11 / 17
天使の救援
しおりを挟む
◆
ニュージュークが包囲されてから7日が経った。城門はぴたりと閉ざされ蟻の這い出る隙もない。物資は不足し、市民から不満の声が出始めた。
「早く食い物を配ってくれ!」
「子供に薬を!お願い!」
「いつまで出られないんだ!?」
腹を空かせた人々は苛立ち、門を守る兵たちに当たるようになった。暴動が起こるのは時間の問題だろう。
諸侯の軍が集まるのが先か。民が飢えるのが先か。帝国軍は動かない。こちらが干上がり降伏するのを待っている。
「私だけ多いな。皆と同じでいいぞ」
食事時。マークは皿を見て侍従に言った。今は非常時だ。乏しい食料で耐えねばならない。しかし陪席したリトナード将軍が異を唱えた。
「いけません。いざとなったら陛下だけでも脱出していただきます。空きっ腹では動けませんぞ」
「縁起でもない」
しかしそれは遠くない未来だ。ニュージュークに限界が近づいていた。
◆
籠城10日目。ついに配給が滞り始めた。武器を持った市民が王城前に集まってきた。
「貴族は美味いものを食ってんだろ!」
「俺たちを殺す気か!」
「食料を寄越せ!」
兵と民は一触即発の危機だった。マークは説得に行こうとしたが、将軍に止められる。
「危険です。こうなったら…」
力で押さえるしかない。帝国の思う壺だというのに。
「待ちな!」
そこへ別の一団が乱入してきた。先頭にいるのは下町カジノのオーナーだ。
「食い物ならある。売ってやるよ」
手下が数台の荷車を引いてきた。全て食料だった。市民達は抗議した。
「金を取るのか!?」
オーナーはニヤリと笑った。
「あたぼうよ。慈善事業じゃねぇんだ」
「金なんて無い」
「じゃあその剣と交換だ」
市民に動揺が広がる。やがて1人が取引に応じた。剣一本で一抱えの食料を手に入れ、喜んで帰って行った。それを見た者たちが次々に倣う。
「ありがとう。助かった」
市民が散るとマークはオーナーに礼を言った。人相の悪い男は素っ気なく武器の山を指差した。
「こいつを買ってくれよ。現金でな」
マークは笑って了承した。それにしても、どうやってこれ程の食料を手に入れたのか。不思議に思って訊いた。
「天使だ」
男は真面目な顔で言った。
「天使?」
「そうだ。下町にいる」
♡
眼鏡の計画はこうだ。転移可能な距離までニュージュークに近づき、中に入る。そして食料を届ける。
「物質を引き寄せるのに制限は無いそうですね。どんどん盗んでやりなさい。帝国軍の物資を」
ヴァイオレットは驚愕した。ナナコに盗みをさせるのか。
「敵の輜重を奪うのは立派な戦術です」
次にケイオス軍の幹部と接触し、眼鏡の案を献策する。どのみち籠城戦は救援が来ない限り負ける。
「よほどのバカでない限り私の案を採用するはずです」
帝国軍は内部から崩れるのを待っている。籠城軍が打って出るとは思わない。そこを逆手に取って反撃する。
「大体分かったわ。でも上手くいくかしら」
「その5グラム便とやらで戦況を教えてください。こちらからの返事は“盗んで”いけば良いでしょう」
下町の友人たちを助けるにはこうするしかない。ヴァイオレットは旅の準備に取り掛かった。
♡
「ダメだ。許可できない」
従兄に反対される。
「せっかく生きて帰れたのに!またケイオスに行くなんて!」
母にも涙で引き留められた。困った。ヴァイオレットは眼鏡を見た。奴は2人を説得してくれた。
「ご安心ください。姫は天使ですよ」
体を瞬時に回復させる治癒力。敵の目を欺く幻術。発光。飛翔。転移。
「今や姫は人類最強です。心配する必要は微塵もありません」
今一つ釈然としない。マメに連絡を寄越すこと。いざとなったらすぐに逃げること。それらを約束し、従兄と母は渋々了承してくれた。
◆
将軍の反対を押し切ってマークは下町に赴いた。どこに敵の密偵がいるか分からない。しかし確かめずにはいられなかった。
