記憶と魔力を婚約者に奪われた「ないない尽くしの聖女」は、ワケあり王子様のお気に入り~王族とは知らずにそばにいた彼から なぜか溺愛されています
瑞貴◆後悔してる/手違いの妻2巻発売!
文字の大きさ
大中小
24 / 112
第2章 あなたは暗殺者⁉
新生筆頭聖女のリナ①(SIDE妹のリナ)
しおりを挟む
※前話のジュディの続きの前に、王都のリナを挟めます。
◇◇◇SIDEリナ
あ~、なんて幸せなんだろう。
昨日、姉を追い払った後、そのままフィリの部屋に泊まってしまったけど、まあ、お父様もお母様もリナがどこにいるか分かっているし、怒られることはないものね。
癪に障る姉は今ごろ、どこかでのたれ死んでいるか、運良く生きていたところで、奴隷にでもされている頃かしら。ふんっ、ざまぁないわね。
公爵家の長女というだけで、王太子妃になるなんて許さないんだから。リナの方がよほど適任なのよ。
目障りな姉がいなくなってくれて、せいせいしたわ。
王太子の部屋で一晩過ごし、フィリ専用の食堂で共に過ごせば、既に王族になった気分だ。
公爵家の食事も豪華だけど、さすが王宮。
どれもこれも最高級の素材が並んでいたんだもの、やっぱり王太子妃を目指して正解だった。
これから毎日この生活が続くと思うと、嬉しくて鼻が鳴る。
リナを馬車まで送ってくれたフィリへ、「行ってくる」と伝え中央教会へ向かう。
王宮を馬車で出発してほどなくすれば、車窓に荘厳な教会が見えてきた。
最高潮に気分がいいけど、今日は「姉がいなくなった」ことを大司教に報告しなくてはいけない。
姉が失踪したにもかかわらず喜んでいれば、「不審に思われる」
そう考え、移動する馬車の中で、何度も深呼吸を繰り返し気持ちを整える。
中央教会の裏手で馬車が停止するころには、高揚する感情を抑え、悲嘆に暮れる顔を浮かべた。
鏡の前で何度も、表情の作り方を研究してきたんだもの、悲し気な妹に扮するのは余裕だ。
馬車を降り、いつものように関係者用の扉へ向かうと、まるでリナを待つように、大司教自ら外で待ち構えていた。
何をしているんだろうと思うけど、リナには関係ない。取りあえず気を引き締め、沈んだ顔をする。
向こうもリナの存在に気づいたため、目と目を合わせたまま近づく。
「リナ様おはようございます、いえ、こんにちは」
そんな声をかけてきた大司教へ、瞳を潤ませ告げる。
「ごきげんよう大司教様。実は姉が、昨日から帰ってこないんですの。お恥ずかしいことに、結婚が嫌で逃げ出したみたいで」
「なんですと! いつまでたってもジュディット様が教会にいらっしゃらないから、今からお迎えに上がるところだったんですぞ。ジュディット様が失踪されたとなッ⁉ それは一大事ではないか!」
衝撃でよろつく大司教は、瞬時に青ざめた。
そこまで心配せずとも、リナがいるから安心してと、穏やかに声をかける。
「大丈夫よ。お姉様の代わりにリナが祈りを捧げるから」
「当然でございます! ジュディット様がいらっしゃらないのであれば、一刻も早く祈禱室へお入りください」
は? 何が「当然」よ!
こっちが下手に出て取り繕ったというのに、リナを見くびる姿に納得がいかない。なんなのよ!
