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終章・始まりの王編
第187話 宇宙で隕石で帰還
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エーテル宇宙の海を、尻移動でまったり行っていたのだが、さて引力が俺を引き寄せ始めたなと思った頃合いで考える。
どうやって軟着陸したものか……。
せめて、何か乗るものがあれば、それで大気圏をサーフィンしながら突破できるのだが。
考え込んでいると、猛烈な勢いで飛んでくるものがあった。
なんだ。
隕石か。
ヘルプ機能を展開すると、すぐに答えが飛び出してきた。
『魔導王が使用した隕石魔法、メテオストライクです。コンボの達人との戦いで、苦し紛れに使用しました』
「ほうほう。じゃあまだ魔導王は生きてるのか」
『死にました』
「ありゃー」
コンボの達人も、こっちの世界の魔導王をボコって倒したらしい。
その魔導王の最後っ屁がメテオストライクということだな。
だが、こいつは好都合である。
俺は尻移動して、メテオストライクに接近する。
そこでチュートリアルを行い、飛び乗る練習をした。
いけるいける。
メテオストライク通過の瞬間、俺はスパッと跳び移ったのである。
隕石が加熱する辺りは、その先端。
大気と摩擦するところが壊れていくのだが、このメテオは大きいのでそれくらいではびくともしない。
このままでは、異世界パルメディアにも大打撃を与えてしまうだろう。
それは困るので、俺は落下しながら隕石をサクサク削ることにした。
「しっかし、元の世界は真空だったから隕石は加速するんだろうが、こっちはエーテルがみっちり詰まってるじゃん。なんで加速できるの?」
『エーテルは魔法的なものに対しては、潤滑油のような効果を発揮し、加速させます』
「あっ、つるって滑るのね! つまりこれ、ツルツルと押し出されてきた隕石なのか!」
生牡蠣みたいなもんか。なるほどなあ。
隕石のウィークポイントを、ネクタイブレードでカンカン叩きながら調べ物をする俺。
この世界の構造なんかもよく分かってきたぞ。
エーテル宇宙は海みたいなもので、エーテルの中に星がたくさん浮かんでいる。
パルメディアもその一つってわけだ。
もしかすると、ここみたいに文明の発生した星が幾つもあるのかもしれない。
例えば、隕石みたいに飛来してくる来訪者だっているだろう。
いやあ、夢が膨らむなあ。
そう思いながら、隕石をぶっ叩いた。
一部がパコッと欠けて、外に飛び出していく。
そして摩擦熱ですぐに燃え尽きた。
これを繰り返しながら、隕石を小さく小さくしていくのだ。
地面に着弾するまでは猶予がない。
急げ急げ。
ガンガンぶっ叩きまくって、どんどん隕石を縮小する。
ついに、こぶりなコンパクトカーサイズまで縮めることに成功した。
これで落下だ。
おお、見えてくるのは魔導王の天空城。
俺は帰ってきたぞ。
隕石の見た目も、横に広くしてるから空気抵抗で落下がまあまあ遅くなっている……気がする。
「ヘルプ機能、アカネルへ連絡できる?」
『連絡可能です。連絡をしますか?』
「よし、やってくれ。ルミイに、すげえ風を起こせと伝えるんだ」
連絡は迅速に行われたようだ。
次の瞬間、猛烈な旋風が巻き起こり、隕石を空中で停止させたのだ。
ゆっくりと、隕石は天空城へ近づいていく。
歩くくらいの速度だ。
そして着地。
「帰ってきたぞ!」
降り立った俺は堂々と宣言した。
すると、むちむちしたものがドカーンとぶつかってきた。
「ウグワーッ!!」
「んもー!! マナビさん心配したんですからね! でも、無事で戻ってきて良かったー!」
ルミイである。
「うん、どうしたことかと思ったが、魔導王が最後っ屁でパルメディアを滅ぼすために隕石を召喚しててな。お陰で助かった」
「当機能としては世界を滅ぼすメテオストライクでマスターが助かった、という話、繋がりが明らかにおかしくて意味不明なのですが。ヘルプ機能の記録を参照しますと、確かにそうとしか言いようがありません」
アカネルは心配半分、呆れ半分だ。
カオルンは、ルミイに先を越されたーという顔をしていたが、すぐに気を取り直して飛び込んできた。
「カオルンも抱きつくのだ!」
「ウグワー!」
「あひー!」
突進を食らって、俺たちはゴロゴロ転げる。
これを、ナルカが駆け寄ってキャッチした。
「まあまあ、良かったじゃないかい。悪い魔導王は倒されて、マナビも無事で戻ってきて。だけど、本当に凄い勢いで解決しちまったねえ……。あたいはびっくりしたよ……」
「そうだろうそうだろう。相手が体勢を立て直す前に一気呵成に攻めて終わらせたんだ。これで世界は平和だぞ」
平和なままだとよろしくないから、色々画策するけどな。
俺は既に、今後の事を考えて頭脳をフル回転させているのだった。
だが、一般的にはこれで魔導王との戦いも終わり、世界は人間たちの手に取り戻されたのである。
魔力の星があった時代そのものが、魔導王の手のひらの上だったわけだからな。
これからは自分たちの力で未来を切り開いて行かねばならないのだ。
そして、俺がやろうとしている事も、ある意味前代未聞の行為なので……。
「誰に話して、誰に協力してもらうかだが……。まずはアカネルかなあ……」
ことの終わりを喜んでいる暇など全然ないのであった。
どうやって軟着陸したものか……。
せめて、何か乗るものがあれば、それで大気圏をサーフィンしながら突破できるのだが。
考え込んでいると、猛烈な勢いで飛んでくるものがあった。
なんだ。
隕石か。
ヘルプ機能を展開すると、すぐに答えが飛び出してきた。
『魔導王が使用した隕石魔法、メテオストライクです。コンボの達人との戦いで、苦し紛れに使用しました』
「ほうほう。じゃあまだ魔導王は生きてるのか」
『死にました』
「ありゃー」
コンボの達人も、こっちの世界の魔導王をボコって倒したらしい。
その魔導王の最後っ屁がメテオストライクということだな。
だが、こいつは好都合である。
俺は尻移動して、メテオストライクに接近する。
そこでチュートリアルを行い、飛び乗る練習をした。
いけるいける。
メテオストライク通過の瞬間、俺はスパッと跳び移ったのである。
隕石が加熱する辺りは、その先端。
大気と摩擦するところが壊れていくのだが、このメテオは大きいのでそれくらいではびくともしない。
このままでは、異世界パルメディアにも大打撃を与えてしまうだろう。
それは困るので、俺は落下しながら隕石をサクサク削ることにした。
「しっかし、元の世界は真空だったから隕石は加速するんだろうが、こっちはエーテルがみっちり詰まってるじゃん。なんで加速できるの?」
『エーテルは魔法的なものに対しては、潤滑油のような効果を発揮し、加速させます』
「あっ、つるって滑るのね! つまりこれ、ツルツルと押し出されてきた隕石なのか!」
生牡蠣みたいなもんか。なるほどなあ。
隕石のウィークポイントを、ネクタイブレードでカンカン叩きながら調べ物をする俺。
この世界の構造なんかもよく分かってきたぞ。
エーテル宇宙は海みたいなもので、エーテルの中に星がたくさん浮かんでいる。
パルメディアもその一つってわけだ。
もしかすると、ここみたいに文明の発生した星が幾つもあるのかもしれない。
例えば、隕石みたいに飛来してくる来訪者だっているだろう。
いやあ、夢が膨らむなあ。
そう思いながら、隕石をぶっ叩いた。
一部がパコッと欠けて、外に飛び出していく。
そして摩擦熱ですぐに燃え尽きた。
これを繰り返しながら、隕石を小さく小さくしていくのだ。
地面に着弾するまでは猶予がない。
急げ急げ。
ガンガンぶっ叩きまくって、どんどん隕石を縮小する。
ついに、こぶりなコンパクトカーサイズまで縮めることに成功した。
これで落下だ。
おお、見えてくるのは魔導王の天空城。
俺は帰ってきたぞ。
隕石の見た目も、横に広くしてるから空気抵抗で落下がまあまあ遅くなっている……気がする。
「ヘルプ機能、アカネルへ連絡できる?」
『連絡可能です。連絡をしますか?』
「よし、やってくれ。ルミイに、すげえ風を起こせと伝えるんだ」
連絡は迅速に行われたようだ。
次の瞬間、猛烈な旋風が巻き起こり、隕石を空中で停止させたのだ。
ゆっくりと、隕石は天空城へ近づいていく。
歩くくらいの速度だ。
そして着地。
「帰ってきたぞ!」
降り立った俺は堂々と宣言した。
すると、むちむちしたものがドカーンとぶつかってきた。
「ウグワーッ!!」
「んもー!! マナビさん心配したんですからね! でも、無事で戻ってきて良かったー!」
ルミイである。
「うん、どうしたことかと思ったが、魔導王が最後っ屁でパルメディアを滅ぼすために隕石を召喚しててな。お陰で助かった」
「当機能としては世界を滅ぼすメテオストライクでマスターが助かった、という話、繋がりが明らかにおかしくて意味不明なのですが。ヘルプ機能の記録を参照しますと、確かにそうとしか言いようがありません」
アカネルは心配半分、呆れ半分だ。
カオルンは、ルミイに先を越されたーという顔をしていたが、すぐに気を取り直して飛び込んできた。
「カオルンも抱きつくのだ!」
「ウグワー!」
「あひー!」
突進を食らって、俺たちはゴロゴロ転げる。
これを、ナルカが駆け寄ってキャッチした。
「まあまあ、良かったじゃないかい。悪い魔導王は倒されて、マナビも無事で戻ってきて。だけど、本当に凄い勢いで解決しちまったねえ……。あたいはびっくりしたよ……」
「そうだろうそうだろう。相手が体勢を立て直す前に一気呵成に攻めて終わらせたんだ。これで世界は平和だぞ」
平和なままだとよろしくないから、色々画策するけどな。
俺は既に、今後の事を考えて頭脳をフル回転させているのだった。
だが、一般的にはこれで魔導王との戦いも終わり、世界は人間たちの手に取り戻されたのである。
魔力の星があった時代そのものが、魔導王の手のひらの上だったわけだからな。
これからは自分たちの力で未来を切り開いて行かねばならないのだ。
そして、俺がやろうとしている事も、ある意味前代未聞の行為なので……。
「誰に話して、誰に協力してもらうかだが……。まずはアカネルかなあ……」
ことの終わりを喜んでいる暇など全然ないのであった。
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