あのプラーザ組の男は言った。下町に天使が現れ、山のような食料を届けたと。食べ物だけではない。薬や燃料、衣類まで。噂を聞きつけた民が押し掛けてきたが、下町商工会の者たちが公平に配っているらしい。
マークが着いた時、静かに並んで物資を受け取る人々の列が見えた。炊き出しの大鍋が幾つもある。あの食堂の女将がシチューをよそっていた。その横で鍋をかき回している金髪の女性は、
「ヴィー!」
アシノにいるはずの彼女だった。マークの大声に振り向く。
「伯爵さま。ご機嫌よう」
「なぜ君が…」
ここに居る。どうやって入れた。天使とは君の事か。訊きたいことが山のようにある。すると女将が口を挟んだ。
「オダキユからの支援物資を運んできてくれたんですよ!ヴィーちゃん、実は魔法使いだったんですって!」
マークは目を見開いた。呆然としていると商工会の会長が来てヴィーに話しかけた。
「パンがもうすぐ無くなっちまう。すまんが出してくれんかね」
「りょーかいでーす!」
彼女はお玉を別の夫人に渡すと会長と配給の列の先頭に行った。皆が見守る中、両手を組んで目を瞑る。何が始まるのか。
「!?」
次の瞬間、何もなかった地面の上に大きな木箱が現れた。木箱は次々に出現し、山積みとなった。配給係がその一つを開ける。中にはパンがぎっしりと入っていた。
「やった!くるみ入りだ!」
子供たちが喜ぶ。大人たちも歓声を上げた。会長はヴィーを労った。
「ありがとさん。今日はこれでいけそうだ」
「どういたしまして」
ヴィーが戻って来た。マークは正気に返った。
「何だ今のは?!あれは…」
箱に書かれた文字は帝国語だ。オダキユの支援物資じゃない。彼女は唇に指を当てた。マークを路地裏に連れていく。
「御覧の通り帝国軍の兵糧です。文字が読める人は少ないので。…伯爵にお願いがあります。リトナード将軍にお目通りさせてください」
真剣な顔で頼まれた。なぜ国王じゃないんだ。はたと気づく。平民のほとんどは父の死も王太子の帰還も知らないのだ。彼女は小声で続けた。
「帝国軍に勝つ策があります」
ニュージュークが包囲されてから7日が経った。城門はぴたりと閉ざされ蟻の這い出る隙もない。物資は不足し、市民から不満の声が出始めた。
「早く食い物を配ってくれ!」
「子供に薬を!お願い!」
「いつまで出られないんだ!?」
腹を空かせた人々は苛立ち、門を守る兵たちに当たるようになった。暴動が起こるのは時間の問題だろう。
諸侯の軍が集まるのが先か。民が飢えるのが先か。帝国軍は動かない。こちらが干上がり降伏するのを待っている。
「私だけ多いな。皆と同じでいいぞ」
食事時。マークは皿を見て侍従に言った。今は非常時だ。乏しい食料で耐えねばならない。しかし陪席したリトナード将軍が異を唱えた。
「いけません。いざとなったら陛下だけでも脱出していただきます。空きっ腹では動けませんぞ」
「縁起でもない」
しかしそれは遠くない未来だ。ニュージュークに限界が近づいていた。
◆
籠城10日目。ついに配給が滞り始めた。武器を持った市民が王城前に集まってきた。
「貴族は美味いものを食ってんだろ!」
「俺たちを殺す気か!」
「食料を寄越せ!」
兵と民は一触即発の危機だった。マークは説得に行こうとしたが、将軍に止められる。
「危険です。こうなったら…」
力で押さえるしかない。帝国の思う壺だというのに。
「待ちな!」
そこへ別の一団が乱入してきた。先頭にいるのは下町カジノのオーナーだ。
「食い物ならある。売ってやるよ」
手下が数台の荷車を引いてきた。全て食料だった。市民達は抗議した。
「金を取るのか!?」
オーナーはニヤリと笑った。
「あたぼうよ。慈善事業じゃねぇんだ」
「金なんて無い」
「じゃあその剣と交換だ」
市民に動揺が広がる。やがて1人が取引に応じた。剣一本で一抱えの食料を手に入れ、喜んで帰って行った。それを見た者たちが次々に倣う。
「ありがとう。助かった」
市民が散るとマークはオーナーに礼を言った。人相の悪い男は素っ気なく武器の山を指差した。
「こいつを買ってくれよ。現金でな」
マークは笑って了承した。それにしても、どうやってこれ程の食料を手に入れたのか。不思議に思って訊いた。
「天使だ」
男は真面目な顔で言った。
「天使?」
「そうだ。下町にいる」
♡
眼鏡の計画はこうだ。転移可能な距離までニュージュークに近づき、中に入る。そして食料を届ける。
「物質を引き寄せるのに制限は無いそうですね。どんどん盗んでやりなさい。帝国軍の物資を」
ヴァイオレットは驚愕した。ナナコに盗みをさせるのか。
「敵の輜重を奪うのは立派な戦術です」
次にケイオス軍の幹部と接触し、眼鏡の案を献策する。どのみち籠城戦は救援が来ない限り負ける。
「よほどのバカでない限り私の案を採用するはずです」
帝国軍は内部から崩れるのを待っている。籠城軍が打って出るとは思わない。そこを逆手に取って反撃する。
「大体分かったわ。でも上手くいくかしら」
「その5グラム便とやらで戦況を教えてください。こちらからの返事は“盗んで”いけば良いでしょう」
下町の友人たちを助けるにはこうするしかない。ヴァイオレットは旅の準備に取り掛かった。
♡
「ダメだ。許可できない」
従兄に反対される。
「せっかく生きて帰れたのに!またケイオスに行くなんて!」
母にも涙で引き留められた。困った。ヴァイオレットは眼鏡を見た。奴は2人を説得してくれた。
「ご安心ください。姫は天使ですよ」
体を瞬時に回復させる治癒力。敵の目を欺く幻術。発光。飛翔。転移。
「今や姫は人類最強です。心配する必要は微塵もありません」
今一つ釈然としない。マメに連絡を寄越すこと。いざとなったらすぐに逃げること。それらを約束し、従兄と母は渋々了承してくれた。
◆
将軍の反対を押し切ってマークは下町に赴いた。どこに敵の密偵がいるか分からない。しかし確かめずにはいられなかった。
あのプラーザ組の男は言った。下町に天使が現れ、山のような食料を届けたと。食べ物だけではない。薬や燃料、衣類まで。噂を聞きつけた民が押し掛けてきたが、下町商工会の者たちが公平に配っているらしい。
マークが着いた時、静かに並んで物資を受け取る人々の列が見えた。炊き出しの大鍋が幾つもある。あの食堂の女将がシチューをよそっていた。その横で鍋をかき回している金髪の女性は、
「ヴィー!」
アシノにいるはずの彼女だった。マークの大声に振り向く。
「伯爵さま。ご機嫌よう」
「なぜ君が…」
ここに居る。どうやって入れた。天使とは君の事か。訊きたいことが山のようにある。すると女将が口を挟んだ。
「オダキユからの支援物資を運んできてくれたんですよ!ヴィーちゃん、実は魔法使いだったんですって!」
マークは目を見開いた。呆然としていると商工会の会長が来てヴィーに話しかけた。
「パンがもうすぐ無くなっちまう。すまんが出してくれんかね」
「りょーかいでーす!」
彼女はお玉を別の夫人に渡すと会長と配給の列の先頭に行った。皆が見守る中、両手を組んで目を瞑る。何が始まるのか。
「!?」
次の瞬間、何もなかった地面の上に大きな木箱が現れた。木箱は次々に出現し、山積みとなった。配給係がその一つを開ける。中にはパンがぎっしりと入っていた。
「やった!くるみ入りだ!」
子供たちが喜ぶ。大人たちも歓声を上げた。会長はヴィーを労った。
「ありがとさん。今日はこれでいけそうだ」
「どういたしまして」
ヴィーが戻って来た。マークは正気に返った。
「何だ今のは?!あれは…」
箱に書かれた文字は帝国語だ。オダキユの支援物資じゃない。彼女は唇に指を当てた。マークを路地裏に連れていく。
「御覧の通り帝国軍の兵糧です。文字が読める人は少ないので。…伯爵にお願いがあります。リトナード将軍にお目通りさせてください」
真剣な顔で頼まれた。なぜ国王じゃないんだ。はたと気づく。平民のほとんどは父の死も王太子の帰還も知らないのだ。彼女は小声で続けた。
「帝国軍に勝つ策があります」
158
あなたにおすすめの小説
旦那様、離婚してくださいませ!