偉そうな言い方をしやがってと思っていれば、彼はブツブツ言いながらリナの手を引こうとする。不愉快だ。
「何よ! 祈りの練習なのに大司教は過剰に反応しすぎだわ。少しは落ち着きなさい」
そう告げると大司教の眉間に、深い皺ができた。
――は? 何その態度……。
次期筆頭聖女のリナに無礼じゃない。
筆頭聖女? いいえ違うわね。
近々、唯一の聖女になるんだわ。
そもそもリナと王妃しか、この国に聖女と名乗れる者は存在しないんだもの。
それ以外に光の加護がある貴族は、ポーションさえまともに作れやしない。
せいぜい擦り傷を治せるくらいだし、彼女たちは聖女とはいえない。
それに光魔法の加護は年を重ねると減退するから、王妃が聖女を引退する日は近いはず。大司教が一番分かっているはずだ。
これからはリナを丁重に扱いなさいと、司教と聖女の力関係を見せつけた。
「リナ様。わたくしは一つもお大袈裟な事は言っておりません! 聖女様の祈りがこの国全体に結界を張っているのです。それがなくなれば、国の外から凶悪な魔物が入り込みます。瘴気から生まれたばかりの知恵のない魔物とは、受ける被害が桁外れに違いますから」
へ? 何それ。
全くもってリナの想像を超える話が耳に届いた。
「結界? それは筆頭聖女の王妃殿下が張っているんでしょう」
窺うように訊ねれば、すぐさま「いいえ」と否定され、大司教が話を続けた。
「この国の結界は、ジュディット様が五歳になったころからずっと、お一人で維持なさっていましたから。ジュディット様より後で聖女様と認定された、リナ様がご存じないのは当然ですね」
「嘘でしょう⁉ 王妃様も毎日ここに来ているじゃない」
「ええ、来ているだけです。それは現筆頭聖女様である王妃殿下に伺えばすぐに分かる事ですぞ」
「聞いてないわよ、そんなこと」
「まあ特段、リナ様へお伝えする必要はございませんでしたから」
お前に知らせる価値もない。そう馬鹿にされ腹の中が煮え立たぎる。
たけど「落ち着きなさい自分」と何度も言い聞かせた。
ここで感情的になって、この話に食いつくのは得策ではない。
我を失い姉のことでボロが出たら大変だもの。
ここは一先ず、しおらしくして、すんなり納得しておくか。
「分かったわよ……。じゃあ何をすればいいの? リナは結界の祈りなんてものは、知らないわよ」
「光魔法の加護がある方が祈祷室へ入れば、すぐに分かります。そのまま一時間は絶対に出てこないでください」
教会の中に入れば、乱暴に祈祷室へぽいっと放り込まれ、重い扉を閉められた。
するとすぐに、魔力が体から抜けていく異変を感じ、立っていられなくなった。
我慢できずにその場でガクンと、石畳に膝をつく。
「え⁉ 何これ。変な感じがするわ」
「リナ様お静かに。黙って祈りを捧げてください。中央に祈祷台がありますから、そこまで向かってください」
「ま、待って。この部屋の中、ざわざわして気持ち悪いわよ」
「慣れれば問題ありません。ジュディット様は祈祷室が一番落ち着いて眠れると仰っていましたよ」
は? あの姉は何なんだ⁉
「眠れるって⁉ 周りにいっぱい魔物が見えるわよ」
無理矢理押し込められた、この部屋――天井に青い空が見える。
それに壁一面、大きな魔物がうようよしている。
その中でも大きな黒い蜘蛛が、リナに向かって気持ち悪い腹を見せているんだけど。
「うぐぅッ、気持ち悪い――」
ここで眠るって……、あの姉はどんな図太い神経をしているのよ……。
「あ~、それは結界の外にいる魔物でしょう。祈祷室自体がこの国に張られた結界を模していますから」
「そういえば結界は、この国と隣国との境界線に張っているんだっけ」
「いいえ違います。隣国との境界から我が国側に二十メートル手前で張られております」
は? 何だその無駄な距離は? 次から次へと知らない事柄が浮上し、ムッとして言い返す。
「なんでニ十メートル手前なのよ!」
「魔物によっては皮だとか牙とかに希少な物がありますから。ですが、この国にそもそも魔物は存在しないでしょう。——けれど、一歩結界を出れば隣国で生まれた魔物が、この国の結界で行き場を失いうじゃうじゃしていますからね」
「だから、なんなのよ! もっと分かりやすく言いなさいよ!」
老いぼれの言いたい事がさっぱり分からない。
ただでさえ不愉快な場所に入れらて気が立っているのに、まったりとした口調で回りくどい説明をされ、いらいらが募る。
「その二十メートルは、狩りのためにわざと用意した空間です。ジュディット様が日々、王宮の騎士団を引き連れて、そこへ素材採取に出ておりましたから」
「はぁ? 王太子の婚約者が何やってんのよ。バッカみたい!」
いい子でいようと考えていたけど、思った以上に姉が不可解な行動をしていて本音を吐いた。
それに老いぼれが、いちいちリナを馬鹿にするから心底腹が立つ。後でフィリに告げ口してやるんだから。みてなさい。
ღ .:*·゜♡゜・*:.ღ .:*·゜♡゜
お読みいただきありがとうございます。
次話も、リナ!
◇◇◇SIDEリナ
あ~、なんて幸せなんだろう。
昨日、姉を追い払った後、そのままフィリの部屋に泊まってしまったけど、まあ、お父様もお母様もリナがどこにいるか分かっているし、怒られることはないものね。
癪に障る姉は今ごろ、どこかでのたれ死んでいるか、運良く生きていたところで、奴隷にでもされている頃かしら。ふんっ、ざまぁないわね。
公爵家の長女というだけで、王太子妃になるなんて許さないんだから。リナの方がよほど適任なのよ。
目障りな姉がいなくなってくれて、せいせいしたわ。
王太子の部屋で一晩過ごし、フィリ専用の食堂で共に過ごせば、既に王族になった気分だ。
公爵家の食事も豪華だけど、さすが王宮。
どれもこれも最高級の素材が並んでいたんだもの、やっぱり王太子妃を目指して正解だった。
これから毎日この生活が続くと思うと、嬉しくて鼻が鳴る。
リナを馬車まで送ってくれたフィリへ、「行ってくる」と伝え中央教会へ向かう。
王宮を馬車で出発してほどなくすれば、車窓に荘厳な教会が見えてきた。
最高潮に気分がいいけど、今日は「姉がいなくなった」ことを大司教に報告しなくてはいけない。
姉が失踪したにもかかわらず喜んでいれば、「不審に思われる」
そう考え、移動する馬車の中で、何度も深呼吸を繰り返し気持ちを整える。
中央教会の裏手で馬車が停止するころには、高揚する感情を抑え、悲嘆に暮れる顔を浮かべた。
鏡の前で何度も、表情の作り方を研究してきたんだもの、悲し気な妹に扮するのは余裕だ。
馬車を降り、いつものように関係者用の扉へ向かうと、まるでリナを待つように、大司教自ら外で待ち構えていた。
何をしているんだろうと思うけど、リナには関係ない。取りあえず気を引き締め、沈んだ顔をする。
向こうもリナの存在に気づいたため、目と目を合わせたまま近づく。
「リナ様おはようございます、いえ、こんにちは」
そんな声をかけてきた大司教へ、瞳を潤ませ告げる。
「ごきげんよう大司教様。実は姉が、昨日から帰ってこないんですの。お恥ずかしいことに、結婚が嫌で逃げ出したみたいで」
「なんですと! いつまでたってもジュディット様が教会にいらっしゃらないから、今からお迎えに上がるところだったんですぞ。ジュディット様が失踪されたとなッ⁉ それは一大事ではないか!」
衝撃でよろつく大司教は、瞬時に青ざめた。
そこまで心配せずとも、リナがいるから安心してと、穏やかに声をかける。
「大丈夫よ。お姉様の代わりにリナが祈りを捧げるから」
「当然でございます! ジュディット様がいらっしゃらないのであれば、一刻も早く祈禱室へお入りください」
は? 何が「当然」よ!
こっちが下手に出て取り繕ったというのに、リナを見くびる姿に納得がいかない。なんなのよ!
偉そうな言い方をしやがってと思っていれば、彼はブツブツ言いながらリナの手を引こうとする。不愉快だ。
「何よ! 祈りの練習なのに大司教は過剰に反応しすぎだわ。少しは落ち着きなさい」
そう告げると大司教の眉間に、深い皺ができた。
――は? 何その態度……。
次期筆頭聖女のリナに無礼じゃない。
筆頭聖女? いいえ違うわね。
近々、唯一の聖女になるんだわ。
そもそもリナと王妃しか、この国に聖女と名乗れる者は存在しないんだもの。
それ以外に光の加護がある貴族は、ポーションさえまともに作れやしない。
せいぜい擦り傷を治せるくらいだし、彼女たちは聖女とはいえない。
それに光魔法の加護は年を重ねると減退するから、王妃が聖女を引退する日は近いはず。大司教が一番分かっているはずだ。
これからはリナを丁重に扱いなさいと、司教と聖女の力関係を見せつけた。
「リナ様。わたくしは一つもお大袈裟な事は言っておりません! 聖女様の祈りがこの国全体に結界を張っているのです。それがなくなれば、国の外から凶悪な魔物が入り込みます。瘴気から生まれたばかりの知恵のない魔物とは、受ける被害が桁外れに違いますから」
へ? 何それ。
全くもってリナの想像を超える話が耳に届いた。
「結界? それは筆頭聖女の王妃殿下が張っているんでしょう」
窺うように訊ねれば、すぐさま「いいえ」と否定され、大司教が話を続けた。
「この国の結界は、ジュディット様が五歳になったころからずっと、お一人で維持なさっていましたから。ジュディット様より後で聖女様と認定された、リナ様がご存じないのは当然ですね」
「嘘でしょう⁉ 王妃様も毎日ここに来ているじゃない」
「ええ、来ているだけです。それは現筆頭聖女様である王妃殿下に伺えばすぐに分かる事ですぞ」
「聞いてないわよ、そんなこと」
「まあ特段、リナ様へお伝えする必要はございませんでしたから」
お前に知らせる価値もない。そう馬鹿にされ腹の中が煮え立たぎる。
たけど「落ち着きなさい自分」と何度も言い聞かせた。
ここで感情的になって、この話に食いつくのは得策ではない。
我を失い姉のことでボロが出たら大変だもの。
ここは一先ず、しおらしくして、すんなり納得しておくか。
「分かったわよ……。じゃあ何をすればいいの? リナは結界の祈りなんてものは、知らないわよ」
「光魔法の加護がある方が祈祷室へ入れば、すぐに分かります。そのまま一時間は絶対に出てこないでください」
教会の中に入れば、乱暴に祈祷室へぽいっと放り込まれ、重い扉を閉められた。
するとすぐに、魔力が体から抜けていく異変を感じ、立っていられなくなった。
我慢できずにその場でガクンと、石畳に膝をつく。
「え⁉ 何これ。変な感じがするわ」
「リナ様お静かに。黙って祈りを捧げてください。中央に祈祷台がありますから、そこまで向かってください」
「ま、待って。この部屋の中、ざわざわして気持ち悪いわよ」
「慣れれば問題ありません。ジュディット様は祈祷室が一番落ち着いて眠れると仰っていましたよ」
は? あの姉は何なんだ⁉
「眠れるって⁉ 周りにいっぱい魔物が見えるわよ」
無理矢理押し込められた、この部屋――天井に青い空が見える。
それに壁一面、大きな魔物がうようよしている。
その中でも大きな黒い蜘蛛が、リナに向かって気持ち悪い腹を見せているんだけど。
「うぐぅッ、気持ち悪い――」
ここで眠るって……、あの姉はどんな図太い神経をしているのよ……。
「あ~、それは結界の外にいる魔物でしょう。祈祷室自体がこの国に張られた結界を模していますから」
「そういえば結界は、この国と隣国との境界線に張っているんだっけ」
「いいえ違います。隣国との境界から我が国側に二十メートル手前で張られております」
は? 何だその無駄な距離は? 次から次へと知らない事柄が浮上し、ムッとして言い返す。
「なんでニ十メートル手前なのよ!」
「魔物によっては皮だとか牙とかに希少な物がありますから。ですが、この国にそもそも魔物は存在しないでしょう。——けれど、一歩結界を出れば隣国で生まれた魔物が、この国の結界で行き場を失いうじゃうじゃしていますからね」
「だから、なんなのよ! もっと分かりやすく言いなさいよ!」
老いぼれの言いたい事がさっぱり分からない。
ただでさえ不愉快な場所に入れらて気が立っているのに、まったりとした口調で回りくどい説明をされ、いらいらが募る。
「その二十メートルは、狩りのためにわざと用意した空間です。ジュディット様が日々、王宮の騎士団を引き連れて、そこへ素材採取に出ておりましたから」
「はぁ? 王太子の婚約者が何やってんのよ。バッカみたい!」
いい子でいようと考えていたけど、思った以上に姉が不可解な行動をしていて本音を吐いた。
それに老いぼれが、いちいちリナを馬鹿にするから心底腹が立つ。後でフィリに告げ口してやるんだから。みてなさい。
ღ .:*·゜♡゜・*:.ღ .:*·゜♡゜
お読みいただきありがとうございます。
次話も、リナ!
0
お気に入りに追加
394
あなたにおすすめの小説
溺愛される妻が記憶喪失になるとこうなる
田尾風香
恋愛
***2022/6/21、書き換えました。
お茶会で紅茶を飲んだ途端に頭に痛みを感じて倒れて、次に目を覚ましたら、目の前にイケメンがいました。
「あの、どちら様でしょうか?」
「俺と君は小さい頃からずっと一緒で、幼い頃からの婚約者で、例え死んでも一緒にいようと誓い合って……!」
「旦那様、奥様に記憶がないのをいいことに、嘘を教えませんように」
溺愛される妻は、果たして記憶を取り戻すことができるのか。
ギャグを書いたことはありませんが、ギャグっぽいお話しです。会話が多め。R18ではありませんが、行為後の話がありますので、ご注意下さい。
愛すべきマリア
志波 連
恋愛
幼い頃に婚約し、定期的な交流は続けていたものの、互いにこの結婚の意味をよく理解していたため、つかず離れずの穏やかな関係を築いていた。
学園を卒業し、第一王子妃教育も終えたマリアが留学から戻った兄と一緒に参加した夜会で、令嬢たちに囲まれた。
家柄も美貌も優秀さも全て揃っているマリアに嫉妬したレイラに指示された女たちは、彼女に嫌味の礫を投げつける。
早めに帰ろうという兄が呼んでいると知らせを受けたマリアが発見されたのは、王族の居住区に近い階段の下だった。
頭から血を流し、意識を失っている状態のマリアはすぐさま医務室に運ばれるが、意識が戻ることは無かった。
その日から十日、やっと目を覚ましたマリアは精神年齢が大幅に退行し、言葉遣いも仕草も全て三歳児と同レベルになっていたのだ。
体は16歳で心は3歳となってしまったマリアのためにと、兄が婚約の辞退を申し出た。
しかし、初めから結婚に重きを置いていなかった皇太子が「面倒だからこのまま結婚する」と言いだし、予定通りマリアは婚姻式に臨むことになった。
他サイトでも掲載しています。
表紙は写真ACより転載しました。
愛されない花嫁はいなくなりました。
豆狸
恋愛
私には以前の記憶がありません。
侍女のジータと川遊びに行ったとき、はしゃぎ過ぎて船から落ちてしまい、水に流されているうちに岩で頭を打って記憶を失ってしまったのです。
……間抜け過ぎて自分が恥ずかしいです。
王子妃だった記憶はもう消えました。
cyaru
恋愛
記憶を失った第二王子妃シルヴェーヌ。シルヴェーヌに寄り添う騎士クロヴィス。
元々は王太子であるセレスタンの婚約者だったにも関わらず、嫁いだのは第二王子ディオンの元だった。
実家の公爵家にも疎まれ、夫となった第二王子ディオンには愛する人がいる。
記憶が戻っても自分に居場所はあるのだろうかと悩むシルヴェーヌだった。
記憶を取り戻そうと動き始めたシルヴェーヌを支えるものと、邪魔するものが居る。
記憶が戻った時、それは、それまでの日常が崩れる時だった。
★1話目の文末に時間的流れの追記をしました(7月26日)
●ゆっくりめの更新です(ちょっと本業とダブルヘッダーなので)
●ルビ多め。鬱陶しく感じる方もいるかも知れませんがご了承ください。
敢えて常用漢字などの読み方を変えている部分もあります。
●作中の通貨単位はケラ。1ケラ=1円くらいの感じです。
♡注意事項~この話を読む前に~♡
※異世界の創作話です。時代設定、史実に基づいた話ではありません。リアルな世界の常識と混同されないようお願いします。
※心拍数や血圧の上昇、高血糖、アドレナリンの過剰分泌に責任はおえません。
※外道な作者の妄想で作られたガチなフィクションの上、ご都合主義です。
※架空のお話です。現実世界の話ではありません。登場人物、場所全て架空です。
※価値観や言葉使いなど現実世界とは異なります(似てるモノ、同じものもあります)
※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。
奪われたものは、もう返さなくていいです
gacchi
恋愛
幼い頃、母親が公爵の後妻となったことで公爵令嬢となったクラリス。正式な養女とはいえ、先妻の娘である義姉のジュディットとは立場が違うことは理解していた。そのため、言われるがままにジュディットのわがままを叶えていたが、学園に入学するようになって本当にこれが正しいのか悩み始めていた。そして、その頃、双子である第一王子アレクシスと第二王子ラファエルの妃選びが始まる。どちらが王太子になるかは、その妃次第と言われていたが……
選ばれたのは私以外でした 白い結婚、上等です!
凛蓮月
恋愛
【第16回恋愛小説大賞特別賞を頂き、書籍化されました。
紙、電子にて好評発売中です。よろしくお願いします(*ᴗ͈ˬᴗ͈)⁾⁾⁾】
婚約者だった王太子は、聖女を選んだ。
王命で結婚した相手には、愛する人がいた。
お飾りの妻としている間に出会った人は、そもそも女を否定した。
──私は選ばれない。
って思っていたら。
「改めてきみに求婚するよ」
そう言ってきたのは騎士団長。
きみの力が必要だ? 王都が不穏だから守らせてくれ?
でもしばらくは白い結婚?
……分かりました、白い結婚、上等です!
【恋愛大賞(最終日確認)大賞pt別二位で終了できました。投票頂いた皆様、ありがとうございます(*ᴗ͈ˬᴗ͈)⁾⁾⁾応援ありがとうございました!
ホトラン入り、エール、投票もありがとうございました!】
※なんてあらすじですが、作者の脳内の魔法のある異世界のお話です。
※ヒーローとの本格的な恋愛は、中盤くらいからです。
※恋愛大賞参加作品なので、感想欄を開きます。
よろしければお寄せ下さい。当作品への感想は全て承認します。
※登場人物への口撃は可ですが、他の読者様への口撃は作者からの吹き矢が飛んできます。ご注意下さい。
※鋭い感想ありがとうございます。返信はネタバレしないよう気を付けます。すぐネタバレペロリーナが発動しそうになります(汗)
好きだと言ってくれたのに私は可愛くないんだそうです【完結】
須木 水夏
恋愛
大好きな幼なじみ兼婚約者の伯爵令息、ロミオは、メアリーナではない人と恋をする。
メアリーナの初恋は、叶うこと無く終わってしまった。傷ついたメアリーナはロメオとの婚約を解消し距離を置くが、彼の事で心に傷を負い忘れられずにいた。どうにかして彼を忘れる為にメアが頼ったのは、友人達に誘われた夜会。最初は遊びでも良いのじゃないの、と焚き付けられて。
(そうね、新しい恋を見つけましょう。その方が手っ取り早いわ。)
※ご都合主義です。変な法律出てきます。ふわっとしてます。
※ヒーローは変わってます。
※主人公は無意識でざまぁする系です。
※誤字脱字すみません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる