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第四章
第62話 トニー合流。風車の騎士追撃戦
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向こうから、見覚えのある一団がやって来た。
「タリホー! 騎士団発見! 風車じゃないけど!」
「よくわからないけどやっちまうですー!!」
ドワーフたちが気勢を上げる。
「まあ待て待て」
俺は彼らを止めることにした。
声だけでは止まらないので、ミサイルをぶっ放して地面を爆発させて止める。
「ウグワーッ!? な、なんだと思ったら青魔道士殿! どうしたのですかな」
侍従長が真っ先に我に返った。
何気にドワーフは血の気が多い。
瞬間湯沸かし器みたいなのがたくさんいるな。
「ど、どうしたのですか青魔道士殿!」
「うむ、ドワーフから見ると人間はみんな同じに見えるかもしれないが、あれは多分俺たちの知り合いなんだ」
「そうだったのですか! ではあれは……」
「フォンテインナイツ分隊だ」
「分隊!?」
ドワーフ達がどよめいた。
そして近づいてくる騎士団を凝視する。
彼らは最初警戒していたが、俺のミサイル爆発を見てから、「あっ、これ知ってるやつだ」となったらしい。
彼ら……フォンテイン義勇騎士団は駆け寄ってきた。
「なあ青魔道士殿、分隊の方が圧倒的に多いのですが」
「本隊か分隊かは戦闘力で決まるんだ」
「納得したですよ」
納得しましたか。
「ドルマー!! エリカー!!」
トニーがレーナを連れてやってくる。
「怪しい一団がいると、斥候が伝えてくれたんだ。何者だろうと思ったら、ドルマの仲間だったのか」
「おう。ドワーフだぞ。アディ姫、事情を説明してもいい?」
「構わないですよー」
「姫!?」
トニーが仰天した。
レーナがふんふん頷き、「チェック!」とドワーフ達を指さした。
「ドワーフ族! 本当だ! 存在してたんだねー。人間を超えた超技術を振るう地底に住まう種族で、肉体的には弱めなんだけど、技術があるから敵に回すと恐ろしい存在だと言われてるよ」
「レーナのみやぶる、が炸裂したな」
学者のお墨付きがあったので、アディ達がドワーフだと理解していただけたようだ。
で、彼らの事情をざっと話す。
「風車の騎士が彼らの秘宝を? そいつは大変だな」
唸るトニー。
フォンテイン義勇騎士団のリーダーたる貫禄が出てきたじゃないか。
彼ら義勇騎士団の活躍が、後世にフォンテインサーガとして語られるようにもなっていくのだろう。
「風車の騎士はオレ達の敵でもあるんだ! 協力しよう!」
「本当ですか! 人間はいまいち信用できないですがー」
アディがちらっと俺を見た。
「青魔道士殿の紹介なら信頼するですよ!」
「ああ、ドルマは表も裏もない信用できる男だ!」
俺を中心に、人とドワーフの結束が出来上がっていく。
これを見て、少年風水士はほおーと感心していた。
『あんた。何気に凄いんだな。人間とドワーフと、俺はゴブリンだぜ? それが一箇所に集まって、同じ目的に向かうなんて聞いたこともない』
「そお?」
まあ、俺もゴブリンと一緒に行動したのは、この間のゴブリン王国が初めてなんだけど。
一度経験してしまうと、ドワーフを仲間にしても全然気にならないな。
大規模に膨れ上がった一行は、風車の騎士を追撃する。
あいつらはどこに向かってるんだろうな。
ひたすら逃げていっているのは分かる。
「徒歩だと埒があかないですねえ。……ということで! 行軍しながら作っていたものが完成したのですよ! 小型飛空艇!」
ドワーフ達の中から、小舟みたいなものが押し出されてきた。
いつの間に作っていたんだろうか。
どうやら、それぞれのドワーフが部品を作成し、今さっき集めて組み上げたらしい。
「これに強い人を集めて、先行させて風車の騎士を叩き潰すですよ!」
「いいな! よし、やろう!!」
エリカが元気になった。
単調な行軍で、すっかり飽きていたからな。
こういう状況の変化を待ち望んでいたのだ。
「エリカが行くなら俺も行くぞ」
「では拙者も」
『お、俺も行くぞ!』
「よし、オレも先行する!」
「あ、じゃあ僕も!」
ということで、飛空艇はいっぱいになった。
操作担当のドワーフが一人だけついてきて、他は見知った顔ばかり。
エリカ、俺、ホムラ、風水士、トニー、レーナ。
フォンテイン義勇騎士団としては、一行の長が先行するのはいいの? とか思ったんだが。
「トニーさん、やっちまってください!」
「数々の偉業を成し遂げてきたフォンテインの力を見せてくださいよー!」
なんか応援されている。
「トニーも大変でさ。義勇騎士団のリーダーになれる器なのかって陰口も叩かれてて」
レーナがこそっと教えてくれた。
「それは大変だ。トニー、実力的には騎士として才能ない感じだからな」
「うん。だからここでやっとかないと危ないとこだった」
「苦労してるなあ。やっぱりあれだな。大きな組織に所属するのはいかんな」
余計なしがらみみたいなものが生まれてしまう。
これはよろしくない。
俺は最小限の組織で行くぞ。
「よし、やるぞ、やるぞ、やるぞっ」
トニーがぶつぶつ言っている。
緊張しているな。
「力まないでよろしい。トニーはトニーにできることをするんだ。無茶をして死んだら、未来の世界で俺が困る」
「? 何を言ってるんだドルマ」
「死ぬなと言っているんだ。危険なところに突撃して暴れるのは俺とエリカの仕事なのだ」
そう告げ、発進した小型飛空艇の先頭に陣取る俺である。
あっという間に、風車の騎士達が見えてきた。
頭数はそう多くない。
そして風車の騎士の横には、ゴブリンがいるな。
『ジャガラがいる!! おい、下ろしてくれ! ここであいつを止めないといけない!!』
少年風水士が吠えた。
よし、ここいらで決戦か。
「タリホー! 騎士団発見! 風車じゃないけど!」
「よくわからないけどやっちまうですー!!」
ドワーフたちが気勢を上げる。
「まあ待て待て」
俺は彼らを止めることにした。
声だけでは止まらないので、ミサイルをぶっ放して地面を爆発させて止める。
「ウグワーッ!? な、なんだと思ったら青魔道士殿! どうしたのですかな」
侍従長が真っ先に我に返った。
何気にドワーフは血の気が多い。
瞬間湯沸かし器みたいなのがたくさんいるな。
「ど、どうしたのですか青魔道士殿!」
「うむ、ドワーフから見ると人間はみんな同じに見えるかもしれないが、あれは多分俺たちの知り合いなんだ」
「そうだったのですか! ではあれは……」
「フォンテインナイツ分隊だ」
「分隊!?」
ドワーフ達がどよめいた。
そして近づいてくる騎士団を凝視する。
彼らは最初警戒していたが、俺のミサイル爆発を見てから、「あっ、これ知ってるやつだ」となったらしい。
彼ら……フォンテイン義勇騎士団は駆け寄ってきた。
「なあ青魔道士殿、分隊の方が圧倒的に多いのですが」
「本隊か分隊かは戦闘力で決まるんだ」
「納得したですよ」
納得しましたか。
「ドルマー!! エリカー!!」
トニーがレーナを連れてやってくる。
「怪しい一団がいると、斥候が伝えてくれたんだ。何者だろうと思ったら、ドルマの仲間だったのか」
「おう。ドワーフだぞ。アディ姫、事情を説明してもいい?」
「構わないですよー」
「姫!?」
トニーが仰天した。
レーナがふんふん頷き、「チェック!」とドワーフ達を指さした。
「ドワーフ族! 本当だ! 存在してたんだねー。人間を超えた超技術を振るう地底に住まう種族で、肉体的には弱めなんだけど、技術があるから敵に回すと恐ろしい存在だと言われてるよ」
「レーナのみやぶる、が炸裂したな」
学者のお墨付きがあったので、アディ達がドワーフだと理解していただけたようだ。
で、彼らの事情をざっと話す。
「風車の騎士が彼らの秘宝を? そいつは大変だな」
唸るトニー。
フォンテイン義勇騎士団のリーダーたる貫禄が出てきたじゃないか。
彼ら義勇騎士団の活躍が、後世にフォンテインサーガとして語られるようにもなっていくのだろう。
「風車の騎士はオレ達の敵でもあるんだ! 協力しよう!」
「本当ですか! 人間はいまいち信用できないですがー」
アディがちらっと俺を見た。
「青魔道士殿の紹介なら信頼するですよ!」
「ああ、ドルマは表も裏もない信用できる男だ!」
俺を中心に、人とドワーフの結束が出来上がっていく。
これを見て、少年風水士はほおーと感心していた。
『あんた。何気に凄いんだな。人間とドワーフと、俺はゴブリンだぜ? それが一箇所に集まって、同じ目的に向かうなんて聞いたこともない』
「そお?」
まあ、俺もゴブリンと一緒に行動したのは、この間のゴブリン王国が初めてなんだけど。
一度経験してしまうと、ドワーフを仲間にしても全然気にならないな。
大規模に膨れ上がった一行は、風車の騎士を追撃する。
あいつらはどこに向かってるんだろうな。
ひたすら逃げていっているのは分かる。
「徒歩だと埒があかないですねえ。……ということで! 行軍しながら作っていたものが完成したのですよ! 小型飛空艇!」
ドワーフ達の中から、小舟みたいなものが押し出されてきた。
いつの間に作っていたんだろうか。
どうやら、それぞれのドワーフが部品を作成し、今さっき集めて組み上げたらしい。
「これに強い人を集めて、先行させて風車の騎士を叩き潰すですよ!」
「いいな! よし、やろう!!」
エリカが元気になった。
単調な行軍で、すっかり飽きていたからな。
こういう状況の変化を待ち望んでいたのだ。
「エリカが行くなら俺も行くぞ」
「では拙者も」
『お、俺も行くぞ!』
「よし、オレも先行する!」
「あ、じゃあ僕も!」
ということで、飛空艇はいっぱいになった。
操作担当のドワーフが一人だけついてきて、他は見知った顔ばかり。
エリカ、俺、ホムラ、風水士、トニー、レーナ。
フォンテイン義勇騎士団としては、一行の長が先行するのはいいの? とか思ったんだが。
「トニーさん、やっちまってください!」
「数々の偉業を成し遂げてきたフォンテインの力を見せてくださいよー!」
なんか応援されている。
「トニーも大変でさ。義勇騎士団のリーダーになれる器なのかって陰口も叩かれてて」
レーナがこそっと教えてくれた。
「それは大変だ。トニー、実力的には騎士として才能ない感じだからな」
「うん。だからここでやっとかないと危ないとこだった」
「苦労してるなあ。やっぱりあれだな。大きな組織に所属するのはいかんな」
余計なしがらみみたいなものが生まれてしまう。
これはよろしくない。
俺は最小限の組織で行くぞ。
「よし、やるぞ、やるぞ、やるぞっ」
トニーがぶつぶつ言っている。
緊張しているな。
「力まないでよろしい。トニーはトニーにできることをするんだ。無茶をして死んだら、未来の世界で俺が困る」
「? 何を言ってるんだドルマ」
「死ぬなと言っているんだ。危険なところに突撃して暴れるのは俺とエリカの仕事なのだ」
そう告げ、発進した小型飛空艇の先頭に陣取る俺である。
あっという間に、風車の騎士達が見えてきた。
頭数はそう多くない。
そして風車の騎士の横には、ゴブリンがいるな。
『ジャガラがいる!! おい、下ろしてくれ! ここであいつを止めないといけない!!』
少年風水士が吠えた。
よし、ここいらで決戦か。
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