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第4章 夢の実現へ
誕生日のサプライズ⑤
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【SIDE フレデリック】
アリーチェに秘密にしているが、私は何度も妃名義の屋敷に足を運んでいる。
アリーチェが私に仕掛けるサプライズで、彼女が喜べばと思っていたが、こんな事になるとは……。
感じる人の気配は1つ。
アリーチェが買った屋敷には、トミー事務官しかいないのだろう。
もう、ミカエルは動き出したのか……。
「トミー事務官、アリーチェは何処にいる?」
「今から9分前にミカエル殿下の屋敷へ行きました。ミカエル殿下は、誕生日のプレゼントと言って、アリーチェ様を誘い出しておりました。15分経っても王太子が来なければ、私が向かう予定でしたが、はぁ~っ、はぁ~っ、お越しになられて……良かった」
そう言って、その場にしゃがみ込むトミー事務官に礼を述べ、走ってミカエルの屋敷へ向かった。
音を消してミカエルの借りている屋敷へ入ると、その瞬間からアリーチェの「いやだ」と言う叫び声が聞こえた。
その声で、血が沸くように熱い怒りが込み上げてきた。
っつ、逃げ回るようなアリーチェの足音。
直ぐに助けたい……。
でも、これでは駄目だ。私の妃であるアリーチェに「決定的な何か」をしなければ、ミカエルを城から追い出す為の材料としては足りない。
陛下や貴族議会が下す、適当な謹慎では話にならないんだ。
「いっ痛い、離して。そんなの駄目」
アリーチェが痛がってる、……最早これまでか。
これでは、いささかミカエルを追い出すまではいかないだろう、どうする。
――!
アリーチェ、もしかして……。
これが、マックスが言ってたアリーチェの交渉なのか?
私の存在には気づいていない筈なのに、自分が危険な状態でどうしてそこまで……。
「なるほど。じゃあ、番号はベッドの上で聞くわ」
待て……、本当に行く気か⁉ 先ほどの私の話は、アリーチェの交渉ではなく本心だったのか?
私の目頭が熱くなりかけたのは束の間、部屋の中で響く足音のリズムが変わった。
アリーチェは逃げたのか?
アリーチェの交渉で、私が疑心暗鬼になってどうする!
ヤバいな。アリーチェから、これを仕掛けられたら間違いなく引っかかる自信がある。
そうなれば、私はファウラーに何も言えなくなるぞ。
「ベッドの上で抱こうと思ったけど、僕を馬鹿にしたから、あんたは床で十分だ。俺の子が出来るように、なるべくあんたの奥に流してやるよ。僕を騙して、どうするつもりか知らないけど、何か喋れば同意の元だって兄へ伝える。間違いなく、あんたの口からベッドへ行くと言ったからな。母が仕掛けた軽い脅しの毒を、いちいち騒ぐ兄が、妃の不貞をどうやって喚くのか見ものだな」
その言葉を聞いて、部屋の中へ足を運んだ。
間違っていなかった。こいつは王室にいるべき人間ではない。
まさか、ここまで性格が歪んでいるとはな。
私がミカエルへ、何をやっても駄目だった訳か……。
それにしても、アリーチェとマックスを見ているせいだろうか、心に穴が開く様な虚しさに襲われている。
自分の弟が、あまりにも愚かな存在であることの、もの悲しさ……。
「あの毒は、冗談や遊びで使っていいものじゃ無いって、分からないの? そんな危ない人が、フレデリック様の近くにいる位なら、わたしなんてどうなってもいいから、全部喋るに決まってるでしょう!」
私の姿に気付かない妃は、こんな時まで必死に私の事を気にしてくれている。
もう、どこまでもアリーチェは、アリーチェだな……、私の心配をし過ぎだ。
私の姿を捉えたミカエルは、すかさずアリーチェの元から離れたが、もう遅い。
床に仰向けのままのアリーチェに駆け寄って、ゆっくりと起こして、私の胸に抱き寄せた。
「フレデリック様、どうしてここに?」
「誕生日のサプライズに来たんだが、勇敢な妃が、馬鹿な人間を自供させていて驚いた。怖かったな」
そう言って、彼女の頭を撫でて、すかさず私の背後にアリーチェを隠した。
潤んだ瞳の彼女を見て、私の気持ちが深く沈んでいくと同時に、ミカエルへの強い不快感に変わる。
「この状況で何が同意の元だっ! お前の企みは全て聞いた。これまでは継承権争いだ、何だと、取り入っては貰えなかった。だが今では、お前より私の方が立場が上だ。私の証言でお前を処分する」
