10 / 196
ワンザブロー帝国編
第10話 分からず屋とは滑稽な
しおりを挟む
「異世界召喚で呼ばれた戦士? そんな馬鹿な! 魔力なし、闘気なし、体格はひょろひょろ……。こんな戦士がいるわけがない」
レジスタンスだと名乗る人々に、早速ボディチェックされた俺だ。
特に何も持っていなかったので、されるがままに任せたら、この言い様。
だが俺は心が広い。
笑って許してあげよう。
「こっちの彼女凄いわよ! ハーフエルフで、しかもハイエルフの血筋だわ! それに高位精霊の加護が掛かってる!」
「なんだと!」
あっ、ルミイが話題になってしまった。
「ママは確かに凄いエルフかもしれないですね。あらゆる攻撃を一度だけ防ぐ加護がわたしに掛かってます。あと、パパから習った護身術で、あらゆる攻撃を一度だけ防ぐ技を身につけてて」
凄いなルミイ!
無条件で二回攻撃を無効化できるんじゃないか!
こんなヒロイン見たこと無い。
対して俺は、傍から絶対にわからないヘルプ機能とチュートリアルモードが能力だ。
それなしだと、ひ弱な現代人に過ぎない。
すぐに俺は無視されて、ルミイがめちゃくちゃに持ち上げられる事態となった。
「君はレジスタンスに必要だ! ぜひ残ってくれ!」
「これは凄い戦力が加わったわ! 見てなさい、ワンザブロー帝国!」
おっと、いかん方向に場の空気が変わってきたぞ。
ルミイもおっとりしているので、状況が急変してきてもすぐに反応しない。
愛想笑いをニコニコしているわけだが、ちょっとずつ笑みが引きつってきていた。
あれは内心でも、あれ? あれ、まずいぞこれ? と思っているに違いない。
俺だって困る。
「まあ待つんだみんな」
俺はレジスタンスたちの間にヌルリと入り込もうとした。
「邪魔だ無能力者!」
「ウグワー」
ぼいーんと跳ね返されてしまった。
「マ、マナビさーん!」
「素の身体能力ではこんなもんだ。では上が駄目なら下から行こう」
俺は仰向けに寝そべった。
そして、尻移動を開始する。
俺が持つ唯一の特技にして、唯一無二の技だ。
まさか役立つ時が来るとはな。
レジスタンスの股間を抜けて、「うおーっ、なんか通過していった!!」高速でルミイまで到達した。
そして起き上がる。
「待て待て。ルミイは実家に帰るんだ。俺はそれを手助けするつもりでな。悪いがお前たちの好き勝手にはさせない」
「こ、こいついつの間に!」
「私たちが悪役みたいに言われてるわ!」
「能力が無いくせに生意気な!」
わあわあと言い募るレジスタンスだ。
なんと血の気の多い連中だろう。
だが、血の気が多いからこそレジスタンスなどやっていられるのだ。
「よし、じゃあ俺と誰かが決闘して、俺が勝ったらルミイは連れていく、でどうだろう」
俺は妥協案を口にした。
親切心のつもりである。
というのも、滅びの塔を破壊したのは俺たちだ。
そんな俺たちを、ワンザブロー帝国が放っておくわけもない。
召喚されたヤツが気に入らないからと、公開処刑施設に転送して、死に様を楽しむような連中だぞ。
その処刑を全て突破した上に、施設まで壊してヤツらのメンツを潰した俺が、放って置かれるわけがない。
ルミイともども、俺を殺しにスッゴイのが送り込まれてくるに違いないだろう。
それにレジスタンスを巻き込むのもなあ……という、俺なりの気遣いだった。
だが、心というものはなかなか伝わらないものだ。
レジスタンスたちは一瞬キョトンとした後、爆笑した。
「お前と決闘!? どうして?」
「結果が分かりきってることじゃない!」
「お前に勝ったとして、俺たちにメリットがない! それに、当然勝つし、どちらにしたって彼女はレジスタンスの新しいメンバーになるんだからな!」
これは民度が低い。
俺が彼らのアッパラパーさにポカーンと口を開けて感心していたら、ルミイが心配そうに俺の袖を引っ張るのだ。
「わ、わたし、レジスタンスとか興味ないんですけど……」
「だよなー。実家に帰りたいもんな」
「そうですそうです。帰りましょう帰りましょう!」
「帰ろう帰ろう。ということで、一泊だけさせてくれたらいいから。あ、食べ物ちょうだい」
俺とルミイがそんな事を口にしたら、レジスタンスたち……いや、レジスタンスどもの表情が怒りに変わってきた。
「七大魔法帝国に抗い、彼らの支配を終わらせる事がこの時代に生きる俺たちの使命だぞ! なぜそれが分からん!」
「崇高な使命に共感できないなんてどうかしてるわ!!」
「才能を持っているのに、それをレジスタンス活動に活かさないなんて……! はっ、ま、まさか!」
レジスタンスの一人が良からぬことを考えたようだ。
「こいつら、ワンザブロー帝国に寝返るつもりだ!!」
「な、なんだってー!!」
おいおい。
俺は呆れ半分、感心半分で口を半開きにしてしまった。
滅びの塔を破壊した俺たちが、どうしてあっちにつくんだ。
そもそも、俺たちを追放したのは帝国だろうが。
だが、レジスタンスどもは、自分たちが納得できるストーリーを勝手に作り上げて盛り上がっている。
これは駄目だ。
もう言葉は通じない。
「人里かと思ったら、滅びの塔と同じ攻略イベントだったとはな」
「帝国の人たちもおかしいですけど、レジスタンスもおかしいですね!」
ルミイも覚悟を決めたらしい。
そうだ。
この状況を、チュートリアルで突破していくことになるぞ。
レジスタンス連中は、完全にイっちゃった目をして俺たちを睨む。
「裏切り者!」
「裏切り者に死を!」
「このままだと、こいつらは内通者になる!」
「俺たちの情報をバラされる前に殺せ!」
何も知らないのに、バラすなんて不可能だろうが。
だがそういう状況になっている。
レジスタンスどもが、武器や魔法の杖みたいなのを取り出した。
集団で襲いかかってくるぞ。
さて、スケルトンの時は規則性があったが、今回は人間だ。
どう対処していくか……。
今後、同じケースがあった時の練習台にさせてもらう。
「チュートリアルモード!」
VSレジスタンス戦、スタートだ。
レジスタンスだと名乗る人々に、早速ボディチェックされた俺だ。
特に何も持っていなかったので、されるがままに任せたら、この言い様。
だが俺は心が広い。
笑って許してあげよう。
「こっちの彼女凄いわよ! ハーフエルフで、しかもハイエルフの血筋だわ! それに高位精霊の加護が掛かってる!」
「なんだと!」
あっ、ルミイが話題になってしまった。
「ママは確かに凄いエルフかもしれないですね。あらゆる攻撃を一度だけ防ぐ加護がわたしに掛かってます。あと、パパから習った護身術で、あらゆる攻撃を一度だけ防ぐ技を身につけてて」
凄いなルミイ!
無条件で二回攻撃を無効化できるんじゃないか!
こんなヒロイン見たこと無い。
対して俺は、傍から絶対にわからないヘルプ機能とチュートリアルモードが能力だ。
それなしだと、ひ弱な現代人に過ぎない。
すぐに俺は無視されて、ルミイがめちゃくちゃに持ち上げられる事態となった。
「君はレジスタンスに必要だ! ぜひ残ってくれ!」
「これは凄い戦力が加わったわ! 見てなさい、ワンザブロー帝国!」
おっと、いかん方向に場の空気が変わってきたぞ。
ルミイもおっとりしているので、状況が急変してきてもすぐに反応しない。
愛想笑いをニコニコしているわけだが、ちょっとずつ笑みが引きつってきていた。
あれは内心でも、あれ? あれ、まずいぞこれ? と思っているに違いない。
俺だって困る。
「まあ待つんだみんな」
俺はレジスタンスたちの間にヌルリと入り込もうとした。
「邪魔だ無能力者!」
「ウグワー」
ぼいーんと跳ね返されてしまった。
「マ、マナビさーん!」
「素の身体能力ではこんなもんだ。では上が駄目なら下から行こう」
俺は仰向けに寝そべった。
そして、尻移動を開始する。
俺が持つ唯一の特技にして、唯一無二の技だ。
まさか役立つ時が来るとはな。
レジスタンスの股間を抜けて、「うおーっ、なんか通過していった!!」高速でルミイまで到達した。
そして起き上がる。
「待て待て。ルミイは実家に帰るんだ。俺はそれを手助けするつもりでな。悪いがお前たちの好き勝手にはさせない」
「こ、こいついつの間に!」
「私たちが悪役みたいに言われてるわ!」
「能力が無いくせに生意気な!」
わあわあと言い募るレジスタンスだ。
なんと血の気の多い連中だろう。
だが、血の気が多いからこそレジスタンスなどやっていられるのだ。
「よし、じゃあ俺と誰かが決闘して、俺が勝ったらルミイは連れていく、でどうだろう」
俺は妥協案を口にした。
親切心のつもりである。
というのも、滅びの塔を破壊したのは俺たちだ。
そんな俺たちを、ワンザブロー帝国が放っておくわけもない。
召喚されたヤツが気に入らないからと、公開処刑施設に転送して、死に様を楽しむような連中だぞ。
その処刑を全て突破した上に、施設まで壊してヤツらのメンツを潰した俺が、放って置かれるわけがない。
ルミイともども、俺を殺しにスッゴイのが送り込まれてくるに違いないだろう。
それにレジスタンスを巻き込むのもなあ……という、俺なりの気遣いだった。
だが、心というものはなかなか伝わらないものだ。
レジスタンスたちは一瞬キョトンとした後、爆笑した。
「お前と決闘!? どうして?」
「結果が分かりきってることじゃない!」
「お前に勝ったとして、俺たちにメリットがない! それに、当然勝つし、どちらにしたって彼女はレジスタンスの新しいメンバーになるんだからな!」
これは民度が低い。
俺が彼らのアッパラパーさにポカーンと口を開けて感心していたら、ルミイが心配そうに俺の袖を引っ張るのだ。
「わ、わたし、レジスタンスとか興味ないんですけど……」
「だよなー。実家に帰りたいもんな」
「そうですそうです。帰りましょう帰りましょう!」
「帰ろう帰ろう。ということで、一泊だけさせてくれたらいいから。あ、食べ物ちょうだい」
俺とルミイがそんな事を口にしたら、レジスタンスたち……いや、レジスタンスどもの表情が怒りに変わってきた。
「七大魔法帝国に抗い、彼らの支配を終わらせる事がこの時代に生きる俺たちの使命だぞ! なぜそれが分からん!」
「崇高な使命に共感できないなんてどうかしてるわ!!」
「才能を持っているのに、それをレジスタンス活動に活かさないなんて……! はっ、ま、まさか!」
レジスタンスの一人が良からぬことを考えたようだ。
「こいつら、ワンザブロー帝国に寝返るつもりだ!!」
「な、なんだってー!!」
おいおい。
俺は呆れ半分、感心半分で口を半開きにしてしまった。
滅びの塔を破壊した俺たちが、どうしてあっちにつくんだ。
そもそも、俺たちを追放したのは帝国だろうが。
だが、レジスタンスどもは、自分たちが納得できるストーリーを勝手に作り上げて盛り上がっている。
これは駄目だ。
もう言葉は通じない。
「人里かと思ったら、滅びの塔と同じ攻略イベントだったとはな」
「帝国の人たちもおかしいですけど、レジスタンスもおかしいですね!」
ルミイも覚悟を決めたらしい。
そうだ。
この状況を、チュートリアルで突破していくことになるぞ。
レジスタンス連中は、完全にイっちゃった目をして俺たちを睨む。
「裏切り者!」
「裏切り者に死を!」
「このままだと、こいつらは内通者になる!」
「俺たちの情報をバラされる前に殺せ!」
何も知らないのに、バラすなんて不可能だろうが。
だがそういう状況になっている。
レジスタンスどもが、武器や魔法の杖みたいなのを取り出した。
集団で襲いかかってくるぞ。
さて、スケルトンの時は規則性があったが、今回は人間だ。
どう対処していくか……。
今後、同じケースがあった時の練習台にさせてもらう。
「チュートリアルモード!」
VSレジスタンス戦、スタートだ。
21
お気に入りに追加
675
あなたにおすすめの小説

荷物持ちの代名詞『カード収納スキル』を極めたら異世界最強の運び屋になりました
夢幻の翼
ファンタジー
使い勝手が悪くて虐げられている『カード収納スキル』をメインスキルとして与えられた転生系主人公の成り上がり物語になります。
スキルがレベルアップする度に出来る事が増えて周りを巻き込んで世の中の発展に貢献します。
ハーレムものではなく正ヒロインとのイチャラブシーンもあるかも。
驚きあり感動ありニヤニヤありの物語、是非一読ください。
※カクヨムで先行配信をしています。
~唯一王の成り上がり~ 外れスキル「精霊王」の俺、パーティーを首になった瞬間スキルが開花、Sランク冒険者へと成り上がり、英雄となる
静内燕
ファンタジー
【カクヨムコン最終選考進出】
【複数サイトでランキング入り】
追放された主人公フライがその能力を覚醒させ、成り上がりっていく物語
主人公フライ。
仲間たちがスキルを開花させ、パーティーがSランクまで昇華していく中、彼が与えられたスキルは「精霊王」という伝説上の生き物にしか対象にできない使用用途が限られた外れスキルだった。
フライはダンジョンの案内役や、料理、周囲の加護、荷物持ちなど、あらゆる雑用を喜んでこなしていた。
外れスキルの自分でも、仲間達の役に立てるからと。
しかしその奮闘ぶりは、恵まれたスキルを持つ仲間たちからは認められず、毎日のように不当な扱いを受ける日々。
そしてとうとうダンジョンの中でパーティーからの追放を宣告されてしまう。
「お前みたいなゴミの変わりはいくらでもいる」
最後のクエストのダンジョンの主は、今までと比較にならないほど強く、歯が立たない敵だった。
仲間たちは我先に逃亡、残ったのはフライ一人だけ。
そこでダンジョンの主は告げる、あなたのスキルを待っていた。と──。
そして不遇だったスキルがようやく開花し、最強の冒険者へとのし上がっていく。
一方、裏方で支えていたフライがいなくなったパーティーたちが没落していく物語。
イラスト 卯月凪沙様より

神様に与えられたのは≪ゴミ≫スキル。家の恥だと勘当されたけど、ゴミなら何でも再生出来て自由に使えて……ゴミ扱いされてた古代兵器に懐かれました
向原 行人
ファンタジー
僕、カーティスは由緒正しき賢者の家系に生まれたんだけど、十六歳のスキル授与の儀で授かったスキルは、まさかのゴミスキルだった。
実の父から家の恥だと言われて勘当され、行く当ても無く、着いた先はゴミだらけの古代遺跡。
そこで打ち捨てられていたゴミが話し掛けてきて、自分は古代兵器で、助けて欲しいと言ってきた。
なるほど。僕が得たのはゴミと意思疎通が出来るスキルなんだ……って、嬉しくないっ!
そんな事を思いながらも、話し込んでしまったし、連れて行ってあげる事に。
だけど、僕はただゴミに協力しているだけなのに、どこかの国の騎士に襲われたり、変な魔法使いに絡まれたり、僕を家から追い出した父や弟が現れたり。
どうして皆、ゴミが欲しいの!? ……って、あれ? いつの間にかゴミスキルが成長して、ゴミの修理が出来る様になっていた。
一先ず、いつも一緒に居るゴミを修理してあげたら、見知らぬ銀髪美少女が居て……って、どういう事!? え、こっちが本当の姿なの!? ……とりあえず服を着てっ!
僕を命の恩人だって言うのはさておき、ご奉仕するっていうのはどういう事……え!? ちょっと待って! それくらい自分で出来るからっ!
それから、銀髪美少女の元仲間だという古代兵器と呼ばれる美少女たちに狙われ、返り討ちにして、可哀想だから修理してあげたら……僕についてくるって!?
待って! 僕に奉仕する順番でケンカするとか、訳が分かんないよっ!
※第○話:主人公視点
挿話○:タイトルに書かれたキャラの視点
となります。

『希望の実』拾い食いから始まる逆転ダンジョン生活!
IXA
ファンタジー
30年ほど前、地球に突如として現れたダンジョン。
無限に湧く資源、そしてレベルアップの圧倒的な恩恵に目をつけた人類は、日々ダンジョンの研究へ傾倒していた。
一方特にそれは関係なく、生きる金に困った私、結城フォリアはバイトをするため、最低限の体力を手に入れようとダンジョンへ乗り込んだ。
甘い考えで潜ったダンジョン、しかし笑顔で寄ってきた者達による裏切り、体のいい使い捨てが私を待っていた。
しかし深い絶望の果てに、私は最強のユニークスキルである《スキル累乗》を獲得する--
これは金も境遇も、何もかもが最底辺だった少女が泥臭く苦しみながらダンジョンを探索し、知恵とスキルを駆使し、地べたを這いずり回って頂点へと登り、世界の真実を紐解く話
複数箇所での保存のため、カクヨム様とハーメルン様でも投稿しています

外れスキル【転送】が最強だった件
名無し
ファンタジー
三十路になってようやくダンジョン入場試験に合格したケイス。
意気揚々と冒険者登録所に向かうが、そこで貰ったのは【転送】という外れスキル。
失意の中で故郷へ帰ろうとしていた彼のもとに、超有名ギルドのマスターが訪れる。
そこからケイスの人生は目覚ましく変わっていくのだった……。

追放された最強賢者は悠々自適に暮らしたい
桐山じゃろ
ファンタジー
魔王討伐を成し遂げた魔法使いのエレルは、勇者たちに裏切られて暗殺されかけるも、さくっと逃げおおせる。魔法レベル1のエレルだが、その魔法と魔力は単独で魔王を倒せるほど強力なものだったのだ。幼い頃には親に売られ、どこへ行っても「貧民出身」「魔法レベル1」と虐げられてきたエレルは、人間という生き物に嫌気が差した。「もう人間と関わるのは面倒だ」。森で一人でひっそり暮らそうとしたエレルだったが、成り行きで狐に絆され姫を助け、更には快適な生活のために行ったことが切っ掛けで、その他色々が勝手に集まってくる。その上、国がエレルのことを探し出そうとしている。果たしてエレルは思い描いた悠々自適な生活を手に入れることができるのか。※小説家になろう、カクヨムでも掲載しています

スキルで最強神を召喚して、無双してしまうんだが〜パーティーを追放された勇者は、召喚した神達と共に無双する。神達が強すぎて困ってます〜
東雲ハヤブサ
ファンタジー
勇者に選ばれたライ・サーベルズは、他にも選ばれた五人の勇者とパーティーを組んでいた。
ところが、勇者達の実略は凄まじく、ライでは到底敵う相手ではなかった。
「おい雑魚、これを持っていけ」
ライがそう言われるのは日常茶飯事であり、荷物持ちや雑用などをさせられる始末だ。
ある日、洞窟に六人でいると、ライがきっかけで他の勇者の怒りを買ってしまう。
怒りが頂点に達した他の勇者は、胸ぐらを掴まれた後壁に投げつけた。
いつものことだと、流して終わりにしようと思っていた。
だがなんと、邪魔なライを始末してしまおうと話が進んでしまい、次々に攻撃を仕掛けられることとなった。
ハーシュはライを守ろうとするが、他の勇者に気絶させられてしまう。
勇者達は、ただ痛ぶるように攻撃を加えていき、瀕死の状態で洞窟に置いていってしまった。
自分の弱さを呪い、本当に死を覚悟した瞬間、視界に突如文字が現れてスキル《神族召喚》と書かれていた。
今頃そんなスキル手を入れてどうするんだと、心の中でつぶやくライ。
だが、死ぬ記念に使ってやろうじゃないかと考え、スキルを発動した。
その時だった。
目の前が眩く光り出し、気付けば一人の女が立っていた。
その女は、瀕死状態のライを最も簡単に回復させ、ライの命を救って。
ライはそのあと、その女が神達を統一する三大神の一人であることを知った。
そして、このスキルを発動すれば神を自由に召喚出来るらしく、他の三大神も召喚するがうまく進むわけもなく......。
これは、雑魚と呼ばれ続けた勇者が、強き勇者へとなる物語である。
※小説家になろうにて掲載中

無能な勇者はいらないと辺境へ追放されたのでチートアイテム【ミストルティン】を使って辺境をゆるりと開拓しようと思います
長尾 隆生
ファンタジー
仕事帰りに怪しげな占い師に『この先不幸に見舞われるが、これを持っていれば幸せになれる』と、小枝を500円で押し売りされた直後、異世界へ召喚されてしまうリュウジ。
しかし勇者として召喚されたのに、彼にはチート能力も何もないことが鑑定によって判明する。
途端に手のひらを返され『無能勇者』というレッテルを貼られずさんな扱いを受けた上に、一方的にリュウジは凶悪な魔物が住む地へ追放されてしまう。
しかしリュウジは知る。あの胡散臭い占い師に押し売りされた小枝が【ミストルティン】という様々なアイテムを吸収し、その力を自由自在に振るうことが可能で、更に経験を積めばレベルアップしてさらなる強力な能力を手に入れることが出来るチートアイテムだったことに。
「ミストルティン。アブソープション!」
『了解しましたマスター。レベルアップして新しいスキルを覚えました』
「やった! これでまた便利になるな」
これはワンコインで押し売りされた小枝を手に異世界へ突然召喚され無能とレッテルを貼られた男が幸せを掴む物語。
~ワンコインで買った万能アイテムで幸せな人生を目指します~
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる