おいでよ!死にゲーの森~異世界転生したら地獄のような死にゲーファンタジー世界だったが俺のステータスとスキルだけがスローライフゲーム仕様

あけちともあき

文字の大きさ
14 / 147
スローライフが攻めてきたぞーっ編

第14話 大蟻地獄の迷宮

しおりを挟む
 なるほど、その名の通り蟻地獄の巣に見える入り口である。
 すり鉢状の巨大な穴が森の中にあって、そこを螺旋階段のように下っていく。

 なんとうちの馬車が通れるくらいのスペースがあるのだから、蟻地獄の大きさも知れるというものだ。

『かつては本当に巨大な蟻地獄が住んでいたらしいですな。だがそいつも長い時を経て成長し、龍になって巣立っていったそうですぞ』

「ははあ、つまりそのバカでかい龍の住処の残りが迷宮になったのか。この世界にはとんでもない化け物がいるなあ」

『はっはっは、タマル様はあまり他人のことを言えた義理では無いと思いますがな!』

「なんだとう」

「ねえねえ! この下ってくの面白いねえ! 穴の中潜るなんて初めてだなあ!」

 俺とラムザーでそんな話をする横で、ポタルがきゃっきゃとはしゃぐ。
 結局俺たちは、新しい場所に向かうので、緊張半分、うかれ半分なのだ。

「ああ、そうそう。迷宮って暗いイメージがあるじゃない」

『暗いでしょうな』

「魔人商店で買ってきた。じゃーん。スポットライト」

『うわっ、眩しっ!? いきなり目の前に太陽が出現したかと思いましたぞ!』

 ということで、馬車からスポットライトをガンガンに照らしながら、迷宮に突入していくのだった。

『ギエーッ!』
『ギャーッ!』

 闇の中に潜んでいた怪物たちが、スポットライトでババーンと照らされて、悲鳴を上げながら逃げたり、のたうち回ったりしている。
 攻撃を仕掛けてくる者もいるが、とにかく眩しくて何も見えないとか、目が退化しててもからだが光の刺激でまともに動かなかったりとかするので、避けるのは容易である。

「新種いっぱいじゃん! ちょっと捕まえてくる」

『いってらっしゃい。そういえば、博物館とやらは完成したんですか?』

「あっ、忘れてた……。休めるところまで進んだら、ちょっと博物館覗いてくるよ。一緒に来る?」

「行く!」

 ポタルがくっついてきた。
 好奇心旺盛なハーピーである。

 ラムザーも面白いことは大好きなので、来る気満々だった。
 これは、安全に休める場所を確保しなくてはいけないな。

 こうして、岩に擬態していた巨大なカエルとか『ギャポーッ!!』「そいっ」ピョインッ! よし、アイコンになったな。
 地面にへばりついていた、謎の有毒ガスを撒き散らすオオトカゲとか『ギエーッ!!』「そいっ!」ピョインッ!

 次々に虫取り網でゲットしていく俺なのである。

『虫取り網捌きが堂に入ってきましたな。見ていて背筋が寒くなります』

 背筋が寒くなる虫取りって凄いな!
 ガンガンゲットしてはいるが。
 アイテムボックスを拡張したお陰で、たくさん捕まえてもまだまだ余裕がある。

「ねえタマル! 面白そう! 私にもやらせて!」

「ポタルも興味が出てきたか。よし、じゃあ新しく虫取り網を作ろう」

 そういうことになった。
 それっぽい素材が無いかな……無いかな……。

 あっ、巨大なカエルの卵がある。
 これを回収してみよう。

『アースフロッグの卵をゲットした!』
『新しいレシピが生まれた!』

「どれどれ……?」

▶DIYレシピ
 ※卵ボール
 素材:アースフロッグの卵

「全然違うものが誕生した。しゃあないからその辺に散らばっている、迷宮踏破に失敗した犠牲者の骨を使おう」

「えー、私もタマルみたいなかっこいい虫取り網がいい」

「今は骨の虫網で我慢してね……!」

 ポタル用の虫取り網を作ってあげたのである。

 ついでに、卵ボールをたくさん作った。
 これはボールのくせに投げて遊んだりできず、地面に設置すると、そこに張り付いたように動かなくなる。
 上から叩くと、ぼいんぼいん音を立てて猛烈に弾む。

『はっはっは、こりゃあ面白いですなあ!』

 馬車の中にいるラムザーがご機嫌でボールを叩いている。
 ヘルズテーブル、娯楽がなさそうだもんな!

「私も虫を捕るよー! ほりゃあー!」

 ポタル、宣言通り、虫をピョインッキャッチした。
 だが、大きなカエルを捕まえようとして、網が頭にコツンと当たったのである。

「あれ? 網に入らない!」

「危ない危ない」

 カーッと口を開けて襲いかかろうとしていたカエル……アースフロッグを、俺が急いでゲットした。

「どうやらサイズを無視して捕まえられるのは俺だけらしい」

「ええー! ずーるーいー!」

「確かにずるいが、その代わり俺は空を飛んだりできないし、もふもふの羽毛もない……」

「あっ、つまり私はタマルにできないことができるのね!」

「そういうことだよ!」

「そっかー、じゃあ仕方ないなあー」

 ポタルの機嫌が直った。
 良かった良かった。

 さて、こうして迷宮を突き進むのだが、とにかく通路を余すこと無く照らし出す、スポットライトの威力がでかい。
 あらゆる怪物がスポットライトで怯む。
 これは俺の名采配だったな……。

『大蟻地獄の迷宮と言えば、帰らずの恐るべき迷宮の一つとして有名でしたが、タマル様に掛かれば形(かた)なしですなあ。というかこの光り輝くライトとやらが本当にすごい』

 ラムザーが感心しながら、ライトをポンポン叩いた。
 あ、叩いたらいかん、そこにはスイッチが。

 プツン、とライトが消えた。
 闇に包まれる。

「うおわー!」

「ぎゃーっ!!」

 真っ暗で慌てる俺に、ポタルが凄い悲鳴を上げながらしがみついてきた。
 羽毛でふわふわである。

「ラムザースイッチ! スイッチ!!」

『ぬおお申し訳なしーっ!!』

 ライトをぺしぺし叩く音がする。
 そして、カッとスポットライトが灯った。

 すると、俺とポタルを囲むように迷宮の怪物たちが迫っているところだったではないか。
 危ねええええ!!

 ライトに照らされ、怪物たちは『ギャピー!!』とか叫びながら逃げ去っていった。

「ラムザー、頼むよ……!」

『はっ、ぺたぺた触らないようにしますぞ』

▶DIYレシピ
 ※卵ボール

 UGWポイント
 2540pt
しおりを挟む
感想 51

あなたにおすすめの小説

男爵家の厄介者は賢者と呼ばれる

暇野無学
ファンタジー
魔法もスキルも授からなかったが、他人の魔法は俺のもの。な~んちゃって。 授けの儀で授かったのは魔法やスキルじゃなかった。神父様には読めなかったが、俺には馴染みの文字だが魔法とは違う。転移した世界は優しくない世界、殺される前に授かったものを利用して逃げ出す算段をする。魔法でないものを利用して魔法を使い熟し、やがては無敵の魔法使いになる。

【魔女ローゼマリー伝説】~5歳で存在を忘れられた元王女の私だけど、自称美少女天才魔女として世界を救うために冒険したいと思います!~

ハムえっぐ
ファンタジー
かつて魔族が降臨し、7人の英雄によって平和がもたらされた大陸。その一国、ベルガー王国で物語は始まる。 王国の第一王女ローゼマリーは、5歳の誕生日の夜、幸せな時間のさなかに王宮を襲撃され、目の前で両親である国王夫妻を「漆黒の剣を持つ謎の黒髪の女」に殺害される。母が最後の力で放った転移魔法と「魔女ディルを頼れ」という遺言によりローゼマリーは辛くも死地を脱した。 15歳になったローゼは師ディルと別れ、両親の仇である黒髪の女を探し出すため、そして悪政により荒廃しつつある祖国の現状を確かめるため旅立つ。 国境の街ビオレールで冒険者として活動を始めたローゼは、運命的な出会いを果たす。因縁の仇と同じ黒髪と漆黒の剣を持つ少年傭兵リョウ。自由奔放で可愛いが、何か秘密を抱えていそうなエルフの美少女ベレニス。クセの強い仲間たちと共にローゼの新たな人生が動き出す。 これは王女の身分を失った最強天才魔女ローゼが、復讐の誓いを胸に仲間たちとの絆を育みながら、王国の闇や自らの運命に立ち向かう物語。友情、復讐、恋愛、魔法、剣戟、謀略が織りなす、ダークファンタジー英雄譚が、今、幕を開ける。  

ギルドの片隅で飲んだくれてるおっさん冒険者

哀上
ファンタジー
チートを貰い転生した。 何も成し遂げることなく35年…… ついに前世の年齢を超えた。 ※ 第5回次世代ファンタジーカップにて“超個性的キャラクター賞”を受賞。 ※この小説は他サイトにも投稿しています。

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

少し冷めた村人少年の冒険記

mizuno sei
ファンタジー
 辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。  トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。  優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません

きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」 「正直なところ、不安を感じている」 久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー 激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。 アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。 第2幕、連載開始しました! お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。 以下、1章のあらすじです。 アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。 表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。 常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。 それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。 サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。 しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。 盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。 アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

処理中です...