「いや……兄上」
ミカエルが、縋るような顔で私に言い寄ろうとしている。
それと同時に、廊下から足音が聞こえる――、ファウラーが着いたのか。
……、どうしていつもあいつは、いつもこうなんだ。
中の様子を確認してから入って来い……。
全くあいつは手の焼ける奴だ。
「私には、私を騙す甘えん坊の弟が1人いるが、お前ではない。それと、お前の迎えが来たようだ」
同情の余地もないミカエルへ言い放った。
「フレデリック様、お待たせしました。女神様の危機だと聞いて、大慌てで来ましたっ!」
そう言って、部屋の中を見ずに入って来たファウラーは、珍しく剣を抜いていた。
状況がどうであれ、王族へ剣を向けた時点で極刑だと言うのは、この国での常識だ。
アリーチェの為にファウラーの覚悟は、そういう事かと理解した。
そうだったな、お前は絶対に裏切らないと知っている。だから、アリーチェと2人にしても、何の不安も無いんだった……。
「寒がりな私の妃を冷たい床に寝せた犯罪者だ。ファウラー分かるな、正しく幽閉しておけ」
「僕の女神様に何してるんだ、こいつ。任せてください! 身包み剥いでから、藁1本無い部屋に入れておきますから。……いや、水でもかけてやった方がいいか」
自分に冤罪を被せた人間だと知ったら、何をするんだ。
ファウラーは本当に1人で来たのか……。
でも、そんな事を、あいつがへまする訳は無いだろう。
あいつを信じて少し待つか。
「アリーチェ寒く無いか?」
「ふふっ、フレデリック様が温かいから、ちっとも」
この状況で、嬉しそうに笑ってるアリーチェに、別の危険を感じる……。
この胸のざわつきは、放っといてはいけない気がする。
――しばらくしてから、護送用の荷馬車が到着した。
やはり、抜かりの無いマックスの仕事だな。
アリーチェが、マックスと離れたくない気持ちが、なんだか分からないでもない。
あいつ、城を去るのか……。
侘しさを感じている私は、護送車に驚いた顔をしているファウラーを見て、思わず苦笑した。
さてと、ミカエルに、いつまでも付き合ってはいられない。
何と言っても、今日のアリーチェの目的は誕生日のサプライズだからな。
「今日は帰りが遅くなるから、後は頼む」
そうファウラーへ伝えて、アリーチェを外へ連れ出した。
アリーチェに秘密にしているが、私は何度も妃名義の屋敷に足を運んでいる。
アリーチェが私に仕掛けるサプライズで、彼女が喜べばと思っていたが、こんな事になるとは……。
感じる人の気配は1つ。
アリーチェが買った屋敷には、トミー事務官しかいないのだろう。
もう、ミカエルは動き出したのか……。
「トミー事務官、アリーチェは何処にいる?」
「今から9分前にミカエル殿下の屋敷へ行きました。ミカエル殿下は、誕生日のプレゼントと言って、アリーチェ様を誘い出しておりました。15分経っても王太子が来なければ、私が向かう予定でしたが、はぁ~っ、はぁ~っ、お越しになられて……良かった」
そう言って、その場にしゃがみ込むトミー事務官に礼を述べ、走ってミカエルの屋敷へ向かった。
音を消してミカエルの借りている屋敷へ入ると、その瞬間からアリーチェの「いやだ」と言う叫び声が聞こえた。
その声で、血が沸くように熱い怒りが込み上げてきた。
っつ、逃げ回るようなアリーチェの足音。
直ぐに助けたい……。
でも、これでは駄目だ。私の妃であるアリーチェに「決定的な何か」をしなければ、ミカエルを城から追い出す為の材料としては足りない。
陛下や貴族議会が下す、適当な謹慎では話にならないんだ。
「いっ痛い、離して。そんなの駄目」
アリーチェが痛がってる、……最早これまでか。
これでは、いささかミカエルを追い出すまではいかないだろう、どうする。
――!
アリーチェ、もしかして……。
これが、マックスが言ってたアリーチェの交渉なのか?
私の存在には気づいていない筈なのに、自分が危険な状態でどうしてそこまで……。
「なるほど。じゃあ、番号はベッドの上で聞くわ」
待て……、本当に行く気か⁉ 先ほどの私の話は、アリーチェの交渉ではなく本心だったのか?
私の目頭が熱くなりかけたのは束の間、部屋の中で響く足音のリズムが変わった。
アリーチェは逃げたのか?
アリーチェの交渉で、私が疑心暗鬼になってどうする!
ヤバいな。アリーチェから、これを仕掛けられたら間違いなく引っかかる自信がある。
そうなれば、私はファウラーに何も言えなくなるぞ。
「ベッドの上で抱こうと思ったけど、僕を馬鹿にしたから、あんたは床で十分だ。俺の子が出来るように、なるべくあんたの奥に流してやるよ。僕を騙して、どうするつもりか知らないけど、何か喋れば同意の元だって兄へ伝える。間違いなく、あんたの口からベッドへ行くと言ったからな。母が仕掛けた軽い脅しの毒を、いちいち騒ぐ兄が、妃の不貞をどうやって喚くのか見ものだな」
その言葉を聞いて、部屋の中へ足を運んだ。
間違っていなかった。こいつは王室にいるべき人間ではない。
まさか、ここまで性格が歪んでいるとはな。
私がミカエルへ、何をやっても駄目だった訳か……。
それにしても、アリーチェとマックスを見ているせいだろうか、心に穴が開く様な虚しさに襲われている。
自分の弟が、あまりにも愚かな存在であることの、もの悲しさ……。
「あの毒は、冗談や遊びで使っていいものじゃ無いって、分からないの? そんな危ない人が、フレデリック様の近くにいる位なら、わたしなんてどうなってもいいから、全部喋るに決まってるでしょう!」
私の姿に気付かない妃は、こんな時まで必死に私の事を気にしてくれている。
もう、どこまでもアリーチェは、アリーチェだな……、私の心配をし過ぎだ。
私の姿を捉えたミカエルは、すかさずアリーチェの元から離れたが、もう遅い。
床に仰向けのままのアリーチェに駆け寄って、ゆっくりと起こして、私の胸に抱き寄せた。
「フレデリック様、どうしてここに?」
「誕生日のサプライズに来たんだが、勇敢な妃が、馬鹿な人間を自供させていて驚いた。怖かったな」
そう言って、彼女の頭を撫でて、すかさず私の背後にアリーチェを隠した。
潤んだ瞳の彼女を見て、私の気持ちが深く沈んでいくと同時に、ミカエルへの強い不快感に変わる。
「この状況で何が同意の元だっ! お前の企みは全て聞いた。これまでは継承権争いだ、何だと、取り入っては貰えなかった。だが今では、お前より私の方が立場が上だ。私の証言でお前を処分する」
「いや……兄上」
ミカエルが、縋るような顔で私に言い寄ろうとしている。
それと同時に、廊下から足音が聞こえる――、ファウラーが着いたのか。
……、どうしていつもあいつは、いつもこうなんだ。
中の様子を確認してから入って来い……。
全くあいつは手の焼ける奴だ。
「私には、私を騙す甘えん坊の弟が1人いるが、お前ではない。それと、お前の迎えが来たようだ」
同情の余地もないミカエルへ言い放った。
「フレデリック様、お待たせしました。女神様の危機だと聞いて、大慌てで来ましたっ!」
そう言って、部屋の中を見ずに入って来たファウラーは、珍しく剣を抜いていた。
状況がどうであれ、王族へ剣を向けた時点で極刑だと言うのは、この国での常識だ。
アリーチェの為にファウラーの覚悟は、そういう事かと理解した。
そうだったな、お前は絶対に裏切らないと知っている。だから、アリーチェと2人にしても、何の不安も無いんだった……。
「寒がりな私の妃を冷たい床に寝せた犯罪者だ。ファウラー分かるな、正しく幽閉しておけ」
「僕の女神様に何してるんだ、こいつ。任せてください! 身包み剥いでから、藁1本無い部屋に入れておきますから。……いや、水でもかけてやった方がいいか」
自分に冤罪を被せた人間だと知ったら、何をするんだ。
ファウラーは本当に1人で来たのか……。
でも、そんな事を、あいつがへまする訳は無いだろう。
あいつを信じて少し待つか。
「アリーチェ寒く無いか?」
「ふふっ、フレデリック様が温かいから、ちっとも」
この状況で、嬉しそうに笑ってるアリーチェに、別の危険を感じる……。
この胸のざわつきは、放っといてはいけない気がする。
――しばらくしてから、護送用の荷馬車が到着した。
やはり、抜かりの無いマックスの仕事だな。
アリーチェが、マックスと離れたくない気持ちが、なんだか分からないでもない。
あいつ、城を去るのか……。
侘しさを感じている私は、護送車に驚いた顔をしているファウラーを見て、思わず苦笑した。
さてと、ミカエルに、いつまでも付き合ってはいられない。
何と言っても、今日のアリーチェの目的は誕生日のサプライズだからな。
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