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セブンセンス法国編
第129話 神の声・融和・ドラゴン!?
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神殿は戦いの余波でかなりぶっ壊れた。
ということで、直接壊れたところから出てきた俺たちである。
俺はカオルンに後ろから抱きつかれつつ、彼女の光の翼ですいーっと軟着陸。
ナルカとアリスティアはガガンに抱きかかえられている。
ガガンの身体能力で、壁を蹴り、瓦礫を蹴り、落下速度をコントロールしながら降り立つ。
彼のぶっとい腕の上で、ナルカはアリスティアと何やら話し合っているようだ。
「それじゃあ何かい? あんた、聖女の立場からは降りるって言うのかい?」
「うん。わたくし、真実の愛を見つけた気がするから。それに、聖女なんていなくてもアクシス様が直接声を届けて下さったでしょう。神はちゃんとおわすんだって、みんなが分かったと思うの」
ナルカに対しては、砕けた口調のアリスティアなのだ。
確かに彼女の言う通り、バルガイヤーが、わしこそ光輝神アクシスだぞーっと告げた衝撃的カミングアウトは、信者たちに大いなる変化をもたらしたことだろう。
偉大なる神が直接語りかけてきたようなもんだ。
外では、光輝神の信者たちがうわーっと集まり、手を振って俺たちを出迎えてくれた。
「マナビさーん!! なんかいっぱい集まってきたんですよー! みんな神様の声が聞こえた! 正しい道が見えた! 正直すまんかった! とか変なこと言ってるんです……あっ、カオルンが女の顔をしてマナビさんにくっついてる!」
ルミイが出てきて、すぐに視線がカオルンに釘付けになったぞ。
えっ、カオルンがそんな顔してるの!?
いつも色恋には興味なくて、天然さんという感じだったのに。
「ルミイ、今晩はずーっとマナビはカオルンだけのものなのだ! これはさっき生まれた、すごく深い絆なのだー。カオルン、マナビのこと大好きなのだ! これからはマナビのために頑張るのだ!」
「なん……だと……!? 突然めちゃくちゃ愛が深くなっている!!」
「マスター、カオルンを攻略してしまいましたね……!! 彼女が感情に蓋をしていたものを取り除いたでしょう……! そんなの、溜め込んできたものが溢れてくるに決まっています! あーん、当機能の順番が本当に遠のきました!」
嘆くアカネル。
だが、カオルンに順番はちゃんと譲るようだ。
偉い。
……俺の意思は?
「皆さん! 法皇はどこからかやってきた悪神によって洗脳されていました! ですが、法皇は倒れ、わたくしたちの神、輝くアクシスが戻ってこられたのです!」
うおおーっと上がる、信者たちの叫び声。
みんな、アリスティアを尊敬の目で見ている。
色々あったが、最後に残って、こうやって法国を解放したのは彼女である。
押しも押されぬ聖女であろう。
誰もがそれを再認識したところなのだ。
「わたくしたちは、ちゃんと神と繋がっているのです! 神のお声を聞き、神の意志を受け、こうしてこの地に立っています! わたくしたちは神に愛されています!」
うおおーっと上がる、信者たちの叫び声。
なんかみんな、だーっと目と同じ幅の涙を流しているので、感動してるんだろう。
「まあ、ルサルカ様から直接声を届けてもらった時は、あたいも感動して泣いたもんさ」
「そういうもんですか」
「信仰はそういうもんさ」
偉大な存在が、無条件に自分の存在を肯定してくれる。
そしてその偉大なる何かが、自分個人を気にかけてくれていた。
これが自己肯定感に結びつくようだ。
確かになあ。
永遠に理解あるパパママをしてくれる存在がいるというか、なんというか。
『わし、普通に災害とか起こして試練を叩き込むけどな』
「バルガイヤーがフランクにヘルプ機能を経由して話しかけてくる……! 雰囲気壊れるでしょ」
『お主の周りにしか聞こえぬようにしておるぞ。神にすがりすぎると、人は自らの足で立つことを忘れる。だが、世の中には人の力ではどうにもならぬことの方が多い。そんな時、神の試練だ、神にすがろう、と都合のいい精神的支えになる。わしはそういうものでいいのだ』
「深いなあ。で、なんで俺に話しかけきたの」
『神殺しをやったお主は、立ち位置的に亜神と呼べるところまで来ておる。これからは神々がフランクに話しかけてくるぞ』
「なんだって」
まあ、今までオクタゴンとお互いに兄弟呼びしていたので、今更ではある。
オクタゴンの姿が見えないが、今頃ルサルカにアピールしたりしているのではないだろうか。
「マナビ、マナビ」
後ろの方を、カオルンがよじ登ってきた。
重い重い!
俺の背中にピタッとしがみつきながら、耳元で名前を呼んでくる。
「なんだいカオルン」
「ふふふ、呼んでみただけなのだ。なんかちょっと、胸の中がぽわぽわしてるのだ」
「ぬっ、カワイイ」
俺のハートが撃ち抜かれたぞ。
カオルンは死の運命を乗り越えた結果、生きる喜びに目覚めた感じである。
では端的に、生きる喜びとは何か。
産んで増やして世に満ちることではあるまいか。
「ではカオルンさんには俺のベイビーを産んでいただく方向で」
「うん、たくさん産んであげるのだ」
「マジですかあ」
隣でルミイが物言いたげにぴょんぴょん跳ねている。
だが、今はアリスティアの演説がいいところなので自重しているのだ。
跳ねる度に立派な胸がぶるんぶるん揺れている。
なお、エルフの胸はどんなに揺れても元の形を保てる機能があるらしい。
凄い。
横で同じようにジャンプしながら呻いているアカネル。
サイズ的にあまり揺れないね……。
「くうーっ、マスターのご趣味で適正サイズになったはずなのですが、それが今は悔しい当機能です……!」
冷静になれ、アカネル。
こうして、セブンセンス法国は救われた。
内戦は即座に終了し、残るスナークを狩る運動が始まった。
すぐさまバーバリアンたちが入ってきて、同じ神を信じるものとして光輝神信者と慈愛神信者と仲良くなったようである。
同じ神の別側面を信仰しているようなものなのだが、よく教義を見てみると、言い換えているだけで内容が一緒だったことが判明したのだ。
闘う必要がない。
主な戒律が同じなんだもん。
なお、バーバリアン特有の戦って勝ち取れ、的なのは彼らの文化の話で、宗教的戒律には無いんだと。
さあて……今夜はカオルンとお楽しみして、またどこかに旅立つとしようかなあ……。
そう考えていたら、ルミイが「マナビさん!」と俺に突撃してきた。
背後から質量あるものがボイーンと当たり、サンドイッチになったカオルンが「むぎゃー!」と悲鳴をあげた。
カオルンがぺちゃんこになってしまう。
「落ち着けルミイ、なんだなんだ」
目を回したカオルンを引っ張り上げ、お姫様抱っこした俺である。
前に回り込んだルミイが、鼻息も荒く告げた。
「ママから連絡がありました! シックスセンス帝国が、残るパワーを使ってドラゴンを召喚したそうです! かなりヤバそうだから手伝いに来て、だそうですよー!!」
「ド、ドラゴンだってー!?」
まるでファンタジーじゃないか!
──だが、まずはカオルンとエッチなことをするのが最優先だからな……!!
ということで、直接壊れたところから出てきた俺たちである。
俺はカオルンに後ろから抱きつかれつつ、彼女の光の翼ですいーっと軟着陸。
ナルカとアリスティアはガガンに抱きかかえられている。
ガガンの身体能力で、壁を蹴り、瓦礫を蹴り、落下速度をコントロールしながら降り立つ。
彼のぶっとい腕の上で、ナルカはアリスティアと何やら話し合っているようだ。
「それじゃあ何かい? あんた、聖女の立場からは降りるって言うのかい?」
「うん。わたくし、真実の愛を見つけた気がするから。それに、聖女なんていなくてもアクシス様が直接声を届けて下さったでしょう。神はちゃんとおわすんだって、みんなが分かったと思うの」
ナルカに対しては、砕けた口調のアリスティアなのだ。
確かに彼女の言う通り、バルガイヤーが、わしこそ光輝神アクシスだぞーっと告げた衝撃的カミングアウトは、信者たちに大いなる変化をもたらしたことだろう。
偉大なる神が直接語りかけてきたようなもんだ。
外では、光輝神の信者たちがうわーっと集まり、手を振って俺たちを出迎えてくれた。
「マナビさーん!! なんかいっぱい集まってきたんですよー! みんな神様の声が聞こえた! 正しい道が見えた! 正直すまんかった! とか変なこと言ってるんです……あっ、カオルンが女の顔をしてマナビさんにくっついてる!」
ルミイが出てきて、すぐに視線がカオルンに釘付けになったぞ。
えっ、カオルンがそんな顔してるの!?
いつも色恋には興味なくて、天然さんという感じだったのに。
「ルミイ、今晩はずーっとマナビはカオルンだけのものなのだ! これはさっき生まれた、すごく深い絆なのだー。カオルン、マナビのこと大好きなのだ! これからはマナビのために頑張るのだ!」
「なん……だと……!? 突然めちゃくちゃ愛が深くなっている!!」
「マスター、カオルンを攻略してしまいましたね……!! 彼女が感情に蓋をしていたものを取り除いたでしょう……! そんなの、溜め込んできたものが溢れてくるに決まっています! あーん、当機能の順番が本当に遠のきました!」
嘆くアカネル。
だが、カオルンに順番はちゃんと譲るようだ。
偉い。
……俺の意思は?
「皆さん! 法皇はどこからかやってきた悪神によって洗脳されていました! ですが、法皇は倒れ、わたくしたちの神、輝くアクシスが戻ってこられたのです!」
うおおーっと上がる、信者たちの叫び声。
みんな、アリスティアを尊敬の目で見ている。
色々あったが、最後に残って、こうやって法国を解放したのは彼女である。
押しも押されぬ聖女であろう。
誰もがそれを再認識したところなのだ。
「わたくしたちは、ちゃんと神と繋がっているのです! 神のお声を聞き、神の意志を受け、こうしてこの地に立っています! わたくしたちは神に愛されています!」
うおおーっと上がる、信者たちの叫び声。
なんかみんな、だーっと目と同じ幅の涙を流しているので、感動してるんだろう。
「まあ、ルサルカ様から直接声を届けてもらった時は、あたいも感動して泣いたもんさ」
「そういうもんですか」
「信仰はそういうもんさ」
偉大な存在が、無条件に自分の存在を肯定してくれる。
そしてその偉大なる何かが、自分個人を気にかけてくれていた。
これが自己肯定感に結びつくようだ。
確かになあ。
永遠に理解あるパパママをしてくれる存在がいるというか、なんというか。
『わし、普通に災害とか起こして試練を叩き込むけどな』
「バルガイヤーがフランクにヘルプ機能を経由して話しかけてくる……! 雰囲気壊れるでしょ」
『お主の周りにしか聞こえぬようにしておるぞ。神にすがりすぎると、人は自らの足で立つことを忘れる。だが、世の中には人の力ではどうにもならぬことの方が多い。そんな時、神の試練だ、神にすがろう、と都合のいい精神的支えになる。わしはそういうものでいいのだ』
「深いなあ。で、なんで俺に話しかけきたの」
『神殺しをやったお主は、立ち位置的に亜神と呼べるところまで来ておる。これからは神々がフランクに話しかけてくるぞ』
「なんだって」
まあ、今までオクタゴンとお互いに兄弟呼びしていたので、今更ではある。
オクタゴンの姿が見えないが、今頃ルサルカにアピールしたりしているのではないだろうか。
「マナビ、マナビ」
後ろの方を、カオルンがよじ登ってきた。
重い重い!
俺の背中にピタッとしがみつきながら、耳元で名前を呼んでくる。
「なんだいカオルン」
「ふふふ、呼んでみただけなのだ。なんかちょっと、胸の中がぽわぽわしてるのだ」
「ぬっ、カワイイ」
俺のハートが撃ち抜かれたぞ。
カオルンは死の運命を乗り越えた結果、生きる喜びに目覚めた感じである。
では端的に、生きる喜びとは何か。
産んで増やして世に満ちることではあるまいか。
「ではカオルンさんには俺のベイビーを産んでいただく方向で」
「うん、たくさん産んであげるのだ」
「マジですかあ」
隣でルミイが物言いたげにぴょんぴょん跳ねている。
だが、今はアリスティアの演説がいいところなので自重しているのだ。
跳ねる度に立派な胸がぶるんぶるん揺れている。
なお、エルフの胸はどんなに揺れても元の形を保てる機能があるらしい。
凄い。
横で同じようにジャンプしながら呻いているアカネル。
サイズ的にあまり揺れないね……。
「くうーっ、マスターのご趣味で適正サイズになったはずなのですが、それが今は悔しい当機能です……!」
冷静になれ、アカネル。
こうして、セブンセンス法国は救われた。
内戦は即座に終了し、残るスナークを狩る運動が始まった。
すぐさまバーバリアンたちが入ってきて、同じ神を信じるものとして光輝神信者と慈愛神信者と仲良くなったようである。
同じ神の別側面を信仰しているようなものなのだが、よく教義を見てみると、言い換えているだけで内容が一緒だったことが判明したのだ。
闘う必要がない。
主な戒律が同じなんだもん。
なお、バーバリアン特有の戦って勝ち取れ、的なのは彼らの文化の話で、宗教的戒律には無いんだと。
さあて……今夜はカオルンとお楽しみして、またどこかに旅立つとしようかなあ……。
そう考えていたら、ルミイが「マナビさん!」と俺に突撃してきた。
背後から質量あるものがボイーンと当たり、サンドイッチになったカオルンが「むぎゃー!」と悲鳴をあげた。
カオルンがぺちゃんこになってしまう。
「落ち着けルミイ、なんだなんだ」
目を回したカオルンを引っ張り上げ、お姫様抱っこした俺である。
前に回り込んだルミイが、鼻息も荒く告げた。
「ママから連絡がありました! シックスセンス帝国が、残るパワーを使ってドラゴンを召喚したそうです! かなりヤバそうだから手伝いに来て、だそうですよー!!」
「ド、ドラゴンだってー!?」
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