ましろ
恋愛
ローズが結婚して3年目の結婚記念日、旦那様が事故に遭い5年間の記憶を失ってしまったらしい。
まぁ、大変ですわね。でも利き手が無事でよかったわ!こちらにサインを。
離婚届?なぜ?!大慌てする旦那様。
今更何をいっているのかしら。そうね、記憶がないんだったわ。
夫婦関係は冷めきっていた。3歳年上のキリアンは婚約時代から無口で冷たかったが、結婚したら変わるはずと期待した。しかし、初夜に言われたのは「お前を抱くのは無理だ」の一言。理由を聞いても黙って部屋を出ていってしまった。
それでもいつかは打ち解けられると期待し、様々な努力をし続けたがまったく実を結ばなかった。
お義母様には跡継ぎはまだか、石女かと嫌味を言われ、社交会でも旦那様に冷たくされる可哀想な妻と面白可笑しく噂され蔑まれる日々。なぜ私はこんな扱いを受けなくてはいけないの?耐えに耐えて3年。やっと白い結婚が成立して離婚できる!と喜んでいたのに……
なんでもいいから旦那様、離婚してくださいませ!
3歳で捨てられた件
玲羅
恋愛
前世の記憶を持つ者が1000人に1人は居る時代。
それゆえに変わった子供扱いをされ、疎まれて捨てられた少女、キャプシーヌ。拾ったのは宰相を務めるフェルナー侯爵。
キャプシーヌの運命が再度変わったのは貴族学院入学後だった。
〈完結〉【書籍化&コミカライズ・取り下げ予定】記憶を失ったらあなたへの恋心も消えました。
ごろごろみかん。
恋愛
婚約者には、何よりも大切にしている義妹がいる、らしい。
ある日、私は階段から転がり落ち、目が覚めた時には全てを忘れていた。
対面した婚約者は、
「お前がどうしても、というからこの婚約を結んだ。そんなことも覚えていないのか」
……とても偉そう。日記を見るに、以前の私は彼を慕っていたらしいけれど。
「階段から転げ落ちた衝撃であなたへの恋心もなくなったみたいです。ですから婚約は解消していただいて構いません。今まで無理を言って申し訳ありませんでした」
今の私はあなたを愛していません。
気弱令嬢(だった)シャーロットの逆襲が始まる。
☆タイトルコロコロ変えてすみません、これで決定、のはず。
☆商業化が決定したため取り下げ予定です(完結まで更新します)
婚約破棄をされ、父に追放まで言われた私は、むしろ喜んで出て行きます! ~家を出る時に一緒に来てくれた執事の溺愛が始まりました~
ゆうき
恋愛
男爵家の次女として生まれたシエルは、姉と妹に比べて平凡だからという理由で、父親や姉妹からバカにされ、虐げられる生活を送っていた。
そんな生活に嫌気がさしたシエルは、とある計画を考えつく。それは、婚約者に社交界で婚約を破棄してもらい、その責任を取って家を出て、自由を手に入れるというものだった。
シエルの専属の執事であるラルフや、幼い頃から実の兄のように親しくしてくれていた婚約者の協力の元、シエルは無事に婚約を破棄され、父親に見捨てられて家を出ることになった。
ラルフも一緒に来てくれることとなり、これで念願の自由を手に入れたシエル。しかし、シエルにはどこにも行くあてはなかった。
それをラルフに伝えると、隣の国にあるラルフの故郷に行こうと提案される。
それを承諾したシエルは、これからの自由で幸せな日々を手に入れられると胸を躍らせていたが、その幸せは家族によって邪魔をされてしまう。
なんと、家族はシエルとラルフを広大な湖に捨て、自らの手を汚さずに二人を亡き者にしようとしていた――
☆誤字脱字が多いですが、見つけ次第直しますのでご了承ください☆
☆全文字はだいたい14万文字になっています☆
☆完結まで予約済みなので、エタることはありません!☆
夫に顧みられない王妃は、人間をやめることにしました~もふもふ自由なセカンドライフを謳歌するつもりだったのに、何故かペットにされています!~
狭山ひびき
恋愛
もう耐えられない!
隣国から嫁いで五年。一度も国王である夫から関心を示されず白い結婚を続けていた王妃フィリエルはついに決断した。
わたし、もう王妃やめる!
政略結婚だから、ある程度の覚悟はしていた。けれども幼い日に淡い恋心を抱いて以来、ずっと片思いをしていた相手から冷たくされる日々に、フィリエルの心はもう限界に達していた。政略結婚である以上、王妃の意思で離婚はできない。しかしもうこれ以上、好きな人に無視される日々は送りたくないのだ。
離婚できないなら人間をやめるわ!
王妃で、そして隣国の王女であるフィリエルは、この先生きていてもきっと幸せにはなれないだろう。生まれた時から政治の駒。それがフィリエルの人生だ。ならばそんな「人生」を捨てて、人間以外として生きたほうがましだと、フィリエルは思った。
これからは自由気ままな「猫生」を送るのよ!
フィリエルは少し前に知り合いになった、「廃墟の塔の魔女」に頼み込み、猫の姿に変えてもらう。
よし!楽しいセカンドラウフのはじまりよ!――のはずが、何故か夫(国王)に拾われ、ペットにされてしまって……。
「ふふ、君はふわふわで可愛いなぁ」
やめてえ!そんなところ撫でないで~!
夫(人間)妻(猫)の奇妙な共同生活がはじまる――
【完結】私を忘れてしまった貴方に、憎まれています
高瀬船
恋愛
夜会会場で突然意識を失うように倒れてしまった自分の旦那であるアーヴィング様を急いで邸へ連れて戻った。
そうして、医者の診察が終わり、体に異常は無い、と言われて安心したのも束の間。
最愛の旦那様は、目が覚めると綺麗さっぱりと私の事を忘れてしまっており、私と結婚した事も、お互い愛を育んだ事を忘れ。
何故か、私を憎しみの籠った瞳で見つめるのです。
優しかったアーヴィング様が、突然見知らぬ男性になってしまったかのようで、冷たくあしらわれ、憎まれ、私の心は日が経つにつれて疲弊して行く一方となってしまったのです。
何年も相手にしてくれなかったのに…今更迫られても困ります
Karamimi
恋愛
侯爵令嬢のアンジュは、子供の頃から大好きだった幼馴染のデイビッドに5度目の婚約を申し込むものの、断られてしまう。さすがに5度目という事もあり、父親からも諦める様言われてしまった。
自分でも分かっている、もう潮時なのだと。そんな中父親から、留学の話を持ち掛けられた。環境を変えれば、気持ちも落ち着くのではないかと。
彼のいない場所に行けば、彼を忘れられるかもしれない。でも、王都から出た事のない自分が、誰も知らない異国でうまくやっていけるのか…そんな不安から、返事をする事が出来なかった。
そんな中、侯爵令嬢のラミネスから、自分とデイビッドは愛し合っている。彼が騎士団長になる事が決まった暁には、自分と婚約をする事が決まっていると聞かされたのだ。
大きなショックを受けたアンジュは、ついに留学をする事を決意。専属メイドのカリアを連れ、1人留学の先のミラージュ王国に向かったのだが…
実は家事万能な伯爵令嬢、婚約破棄されても全く問題ありません ~追放された先で洗濯した男は、伝説の天使様でした~
空色蜻蛉
恋愛
「令嬢であるお前は、身の周りのことは従者なしに何もできまい」
氷薔薇姫の異名で知られるネーヴェは、王子に婚約破棄され、辺境の地モンタルチーノに追放された。
「私が何も出来ない箱入り娘だと、勘違いしているのね。私から見れば、聖女様の方がよっぽど箱入りだけど」
ネーヴェは自分で屋敷を掃除したり美味しい料理を作ったり、自由な生活を満喫する。
成り行きで、葡萄畑作りで泥だらけになっている男と仲良くなるが、実は彼の正体は伝説の・・であった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる