4 / 88
第1章 別世界のふたり
1-4 エドワードの秘密
しおりを挟む
エドワードを王宮へ連れだすために、陛下の側近であるブラウン公爵が、スペンサー侯爵家を訪ねていた。
その側近は冷や汗をかきながら、侯爵家の当主へエドワードへの取り次ぎを頼み込んでいる。
それに頭を抱えたエドワードの父は、その責任から逃れようと逃げ腰になる。ハッと閃いた当主は、家令にエドワードを起こすように命じて、一目散に自分の部屋へ隠れる作戦に出た。
何も知らないエドワード。「当主の急用」と、家令から無理やりたたき起こされた時点で、すこぶる機嫌が悪く、足取りの遅い姿は、見るからにめんどくさいと言いたげだ。
彼は気が乗らない表情をしつつも、父の呼び出しに応じるため、来客が待つエントランスを通り過ぎようとしていた。
エドワードはこの時間に起きるつもりは毛頭ない。もうひと眠りするつもりの彼は、着替えてもいなかった。
金糸の刺繍で家紋が施された最高級のシルクで作られたガウンを羽織り、大きなあくびをしながら歩いている。
それでも「当主」からと言われれば、いや応なく父を立てているエドワード。
彼の中で線引きされた、主従関係がそうさせていた。
歩く自分に向けられる視線。エドワードは、ふいに目をやる。
その途端、当主の部屋へ向かうエドワードの足が、ピタリと静止し、体がわなわなと震え始めた。
お前は家まで来たのか! と、エントランスにいる公爵へ冷たい視線を向ける。
エドワードは陛下の用件を察知し、いら立ちを抑えられずにいる。
それと同時に彼は、宰相である父にはめられたことを察する。我慢しきれないエドワードは、当主の部屋の方向をにらみつける。
……が、もちろん、その先に誰もいない。
「朝早くからふざけやがって! 俺は、午前中は働かないって言っているだろう。俺の他にも王宮には2人いるんだ。そいつらを使え」
「そこを何とか頼むエドワード様、と陛下の言葉です。今日は隣国の使節団との会合がありまして……その……」
「じじぃの予定くらいは知っているって。ったく、分かったよ。お前だって、俺が断ったら困るんだろう。あー、って言っても、腹立つなっ。この時間は王宮の仕事の時間外だからな。報酬は、しっかり払ってもらう」
「陛下もそのつもりですので……」
ムッとした表情のエドワードは、面白くないまま仕立ての良い紳士の装いへ着替えた。
王宮に着いたエドワードは、起きると同時に着けていた手袋を脱いで、国王陛下の私室へ入っていった。
「おい、じじぃ! わざわざ呼び付けやがって」
陛下の私室へ入ったエドワードは、いら立ちを隠すことなく、奥にある寝所へ向かっている。
「悪い、そう怒らんでもいいだろう」
「はぁぁーっ! じじぃが仕事中の2人に頼まず、俺をたたき起こすからだろう。あいつら2人は、昼を過ぎれば疲れたと、ふざけたことを言って帰っていくんだ。午後は俺1人で仕事をしているんだから、たまにはいたわれ!」
腕を組んだエドワードは、うつぶせで横になったままの陛下へ日頃の不満もぶつけている。
幼かったエドワードと陛下の、誰にも言えない強烈な出会い。
エドワードは陛下の恩人だ。
2人の初対面のとき。今の国王陛下は当時王太子だった。
あまりに情けない自分自身の状況に、「王太子」と名乗れず、エドワードに「じじぃ」と咄嗟に名乗った関係が今も続いている。
「だが、エドワード様が疲れたと言うのは聞いたことがないな。頼むよ」
「俺があの2人より体力があるからなんだろう。深く考えたこともないから知らないけど。それより大丈夫か、どうしたんだよ」
そう言うと、エドワードは、陛下の身に何が起きているのかと心配した表情に変わり、無言のまま陛下の手に触れた。
しばらくして、エドワードがその部位に、軽くたたくような合図を2回送り、自分の仕事の終了を知らせている。
エドワードの仕事は確実に陛下へ届き、起き上がれずにいた国王は、おもむろに動きだした。
……でも、何も言わない2人。
陛下は無言のまま、じーっっと、エドワードが手袋をはめるのを見守っていた。
陛下の思惑を知らないエドワードは、陛下が自分を呼び付けた原因に、いささか不満を持っている。
けれど陛下の公務の時間を知っている彼は、言いだせば長くなると思い、早急にこの場から立ち去るつもりだ。早々に手袋をはめ、部屋の出口へ向かっていた。
エドワードが両手に手袋をはめ終わるのを見計らい、陛下は、エドワードに命令する。
「エドワード、次の舞踏会で私の娘と踊ってくれ」
その言葉を聞いたエドワードは、陛下の方を振り返り白い目で見ている。
「――信じられないな。朝から無理やり働かせて、その手できたのか? 陛下の前では、うかつに宰相の息子に戻るのは良くないと分かった」
「ふんっ。欲しいものを手に入れるのに、手段は選んでいられないだろう。王女は3人いるからな、気に入った娘をエドワードの嫁にやる」
「俺はまだ、結婚する気はないですよ」
「スペンサー家の当主の承諾は得ている」
(ったく、あの父は何を勝手に……)
「俺の特性は周囲に知らせる気はないので、陛下と側近、俺の補佐官、騎士隊長の秘匿事項にしたいのは、譲る気はありません。我が家の中でも父しか知らないですから。他人の話を茶会で触れ回る女性たちは信用できませんから、母でさえ知らないことです。それなのに結婚なんて無理でしょう」
「返事は急がないから時間をやろう。娘たちと話をして誰を選ぶか考えろ」
陛下が高圧的にエドワードに命じたため、彼は唇をグッとかむ。
「――承知しました」
渋々なのが、はっきり陛下に伝われ。そう思ったエドワードは、不快感のにじむ顔で返答した。
スペンサー侯爵家の嫡男である、エドワードの立場。
それとは別に、ごく限られた人間にしか、その権限を行使したことのない、彼の職位。
エドワードの中で線引きされた肩書は、手袋をはめた時点で、もう1人の立場から宰相の息子に戻っていた。
自分の特性を周囲に知られたくないエドワードの、立ち位置を分けた主従関係がそうさせている。
自分がスペンサー侯爵家の令息として陛下の前にいるときは、「陛下」の命令と言われれば、いや応なく陛下を立てるエドワード。
そんなエドワードがルイーズのために毎日朝早くから、世話を焼くとは、このときの彼は知らなかった。
その側近は冷や汗をかきながら、侯爵家の当主へエドワードへの取り次ぎを頼み込んでいる。
それに頭を抱えたエドワードの父は、その責任から逃れようと逃げ腰になる。ハッと閃いた当主は、家令にエドワードを起こすように命じて、一目散に自分の部屋へ隠れる作戦に出た。
何も知らないエドワード。「当主の急用」と、家令から無理やりたたき起こされた時点で、すこぶる機嫌が悪く、足取りの遅い姿は、見るからにめんどくさいと言いたげだ。
彼は気が乗らない表情をしつつも、父の呼び出しに応じるため、来客が待つエントランスを通り過ぎようとしていた。
エドワードはこの時間に起きるつもりは毛頭ない。もうひと眠りするつもりの彼は、着替えてもいなかった。
金糸の刺繍で家紋が施された最高級のシルクで作られたガウンを羽織り、大きなあくびをしながら歩いている。
それでも「当主」からと言われれば、いや応なく父を立てているエドワード。
彼の中で線引きされた、主従関係がそうさせていた。
歩く自分に向けられる視線。エドワードは、ふいに目をやる。
その途端、当主の部屋へ向かうエドワードの足が、ピタリと静止し、体がわなわなと震え始めた。
お前は家まで来たのか! と、エントランスにいる公爵へ冷たい視線を向ける。
エドワードは陛下の用件を察知し、いら立ちを抑えられずにいる。
それと同時に彼は、宰相である父にはめられたことを察する。我慢しきれないエドワードは、当主の部屋の方向をにらみつける。
……が、もちろん、その先に誰もいない。
「朝早くからふざけやがって! 俺は、午前中は働かないって言っているだろう。俺の他にも王宮には2人いるんだ。そいつらを使え」
「そこを何とか頼むエドワード様、と陛下の言葉です。今日は隣国の使節団との会合がありまして……その……」
「じじぃの予定くらいは知っているって。ったく、分かったよ。お前だって、俺が断ったら困るんだろう。あー、って言っても、腹立つなっ。この時間は王宮の仕事の時間外だからな。報酬は、しっかり払ってもらう」
「陛下もそのつもりですので……」
ムッとした表情のエドワードは、面白くないまま仕立ての良い紳士の装いへ着替えた。
王宮に着いたエドワードは、起きると同時に着けていた手袋を脱いで、国王陛下の私室へ入っていった。
「おい、じじぃ! わざわざ呼び付けやがって」
陛下の私室へ入ったエドワードは、いら立ちを隠すことなく、奥にある寝所へ向かっている。
「悪い、そう怒らんでもいいだろう」
「はぁぁーっ! じじぃが仕事中の2人に頼まず、俺をたたき起こすからだろう。あいつら2人は、昼を過ぎれば疲れたと、ふざけたことを言って帰っていくんだ。午後は俺1人で仕事をしているんだから、たまにはいたわれ!」
腕を組んだエドワードは、うつぶせで横になったままの陛下へ日頃の不満もぶつけている。
幼かったエドワードと陛下の、誰にも言えない強烈な出会い。
エドワードは陛下の恩人だ。
2人の初対面のとき。今の国王陛下は当時王太子だった。
あまりに情けない自分自身の状況に、「王太子」と名乗れず、エドワードに「じじぃ」と咄嗟に名乗った関係が今も続いている。
「だが、エドワード様が疲れたと言うのは聞いたことがないな。頼むよ」
「俺があの2人より体力があるからなんだろう。深く考えたこともないから知らないけど。それより大丈夫か、どうしたんだよ」
そう言うと、エドワードは、陛下の身に何が起きているのかと心配した表情に変わり、無言のまま陛下の手に触れた。
しばらくして、エドワードがその部位に、軽くたたくような合図を2回送り、自分の仕事の終了を知らせている。
エドワードの仕事は確実に陛下へ届き、起き上がれずにいた国王は、おもむろに動きだした。
……でも、何も言わない2人。
陛下は無言のまま、じーっっと、エドワードが手袋をはめるのを見守っていた。
陛下の思惑を知らないエドワードは、陛下が自分を呼び付けた原因に、いささか不満を持っている。
けれど陛下の公務の時間を知っている彼は、言いだせば長くなると思い、早急にこの場から立ち去るつもりだ。早々に手袋をはめ、部屋の出口へ向かっていた。
エドワードが両手に手袋をはめ終わるのを見計らい、陛下は、エドワードに命令する。
「エドワード、次の舞踏会で私の娘と踊ってくれ」
その言葉を聞いたエドワードは、陛下の方を振り返り白い目で見ている。
「――信じられないな。朝から無理やり働かせて、その手できたのか? 陛下の前では、うかつに宰相の息子に戻るのは良くないと分かった」
「ふんっ。欲しいものを手に入れるのに、手段は選んでいられないだろう。王女は3人いるからな、気に入った娘をエドワードの嫁にやる」
「俺はまだ、結婚する気はないですよ」
「スペンサー家の当主の承諾は得ている」
(ったく、あの父は何を勝手に……)
「俺の特性は周囲に知らせる気はないので、陛下と側近、俺の補佐官、騎士隊長の秘匿事項にしたいのは、譲る気はありません。我が家の中でも父しか知らないですから。他人の話を茶会で触れ回る女性たちは信用できませんから、母でさえ知らないことです。それなのに結婚なんて無理でしょう」
「返事は急がないから時間をやろう。娘たちと話をして誰を選ぶか考えろ」
陛下が高圧的にエドワードに命じたため、彼は唇をグッとかむ。
「――承知しました」
渋々なのが、はっきり陛下に伝われ。そう思ったエドワードは、不快感のにじむ顔で返答した。
スペンサー侯爵家の嫡男である、エドワードの立場。
それとは別に、ごく限られた人間にしか、その権限を行使したことのない、彼の職位。
エドワードの中で線引きされた肩書は、手袋をはめた時点で、もう1人の立場から宰相の息子に戻っていた。
自分の特性を周囲に知られたくないエドワードの、立ち位置を分けた主従関係がそうさせている。
自分がスペンサー侯爵家の令息として陛下の前にいるときは、「陛下」の命令と言われれば、いや応なく陛下を立てるエドワード。
そんなエドワードがルイーズのために毎日朝早くから、世話を焼くとは、このときの彼は知らなかった。
7
お気に入りに追加
378
あなたにおすすめの小説
【完結】捨てられ正妃は思い出す。
なか
恋愛
「お前に食指が動くことはない、後はしみったれた余生でも過ごしてくれ」
そんな言葉を最後に婚約者のランドルフ・ファルムンド王子はデイジー・ルドウィンを捨ててしまう。
人生の全てをかけて愛してくれていた彼女をあっさりと。
正妃教育のため幼き頃より人生を捧げて生きていた彼女に味方はおらず、学園ではいじめられ、再び愛した男性にも「遊びだった」と同じように捨てられてしまう。
人生に楽しみも、生きる気力も失った彼女は自分の意志で…自死を選んだ。
再び意識を取り戻すと見知った光景と聞き覚えのある言葉の数々。
デイジーは確信をした、これは二度目の人生なのだと。
確信したと同時に再びあの酷い日々を過ごす事になる事に絶望した、そんなデイジーを変えたのは他でもなく、前世での彼女自身の願いであった。
––次の人生は後悔もない、幸福な日々を––
他でもない、自分自身の願いを叶えるために彼女は二度目の人生を立ち上がる。
前のような弱気な生き方を捨てて、怒りに滾って奮い立つ彼女はこのくそったれな人生を生きていく事を決めた。
彼女に起きた心境の変化、それによって起こる小さな波紋はやがて波となり…この王国でさえ変える大きな波となる。
挙式後すぐに離婚届を手渡された私は、この結婚は予め捨てられることが確定していた事実を知らされました
結城芙由奈
恋愛
【結婚した日に、「君にこれを預けておく」と離婚届を手渡されました】
今日、私は子供の頃からずっと大好きだった人と結婚した。しかし、式の後に絶望的な事を彼に言われた。
「ごめん、本当は君とは結婚したくなかったんだ。これを預けておくから、その気になったら提出してくれ」
そう言って手渡されたのは何と離婚届けだった。
そしてどこまでも冷たい態度の夫の行動に傷つけられていく私。
けれどその裏には私の知らない、ある深い事情が隠されていた。
その真意を知った時、私は―。
※暫く鬱展開が続きます
※他サイトでも投稿中
側妃、で御座いますか?承知いたしました、ただし条件があります。
とうや
恋愛
「私はシャーロットを妻にしようと思う。君は側妃になってくれ」
成婚の儀を迎える半年前。王太子セオドアは、15年も婚約者だったエマにそう言った。微笑んだままのエマ・シーグローブ公爵令嬢と、驚きの余り硬直する近衛騎士ケイレブ・シェパード。幼馴染だった3人の関係は、シャーロットという少女によって崩れた。
「側妃、で御座いますか?承知いたしました、ただし条件があります」
********************************************
ATTENTION
********************************************
*世界軸は『側近候補を外されて覚醒したら〜』あたりの、なんちゃってヨーロッパ風。魔法はあるけれど魔王もいないし神様も遠い存在。そんなご都合主義で設定うすうすの世界です。
*いつものような残酷な表現はありませんが、倫理観に難ありで軽い胸糞です。タグを良くご覧ください。
*R-15は保険です。
裏切りの代償
志波 連
恋愛
伯爵令嬢であるキャンディは婚約者ニックの浮気を知り、婚約解消を願い出るが1年間の再教育を施すというニックの父親の言葉に願いを取り下げ、家出を決行した。
家庭教師という職を得て充実した日々を送るキャンディの前に父親が現れた。
連れ帰られ無理やりニックと結婚させられたキャンディだったが、子供もできてこれも人生だと思い直し、ニックの妻として人生を全うしようとする。
しかしある日ニックが浮気をしていることをしり、我慢の限界を迎えたキャンディは、友人の手を借りながら人生を切り開いていくのだった。
他サイトでも掲載しています。
R15を保険で追加しました。
表紙は写真AC様よりダウンロードしました。
【完結】選ばれなかった王女は、手紙を残して消えることにした。
曽根原ツタ
恋愛
「お姉様、私はヴィンス様と愛し合っているの。だから邪魔者は――消えてくれない?」
「分かったわ」
「えっ……」
男が生まれない王家の第一王女ノルティマは、次の女王になるべく全てを犠牲にして教育を受けていた。
毎日奴隷のように働かされた挙句、将来王配として彼女を支えるはずだった婚約者ヴィンスは──妹と想いあっていた。
裏切りを知ったノルティマは、手紙を残して王宮を去ることに。
何もかも諦めて、崖から湖に飛び降りたとき──救いの手を差し伸べる男が現れて……?
★小説家になろう様で先行更新中
「お前を妻だと思ったことはない」と言ってくる旦那様と離婚した私は、幼馴染の侯爵から溺愛されています。
木山楽斗
恋愛
第二王女のエリームは、かつて王家と敵対していたオルバディオン公爵家に嫁がされた。
因縁を解消するための結婚であったが、現当主であるジグールは彼女のことを冷遇した。長きに渡る因縁は、簡単に解消できるものではなかったのである。
そんな暮らしは、エリームにとって息苦しいものだった。それを重く見た彼女の兄アルベルドと幼馴染カルディアスは、二人の結婚を解消させることを決意する。
彼らの働きかけによって、エリームは苦しい生活から解放されるのだった。
晴れて自由の身になったエリームに、一人の男性が婚約を申し込んできた。
それは、彼女の幼馴染であるカルディアスである。彼は以前からエリームに好意を寄せていたようなのだ。
幼い頃から彼の人となりを知っているエリームは、喜んでその婚約を受け入れた。二人は、晴れて夫婦となったのである。
二度目の結婚を果たしたエリームは、以前とは異なる生活を送っていた。
カルディアスは以前の夫とは違い、彼女のことを愛して尊重してくれたのである。
こうして、エリームは幸せな生活を送るのだった。
私はただ一度の暴言が許せない
ちくわぶ(まるどらむぎ)
恋愛
厳かな結婚式だった。
花婿が花嫁のベールを上げるまでは。
ベールを上げ、その日初めて花嫁の顔を見た花婿マティアスは暴言を吐いた。
「私の花嫁は花のようなスカーレットだ!お前ではない!」と。
そして花嫁の父に向かって怒鳴った。
「騙したな!スカーレットではなく別人をよこすとは!
この婚姻はなしだ!訴えてやるから覚悟しろ!」と。
そこから始まる物語。
作者独自の世界観です。
短編予定。
のちのち、ちょこちょこ続編を書くかもしれません。
話が進むにつれ、ヒロイン・スカーレットの印象が変わっていくと思いますが。
楽しんでいただけると嬉しいです。
※9/10 13話公開後、ミスに気づいて何度か文を訂正、追加しました。申し訳ありません。
※9/20 最終回予定でしたが、訂正終わりませんでした!すみません!明日最終です!
※9/21 本編完結いたしました。ヒロインの夢がどうなったか、のところまでです。
ヒロインが誰を選んだのか?は読者の皆様に想像していただく終わり方となっております。
今後、番外編として別視点から見た物語など数話ののち、
ヒロインが誰と、どうしているかまでを書いたエピローグを公開する予定です。
よろしくお願いします。
※9/27 番外編を公開させていただきました。
※10/3 お話の一部(暴言部分1話、4話、6話)を訂正させていただきました。
※10/23 お話の一部(14話、番外編11ー1話)を訂正させていただきました。
※10/25 完結しました。
ここまでお読みくださった皆様。導いてくださった皆様にお礼申し上げます。
たくさんの方から感想をいただきました。
ありがとうございます。
様々なご意見、真摯に受け止めさせていただきたいと思います。
ただ、皆様に楽しんでいただける場であって欲しいと思いますので、
今後はいただいた感想をを非承認とさせていただく場合がございます。
申し訳ありませんが、どうかご了承くださいませ。
もちろん、私は全て読ませていただきます。
忘れられた妻
毛蟹葵葉
恋愛
結婚初夜、チネロは夫になったセインに抱かれることはなかった。
セインは彼女に積もり積もった怒りをぶつけた。
「浅ましいお前の母のわがままで、私は愛する者を伴侶にできなかった。それを止めなかったお前は罪人だ。顔を見るだけで吐き気がする」
セインは婚約者だった時とは別人のような冷たい目で、チネロを睨みつけて吐き捨てた。
「3年間、白い結婚が認められたらお前を自由にしてやる。私の妻になったのだから飢えない程度には生活の面倒は見てやるが、それ以上は求めるな」
セインはそれだけ言い残してチネロの前からいなくなった。
そして、チネロは、誰もいない別邸へと連れて行かれた。
三人称の練習で書いています。違和感があるかもしれません
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる