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75・カレーなる凱旋
第225話 食材を全て用意する
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発酵乳ベースのカレーは砂漠の王国で作った。
では、アーランでは何を作るべきか?
そりゃあ、ドロっとして具だくさんな、ジャパンのカレーだろう!!
宿に戻った僕は、素材を揃えて思案する。
集めるべき食材はなんだ?
野菜は必須だ。
肉も必須だ。
合わせる主食はどうする?
パンであろう。
そしてカレーは、ふわっふわなパンよりもちょっとカッスカスなパンの方が染み込んで美味かったりする。
出番だぞ、アーランのあまり美味しくないパン!!
あれも美味しくないというわけではなく、粉と水と塩しか使っていないので、極めて味が素朴なのだ。
その粉の質がよくなかったな、うん。
今ではアーラン全土での粉は良質になったので、自然と前よりマシなパンが食べられるようになっているのだ。
「ご主人、ごきげん?」
「ああ。料理を考えるのは楽しいぞ」
カレーコの一部は遺跡で植えて増やす用。
その他は使ってもいいということだ。
マサラガラムよーし!
にんにくは市場で調達よし!
「カレーうどんもいいが、まずは正道で攻めるとしよう」
僕は食材を調達し、その足でシャザクに連絡。
彼を連れてデュオス殿下のもとに向かった。
ギルボウのところで用意してもいいが、流石に大金を出してくれているパトロンを優先せねばなのだ。
「ナザル! また旅に出ていたのか! そして君の持ち物から恐ろしく強烈な香りがするな。それがまさか……」
「ああ、カレーコだ!! ついに手に入れたぞ!!」
「なんとーっ!! 知識神が君に告げたという三つの食材が揃ってしまったのか。では、殿下のもとで作るのだな、カレーを……!!」
「そういうことになる」
ノーアポだったが、僕の顔を見ると門番は通してくれるので大変楽ちんだ。
そして殿下のお屋敷へ。
使用人が僕の漂わせる匂いに勘付き、屋敷の中へダッシュしていった。
しばし待つ。
すぐに戻ってきた使用人が、「まずは殿下にお会いくださいませ! 皆様大急ぎでいつもの部屋に集まっておられます!」と告げた。
僕はカレーの香りをぷんぷんさせながら行く。
そしていつもの部屋!
登場すると、デュオス殿下がすっごくいい笑顔を見せた。
「戻ってきたか、ナザル……!! ということは……完成したのだな、カレーが!!」
「はっ! 殿下のお力添えをいただき、ついに完成しましてございます、カレーが!!」
「おほー!!」
「楽しみだわー!!」
「お腹ぺこぺこよー!!」
お嬢さんの腹ペコ宣言を、流石に奥方がはしたないですよ、と諌めた。
そんな奥方、お腹が鳴っておりますぞ。
「では準備してまいります。素晴らしい香りが厨房から溢れ、お屋敷を満たすでしょうが耐えてください……!!」
「それほどか……!!」
「それほどです!! ご期待あれ! その期待を超えてみせますから!」
「むほー!」
殿下が期待と興奮のあまり言語を忘れている!!
厨房に向かう途中、シャザクが「よかったのか? あのような大言を……。この間のマサラガラムですらあれほどの衝撃だったと言うのに、それを超えるというのか?」
「もちろん。強く刺激的なだけではない、深みある美味さを併せ持つカレーをロイヤルファミリーにご馳走するんだよ」
厨房ではシェフたちが待ち構えていた。
「来ましたなナザル殿!」「待ってましたよー!」「凄まじい香り! これが、これこそが……」「巷で噂されるカレーコ!」
「そんなに巷で噂されてるのか」
「そりゃあもちろん。ちょっと裕福な国民であれば、マサラガラム料理を食べたことがない者はおりませんからな」「彼らはどこで知ったか、マサラガラムはカレーコと合わさることで完成すると口々に言うのです」
アーランにも美食家というものが生まれたようだな……!
そして、美食家たちはアンテナが高い。
恐らく彼らは、僕の一挙手一挙動に注目していることであろう。
彼らの期待にも応えねばな。
僕はこの場に、持ってきた食材をずらりと並べた。
塊肉。
人参っぽい根菜、おなじみのじゃがいもっぽい芋、玉ねぎっぽいやつ。
にんにく。
マサラガラム。
そしてカレーコ!
おっと、こいつを忘れるわけにはいかない。
甘い漬物だ。
「漬物を!?」「一体どこに使うっていうんですか」
「これを小皿に添えて出す。そうすると気分転換で食べられて味に飽きないんだ」
「なーるほど!」「戦略的……!」「どれどれ……? うほほ、パリパリとした歯ごたえが楽しい!」「薄く小さく切られているから食べやすい!」「甘酸っぱいなあ! なるほど、こういうのがいいのか……」
「では皆さん、料理開始! 基本は炒める! で、火が通ったところでぐつぐつ煮込み、アクを取ったらカレーコを入れ、マサラガラムとにんにくは最後の仕上げ!」
シェフたちが「ガッテン!」とポーズを決めた。
僕のグルメにずっと付き合ってきた猛者たちだ。
アーランでも、ギルボウに次ぐ実力を持っていると言っていいだろう。
彼らの素晴らしい料理の腕前が今、炸裂する!
「で、ナザルは見ているだけなのか」
「そうなる……。カレーコ入れるまで、彼らがやったほうが絶対いいもん」
「まあ、向こうはプロだからな……」
こうして僕とシャザクとコゲタは時を待つのだった!
まあ、シャザクとコゲタは待機してなくてもいいんだが。
では、アーランでは何を作るべきか?
そりゃあ、ドロっとして具だくさんな、ジャパンのカレーだろう!!
宿に戻った僕は、素材を揃えて思案する。
集めるべき食材はなんだ?
野菜は必須だ。
肉も必須だ。
合わせる主食はどうする?
パンであろう。
そしてカレーは、ふわっふわなパンよりもちょっとカッスカスなパンの方が染み込んで美味かったりする。
出番だぞ、アーランのあまり美味しくないパン!!
あれも美味しくないというわけではなく、粉と水と塩しか使っていないので、極めて味が素朴なのだ。
その粉の質がよくなかったな、うん。
今ではアーラン全土での粉は良質になったので、自然と前よりマシなパンが食べられるようになっているのだ。
「ご主人、ごきげん?」
「ああ。料理を考えるのは楽しいぞ」
カレーコの一部は遺跡で植えて増やす用。
その他は使ってもいいということだ。
マサラガラムよーし!
にんにくは市場で調達よし!
「カレーうどんもいいが、まずは正道で攻めるとしよう」
僕は食材を調達し、その足でシャザクに連絡。
彼を連れてデュオス殿下のもとに向かった。
ギルボウのところで用意してもいいが、流石に大金を出してくれているパトロンを優先せねばなのだ。
「ナザル! また旅に出ていたのか! そして君の持ち物から恐ろしく強烈な香りがするな。それがまさか……」
「ああ、カレーコだ!! ついに手に入れたぞ!!」
「なんとーっ!! 知識神が君に告げたという三つの食材が揃ってしまったのか。では、殿下のもとで作るのだな、カレーを……!!」
「そういうことになる」
ノーアポだったが、僕の顔を見ると門番は通してくれるので大変楽ちんだ。
そして殿下のお屋敷へ。
使用人が僕の漂わせる匂いに勘付き、屋敷の中へダッシュしていった。
しばし待つ。
すぐに戻ってきた使用人が、「まずは殿下にお会いくださいませ! 皆様大急ぎでいつもの部屋に集まっておられます!」と告げた。
僕はカレーの香りをぷんぷんさせながら行く。
そしていつもの部屋!
登場すると、デュオス殿下がすっごくいい笑顔を見せた。
「戻ってきたか、ナザル……!! ということは……完成したのだな、カレーが!!」
「はっ! 殿下のお力添えをいただき、ついに完成しましてございます、カレーが!!」
「おほー!!」
「楽しみだわー!!」
「お腹ぺこぺこよー!!」
お嬢さんの腹ペコ宣言を、流石に奥方がはしたないですよ、と諌めた。
そんな奥方、お腹が鳴っておりますぞ。
「では準備してまいります。素晴らしい香りが厨房から溢れ、お屋敷を満たすでしょうが耐えてください……!!」
「それほどか……!!」
「それほどです!! ご期待あれ! その期待を超えてみせますから!」
「むほー!」
殿下が期待と興奮のあまり言語を忘れている!!
厨房に向かう途中、シャザクが「よかったのか? あのような大言を……。この間のマサラガラムですらあれほどの衝撃だったと言うのに、それを超えるというのか?」
「もちろん。強く刺激的なだけではない、深みある美味さを併せ持つカレーをロイヤルファミリーにご馳走するんだよ」
厨房ではシェフたちが待ち構えていた。
「来ましたなナザル殿!」「待ってましたよー!」「凄まじい香り! これが、これこそが……」「巷で噂されるカレーコ!」
「そんなに巷で噂されてるのか」
「そりゃあもちろん。ちょっと裕福な国民であれば、マサラガラム料理を食べたことがない者はおりませんからな」「彼らはどこで知ったか、マサラガラムはカレーコと合わさることで完成すると口々に言うのです」
アーランにも美食家というものが生まれたようだな……!
そして、美食家たちはアンテナが高い。
恐らく彼らは、僕の一挙手一挙動に注目していることであろう。
彼らの期待にも応えねばな。
僕はこの場に、持ってきた食材をずらりと並べた。
塊肉。
人参っぽい根菜、おなじみのじゃがいもっぽい芋、玉ねぎっぽいやつ。
にんにく。
マサラガラム。
そしてカレーコ!
おっと、こいつを忘れるわけにはいかない。
甘い漬物だ。
「漬物を!?」「一体どこに使うっていうんですか」
「これを小皿に添えて出す。そうすると気分転換で食べられて味に飽きないんだ」
「なーるほど!」「戦略的……!」「どれどれ……? うほほ、パリパリとした歯ごたえが楽しい!」「薄く小さく切られているから食べやすい!」「甘酸っぱいなあ! なるほど、こういうのがいいのか……」
「では皆さん、料理開始! 基本は炒める! で、火が通ったところでぐつぐつ煮込み、アクを取ったらカレーコを入れ、マサラガラムとにんにくは最後の仕上げ!」
シェフたちが「ガッテン!」とポーズを決めた。
僕のグルメにずっと付き合ってきた猛者たちだ。
アーランでも、ギルボウに次ぐ実力を持っていると言っていいだろう。
彼らの素晴らしい料理の腕前が今、炸裂する!
「で、ナザルは見ているだけなのか」
「そうなる……。カレーコ入れるまで、彼らがやったほうが絶対いいもん」
「まあ、向こうはプロだからな……」
こうして僕とシャザクとコゲタは時を待つのだった!
まあ、シャザクとコゲタは待機してなくてもいいんだが。
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