゃないか。」
まったく仕方ないにゃあ。って言うのよね。こういう時。
「まったくし…仕方ない…にゃあ。分かったわよ。サイガ村の防衛は引き受けたわ。近隣部族の戦士でも危険な生物でも何でもウェルカムよ。私達、エリスルージュとエリカに任せなさい。失望はさせない戦果を叩きだしましょう。」
「うわあ…エリスがあんな事言ってるの初めて聞いたよ。ようし…ボクも!ミーシャ。仕方ないにゃあ。ボク達が力を貸してあげよう。もう心配は無いよ。だから頭を上げて…まずは食事を貰おうか…船の上では簡易食糧ばっかりだったから、正直飽きが来ていたんだ。サイガ村の食事は美味しいのかな?非常に気になるね。」
ミーシャは泣き出しそうな顔をしていた。
「二人ともありがとう。貴女達のような比類なき戦士を村に迎える事が出来たのは感謝しきれない程の幸運だ。イビルグレード様もお喜びになるだろう。さあ貴女達の住処に案内しよう。」
神声が響き渡る。
「この村を護ってくれる事になるとわな。嬉しいぞ。神託の巫女達よ。そなたらの活躍は俺もミーシャも期待をしている。その期待を裏切らない様に頑張ってくれ。それではさらばだ。また機会があれば出会うだろう…」
これでしばらくは出てこないって訳ね。うーん。まんまとハメられた気がするけど仕方が無いでしょう。一度闘うと決めたからには闘い抜くわ。
私達はミーシャに着いて行った。案内された住処は藁で編まれた住居だった。中には二つの寝床がある以外何もないというか何も置けない広さの住居だった。この村は裕福ではない…文句を言うべきでは無いだろう。それに新大陸で念願の探索拠点を手に入れたのだ。喜ぶべきだと思う。
「ここが貴女達の住処よ。何も無いけれど寝る事だけは出来るわ。…そろそろ食事にしましょうか。食事は村の集会所で配られるわ。ついてきて頂戴。」
また私達はミーシャに着いて行った。連れられた集会所では良い匂いが広がっている。食事が配られているようだ。私達とミーシャも受け取ることにした。パンと謎の肉を焼いた食事だ。テーブルが有ったのでそこに座ると食事にありつく。食事の質自体はオーディン大陸と何ら変色は無い。少し虫等を食わされるかもと思っていたのは内緒だ。
…モグモグ…中々肉もパンも旨かった。ご馳走様。
私達は食事を終えるとミーシャと別れた。自分達の住処に戻り休息を取る事にする。時刻はまだ夕方だったが、今日は色々とあったし早すぎるという物でも無い。
「もう寝ましょうか?エリカ。」
「そうだね。エリス。今日は疲れた。また明日の冒険に備えてもう寝てしまおう。」
私達二人は眠りに着くことにした。
私はストームカリバーに手を掛けたままずっと着いて行った。エリカは無警戒にも程が無かった。何も用意せずに頭の後ろで手を組んでミーシャ達に着いて行ったのだ。相変わらず油断が過ぎるわね…
サイガの村は数百人が暮らしている集落の様だった。文明のレベルはお世辞にも私達の暮していたニブルヘルムやブリジストの街に遠く及んでいない。
村に到着するとミーシャが声を上げた。
「マリク、イシス、エイレン、ガダリカ、アイクは自分の家に帰っていなさい。私は神託の巫女に話があるから。イビルグレード様もお待ちいただいているしね。」
面の半裸男達は頷くとそれぞれの家へと帰っていった。
私達はミーシャについて行くことにする。村には藁で編まれた小屋の様な物が点々と存在していた。それが恐らく家なのだろう。ミーシャはその中でも一際大きい小屋へと私達を案内した。
「ここはイビルグレード様の神域よ。直にイビルグレード様が神託を授けて下さるわ。それまで待っていて。さあイビルグレード様お越しください。神託の巫女を連れてまいりました…。」
しばらくすると神声が響き渡った。これはイビルグレードの物だ。
「呼ばれて乞われてすぐ登場。フーハッハッハ!我こそはサイガ村の守り神イビルグレードだ。神託の巫女達よ。そなたらの経歴は調べさせてもらったぞ。オーディン大陸から長旅ご苦労。まさか万の軍勢を平然と屠る程の能力を持ち合わせているとはな。我ながら調べていて驚いたぞ。女神アイリスとも少し会話をしてきた。俺よりも神格の高い神だからそう長い事会話をすることは出来なかったけれどな。何でもエリカとやらが秘蔵っ子のようだな。そちらのエリスルージュも一部ギフテッドの能力が使えるとか…本当に面白いな…お前達は!」
私が答える。神様だからって関係ない。
「イビルグレード様。お言葉ですが、私達は貴方達に殺されかけたのです。この村に住んでいる人達なら、エリカと私の戦闘能力で簡単に血祭に上げる事が出来ます。どうして私達を呼んだのですか?私は少なくとも戦闘の準備は済んでいます。お答えください。返答次第ではこの村を消滅させなくてはなりません。」
イビルグレード様の神声がまた響き渡った。
「血気盛んだな。エリスルージュ。俺がお前達を呼んだ理由は他でもない。村に襲い掛かる困難な状況を打破するために呼んだのだ。まずは近隣の部族の襲撃だ。サイガ村の周りにも集落がある。その集落から攻撃的な者が送り込まれてくるんだ。それの撃退を手伝って欲しい。我々も戦士を何人も持っていたんだが、戦いの中で一人、二人とどんどん減ってしまってな。今では五人しか居なくなってしまったのだ。一万人を屠る強さを持つ君達ならば、どんな敵でも倒せるだろう。それに加えて危険な化物が村の周辺を徘徊している。その討伐もお願いしたい。」
「仰りたい事は理解しました。ようは私達を体の良い始末屋として扱いたいんですね。お断りします。私達は冒険の為に新大陸に来ました。小間使いの為に来たわけでは無いのです。イビルグレード様。助けて頂いたことは感謝しますが、貴方のお力にはなれません。村を傷つける事もしたくないです。これにて去らせてもらいましょう。さらばです。」
ミーシャが口を挟んできた。
「イビルグレード様に…何たる不敬な!お前達はサイガ村で役目を果たしてもらわねばならない。私からも頼む!お願いだ。サイガ村を護ってくれ。このままでは村が本当に滅びてしまうんだ。近隣の集落からの襲撃に加えて、危険な化物の襲来も最近重なってきている。本当にこのままでは村が危ない!ここにいれば衣食住は確保してやる。冒険の拠点として使ってくれて構わない。だからこの村を護ってくれないか?私からもお願いだ。」
ミーシャは土下座して頼み込んできた。ここまでやられると無下に出来ないわね…
エリカが口を開いた。まだ頭の後ろで手を組んでいる。
「良いんじゃない。助けてあげれば?どうせボク達に新大陸での拠点も無いでしょう。村の周りの危険な物を根こそぎ滅ぼした後にボク達の拠点としてサイガ村を使おうよ。それなら問題は無いんじゃないかな。どうせこの先も戦いに塗れているんだ。危険な化物も集落の戦士もボクらの手に掛かればちょちょいのちょいじゃないか。」
まったく仕方ないにゃあ。って言うのよね。こういう時。
「まったくし…仕方ない…にゃあ。分かったわよ。サイガ村の防衛は引き受けたわ。近隣部族の戦士でも危険な生物でも何でもウェルカムよ。私達、エリスルージュとエリカに任せなさい。失望はさせない戦果を叩きだしましょう。」
「うわあ…エリスがあんな事言ってるの初めて聞いたよ。ようし…ボクも!ミーシャ。仕方ないにゃあ。ボク達が力を貸してあげよう。もう心配は無いよ。だから頭を上げて…まずは食事を貰おうか…船の上では簡易食糧ばっかりだったから、正直飽きが来ていたんだ。サイガ村の食事は美味しいのかな?非常に気になるね。」
ミーシャは泣き出しそうな顔をしていた。
「二人ともありがとう。貴女達のような比類なき戦士を村に迎える事が出来たのは感謝しきれない程の幸運だ。イビルグレード様もお喜びになるだろう。さあ貴女達の住処に案内しよう。」
神声が響き渡る。
「この村を護ってくれる事になるとわな。嬉しいぞ。神託の巫女達よ。そなたらの活躍は俺もミーシャも期待をしている。その期待を裏切らない様に頑張ってくれ。それではさらばだ。また機会があれば出会うだろう…」
これでしばらくは出てこないって訳ね。うーん。まんまとハメられた気がするけど仕方が無いでしょう。一度闘うと決めたからには闘い抜くわ。
私達はミーシャに着いて行った。案内された住処は藁で編まれた住居だった。中には二つの寝床がある以外何もないというか何も置けない広さの住居だった。この村は裕福ではない…文句を言うべきでは無いだろう。それに新大陸で念願の探索拠点を手に入れたのだ。喜ぶべきだと思う。
「ここが貴女達の住処よ。何も無いけれど寝る事だけは出来るわ。…そろそろ食事にしましょうか。食事は村の集会所で配られるわ。ついてきて頂戴。」
また私達はミーシャに着いて行った。連れられた集会所では良い匂いが広がっている。食事が配られているようだ。私達とミーシャも受け取ることにした。パンと謎の肉を焼いた食事だ。テーブルが有ったのでそこに座ると食事にありつく。食事の質自体はオーディン大陸と何ら変色は無い。少し虫等を食わされるかもと思っていたのは内緒だ。
…モグモグ…中々肉もパンも旨かった。ご馳走様。
私達は食事を終えるとミーシャと別れた。自分達の住処に戻り休息を取る事にする。時刻はまだ夕方だったが、今日は色々とあったし早すぎるという物でも無い。
「もう寝ましょうか?エリカ。」
「そうだね。エリス。今日は疲れた。また明日の冒険に備えてもう寝てしまおう。」
私達二人は眠りに着くことにした。
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