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第一部:始動編
17・俺、大勝利する
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巨大イモリ、ウーボイドの尻尾が俺たち目掛けて叩きつけられてくる。
「ブロッキングッ!!」
俺は防御技を使用して、こいつを受け止める。
足元が、岩盤にめり込んだ。
避けりゃいいんだけど、そうはいかないんだよな。
だって、後ろにはラムハがいる。
「ありがとう、オクノ。私じゃ避けられないわ、あれ」
「呪法使いが前に出てるなよ。後ろ後ろ!」
「はいはい」
ラムハが下がっていく。
「肝が据わってるなあ……っと!」
巨大イモリの尻尾を跳ね除ける俺。
こんなでかいもの受け止めて跳ね返せるのか。俺、めちゃくちゃ強くなってるじゃん。
それを見て、ラムハがちょっと微笑んだ。
「信じてるのよ。オクノなら絶対止めてくれるって」
「お、おお、おおお? ま、まあな?」
なんだこいつ、なんでここでそんな事言うの!?
『俺様の尻尾になんてことするんだ、人間の男ぉーっ!!』
照れて動きが鈍った俺目掛けて、ウーボイドの口から粘液の塊が吐き出された。
やべえ、あれはブロッキングとか無理でしょう。
「幻獣術……スライム!!」
呪法を即座に使用して、スライムで迎撃する。
粘液には粘液だ!
だが、スライムはあっという間に粘液に負けて、溶けてなくなってしまった。
ダメだこれは!
流石は六欲天、強いぞ。
俺はスライムが作った一瞬の隙を突いて、思いっきり真横に跳んだ。
岩盤に顔面から着地するが、HPが上昇している俺には大したダメージでもない。
さっきまで俺がいたところに、粘液が着弾した。
爆発するような音がして、岩盤が砕け、そして一部の岩がしゅうしゅうと音を立てて溶けていく。
酸じゃねえか!
『避けるなぁっ!』
勝手なことを叫ぶウーボイド。
その横っ面に、イクサが迫っている。
「飛翔斬!!」
飛ぶ斬撃が巨大イモリに炸裂した。
だが、それは体を覆う粘膜に弾かれ、届かない。
「ちぃっ! 飛翔斬! 飛翔斬! 飛翔斬! 飛翔斬!」
連続斬撃だ。
一人連携でもやってるんじゃねえの、というレベルだ。
だが、それでもウーボイドには届かない。
「おのれ!! ならば、十六夜……!!」
「おい待て馬鹿! その技は隙がでかすぎる!!」
『ぎゃはは! 俺様の目の前で剣を振り上げて硬直する馬鹿がどこにいるぅっ!!』
ウーボイドの足が振り回され、イクサを直撃した。
「ぐはっ!! おのれっ!」
ふっとばされ、岸壁に叩きつけられるイクサ。
だが流石は高レベル剣士だ。ピンピンしてるぞ。
「並の斬撃ではこいつに通じない! だが、十六夜は撃てぬ!! どうすればいい!!」
「その技は隙がでかすぎるんだ……よっ!」
ピコーン!
『ラリアット』
こちらはウーボイドの足を、寸前で閃いたラリアットで迎撃する。
打撃と打撃が拮抗し、俺と巨大イモリはお互いにちょっと押し返された。
『てめえ! 俺様と打ち合えるなんぞ、人間業じゃねえ! 化け物か!!』
「そこの彼は特別なのよ。戦えば戦うほど、どんどん強くなっていくわよ。これも喰らいな! スペルエンハンス・闇の炎!!」
強化された漆黒の炎が空間を走る。
それがウーボイドを直撃した。
『熱っ!? てめえ! 女だと思って大目に見てたら! てめえは念入りに料理して食ってやるからな!!』
ウーボイドがラムハに対象を変える。
だが、こいつは女相手には粘液を使わないみたいだ。
溶かしちまったら食えないもんな。
『女ぁ! 今すぐ食ってやるうっ! あ、料理してからな!』
「させねえって!」
俺は横合いから、ドロップキックを放つ。
だが、こいつも粘液に弾かれてダメージは通らないか!
『がはははは! 無駄無駄!! 例え巨人族の踏みつけだろうと、俺様の粘液は抜けんからなあ! 化け物みたいな人間のお前でもなんともならん!』
「いやいや、攻略はできるだろー。粘液をぶち抜くなら……イクサ!!」
「おう! 手があるのか!」
「連携で行く。連携でお前の十六夜の隙をキャンセルする」
「キャンセル…? いや、隙が無くなるならいいだろう! やるぞオクノ!」
「よーっしゃ! ってことでラムハ! お前のところには届かせないから呪法よろしく!」
「ええ!」
『届くんだよおっ!』
その巨体を飛び上がらせるウーボイド。
大きく口を開け、ラムハ目掛けて襲いかかる……!
「俺を飛翔斬でぶった切れイクサ!」
「飛翔斬!!」
ノーウェイトで俺に斬撃を飛ばすイクサ。
「ブロッキング!!」
俺は斬撃を防御しながら、その勢いを利用して跳ぶ。
吹っ飛んだ俺はあっという間にウーボイドに追いつき、ラムハに接触する直前に到着した。
『なんだあっ!? 仲間に切らせて追いつくとか、頭おかしいんじゃねえのかてめえ!』
「ラリアット!!」
真横に伸ばした俺の腕が、ウーボイドの顔面に叩きつけられる。
例え口が開かれていようが、とんでもなくでかかろうが、顔面に叩き込まれる……そういう技だ!
『ぐおーっ!?』
鼻っ面を打っ叩かれて、仰け反るウーボイド。
「スペルエンハンス……闇の衝撃!」
「連携開始だ!」
漆黒の衝撃波が放たれ、ウーボイドの頭に炸裂した。
そこから、光の線が俺に向かって走る。
「ドロップキック!」
『ぐおおーっ!!』
あらゆる防御を無視した、衝撃によるダメージの二連発。
ウーボイドの巨体が空中に跳ね上がった。
そして既に、イクサはウーボイドの真下までやって来ている。
光の線がイクサに伸び……。
振りかぶられていた剣が、振り下ろされる。
「十六夜!!」
『闇ドロップ六夜』
謎の技名が響き渡り、空中で巨大イモリが縦一文字に両断された。
『うぎゃああああっ!? な、なんじゃこりゃあああああっ!?』
真っ二つになったウーボイドだが、急速に再生しながら着地し、慌てた様子で岸壁を駆け上がっていく。
そして天井に張り付いた状態で、じっと俺たちを見る。
『危うく死ぬところだったわ……!! 何、お前ら、何なの!?』
「オオサンショウウオはハンザキとか呼ばれて、半分に裂いても生きているとか言われてるらしいが、お前もタフだなあ……。あ、そっか、HP制だもんな。さっきの連携をもう一発叩き込めば死ぬか?」
『勘弁してくれ……! 俺様は死にたくない!! 死にたくないからメイオーの奴を裏切ったってのに、なんで人間如きに殺されにゃならんのよ』
「そりゃ、お前が女を食うからだろ。ラムハも、ルリアもアミラもカリナも、みんなお前の餌になるところだったんだからな」
『ええ……。てめえら人間は地に溢れているのに、少しも食ったらダメなのかよ……』
「駄目に決まってるだろー。やっぱりお前は邪悪だな。よし、倒すぞ」
『待て! 待て待て待て!! 分かった! 食わない! 人間は食わない!! これでいいか?』
慌ててウーボイドが命乞いして来た。
変わり身が早いな?
そしてここでまたまた選択肢。
1・いいだろう。見逃してやるが、その代わりに俺に手を貸せ!
2・黒焼きにするって言ってんだろうがアァーンッ!?
「黒焼きにするって言ってんだろうがアァーンッ!? ルリア! アミラ! カリナ! 集合! 手を貸せ!! 三連携じゃ仕留めきれねえ、六連携で行くぞ!!」
「は、はいっ!!」
「わかったわっ」
「了解、ですっ! 連ね射ち!!」
まずは最大の射程距離を誇るカリナが返事とともに仕掛ける。
光の線が伸びる。
カリナから、ラムハへ。
「闇の炎っ!!」
ラムハからアミラへ。
「グランドバイパー!」
アミラからルリアへ。
「風車っ!!」
そしてルリアから、高らかに跳躍しているイクサへ。
「十六夜ッ……!!」
最後に、俺。
『馬鹿な、馬鹿な馬鹿な馬鹿なあーっ!! おめえら、俺様が死んだらメイオーと戦う手札を失うことになるんだぞっ!? それが分かって……ウギャアアアーッ!!』
全ての守りを剥ぎ取られ、連続で矢を打ち込まれ、闇の炎に焼かれ、伸びる鞭に叩かれ、槍の起こす猛風に煽られ、人外の膂力が放つ斬撃に叩き切られ……。
天井に張り付いていたウーボイドは、掴まっている天蓋を粉々に砕きながら上に上に吹き飛ばされていく。
俺はここで巻き起こっている風に乗り、ウーボイドに肉薄している。
六連携の大トリを務める俺は、金色の輝きに包まれていた。
「右手に雷幻術、左手に幻炎術! これが本当の……」
雷と炎を纏った俺が、ウーボイドの頭を引っ掴んだところで天蓋が破れた。
巨大な六欲天ごと、俺は外の世界へと飛び出した。
「サンダーファイヤーパワーボムッ!!」
六欲天を抱え上げながら、伯爵の居城目掛けて叩き落としていく……!
『連闇のグランド風夜パワーボム』
非常に情報量の多い名前が表示されて、ウーボイドが落下した。
この光景は、領都中に見えているだろう。
『そんなあああああっ!? 俺様がこんなところで、死ぬなんてウグワーッ!!!』
絶叫とともに、巨大なイモリである六欲天は粉々になった。
一瞬遅れて、伯爵の居城跡が大爆発を起こした。
空に向けて吹き上がる、大量の土と石塊。
「やっべ! あいつら死んだか!?」
俺はウーボイドの爆発に乗りながら、ちょっと焦って地上を眺めた。
すると、爆発後から声がする。
「円月斬!!」
爆風の一部が、きれいに切断されて飛び散った。
そこから、イクサと女子たちが現れる。
後には、見知らぬ女の子たちが大勢続いているので、どうやらさらわれた人々の救出にも成功したようだ。
うーむ、イクサ、頼りになる男だ……。
一方、領都は大パニックだ。
被害は伯爵邸だけだが、凄まじいい音と土煙が上がっているからな。
「よーし、この騒ぎに乗じてずらかるぞ!! 絶対にこの後、めんくさいことになる!! 人さらいは壊滅させた! 目標達成ということで……撤収!!」
「分かった! ついてこいお前たち! 足手まといになるなよ!」
イクサは相手が女性でも手加減というものをしない奴らしく、全力で走っていく。
「ちょっと待って! お姉さんを置いていかないでー!?」
「大人気ないですっ!! わたし、イクサは嫌いです!!」
「うひー! 置いてやばそう? やばそう? ……って、あ、なんか爆風が……ひゃーっ」
ルリアは、たまたま吹いてきた爆風に乗ってイクサに追いついたようだな。
で、残るはラムハ。
トコトコとマイペースで走る彼女の手を、俺は着地と同時にキャッチした。
「背負ってよろしい?」
「どうぞどうぞ」
許可をもらって、俺はラムハを背負い、猛然と疾走する。
さらば、ジョイップ伯爵領。
後のことは別の奴にお任せしよう!
「ブロッキングッ!!」
俺は防御技を使用して、こいつを受け止める。
足元が、岩盤にめり込んだ。
避けりゃいいんだけど、そうはいかないんだよな。
だって、後ろにはラムハがいる。
「ありがとう、オクノ。私じゃ避けられないわ、あれ」
「呪法使いが前に出てるなよ。後ろ後ろ!」
「はいはい」
ラムハが下がっていく。
「肝が据わってるなあ……っと!」
巨大イモリの尻尾を跳ね除ける俺。
こんなでかいもの受け止めて跳ね返せるのか。俺、めちゃくちゃ強くなってるじゃん。
それを見て、ラムハがちょっと微笑んだ。
「信じてるのよ。オクノなら絶対止めてくれるって」
「お、おお、おおお? ま、まあな?」
なんだこいつ、なんでここでそんな事言うの!?
『俺様の尻尾になんてことするんだ、人間の男ぉーっ!!』
照れて動きが鈍った俺目掛けて、ウーボイドの口から粘液の塊が吐き出された。
やべえ、あれはブロッキングとか無理でしょう。
「幻獣術……スライム!!」
呪法を即座に使用して、スライムで迎撃する。
粘液には粘液だ!
だが、スライムはあっという間に粘液に負けて、溶けてなくなってしまった。
ダメだこれは!
流石は六欲天、強いぞ。
俺はスライムが作った一瞬の隙を突いて、思いっきり真横に跳んだ。
岩盤に顔面から着地するが、HPが上昇している俺には大したダメージでもない。
さっきまで俺がいたところに、粘液が着弾した。
爆発するような音がして、岩盤が砕け、そして一部の岩がしゅうしゅうと音を立てて溶けていく。
酸じゃねえか!
『避けるなぁっ!』
勝手なことを叫ぶウーボイド。
その横っ面に、イクサが迫っている。
「飛翔斬!!」
飛ぶ斬撃が巨大イモリに炸裂した。
だが、それは体を覆う粘膜に弾かれ、届かない。
「ちぃっ! 飛翔斬! 飛翔斬! 飛翔斬! 飛翔斬!」
連続斬撃だ。
一人連携でもやってるんじゃねえの、というレベルだ。
だが、それでもウーボイドには届かない。
「おのれ!! ならば、十六夜……!!」
「おい待て馬鹿! その技は隙がでかすぎる!!」
『ぎゃはは! 俺様の目の前で剣を振り上げて硬直する馬鹿がどこにいるぅっ!!』
ウーボイドの足が振り回され、イクサを直撃した。
「ぐはっ!! おのれっ!」
ふっとばされ、岸壁に叩きつけられるイクサ。
だが流石は高レベル剣士だ。ピンピンしてるぞ。
「並の斬撃ではこいつに通じない! だが、十六夜は撃てぬ!! どうすればいい!!」
「その技は隙がでかすぎるんだ……よっ!」
ピコーン!
『ラリアット』
こちらはウーボイドの足を、寸前で閃いたラリアットで迎撃する。
打撃と打撃が拮抗し、俺と巨大イモリはお互いにちょっと押し返された。
『てめえ! 俺様と打ち合えるなんぞ、人間業じゃねえ! 化け物か!!』
「そこの彼は特別なのよ。戦えば戦うほど、どんどん強くなっていくわよ。これも喰らいな! スペルエンハンス・闇の炎!!」
強化された漆黒の炎が空間を走る。
それがウーボイドを直撃した。
『熱っ!? てめえ! 女だと思って大目に見てたら! てめえは念入りに料理して食ってやるからな!!』
ウーボイドがラムハに対象を変える。
だが、こいつは女相手には粘液を使わないみたいだ。
溶かしちまったら食えないもんな。
『女ぁ! 今すぐ食ってやるうっ! あ、料理してからな!』
「させねえって!」
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だが、こいつも粘液に弾かれてダメージは通らないか!
『がはははは! 無駄無駄!! 例え巨人族の踏みつけだろうと、俺様の粘液は抜けんからなあ! 化け物みたいな人間のお前でもなんともならん!』
「いやいや、攻略はできるだろー。粘液をぶち抜くなら……イクサ!!」
「おう! 手があるのか!」
「連携で行く。連携でお前の十六夜の隙をキャンセルする」
「キャンセル…? いや、隙が無くなるならいいだろう! やるぞオクノ!」
「よーっしゃ! ってことでラムハ! お前のところには届かせないから呪法よろしく!」
「ええ!」
『届くんだよおっ!』
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大きく口を開け、ラムハ目掛けて襲いかかる……!
「俺を飛翔斬でぶった切れイクサ!」
「飛翔斬!!」
ノーウェイトで俺に斬撃を飛ばすイクサ。
「ブロッキング!!」
俺は斬撃を防御しながら、その勢いを利用して跳ぶ。
吹っ飛んだ俺はあっという間にウーボイドに追いつき、ラムハに接触する直前に到着した。
『なんだあっ!? 仲間に切らせて追いつくとか、頭おかしいんじゃねえのかてめえ!』
「ラリアット!!」
真横に伸ばした俺の腕が、ウーボイドの顔面に叩きつけられる。
例え口が開かれていようが、とんでもなくでかかろうが、顔面に叩き込まれる……そういう技だ!
『ぐおーっ!?』
鼻っ面を打っ叩かれて、仰け反るウーボイド。
「スペルエンハンス……闇の衝撃!」
「連携開始だ!」
漆黒の衝撃波が放たれ、ウーボイドの頭に炸裂した。
そこから、光の線が俺に向かって走る。
「ドロップキック!」
『ぐおおーっ!!』
あらゆる防御を無視した、衝撃によるダメージの二連発。
ウーボイドの巨体が空中に跳ね上がった。
そして既に、イクサはウーボイドの真下までやって来ている。
光の線がイクサに伸び……。
振りかぶられていた剣が、振り下ろされる。
「十六夜!!」
『闇ドロップ六夜』
謎の技名が響き渡り、空中で巨大イモリが縦一文字に両断された。
『うぎゃああああっ!? な、なんじゃこりゃあああああっ!?』
真っ二つになったウーボイドだが、急速に再生しながら着地し、慌てた様子で岸壁を駆け上がっていく。
そして天井に張り付いた状態で、じっと俺たちを見る。
『危うく死ぬところだったわ……!! 何、お前ら、何なの!?』
「オオサンショウウオはハンザキとか呼ばれて、半分に裂いても生きているとか言われてるらしいが、お前もタフだなあ……。あ、そっか、HP制だもんな。さっきの連携をもう一発叩き込めば死ぬか?」
『勘弁してくれ……! 俺様は死にたくない!! 死にたくないからメイオーの奴を裏切ったってのに、なんで人間如きに殺されにゃならんのよ』
「そりゃ、お前が女を食うからだろ。ラムハも、ルリアもアミラもカリナも、みんなお前の餌になるところだったんだからな」
『ええ……。てめえら人間は地に溢れているのに、少しも食ったらダメなのかよ……』
「駄目に決まってるだろー。やっぱりお前は邪悪だな。よし、倒すぞ」
『待て! 待て待て待て!! 分かった! 食わない! 人間は食わない!! これでいいか?』
慌ててウーボイドが命乞いして来た。
変わり身が早いな?
そしてここでまたまた選択肢。
1・いいだろう。見逃してやるが、その代わりに俺に手を貸せ!
2・黒焼きにするって言ってんだろうがアァーンッ!?
「黒焼きにするって言ってんだろうがアァーンッ!? ルリア! アミラ! カリナ! 集合! 手を貸せ!! 三連携じゃ仕留めきれねえ、六連携で行くぞ!!」
「は、はいっ!!」
「わかったわっ」
「了解、ですっ! 連ね射ち!!」
まずは最大の射程距離を誇るカリナが返事とともに仕掛ける。
光の線が伸びる。
カリナから、ラムハへ。
「闇の炎っ!!」
ラムハからアミラへ。
「グランドバイパー!」
アミラからルリアへ。
「風車っ!!」
そしてルリアから、高らかに跳躍しているイクサへ。
「十六夜ッ……!!」
最後に、俺。
『馬鹿な、馬鹿な馬鹿な馬鹿なあーっ!! おめえら、俺様が死んだらメイオーと戦う手札を失うことになるんだぞっ!? それが分かって……ウギャアアアーッ!!』
全ての守りを剥ぎ取られ、連続で矢を打ち込まれ、闇の炎に焼かれ、伸びる鞭に叩かれ、槍の起こす猛風に煽られ、人外の膂力が放つ斬撃に叩き切られ……。
天井に張り付いていたウーボイドは、掴まっている天蓋を粉々に砕きながら上に上に吹き飛ばされていく。
俺はここで巻き起こっている風に乗り、ウーボイドに肉薄している。
六連携の大トリを務める俺は、金色の輝きに包まれていた。
「右手に雷幻術、左手に幻炎術! これが本当の……」
雷と炎を纏った俺が、ウーボイドの頭を引っ掴んだところで天蓋が破れた。
巨大な六欲天ごと、俺は外の世界へと飛び出した。
「サンダーファイヤーパワーボムッ!!」
六欲天を抱え上げながら、伯爵の居城目掛けて叩き落としていく……!
『連闇のグランド風夜パワーボム』
非常に情報量の多い名前が表示されて、ウーボイドが落下した。
この光景は、領都中に見えているだろう。
『そんなあああああっ!? 俺様がこんなところで、死ぬなんてウグワーッ!!!』
絶叫とともに、巨大なイモリである六欲天は粉々になった。
一瞬遅れて、伯爵の居城跡が大爆発を起こした。
空に向けて吹き上がる、大量の土と石塊。
「やっべ! あいつら死んだか!?」
俺はウーボイドの爆発に乗りながら、ちょっと焦って地上を眺めた。
すると、爆発後から声がする。
「円月斬!!」
爆風の一部が、きれいに切断されて飛び散った。
そこから、イクサと女子たちが現れる。
後には、見知らぬ女の子たちが大勢続いているので、どうやらさらわれた人々の救出にも成功したようだ。
うーむ、イクサ、頼りになる男だ……。
一方、領都は大パニックだ。
被害は伯爵邸だけだが、凄まじいい音と土煙が上がっているからな。
「よーし、この騒ぎに乗じてずらかるぞ!! 絶対にこの後、めんくさいことになる!! 人さらいは壊滅させた! 目標達成ということで……撤収!!」
「分かった! ついてこいお前たち! 足手まといになるなよ!」
イクサは相手が女性でも手加減というものをしない奴らしく、全力で走っていく。
「ちょっと待って! お姉さんを置いていかないでー!?」
「大人気ないですっ!! わたし、イクサは嫌いです!!」
「うひー! 置いてやばそう? やばそう? ……って、あ、なんか爆風が……ひゃーっ」
ルリアは、たまたま吹いてきた爆風に乗ってイクサに追いついたようだな。
で、残るはラムハ。
トコトコとマイペースで走る彼女の手を、俺は着地と同時にキャッチした。
「背負ってよろしい?」
「どうぞどうぞ」
許可をもらって、俺はラムハを背負い、猛然と疾走する。
さらば、ジョイップ伯爵領。
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魔王討伐直後にクリードは勇者ライオスからパーティーから出て行けといわれるのだった。クリードはパーティー内ではつねにFランクと呼ばれ戦闘にも参加させてもらえず場美雑言は当たり前でクリードはもう勇者パーティーから出て行きたいと常々考えていたので、いい機会だと思って出て行く事にした。だがラストダンジョンから脱出に必要なリアーの羽はライオス達は分けてくれなかったので、仕方なく一階層づつ上っていく事を決めたのだった。だがなぜか後ろから勇者パーティー内で唯一のヒロインであるミリーが追いかけてきて一緒に脱出しようと言ってくれたのだった。切羽詰まっていると感じたクリードはミリーと一緒に脱出を図ろうとするが、後ろから追いかけてきたメンバーに石にされてしまったのだった。
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クラス転移して授かった外れスキルの『無能』が理由で召喚国から奈落ダンジョンへ追放されたが、実は無能は最強のチートスキルでした
コレゼン
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小日向 悠(コヒナタ ユウ)は、クラスメイトと一緒に異世界召喚に巻き込まれる。
クラスメイトの幾人かは勇者に剣聖、賢者に聖女というレアスキルを授かるが一方、ユウが授かったのはなんと外れスキルの無能だった。
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理不尽に奈落へと追放したクラスメイトと召喚者たちに対して、ユウは復讐を誓う。
ユウは奈落で無能というスキルが実は『すべてを無にする』、最強のチートスキルだということを知り、奈落の規格外の魔物たちを無能によって倒し、規格外の強さを身につけていく。
これは、理不尽に追放された青年が最強のチートスキルを手に入れて、復讐を果たし、世界と己を救う物語である。
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修学旅行に行くはずが異世界に着いた。〜三種のお買い物スキルで仲間と共に〜
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修学旅行へ行く為に荷物を持って、バスの来る学校のグラウンドへ向かう途中、三人の高校生はコンビニに寄った。
コンビニから出た先は、見知らぬ場所、森の中だった。
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実は時間差クラス転移で、他のクラスメイトも勇者召喚により、異世界に転移していた。
主人公 高校2年 高遠 奏 呼び名 カナデっち。奏。
クラスメイトのギャル 水木 紗耶香 呼び名 サヤ。 紗耶香ちゃん。水木さん。
主人公の幼馴染 片桐 浩太 呼び名 コウタ コータ君
(なろうでも別名義で公開)
タイトル微妙に変更しました。
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