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スローライフから逃げられると思うな編
第77話 ダークファンタジー世界でバーベキューをする
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地獄のような世界でも、地獄っぽいのを駆逐すればバーベキューできるのである!
「これより! バーベキュー大会を開催します!!」
うおおおおおおーっととどよめく仲間たち。
逢魔卿まで両手を振り上げて興奮している。
いつもの高貴な雰囲気はどこに!
「まあいいか。えー、今回は俺のDIYお料理レシピを封印します! なぜなら! バーベキューはみんなで作る料理だからです! え、なに? 味付けが塩しかないだあ? 仕方ないなあ……」
小魚たちを手にする俺。
すると、
『新しいレシピが生まれた!』
▶DIYお料理レシピ
※ナムプラー
素材:小魚+塩
トンカントンカンやったら、味わい深い調味料になった。
リセンボンたちから大歓声があがる。
現実のナムプラーは一級品から三級品まであるそうなのだが、俺のレシピは常に一級品だけを作り出すのだ。
なのでこのままつけ汁で使える。
『タマルよ。この鎧を使って必要な道具を作るがよい』
「おっ、チェインメイルか! チェインメイルと言えば……」
『新しいレシピが生まれた!』
▶DIYレシピ
※焼き網
素材:チェインメイル
チェインメイルがバーベキュー用の網になったぞ!
支えの部分は槍を立てて代用する。
戦いに使うための殺伐とした道具も、やり方によってスローライフの要素に変身するのである。
みんながワイワイ言いながら、魚に串を通している。
これは矢の応用だ。
『へっへっへ、タマルさんこいつを見て下さい。どう思う?』
「すごく頭足類じゃないか! どうしたのこれ」
イカみたいなのを串に刺しているリセンボンがいた。
『実はチェインメイルで水の中をさらっていたら引っかかったんです。タマル様知ってるんですか。美味いんですか』
「すこぶる美味いぞ」
『やったー!!』
俺の美味い認定を受けて、リセンボンたちが集まってきた。
『こいつは美味いのか』
『じゃあこっちはどうですか』
「それは貝だな。美味いぞ。毒とかあるやつがいるかもだから色々調べてデータを蓄積していくのだぞ……。その先にスローライフがある」
『おお、スローライフ……!!』
俺が唱えるスローライフは、逢魔卿領でも目指す暮らしの形として定着しつつあるようである。
世界には徐々に、スローライフが広がっていっているのだ。
『では、皆を代表してわらわが最初の魚を焼く……』
『いいぞ逢魔卿様ー!』
『焼いちまえー!!』
ワーッと大歓声の中、逢魔卿が串に刺した魚を網に乗せた。
歴史的瞬間である。
今、ヘルズテーブルの民がバーベキューをしたのだ!
「タマル見てみてー。キャロルの作った贅沢串!」
「うおーっ! 俺の余韻を消し飛ばす、イカと小魚たくさんと貝が互い違いにぎゅうぎゅう刺された串!! キャロルの食欲がよく分かる素晴らしく下品な串だ……! 焼き上がると美味しそうね」
「ねー」
ということで、これを逢魔卿のの横に乗せた。
どよめく、逢魔卿とリセンボンたち。
『な……なんなのだ、この冒涜的な串は……』
『あたしの出した答えよ』
キャロルが堂々と応じる。
ついこの間まで、マンイーターの沼でまったりしていた娘とは思えない貫禄だ。
『なんか分からない生き物も食べたい。魚も食べたい。こっちによく分からないのもの食べたい! 順番なんてまだるっこしいわ。だったら、いっぺんに串に刺して焼くしかないじゃない』
食いしん坊ここに極まれり。
キャロルの言葉に、リセンボンたちが同意の声をあげた。
『焼け始めましたな』
まったりしていたラムザーが、鼻をくんくんさせる。
魚の焼けるいい匂いがしてきた。
これにこれにナムプラーとか付けて食う。
あちこちで魚が食われ始めた。
おお、キャロルが『うっま。この足がたくさんあるのも、カタツムリみたいな形のやつも美味いわ』と感想を。
なるほど、食えるんだな……。
ヘルズテーブルは案外、可食部の多い生き物が多い。
つまり、普通にスローライフを継続できる可能性があるわけである。
『オー! タマルさんがクックしたのとはディフェレンスなフィッシュでーす! バーンな具合のインパーフェクトなところとか、なかなかオツでーす!』
「ああ。DIYお料理レシピが及ばないところで作られた食べ物は新鮮だよな」
『うむうむ。味で言えばタマル様が作られたものの方が完成されていますが、これは味わいだけではなく仲間たちと和気あいあいと食べる雰囲気を楽しむものでもあるのでしょうな』
「何気にラムザー鋭いな。バーベキュー経験者だったりする?」
『初心者ですぞ』
「お前、絶対感受性が魔人の域に収まらないレベルだったから浮いてたんだろ。生まれる世界間違えたな……」
『そうかも知れませんなあ……。タマル様と一緒に生活してると、なんかしっくり来ますぞ』
しみじみお喋りなどしていたら、フランクリンが『アーウチ!』とか叫んで飛び上がった。
「おっ、フランクリンもしかして……当たりか!」
『オーウ……フィッシュの中からジュエルがアピアレンスでーす』
「動揺していつもよりも英語が多いから分かんなくなってきてるぞ!」
だが、フランクリンがガリッとやったのは、紛うことなき迷宮核である。
これを俺が手にすると、いつものシステム音声が鳴り響いた。
『ウグワーッ! 迷宮を三つ踏破しました! これによって、世界の半分が兄弟神の手から離れました! 3000ptゲット!』
どうやら世界の半分を、俺たちは解放してしまったようである。
……解放? 侵略……?
▶UGWポイント
4700pt
「これより! バーベキュー大会を開催します!!」
うおおおおおおーっととどよめく仲間たち。
逢魔卿まで両手を振り上げて興奮している。
いつもの高貴な雰囲気はどこに!
「まあいいか。えー、今回は俺のDIYお料理レシピを封印します! なぜなら! バーベキューはみんなで作る料理だからです! え、なに? 味付けが塩しかないだあ? 仕方ないなあ……」
小魚たちを手にする俺。
すると、
『新しいレシピが生まれた!』
▶DIYお料理レシピ
※ナムプラー
素材:小魚+塩
トンカントンカンやったら、味わい深い調味料になった。
リセンボンたちから大歓声があがる。
現実のナムプラーは一級品から三級品まであるそうなのだが、俺のレシピは常に一級品だけを作り出すのだ。
なのでこのままつけ汁で使える。
『タマルよ。この鎧を使って必要な道具を作るがよい』
「おっ、チェインメイルか! チェインメイルと言えば……」
『新しいレシピが生まれた!』
▶DIYレシピ
※焼き網
素材:チェインメイル
チェインメイルがバーベキュー用の網になったぞ!
支えの部分は槍を立てて代用する。
戦いに使うための殺伐とした道具も、やり方によってスローライフの要素に変身するのである。
みんながワイワイ言いながら、魚に串を通している。
これは矢の応用だ。
『へっへっへ、タマルさんこいつを見て下さい。どう思う?』
「すごく頭足類じゃないか! どうしたのこれ」
イカみたいなのを串に刺しているリセンボンがいた。
『実はチェインメイルで水の中をさらっていたら引っかかったんです。タマル様知ってるんですか。美味いんですか』
「すこぶる美味いぞ」
『やったー!!』
俺の美味い認定を受けて、リセンボンたちが集まってきた。
『こいつは美味いのか』
『じゃあこっちはどうですか』
「それは貝だな。美味いぞ。毒とかあるやつがいるかもだから色々調べてデータを蓄積していくのだぞ……。その先にスローライフがある」
『おお、スローライフ……!!』
俺が唱えるスローライフは、逢魔卿領でも目指す暮らしの形として定着しつつあるようである。
世界には徐々に、スローライフが広がっていっているのだ。
『では、皆を代表してわらわが最初の魚を焼く……』
『いいぞ逢魔卿様ー!』
『焼いちまえー!!』
ワーッと大歓声の中、逢魔卿が串に刺した魚を網に乗せた。
歴史的瞬間である。
今、ヘルズテーブルの民がバーベキューをしたのだ!
「タマル見てみてー。キャロルの作った贅沢串!」
「うおーっ! 俺の余韻を消し飛ばす、イカと小魚たくさんと貝が互い違いにぎゅうぎゅう刺された串!! キャロルの食欲がよく分かる素晴らしく下品な串だ……! 焼き上がると美味しそうね」
「ねー」
ということで、これを逢魔卿のの横に乗せた。
どよめく、逢魔卿とリセンボンたち。
『な……なんなのだ、この冒涜的な串は……』
『あたしの出した答えよ』
キャロルが堂々と応じる。
ついこの間まで、マンイーターの沼でまったりしていた娘とは思えない貫禄だ。
『なんか分からない生き物も食べたい。魚も食べたい。こっちによく分からないのもの食べたい! 順番なんてまだるっこしいわ。だったら、いっぺんに串に刺して焼くしかないじゃない』
食いしん坊ここに極まれり。
キャロルの言葉に、リセンボンたちが同意の声をあげた。
『焼け始めましたな』
まったりしていたラムザーが、鼻をくんくんさせる。
魚の焼けるいい匂いがしてきた。
これにこれにナムプラーとか付けて食う。
あちこちで魚が食われ始めた。
おお、キャロルが『うっま。この足がたくさんあるのも、カタツムリみたいな形のやつも美味いわ』と感想を。
なるほど、食えるんだな……。
ヘルズテーブルは案外、可食部の多い生き物が多い。
つまり、普通にスローライフを継続できる可能性があるわけである。
『オー! タマルさんがクックしたのとはディフェレンスなフィッシュでーす! バーンな具合のインパーフェクトなところとか、なかなかオツでーす!』
「ああ。DIYお料理レシピが及ばないところで作られた食べ物は新鮮だよな」
『うむうむ。味で言えばタマル様が作られたものの方が完成されていますが、これは味わいだけではなく仲間たちと和気あいあいと食べる雰囲気を楽しむものでもあるのでしょうな』
「何気にラムザー鋭いな。バーベキュー経験者だったりする?」
『初心者ですぞ』
「お前、絶対感受性が魔人の域に収まらないレベルだったから浮いてたんだろ。生まれる世界間違えたな……」
『そうかも知れませんなあ……。タマル様と一緒に生活してると、なんかしっくり来ますぞ』
しみじみお喋りなどしていたら、フランクリンが『アーウチ!』とか叫んで飛び上がった。
「おっ、フランクリンもしかして……当たりか!」
『オーウ……フィッシュの中からジュエルがアピアレンスでーす』
「動揺していつもよりも英語が多いから分かんなくなってきてるぞ!」
だが、フランクリンがガリッとやったのは、紛うことなき迷宮核である。
これを俺が手にすると、いつものシステム音声が鳴り響いた。
『ウグワーッ! 迷宮を三つ踏破しました! これによって、世界の半分が兄弟神の手から離れました! 3000ptゲット!』
どうやら世界の半分を、俺たちは解放してしまったようである。
……解放? 侵略……?
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