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スローライフよ永遠に!編
第104話 漂着者来たる
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タマル村に霧がやって来た。
「初めてでは? なんだこの霧」
朝目覚めたら霧だった。
晴れる気配がない。
『た、大変なんだなもしー!!』
ヌキチータが慌ててやって来る。
血相を変えていると言えそうなのだが、こいつはタヌキっぽい獣毛に覆われてて顔色は全く分からない。
「何が大変なんだ。ヌキチータは仮にも神なんだから慌てることはないのではないか」
『僕は基本的に小心者なんだなもし。それはそうと、僕が慌てるのが当たり前なくらいの大変な事が起きてるんだなもし! こっちに来て欲しいんだなもしー!』
「ヌキチータはちょいちょい動揺したりしてると思うんだが……」
『おっ、なんですかな? 我も行きますぞ』
「私も私もー!」
いつもの三人になった。
ヌキチータに引率されて行くと、霧の中に海があった。
存在しなかったはずの砂浜がある……。
『未知の外なる神の気配がするんだなもし。本来はここにいないはずの何者かが出現したんだなもし! 多分、タマルさんが僕の作ったシステムの想定を超える活躍をしているので、次元が歪んで異世界と接続されてしまったんだなもしー!』
「ここも異世界なのでは!? まあいいや。誰が来たとしても、話してみなきゃ分からんからな」
『相手が神でも豪胆ですなタマル様は』
「うちの村も神様たくさんいるもんねー」
そうそう。
ヌキチータの腰が引けているので、俺が率先して砂浜を歩くことになった。
ざくざくと歩くと……。
おや?
誰かが倒れている。
『うーん……夢見るままに待ちいたり……』
頭がタコでコウモリの翼を生やしたおっさんが倒れている。
「おーい、おーい、大丈夫か」
おっさんを揺さぶり起こそうとする。
だが、おっさんの眠りは深い。
『うーん、我を讃えよ……讃える聖句を称えよ……うーん』
「神様っぽい事言ってるな。こいつ神だぞ。起きろ起きろー」
ゆさゆさする。
起きる気配がない。
ふむ……。
「よし、この魚を目の前で焼く……」
「美味しそうな匂いで起きてくるかもね!」
システムキッチンで魚を焼いていると、タコ頭のおっさんがもぞもぞ動き出した。
なお、焼いた魚は朝食として俺とラムザーとポタルとヌキチータで食べた。
『タマルさんが落ち着いているから、慌てるのがバカらしくなってきたんだなもしー』
『ぬおおおおっ!』
『アヒャー!』
咆哮とともに、タコ頭のおっさんが立ち上がった。
驚いて転がるヌキチータ。
「おう、おはよう!」
『ううう……ここはルルイエではないのか……』
「タマル村だぞ」
『どこ、そこ……』
「ここだぞ」
『タマルさん、よく外の神格相手に当たり前みたいに会話できるんだなもし』
「神様がぶっ倒れてたんだから、放っておくのも良くないだろ。俺はタマルだ。あんたは?」
『我が名を口にすることは叶うまい。信奉者は我の事を異名で呼ぶ場合も……』
「じゃあ仮にタコさんとしておこうか」
『えっ!?』
タコのおっさんがびっくりした。
「タコさんはどうしてここにいるんだ」
『我が永久の眠りについていたところ、夢に突然扉が開き、こっちに転がり出た……』
「あっ、事故みたいな感じでこっち来ちゃったか。帰れそう?」
『分からぬ……。ちょっと知らないところにいるのは怖い。周囲に他の神格の気配も多数あるし、我は孤立無援だし』
「そうだなあそうだなあ。じゃあ、帰る手伝いをしてやるよ。なあヌキチータ。迷い込んでしまった神様を帰してやる手段はないのか?」
『帰す手段! その手があったんだなもし! タコさん、君の知り合いとか仲間に連絡をつけて呼びかけてもらえばいいんだなもし!』
『我の下僕や信奉者たちか。その手が……!』
『タコさんの呼び声を届けてあげるんだなもしー! タマルさん、素材を集めてきて欲しいんだなもし! これ、レシピなんだなもしー』
「おう、受け取ったぜ!」
▶DIYレシピ
※携帯電話
素材:機械部品+星の欠片+夢幻の欠片+輝きの欠片+生命の欠片
「材料多いなあ。携帯電話を作るのに、こんなに必要なの? そっか、異世界に繋がるんだもんな。必要か」
『頼まれてくれるか』
「任せろタコさん」
『ありがたい。我が帰れたならば、お前たちの世界で言うレシピを授けよう』
「タコさんもうちの世界観に染まってきたな?」
仲間を集めて、新たな素材集めの相談をすることになった。
誰一人として、羅刹侯爵が迷宮を突破したことの心配などしていない。
『フーム! シャイニングの欠片なら、トゥインクルトゥインクルする場所にあると思いまーす! インショート! フライングスカーイ!!』
「空か! ありそうだなー」
『生命の欠片? 生命っていうんだから、生き物がたくさんいるとこなんじゃない? 例えば……デッドランドマウンテンとか』
「あそこも命がたくさんあるところだったなー」
『ピピー!』
「おー、ポルポルも元気だな!」
持つべき者は仲間である。
すぐにアイディアが集まった。
「でもタマル、どうしてタコさんを助けてあげようと思ったの?」
「おう、それはな。ヘルズテーブルは基本的に地獄みたいな世界だろ。だがその中でタマル村は俺の理想郷として作り上げたのだ。まだ全然建物とか無いけどな。そこに迷い込んできた相手だぞ? 地獄めいた目に遭わせたらかわいそうだろう」
「なるほどー。タマルのこだわりなんだね!」
「おう。タマル村に来たやつは基本的にお客さんだ。歓待して満足して帰ってもらうぞ。逢魔卿みたいにな」
なお、タコさんは神様なので、同行はできない。
どうやら俺の旅は、神が一緒に行動できないようなのである。
「待ってろよタコさん! その間、タマル村のアクティビティで楽しんでいて欲しい!」
『ウグワーッ! 漂着者を迎えました! 1000ptゲット!』
▶DIYレシピ
携帯電話
UGWポイント
24000pt
「初めてでは? なんだこの霧」
朝目覚めたら霧だった。
晴れる気配がない。
『た、大変なんだなもしー!!』
ヌキチータが慌ててやって来る。
血相を変えていると言えそうなのだが、こいつはタヌキっぽい獣毛に覆われてて顔色は全く分からない。
「何が大変なんだ。ヌキチータは仮にも神なんだから慌てることはないのではないか」
『僕は基本的に小心者なんだなもし。それはそうと、僕が慌てるのが当たり前なくらいの大変な事が起きてるんだなもし! こっちに来て欲しいんだなもしー!』
「ヌキチータはちょいちょい動揺したりしてると思うんだが……」
『おっ、なんですかな? 我も行きますぞ』
「私も私もー!」
いつもの三人になった。
ヌキチータに引率されて行くと、霧の中に海があった。
存在しなかったはずの砂浜がある……。
『未知の外なる神の気配がするんだなもし。本来はここにいないはずの何者かが出現したんだなもし! 多分、タマルさんが僕の作ったシステムの想定を超える活躍をしているので、次元が歪んで異世界と接続されてしまったんだなもしー!』
「ここも異世界なのでは!? まあいいや。誰が来たとしても、話してみなきゃ分からんからな」
『相手が神でも豪胆ですなタマル様は』
「うちの村も神様たくさんいるもんねー」
そうそう。
ヌキチータの腰が引けているので、俺が率先して砂浜を歩くことになった。
ざくざくと歩くと……。
おや?
誰かが倒れている。
『うーん……夢見るままに待ちいたり……』
頭がタコでコウモリの翼を生やしたおっさんが倒れている。
「おーい、おーい、大丈夫か」
おっさんを揺さぶり起こそうとする。
だが、おっさんの眠りは深い。
『うーん、我を讃えよ……讃える聖句を称えよ……うーん』
「神様っぽい事言ってるな。こいつ神だぞ。起きろ起きろー」
ゆさゆさする。
起きる気配がない。
ふむ……。
「よし、この魚を目の前で焼く……」
「美味しそうな匂いで起きてくるかもね!」
システムキッチンで魚を焼いていると、タコ頭のおっさんがもぞもぞ動き出した。
なお、焼いた魚は朝食として俺とラムザーとポタルとヌキチータで食べた。
『タマルさんが落ち着いているから、慌てるのがバカらしくなってきたんだなもしー』
『ぬおおおおっ!』
『アヒャー!』
咆哮とともに、タコ頭のおっさんが立ち上がった。
驚いて転がるヌキチータ。
「おう、おはよう!」
『ううう……ここはルルイエではないのか……』
「タマル村だぞ」
『どこ、そこ……』
「ここだぞ」
『タマルさん、よく外の神格相手に当たり前みたいに会話できるんだなもし』
「神様がぶっ倒れてたんだから、放っておくのも良くないだろ。俺はタマルだ。あんたは?」
『我が名を口にすることは叶うまい。信奉者は我の事を異名で呼ぶ場合も……』
「じゃあ仮にタコさんとしておこうか」
『えっ!?』
タコのおっさんがびっくりした。
「タコさんはどうしてここにいるんだ」
『我が永久の眠りについていたところ、夢に突然扉が開き、こっちに転がり出た……』
「あっ、事故みたいな感じでこっち来ちゃったか。帰れそう?」
『分からぬ……。ちょっと知らないところにいるのは怖い。周囲に他の神格の気配も多数あるし、我は孤立無援だし』
「そうだなあそうだなあ。じゃあ、帰る手伝いをしてやるよ。なあヌキチータ。迷い込んでしまった神様を帰してやる手段はないのか?」
『帰す手段! その手があったんだなもし! タコさん、君の知り合いとか仲間に連絡をつけて呼びかけてもらえばいいんだなもし!』
『我の下僕や信奉者たちか。その手が……!』
『タコさんの呼び声を届けてあげるんだなもしー! タマルさん、素材を集めてきて欲しいんだなもし! これ、レシピなんだなもしー』
「おう、受け取ったぜ!」
▶DIYレシピ
※携帯電話
素材:機械部品+星の欠片+夢幻の欠片+輝きの欠片+生命の欠片
「材料多いなあ。携帯電話を作るのに、こんなに必要なの? そっか、異世界に繋がるんだもんな。必要か」
『頼まれてくれるか』
「任せろタコさん」
『ありがたい。我が帰れたならば、お前たちの世界で言うレシピを授けよう』
「タコさんもうちの世界観に染まってきたな?」
仲間を集めて、新たな素材集めの相談をすることになった。
誰一人として、羅刹侯爵が迷宮を突破したことの心配などしていない。
『フーム! シャイニングの欠片なら、トゥインクルトゥインクルする場所にあると思いまーす! インショート! フライングスカーイ!!』
「空か! ありそうだなー」
『生命の欠片? 生命っていうんだから、生き物がたくさんいるとこなんじゃない? 例えば……デッドランドマウンテンとか』
「あそこも命がたくさんあるところだったなー」
『ピピー!』
「おー、ポルポルも元気だな!」
持つべき者は仲間である。
すぐにアイディアが集まった。
「でもタマル、どうしてタコさんを助けてあげようと思ったの?」
「おう、それはな。ヘルズテーブルは基本的に地獄みたいな世界だろ。だがその中でタマル村は俺の理想郷として作り上げたのだ。まだ全然建物とか無いけどな。そこに迷い込んできた相手だぞ? 地獄めいた目に遭わせたらかわいそうだろう」
「なるほどー。タマルのこだわりなんだね!」
「おう。タマル村に来たやつは基本的にお客さんだ。歓待して満足して帰ってもらうぞ。逢魔卿みたいにな」
なお、タコさんは神様なので、同行はできない。
どうやら俺の旅は、神が一緒に行動できないようなのである。
「待ってろよタコさん! その間、タマル村のアクティビティで楽しんでいて欲しい!」
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