21 / 83
第二章
第21話 パーティ名を決めよう
しおりを挟む
一つの国を救って凱旋してきた俺とエリカ。
もちろん、商業都市ポータルではその名を知られて大いに歓迎され……は別にしなかった。
というか普段どおりで、むしろ門を守る兵士の人に厳しくチェックまでされてしまった。
「街の中で大暴れしないようにね……!」
「うい。あれなの? なんかこの間、竜騎士と戦った時の?」
「街の中で戦うの本当は禁止だからね? あの公女もいきなり門を突破して突っ込んできてたからね?」
「むむむ! 思ってたのと扱い違う!」
ロッテ公女から受けた依頼は、冒険者の店を通していない。
そこで得た成果は、冒険者の店間で共有されないし、意図的にスルーされる。
なので、俺とエリカは外でちょっと長めに遊んできた扱いになるのだ。
あるいは、ゴブリンの耳を凄くたくさん取ってきた二人、という扱い。
まあ、これだけでも冒険者たちからの視線はそれなりの敬意を持ったものになる。
「ゴブリン狩りが戻ってきたぞ」
「今度はどれだけゴブリンを狩ったんだ」
冒険者の店にやって来た俺たちに、他の冒険者がざわつく。
エリカが不本意そうに口を尖らせた。
「私たちは魔神を倒したんだが……」
「まあまあエリカ。公国の人たちがその辺りの話を広めてくれるかもしれないだろ。みんな石化してそのシーンは見てないけど」
「うーあー!」
エリカが悲しそうに鳴いた。
「まあまあエリカ。肉を食おう、肉を。今回の仕事でかなり稼いだし。豪遊だ!」
「おお! そうだな!」
機嫌が直った。
そして俺たちの頑張りは、誰にも知られていなかった訳では無い。
骨付き肉をガツガツ食っている俺たちの横に、一人の男がやってきた。
「もしや……お二人はリエンタール公国にロッテ公女を送り届けて来られたのですかね?」
「そうだぞ!」
「そうだけどあんた誰だ」
「ああ、申し遅れました。ワタクシめ、吟遊詩人のモーザルと申します。お二人から英雄的なスメルを感じ取りまして、今から戯曲のための取材をですね……。唾を付けておこうと思いまして」
糸目の、いつも笑っているような顔の男だった。
吟遊詩人というだけあって、リュートを手にしている。
「おっ、見る目あるなあ。ここにいるエリカは大騎士になるぞ。俺が大騎士になる手伝いをするのだ」
「ははあ! そしてあなた、ドルマさんは確か、伝説の青魔道だという触れ込みだとか」
「そこまで知ってるの?」
「竜騎士と青魔道士が戦った、というのを見ていた者は多いのですよ。ですが、真っ先に声を掛けて戯曲のための取材をしたのはワタクシめ!! 先行者利益はいただきます! そして歌を作ってあちこちでばら撒き、お二人の名声を高め、さらにワタクシめの利益に繋げてみせますよ!」
「生臭い! 生臭いけどかなり頼もしいぞこいつ」
「もふぉ? もぐもぐもぐもぐ」
「エリカ、食べ終わってから喋りなさい」
「ところで、お二人の名前は……?」
「ん? 俺はドルマでこっちはエリカだぞ?」
「いえいえ、パーティの名前ですよ。やはり歌にするために、その名は必要になってくるでしょう」
「あー、パーティ名! 考えたことも無かった」
「なんですって!!」
糸目がカッと見開かれた。
こわいこわい。
「それでは歌えません!! 今決めて下さい! 今ここで! パーティ名!!」
「いきなり必死なんだけど」
「ビジネスのためなんで。ワタクシめ、これ死活問題なんで。この業界競争が激しいんですよ」
「必死」
「早く」
「……だそうだエリカ。どうする? 何か考えてる?」
「うーん」
エリカが肉の塊を食べ終わり、指についた脂を舐めながら天井を見上げる。
