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第1章 (強制連行という名の)帰還

9. 変化と困惑

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この話は、時系列的にはクリスティーナがお城で目覚めた直後となっております。

*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-


クリスティーナが生まれ育ったエルデイン王国は異世界から来た英雄達が作った国だ。その為国のあちこちでクリスティーナが日本に住んでいた頃に見たり聞いたりしていた馴染みのある物が見られる。実際ゲームでも現代日本人にしか分からないような物事が多くでてきた。ゲームをプレイしていた当時はそんな事は日本の会社が作ったゲームだから当然だと思って気にもしてなかったが、それも元日本人が作った国というなら納得出来る。そして過去にこの世界に来た人達が伝えた知識だが一部分にかなりの偏りも感じる。詳しくは今は割愛するがおそらく過去に来た人の知識が偏っていたせいだろう。
綺麗に区画整理されたトリスティナは今までもそしてこれからも世界中の手本となって行くであろう最先端技術の集まる都市。
そんなトリスティナの中央区、以前は貴族区や貴族街、上民街等と時代よって様々に呼ばれていた場所は貴族の邸宅や大商家の豪邸が密集する今の別名セレブ街。中央区のド真ん中にある王城シエルリュミエール城に近ければ近いほど住所番地の数字は若くなり地価も高い。結果的にそこに住む人の身分も高くなる。中でも1~9番地は中央特別区と呼ばれ、特に地価も高く上級貴族の邸宅が多く並んでいる。

【エルデイン王国首都トリスティナ・中央区1番地1-5(青薔薇宮3階)】

目が覚めるとわたくしは見覚えのある部屋で寝ていた。

「えっ、この部屋っ。」

なんで…城にいるの?
森での…私のスローライフは…?

クリスティーナ自身、スローライフにそこまでこだわりはないが精霊達との暮らしは今まで煩わしいと思っていた人付き合いもなくマイペースにまったりと出来るため気に入っていた。
そんな快適な暮らしを放棄してこんな所にいる理由が今のクリスティーナにはさっぱり思い出せなかった。

『ティナ起きた~』

『『『起きた~』』』

「あなた達ついて来ていたのね。なんでここにいるか知ってる?」

『知ってる~』

『わかる~』

「私なんでここにいるのか思い出せないの。教えてくれる?その分のお礼は後でいつものやつに上乗せしておくわ。」

『わーい』

『お菓子~』

『クッキー?』

『ケーキ?』

『クッキー!』

『ケーキ!』

『『クッキー!!』』

『『ケーキ!!』』

クッキーとケーキで喧嘩をしだす精霊達。
ベッドの上でクッキー派とケーキ派に分かれて主張し合っている。
精霊達は基本的に喧嘩をしない。
意見が分かれた時は多数決をし意見を1つにするので普通こういう言い合いにはならない。
ならばなぜこの様な言い合いをしているのか。
結論から言うとただの茶番だ。
以前同じような流れでゼリーとプリンで意見が分かれ多数決が行われた時にぴったり同数になった事があった。精霊達もそんな事は初めてだったようで困ってクリスティーナにきいてきたのだ。
その時にこれ以上もめるくらいならと「今日はもう暇だしゼリーとプリンくらいならどっちも作ってあげるから、喧嘩はやめて作るの手伝ってくれないかしら?」と言った所、その次から毎回多数決が同数にしかならなくなったのだ。

「ここじゃすぐには無理だから少し待ってもらえる?なるべく早く何とかするから。」

精霊達はそれで納得してくれたようでなんで今ここにいるのか教えてくれ………る前によく知った声と共にノック音が部屋に響いた。

『精霊から聞いたよ、目が覚めたって。入ってもいい?』

精霊に聞いた!?わたくしはまだなにもきいてないのに今入ってこられても困りますわ。

クリスティーナは部屋の外にいる人達に声が聞こえないように小声かつ早口で精霊達に話す。

『どうせあの人は待ってなんてくれないからとりあえず部屋に入ってもらうわ。他の人に気づかれない様に私に説明してちょうだい。私は返事出来ないけどちゃんと聞いてるから。お礼は後で、ね?』

『あいーっ!』

『わかったー!』

『ありがとう。よろしくね。』

「ティーナ…?入るね?」 

ほらね。………………まあ、数年前に死んだと思っていた私が見つかって、ようやく話せるって言うこの状況で"待て"が出来るような人では無いわよね、この人は。

探知魔法でソレイユ1人ではないと気づいて内心今すぐ逃げたくなったが今逃げてもあの人は持てる全ての力を使って追ってくる。

優しすぎる人だもの…きっと―

金色に輝くほんのり赤みがかった髪に赤に金が混ざった瞳。
完璧超人だが優しい腹黒王子様でゲームで1番人気の攻略キャラ。
ソレイユ・ヴァン・ソロモン・グローリア…そして今はたぶん…エルデインの名もついてソレイユ・ヴァン・ソロモン・グローリア・エルデイン。
名前が無駄に長いのは色々な理由があるが今は割愛する。

「久しぶりだね、ティーナ。また会えて…本当に良かっ『森でパトロール!』」

『途中で人間がまた来た!』

「……………。」

「クリスティーナ様…ご無事で…ぐすっ…。」

『その人間と追いかけっこ!』

『ティナ捕まりそうになった!』

「……………。」

「ティナっ!…ティーナっ!…クリスティーナっ!…また会えたっ、また…でも…生きていたならせめて一言教えて欲しかった…。」

『ティナそこで倒れた!』

『ボク達で運んだ!』

「……………。」

「なぜ何も言ってくれないんだ…兄様の事が…許せないのか…。」

『人間が言った!家より馬車の方が近い。』

『人間が言った!街行けばティナよくなる!』

「ティーナ、もうすぐ今来れる全員が揃うから。そうしたらお話…しようね。」

『ティナ眠ってた!』

『ずっと眠ってた!』

「……………。」

「陛下っ、お話と言いましてもこの様子では…。」

『ちょうど12日!』

『森で倒れて12日!』

「………………。」

「大丈夫だ、ティーナは森で倒れてそのままここに連れてこられたんだ。混乱して当たり前だ。ごめんね?ティーナ…。」

『ボク達その間ティナを守ってた!』

『精霊の無限回廊の小さなやつ!』

「………………。」

これは…説明…なの、かしら?わけがわからなさすぎて頭が痛くなってきたわ。それに…約1名、精霊達声が聞こえているみたいですし…。流石完璧超人な王子…いや、さっき陛下と呼ばれていたし今は国王の様だけれど。私が色々やったせいでゲームとはだいぶ違ってるけれど国王が代替わりしてるところを見ると同じ所もあるのかしら…。

ゲーム通りなら先代国王であるソレイユの叔父はソレイユに悪事を暴かれて退位に追い込まれ隠居という名の幽閉中のはずだ。
公爵令嬢だった時に色々あった分思う所がない訳では無いが復讐するよりも二度と会いたくない気持ちの方が強い。

このシエルリュミエール城に来てしまった以上…いや、そうじゃない。ソレイユが部屋に入ってきた時から私は違和感を感じていた。
わたくしはこんな目をしたソレイユを見た事がない。
私はもう一度ソレイユの方を見る。以前と比べ彼に近い気がする。これも私が死んだ時と同じようにゲームの流れにあるべき流れに正そうとする力の影響なのかな…。

けどもう、私にそれに抗う力も気力も無い…のに。
なんで私は今ここにいるんだろう。

こうなる事はわかってたけどやっぱりここにいると嫌な事ばかり考えてしまう。隙を見て森に戻ろう。

クリスティーナが改めて逃亡の決意をしているとルヴァインが到着したようだ。話から察するに、今現在この王都にいるクリスティーナが公爵令嬢だった頃の元友人、元知人の内、すぐ来れる範囲にいるのはルヴァインで最後1人だったようだ。そして部屋のドアの向こうから懐かしい声が聞こえてきた。

『陛下遅くなって申し訳ございません。』

このタイミングの良さ…まさかソレイユが…。

ちらりとソレイユに目をやるとにっこりと微笑んだ。

「落ち着いたみたいだね、ティーナ。あいつを部屋に入れてもいいかい?」

「………………。」


「良かったな騎士団長。顔も見たくないほど恨まれてはいなくて。」

騎士、団長…?
ソレイユがルヴァイン様の事を騎士団長呼び?…………………………一体何があったの。

情報がなさ過ぎる…とりあえず何も知らないフリして今の状況を探りましょうかしらね。逃げるにしても情報が無いことにはどうにもならないでしょうし。

そうと決まれば…。

「我に力を与えよ"まとえ・ライトニング"」

短縮詠唱+高速詠唱で威嚇用の雷撃魔法を身に纏う。
そして無表情で言った。

「これでわたくしに許可なく触れようとする者は黒焦げになる様になりましたのでもう遅れはとりませんわ。要件はなんですの?死にたくなければ早く話してくださいな?誘拐犯とそのお仲間の皆様方。」


*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-


ここまでで回想終了です。
時系列的にはこの後が6話に繋がります。

そしてここで1つ、このソレイユとの再会時の会話での裏話みたいなものを…。

皆様は6話でクリスティーナが
「ティーナ?それは何かしら?…え、あぁ、そうなの私の名前なのね。あ…ありがとう、後で数日分まとめてお礼をあげないといけないわね。」
と言って精霊と話していたのを覚えているでしょうか…。
実はあの時クリスティーナと精霊達はこんな会話をしていました。

------------------------------
*ソレイユが思わず笑ってしまった精霊達とクリスティーナの会話*


「ティーナ?それは何かしら?」

以前の様な立場に戻るつもりはないし、もう皆と仲良くおしゃべりもするつもりはないという意味でクリスティーナは皆に向けてそう言った。

だがそれを聞いた精霊達は、森での追いかけっこをクリスティーナが忘れていた事もあり、クリスティーナが(天使になってからは)初めて聞いたティーナという呼び方をクリスティーナがわかってないのではと勘違いし、心配して話し始めた。

『名前だよ!』

『ティナの事!』

『この人間、ずっとティナの事ティーナって』

『呼んでた!』

『呼ばれてた!』

『毎日ここでティナに呼んでた!』

『毎日ここで呼ばれてた!』

そう言ってベッドの上をトテトテ歩くと『ココ!ここで呼んでた!』と(ソレイユ達はドアから入って来たのでドアとベッドを挟んで反対側にある)窓際の今は誰も座ってない椅子まで行きぴょんぴょんとはしゃぐ。

「…え、あぁ、そうなの私の名前なのね。(え、毎日…って事はゲームの彼ではなくて私の知ってる彼のままなのかしら)」

『役にたった?』

『教えてあげた!』

『嬉しい?』

そう聞くのでちゃんと話せない代わりに精霊達を撫でると精霊達は嬉しそうにはしゃぎだす。

『ティナ嬉しい!』

『わーい♪』

『おれい♪』

『クッキーいっぱい!』

『ケーキいっぱい!』

『『クッキー!!』』

『『ケーキ!!』』

『『『クッキー!!!』』』

『『『ケーキ!!!』』』

「あ…ありがとう、後で数日分まとめてお礼をあげないといけないわね。(いつもはスルーする、この喜びの舞…今だけは私が滑稽に見えるからやめてくれないかしら…。)」

『わーい♪』

『おれいたんさん!』

『どっちもたくさん!』

そう言って精霊達はクリスティーナの周囲で思い思いにはしゃぎ飛びまわる。

『ティナのクッキー♪』

『ティナのケーキ♪』

はぁ。

------------------------------


とまあこんな会話があり…冷えきった真冬の様な空気感の中、クリスティーナとソレイユの会話の間中…(加護うんぬんのくだり以降もずっと)精霊達はクリスティーナの周囲ではしゃいでました。

というか、お菓子増量決定前。クリスティーナがライトニングオーラの呪文を唱え周囲に脅しをかけている時もずっと(城に連れてこられた経緯を教えてくれている1部の子を除いて)精霊達は同じ調子でクリスティーナの周りではしゃいでました。

クリスティーナは慣れていたので無視していましたが、精霊が見えるのはクリスティーナだけではなく…(お察しとは思いますが)…ソレイユもその様子がずっと見えていました。
クリスティーナの脅しからの復活が1番早かったのは"クリスティーナの無表情に慣れていたから"というのもありますが周囲で精霊達がクッキーだのケーキだの言ってはしゃいで飛び回ってたからというのもあったりします(笑)





次話よりソレイユ達との会話終了後のクリスティーナ視点に戻ります。

次話は修正が終わり次第投稿致します…と言いたいところなのですが、この物語は元々息抜きで書いていたもので、この話以降は大まかな流れしか出来ていないのでどうなるかわかりません。
読みたいと言う方がいらっしゃれば続きを優先して書くかも知れません。

別の話を一区切り着くところまで描き切ろうと思いますので一旦完結の方に置かせていただきます…続きを書く時は切り替えるかもしれません
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