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絡まり
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僕は音楽を聴いていた、プレイリストの大半を占めるラブソンのひとつがイヤホンから流れ始めた。
まるでひとつの恋が終わろうとしてるような儚く美しいイントロだ。
そう聞こえたのは僕の恋が終わったからなのか、そう感じるように意図して作られたからなのか僕には分からない。
人生初めての告白だった、
「ごめん、蓮のことは友達としか見れない、だからごめん」
そう聞いて1回死んだ気がした。
体が指先から一気に冷えて、心臓がドキッと大きく1回泣くとさっきまでの早い鼓動が嘘みたいに静まり返り、体には力が入らなくなり立つのがやっとだ。
「…うだよね、ごめんねへんなこと言って」
「じゃね」
泣くのをがまんしてそう言ったことしか思い出せない。
彼がどんな顔をしていたのか、何を言っていたのか、帰り道はどう帰ったのか。
全て二人しかいなかった教室に置いてきてしまったのだろうか。
「あれ、カバン教室に忘れてる、、」
明日休もうと思っていたのに行かなくては行けない理由ができてしまった、、
「最悪」
今日は晩御飯のあとシャワーを早めに終わらせてすぐに寝た。
カバンを取りに行くという目的があるので、朝起きたらいつも通りの準備をして学校に向かう。
いつも通りのプレイリストで気分を上げながら学校に向かおうとしたが、ラブソンが多いので恋をあまり歌わないアーティストのプレイリストを選択した。
それでも昨日の告白が頭から離れない。
「本気で好きだったのになぁ」
すぐ思ったことを呟いちゃうとこが悪かったのかなぁ、などと考えても仕方がないことを脳内で繰り返しているうちに学校に着いた。
教室に着いた瞬間一晩ぶりのカバンに向けて
「よお、あいぼう」とふざけたセリフが口からこぼれた…
誰もいないことを確認してからもう一言
「1番だやったね」
ほんと自分でも独り言が多いやつだと思う。
カバンの中身を確認してから、ショートホームルームが始まるまでお気に入りの小説を読んで時間を潰す。
小説に集中してる間に人が増えてきて気づく、どうやら誰かが目撃して昨日の告白は噂になっているらしく、ものすごい量の視線を感じた。
「こっち見んな」
自分にしか聞こえない声量でつぶやく。
しょせん僕の告白だ、ショートホームルームが終わってからはもう視線をそれほど感じなかった、みんなそこまで気にしていないのだろう。
隣の席の彼は振られた僕より気まずそうだ。
このクラスでは唯一の友達だったんだけど、今日はまだ一言も交わしてない。
他のことを考えていたのもあるのだろうが一日が1.5倍速位で進んでいつの間にか昼休みだ。
スマホを見ながらお弁当を食べていると、チャットアプリの通知がポコンと出てきた。
『放課後空いてる?』
隣の席に座っている彼からのメッセージだ。
「放課後ならあいてるよ」
直接言えや、と思ったのであえて直接返事した。
「ありがとう」
今度は直接返事が来た。
また思っていたより直ぐに放課後になってしまう。
昨日と同じように教室に二人きりの空間ができた、昨日と違うのは廊下に数人の気配を感じることだ。
彼の友達なのか、たまたま気づいたクラスメイトなのかは分からない。
「…」
動画の前の広告のようにためたあと彼が言葉を発した。
「昨日のことさ、あのあとよく考えたんだけど、やっぱり俺と付き合ってくれないかな…」
は?
というのを堪えて言葉を選びながら返事をする。
「友達のままがいいって話じゃなかったっけ?」
「友達だと思ってたけど…」
友達だっただけあるな、彼の表情を見て全てわかってしまった。
「なに?僕が振られて可哀想だと思った?
それともせっかくの恋人ができるチャンスが勿体無いか?」
自分の中で何かが崩れた、言葉が止まらない。
「いや…」
彼が反論しようとしたがそれを被せるよう言葉を放つ。
「僕はさ、君のそういうとこを好きになったんじゃないんだよ、、
全部好きだったけど、君はそんなやつじゃないと思ってた。
そんな君を好きになった覚えは無いね。
勘違いすんな。」
自分の言いたいこと言うだけ言って机の上のイヤホンとスマホを掴んで逃げるように教室を飛び出した。
帰り道、イヤホンで作り出した自分だけの空間に入り込んでから気づく。
「あ…またカバン忘れた。」
まるでひとつの恋が終わろうとしてるような儚く美しいイントロだ。
そう聞こえたのは僕の恋が終わったからなのか、そう感じるように意図して作られたからなのか僕には分からない。
人生初めての告白だった、
「ごめん、蓮のことは友達としか見れない、だからごめん」
そう聞いて1回死んだ気がした。
体が指先から一気に冷えて、心臓がドキッと大きく1回泣くとさっきまでの早い鼓動が嘘みたいに静まり返り、体には力が入らなくなり立つのがやっとだ。
「…うだよね、ごめんねへんなこと言って」
「じゃね」
泣くのをがまんしてそう言ったことしか思い出せない。
彼がどんな顔をしていたのか、何を言っていたのか、帰り道はどう帰ったのか。
全て二人しかいなかった教室に置いてきてしまったのだろうか。
「あれ、カバン教室に忘れてる、、」
明日休もうと思っていたのに行かなくては行けない理由ができてしまった、、
「最悪」
今日は晩御飯のあとシャワーを早めに終わらせてすぐに寝た。
カバンを取りに行くという目的があるので、朝起きたらいつも通りの準備をして学校に向かう。
いつも通りのプレイリストで気分を上げながら学校に向かおうとしたが、ラブソンが多いので恋をあまり歌わないアーティストのプレイリストを選択した。
それでも昨日の告白が頭から離れない。
「本気で好きだったのになぁ」
すぐ思ったことを呟いちゃうとこが悪かったのかなぁ、などと考えても仕方がないことを脳内で繰り返しているうちに学校に着いた。
教室に着いた瞬間一晩ぶりのカバンに向けて
「よお、あいぼう」とふざけたセリフが口からこぼれた…
誰もいないことを確認してからもう一言
「1番だやったね」
ほんと自分でも独り言が多いやつだと思う。
カバンの中身を確認してから、ショートホームルームが始まるまでお気に入りの小説を読んで時間を潰す。
小説に集中してる間に人が増えてきて気づく、どうやら誰かが目撃して昨日の告白は噂になっているらしく、ものすごい量の視線を感じた。
「こっち見んな」
自分にしか聞こえない声量でつぶやく。
しょせん僕の告白だ、ショートホームルームが終わってからはもう視線をそれほど感じなかった、みんなそこまで気にしていないのだろう。
隣の席の彼は振られた僕より気まずそうだ。
このクラスでは唯一の友達だったんだけど、今日はまだ一言も交わしてない。
他のことを考えていたのもあるのだろうが一日が1.5倍速位で進んでいつの間にか昼休みだ。
スマホを見ながらお弁当を食べていると、チャットアプリの通知がポコンと出てきた。
『放課後空いてる?』
隣の席に座っている彼からのメッセージだ。
「放課後ならあいてるよ」
直接言えや、と思ったのであえて直接返事した。
「ありがとう」
今度は直接返事が来た。
また思っていたより直ぐに放課後になってしまう。
昨日と同じように教室に二人きりの空間ができた、昨日と違うのは廊下に数人の気配を感じることだ。
彼の友達なのか、たまたま気づいたクラスメイトなのかは分からない。
「…」
動画の前の広告のようにためたあと彼が言葉を発した。
「昨日のことさ、あのあとよく考えたんだけど、やっぱり俺と付き合ってくれないかな…」
は?
というのを堪えて言葉を選びながら返事をする。
「友達のままがいいって話じゃなかったっけ?」
「友達だと思ってたけど…」
友達だっただけあるな、彼の表情を見て全てわかってしまった。
「なに?僕が振られて可哀想だと思った?
それともせっかくの恋人ができるチャンスが勿体無いか?」
自分の中で何かが崩れた、言葉が止まらない。
「いや…」
彼が反論しようとしたがそれを被せるよう言葉を放つ。
「僕はさ、君のそういうとこを好きになったんじゃないんだよ、、
全部好きだったけど、君はそんなやつじゃないと思ってた。
そんな君を好きになった覚えは無いね。
勘違いすんな。」
自分の言いたいこと言うだけ言って机の上のイヤホンとスマホを掴んで逃げるように教室を飛び出した。
帰り道、イヤホンで作り出した自分だけの空間に入り込んでから気づく。
「あ…またカバン忘れた。」
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