「フォンテインナイツとか?」
「ああいいですね、そうしましょう」
「モーザルの決断が早い」
「後々有名になった時、まさに大騎士フォンテインの如し!! と煽れるではないですか」
「計算高い!」
吟遊詩人モーザルは満足げである。
お礼にと、一曲歌っていってくれた。
それがまさしく、大騎士フォンテインの歌だった。
俺たちばかりでなく、他の冒険者達も大いに盛り上がった。
そのノリで、エリカが「今回は私が奢る……」とか言いかけたので、慌てて彼女の口を塞いだのである。
お金は大切にしなくちゃ。
その後、冒険者の店はお祭り騒ぎになり、みんな有り金を使い切る勢いで飲み食いした。
店のマスターはニッコニコである。
仕事の紹介料以外に、飲食代は貴重な収入源なのだ。
冒険者は宵越しの金を持たないとも言われているから、とにかく金を使う。
なので、冒険者の店はやたらと料理のレパートリーが広く、下はやっすいエールとクズ肉のジャーキーから、上はとんでもない高級食材を使ったものまであるわけだ。
俺もエリカも、値段関係なく量を食えればいいので、そこまで金が掛からないのが救いだ。
こうして、ともに宿に帰るのが大変になるくらい飲み食いした。
ふらふらと戻る途中、酔っぱらい狙いの強盗に襲われたりしたが、おざなりにゴブリンパンチを放ってぶっ飛ばしておいた。
「フォンテインナイツ! 私たちは大騎士になるのだー!」
「ほらエリカ、ベッドの上の方に転がすからなー。ナタを手放せ、ナタを」
「ウー」
ベッドの上で唸るエリカは、すぐにぐうぐうと眠り始めた。
大人物だ。
「しかし、国を救ってちょっとは有名になったんだろうが、大騎士への道のりはまだまだ遠いよな。ま、ほどほどに頑張っていこう」
爆睡するエリカにそんな言葉を掛けつつ、俺も眠りにつくことにしたのだった。
もちろん、商業都市ポータルではその名を知られて大いに歓迎され……は別にしなかった。
というか普段どおりで、むしろ門を守る兵士の人に厳しくチェックまでされてしまった。
「街の中で大暴れしないようにね……!」
「うい。あれなの? なんかこの間、竜騎士と戦った時の?」
「街の中で戦うの本当は禁止だからね? あの公女もいきなり門を突破して突っ込んできてたからね?」
「むむむ! 思ってたのと扱い違う!」
ロッテ公女から受けた依頼は、冒険者の店を通していない。
そこで得た成果は、冒険者の店間で共有されないし、意図的にスルーされる。
なので、俺とエリカは外でちょっと長めに遊んできた扱いになるのだ。
あるいは、ゴブリンの耳を凄くたくさん取ってきた二人、という扱い。
まあ、これだけでも冒険者たちからの視線はそれなりの敬意を持ったものになる。
「ゴブリン狩りが戻ってきたぞ」
「今度はどれだけゴブリンを狩ったんだ」
冒険者の店にやって来た俺たちに、他の冒険者がざわつく。
エリカが不本意そうに口を尖らせた。
「私たちは魔神を倒したんだが……」
「まあまあエリカ。公国の人たちがその辺りの話を広めてくれるかもしれないだろ。みんな石化してそのシーンは見てないけど」
「うーあー!」
エリカが悲しそうに鳴いた。
「まあまあエリカ。肉を食おう、肉を。今回の仕事でかなり稼いだし。豪遊だ!」
「おお! そうだな!」
機嫌が直った。
そして俺たちの頑張りは、誰にも知られていなかった訳では無い。
骨付き肉をガツガツ食っている俺たちの横に、一人の男がやってきた。
「もしや……お二人はリエンタール公国にロッテ公女を送り届けて来られたのですかね?」
「そうだぞ!」
「そうだけどあんた誰だ」
「ああ、申し遅れました。ワタクシめ、吟遊詩人のモーザルと申します。お二人から英雄的なスメルを感じ取りまして、今から戯曲のための取材をですね……。唾を付けておこうと思いまして」
糸目の、いつも笑っているような顔の男だった。
吟遊詩人というだけあって、リュートを手にしている。
「おっ、見る目あるなあ。ここにいるエリカは大騎士になるぞ。俺が大騎士になる手伝いをするのだ」
「ははあ! そしてあなた、ドルマさんは確か、伝説の青魔道だという触れ込みだとか」
「そこまで知ってるの?」
「竜騎士と青魔道士が戦った、というのを見ていた者は多いのですよ。ですが、真っ先に声を掛けて戯曲のための取材をしたのはワタクシめ!! 先行者利益はいただきます! そして歌を作ってあちこちでばら撒き、お二人の名声を高め、さらにワタクシめの利益に繋げてみせますよ!」
「生臭い! 生臭いけどかなり頼もしいぞこいつ」
「もふぉ? もぐもぐもぐもぐ」
「エリカ、食べ終わってから喋りなさい」
「ところで、お二人の名前は……?」
「ん? 俺はドルマでこっちはエリカだぞ?」
「いえいえ、パーティの名前ですよ。やはり歌にするために、その名は必要になってくるでしょう」
「あー、パーティ名! 考えたことも無かった」
「なんですって!!」
糸目がカッと見開かれた。
こわいこわい。
「それでは歌えません!! 今決めて下さい! 今ここで! パーティ名!!」
「いきなり必死なんだけど」
「ビジネスのためなんで。ワタクシめ、これ死活問題なんで。この業界競争が激しいんですよ」
「必死」
「早く」
「……だそうだエリカ。どうする? 何か考えてる?」
「うーん」
エリカが肉の塊を食べ終わり、指についた脂を舐めながら天井を見上げる。
「フォンテインナイツとか?」
「ああいいですね、そうしましょう」
「モーザルの決断が早い」
「後々有名になった時、まさに大騎士フォンテインの如し!! と煽れるではないですか」
「計算高い!」
吟遊詩人モーザルは満足げである。
お礼にと、一曲歌っていってくれた。
それがまさしく、大騎士フォンテインの歌だった。
俺たちばかりでなく、他の冒険者達も大いに盛り上がった。
そのノリで、エリカが「今回は私が奢る……」とか言いかけたので、慌てて彼女の口を塞いだのである。
お金は大切にしなくちゃ。
その後、冒険者の店はお祭り騒ぎになり、みんな有り金を使い切る勢いで飲み食いした。
店のマスターはニッコニコである。
仕事の紹介料以外に、飲食代は貴重な収入源なのだ。
冒険者は宵越しの金を持たないとも言われているから、とにかく金を使う。
なので、冒険者の店はやたらと料理のレパートリーが広く、下はやっすいエールとクズ肉のジャーキーから、上はとんでもない高級食材を使ったものまであるわけだ。
俺もエリカも、値段関係なく量を食えればいいので、そこまで金が掛からないのが救いだ。
こうして、ともに宿に帰るのが大変になるくらい飲み食いした。
ふらふらと戻る途中、酔っぱらい狙いの強盗に襲われたりしたが、おざなりにゴブリンパンチを放ってぶっ飛ばしておいた。
「フォンテインナイツ! 私たちは大騎士になるのだー!」
「ほらエリカ、ベッドの上の方に転がすからなー。ナタを手放せ、ナタを」
「ウー」
ベッドの上で唸るエリカは、すぐにぐうぐうと眠り始めた。
大人物だ。
「しかし、国を救ってちょっとは有名になったんだろうが、大騎士への道のりはまだまだ遠いよな。ま、ほどほどに頑張っていこう」
爆睡するエリカにそんな言葉を掛けつつ、俺も眠りにつくことにしたのだった。
2
お気に入りに追加
107
あなたにおすすめの小説
スライムすら倒せない底辺冒険者の俺、レベルアップしてハーレムを築く(予定)〜ユニークスキル[レベルアップ]を手に入れた俺は最弱魔法で無双する
カツラノエース
ファンタジー
ろくでもない人生を送っていた俺、海乃 哲也は、
23歳にして交通事故で死に、異世界転生をする。
急に異世界に飛ばされた俺、もちろん金は無い。何とか超初級クエストで金を集め武器を買ったが、俺に戦いの才能は無かったらしく、スライムすら倒せずに返り討ちにあってしまう。
完全に戦うということを諦めた俺は危険の無い薬草集めで、何とか金を稼ぎ、ひもじい思いをしながらも生き繋いでいた。
そんな日々を過ごしていると、突然ユニークスキル[レベルアップ]とやらを獲得する。
最初はこの胡散臭過ぎるユニークスキルを疑ったが、薬草集めでレベルが2に上がった俺は、好奇心に負け、ダメ元で再びスライムと戦う。
すると、前までは歯が立たなかったスライムをすんなり倒せてしまう。
どうやら本当にレベルアップしている模様。
「ちょっと待てよ?これなら最強になれるんじゃね?」
最弱魔法しか使う事の出来ない底辺冒険者である俺が、レベルアップで高みを目指す物語。
他サイトにも掲載しています。
異世界で美少女『攻略』スキルでハーレム目指します。嫁のために命懸けてたらいつの間にか最強に!?雷撃魔法と聖剣で俺TUEEEもできて最高です。
真心糸
ファンタジー
☆カクヨムにて、200万PV、ブクマ6500達成!☆
【あらすじ】
どこにでもいるサラリーマンの主人公は、突如光り出した自宅のPCから異世界に転生することになる。
神様は言った。
「あなたはこれから別の世界に転生します。キャラクター設定を行ってください」
現世になんの未練もない主人公は、その状況をすんなり受け入れ、神様らしき人物の指示に従うことにした。
神様曰く、好きな外見を設定して、有効なポイントの範囲内でチートスキルを授けてくれるとのことだ。
それはいい。じゃあ、理想のイケメンになって、美少女ハーレムが作れるようなスキルを取得しよう。
あと、できれば俺TUEEEもしたいなぁ。
そう考えた主人公は、欲望のままにキャラ設定を行った。
そして彼は、剣と魔法がある異世界に「ライ・ミカヅチ」として転生することになる。
ライが取得したチートスキルのうち、最も興味深いのは『攻略』というスキルだ。
この攻略スキルは、好みの美少女を全世界から検索できるのはもちろんのこと、その子の好感度が上がるようなイベントを予見してアドバイスまでしてくれるという優れモノらしい。
さっそく攻略スキルを使ってみると、前世では見たことないような美少女に出会うことができ、このタイミングでこんなセリフを囁くと好感度が上がるよ、なんてアドバイスまでしてくれた。
そして、その通りに行動すると、めちゃくちゃモテたのだ。
チートスキルの効果を実感したライは、冒険者となって俺TUEEEを楽しみながら、理想のハーレムを作ることを人生の目標に決める。
しかし、出会う美少女たちは皆、なにかしらの逆境に苦しんでいて、ライはそんな彼女たちに全力で救いの手を差し伸べる。
もちろん、攻略スキルを使って。
もちろん、救ったあとはハーレムに入ってもらう。
下心全開なのに、正義感があって、熱い心を持つ男ライ・ミカヅチ。
これは、そんな主人公が、異世界を全力で生き抜き、たくさんの美少女を助ける物語。
【他サイトでの掲載状況】
本作は、カクヨム様、小説家になろう様でも掲載しています。

幸福の魔法使い〜ただの転生者が史上最高の魔法使いになるまで〜
霊鬼
ファンタジー
生まれつき魔力が見えるという特異体質を持つ現代日本の会社員、草薙真はある日死んでしまう。しかし何故か目を覚ませば自分が幼い子供に戻っていて……?
生まれ直した彼の目的は、ずっと憧れていた魔法を極めること。様々な地へ訪れ、様々な人と会い、平凡な彼はやがて英雄へと成り上がっていく。
これは、ただの転生者が、やがて史上最高の魔法使いになるまでの物語である。
(小説家になろう様、カクヨム様にも掲載をしています。)
異世界召喚に条件を付けたのに、女神様に呼ばれた
りゅう
ファンタジー
異世界召喚。サラリーマンだって、そんな空想をする。
いや、さすがに大人なので空想する内容も大人だ。少年の心が残っていても、現実社会でもまれた人間はまた別の空想をするのだ。
その日の神岡龍二も、日々の生活から離れ異世界を想像して遊んでいるだけのハズだった。そこには何の問題もないハズだった。だが、そんなお気楽な日々は、この日が最後となってしまった。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
~唯一王の成り上がり~ 外れスキル「精霊王」の俺、パーティーを首になった瞬間スキルが開花、Sランク冒険者へと成り上がり、英雄となる
静内燕
ファンタジー
【カクヨムコン最終選考進出】
【複数サイトでランキング入り】
追放された主人公フライがその能力を覚醒させ、成り上がりっていく物語
主人公フライ。
仲間たちがスキルを開花させ、パーティーがSランクまで昇華していく中、彼が与えられたスキルは「精霊王」という伝説上の生き物にしか対象にできない使用用途が限られた外れスキルだった。
フライはダンジョンの案内役や、料理、周囲の加護、荷物持ちなど、あらゆる雑用を喜んでこなしていた。
外れスキルの自分でも、仲間達の役に立てるからと。
しかしその奮闘ぶりは、恵まれたスキルを持つ仲間たちからは認められず、毎日のように不当な扱いを受ける日々。
そしてとうとうダンジョンの中でパーティーからの追放を宣告されてしまう。
「お前みたいなゴミの変わりはいくらでもいる」
最後のクエストのダンジョンの主は、今までと比較にならないほど強く、歯が立たない敵だった。
仲間たちは我先に逃亡、残ったのはフライ一人だけ。
そこでダンジョンの主は告げる、あなたのスキルを待っていた。と──。
そして不遇だったスキルがようやく開花し、最強の冒険者へとのし上がっていく。
一方、裏方で支えていたフライがいなくなったパーティーたちが没落していく物語。
イラスト 卯月凪沙様より
不遇職とバカにされましたが、実際はそれほど悪くありません?
カタナヅキ
ファンタジー
現実世界で普通の高校生として過ごしていた「白崎レナ」は謎の空間の亀裂に飲み込まれ、狭間の世界と呼ばれる空間に移動していた。彼はそこで世界の「管理者」と名乗る女性と出会い、彼女と何時でも交信できる能力を授かり、異世界に転生される。
次に彼が意識を取り戻した時には見知らぬ女性と男性が激しく口論しており、会話の内容から自分達から誕生した赤子は呪われた子供であり、王位を継ぐ権利はないと男性が怒鳴り散らしている事を知る。そして子供というのが自分自身である事にレナは気付き、彼は母親と供に追い出された。
時は流れ、成長したレナは自分がこの世界では不遇職として扱われている「支援魔術師」と「錬金術師」の職業を習得している事が判明し、更に彼は一般的には扱われていないスキルばかり習得してしまう。多くの人間から見下され、実の姉弟からも馬鹿にされてしまうが、彼は決して挫けずに自分の能力を信じて生き抜く――
――後にレナは自分の得た職業とスキルの真の力を「世界の管理者」を名乗る女性のアイリスに伝えられ、自分を見下していた人間から逆に見上げられる立場になる事を彼は知らない。
※タイトルを変更しました。(旧題:不遇職に役立たずスキルと馬鹿にされましたが、実際はそれほど悪くはありません)。書籍化に伴い、一部の話を取り下げました。また、近い内に大幅な取り下げが行われます。
※11月22日に第一巻が発売されます!!また、書籍版では主人公の名前が「レナ」→「レイト」に変更しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる