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これからの私の将来編
第515話 卒業旅行へ出発! 伝説
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卒業旅行資金は、コツコツと貯められていて、そして卒業式後に全開放されるのだ!
卒業式翌日。
なんだかんだでまた学校に来てしまった。
ここに、卒業旅行用のバスが来るからだ。
箱根なら電車の方がいいのでは? と思ったが、特殊な訓練を受けているバスらしくて電車くらいの速度で到着するらしい。
本当です~?
と思ったら、普通に車のあちこちに魔法陣みたいなのが描かれてたので私、納得。
「これはダンジョン科学の応用ですねえ。つまり走るダンジョン」
「ひえええ」「ひょわああああ」
悲鳴を上げる他のクラスメイト達。
だが、私を見てすぐに安心したみたいだった。
「大丈夫か!」「うちのクラスには地球の守護神がいるもんね!」
何を言っているのですか……!
引退した私ですよ。
でも、乗り込んだら運転手さんが帽子を取って挨拶してきたのだ。
「きら星はづきさんですね。迷宮省のツラヌキです。それから」
バスガイドさんも一緒にいるのだが、その人、見覚えがあるんですけど!
「どうもはづきさん! タマコです!」
「あーっ、イギリス遠征ではお世話になりました!」
ペコペコする私。
つまりこの車、迷宮省所有の一台ってこと?
私達は何か、壮大な実験に突き合わされるのではないか。
「これはきちんと技術が確立したバスだから大丈夫ですよ。ダンジョンを使った転移実験は、はづきさんがひたすら上に登っていくダンジョンを発見した頃に始まりました。そこから他の世界を経由し、ショートカットする実験が何度も行われていたんです。この車体は言うなれば、皆さんへの迷宮省からのプレゼントです。あ、差し上げるわけではなく」
なーるほどー。
ダンジョンって入ると、建物の容積よりずっと広くなる。
これは別の世界に踏み入っているからだ、と迷宮省は考えたのだ。
で、私のどんどん登るダンジョン配信は、遠くに別の異世界の光景が見えた。
ここから、ダンジョン=異世界であると迷宮省は確信。
それを利用した技術開発を行っていたというわけだ。
「残念なことに、魔王との戦いには間に合いませんでしたけど……。それでも、修学旅行の道のりをショートカットして、いきなり風光明媚なところまで飛ぶことはできますから」
そう言う申し出だった!
都内の見慣れた光景をふっ飛ばして、神奈川の海沿いの道路まで飛べることに、クラスのみんながうおーっと盛り上がる。
ちなみにバスは三台ありまして、全部迷宮省のやつです。
一学年全員が、ダンジョン科学の粋を凝らしたワープするバスで出発だぞ!
……ですが、乗っている間は普通のバスですねえ。
おっ!
外の風景がファンタジー世界になった!
『皆様、左右の窓から外をご覧下さい。異世界ファールディアの上空を走っております。魔王が滅ぼした世界ですが、人々が文明を失っただけで、自然はこうやって息づいているのです』
タマコさんのバスガイドだ!
「うわーっ」「なんだなんだー!」「これがいつもはづきっちが見てた世界……!」
「いや、見てないが?」
私、突っ込む。
一瞬だけ見たことはあるかも。
だけどこんなにガッツリは見ない。
みんな窓際に張り付いてわあきゃあ叫んでいらっしゃる。
私の隣の席は委員長なんだけど、彼女だけなんか緊張した様子で固まっている。
「委員長どうしたの?」
「ず、ずっとはづきっちの隣なので……」
「緊張めさるな……」
こちょこちょくすぐったら、あひゃひゃひゃひゃ、と笑い出したので緊張はほぐれたでしょう。
彼女が笑いすぎて、ぜいぜい言いながらピクピク震えているころ……。
『皆様、これよりファールディアを抜けます。ゲートをくぐり、茅ヶ崎市へ到着です。転移の瞬間に目眩がしますから、気をつけて下さい』
ファンタジー世界を抜けた。
バスは見慣れた地球の風景に……と思ったら!
パッと町並みを抜けた瞬間、左に見えるのは一面の海!
「うわおー!!」「うーみー!!」「晴れてる!」「春の海きれー!!」
大いに盛り上がるバスの中。
誰も目眩とかは感じてないみたい。
『それじゃあ皆さん、海を見ながら歌っていきましょう!』
「えっ!? なんと迷宮省所有のバスの中にカラオケ機能が!?」
『もちろんです! だって、歌には魔除けの力もありますからね』
私の思わず発した疑問に、タマコさんが一瞬で回答してくれたのだった。
なるほど、ものは言いよう……!!
これならカラオケを取り付けても、文句は言われないもんね……。
ことの大本は私であろう……。
「では!」
「歌いまーす!!」
イノシカチョウが立ち上がる!!
うわーっと盛り上がる車内!
プロの配信者が歌ってみたをリアルタイムでやってくれるみたいなもんだぞ。
これは貴重だー。
「あなたは歌わない?」
委員長に聞かれて、私はうーんと唸った。
「私は実はそんなに歌うのが好きではない……」
「ええーっ!?」
委員長と、後ろの席で耳をそばだててたっぽい二人が立ち上がり、驚きの声を発するのだった。
な、なぜ驚かれるんだー!!
だが、結局私にもマイクが回ってくるわけで。
委員長と二人でユニゾンしながら、何故か入ってた自分の持ち歌を歌うことになったのだった。
なお、修学旅行バスの目撃情報だと、私が歌ってる時はピカピカ輝きながら疾走してたそうな。
夜じゃなくて良かった!!
卒業式翌日。
なんだかんだでまた学校に来てしまった。
ここに、卒業旅行用のバスが来るからだ。
箱根なら電車の方がいいのでは? と思ったが、特殊な訓練を受けているバスらしくて電車くらいの速度で到着するらしい。
本当です~?
と思ったら、普通に車のあちこちに魔法陣みたいなのが描かれてたので私、納得。
「これはダンジョン科学の応用ですねえ。つまり走るダンジョン」
「ひえええ」「ひょわああああ」
悲鳴を上げる他のクラスメイト達。
だが、私を見てすぐに安心したみたいだった。
「大丈夫か!」「うちのクラスには地球の守護神がいるもんね!」
何を言っているのですか……!
引退した私ですよ。
でも、乗り込んだら運転手さんが帽子を取って挨拶してきたのだ。
「きら星はづきさんですね。迷宮省のツラヌキです。それから」
バスガイドさんも一緒にいるのだが、その人、見覚えがあるんですけど!
「どうもはづきさん! タマコです!」
「あーっ、イギリス遠征ではお世話になりました!」
ペコペコする私。
つまりこの車、迷宮省所有の一台ってこと?
私達は何か、壮大な実験に突き合わされるのではないか。
「これはきちんと技術が確立したバスだから大丈夫ですよ。ダンジョンを使った転移実験は、はづきさんがひたすら上に登っていくダンジョンを発見した頃に始まりました。そこから他の世界を経由し、ショートカットする実験が何度も行われていたんです。この車体は言うなれば、皆さんへの迷宮省からのプレゼントです。あ、差し上げるわけではなく」
なーるほどー。
ダンジョンって入ると、建物の容積よりずっと広くなる。
これは別の世界に踏み入っているからだ、と迷宮省は考えたのだ。
で、私のどんどん登るダンジョン配信は、遠くに別の異世界の光景が見えた。
ここから、ダンジョン=異世界であると迷宮省は確信。
それを利用した技術開発を行っていたというわけだ。
「残念なことに、魔王との戦いには間に合いませんでしたけど……。それでも、修学旅行の道のりをショートカットして、いきなり風光明媚なところまで飛ぶことはできますから」
そう言う申し出だった!
都内の見慣れた光景をふっ飛ばして、神奈川の海沿いの道路まで飛べることに、クラスのみんながうおーっと盛り上がる。
ちなみにバスは三台ありまして、全部迷宮省のやつです。
一学年全員が、ダンジョン科学の粋を凝らしたワープするバスで出発だぞ!
……ですが、乗っている間は普通のバスですねえ。
おっ!
外の風景がファンタジー世界になった!
『皆様、左右の窓から外をご覧下さい。異世界ファールディアの上空を走っております。魔王が滅ぼした世界ですが、人々が文明を失っただけで、自然はこうやって息づいているのです』
タマコさんのバスガイドだ!
「うわーっ」「なんだなんだー!」「これがいつもはづきっちが見てた世界……!」
「いや、見てないが?」
私、突っ込む。
一瞬だけ見たことはあるかも。
だけどこんなにガッツリは見ない。
みんな窓際に張り付いてわあきゃあ叫んでいらっしゃる。
私の隣の席は委員長なんだけど、彼女だけなんか緊張した様子で固まっている。
「委員長どうしたの?」
「ず、ずっとはづきっちの隣なので……」
「緊張めさるな……」
こちょこちょくすぐったら、あひゃひゃひゃひゃ、と笑い出したので緊張はほぐれたでしょう。
彼女が笑いすぎて、ぜいぜい言いながらピクピク震えているころ……。
『皆様、これよりファールディアを抜けます。ゲートをくぐり、茅ヶ崎市へ到着です。転移の瞬間に目眩がしますから、気をつけて下さい』
ファンタジー世界を抜けた。
バスは見慣れた地球の風景に……と思ったら!
パッと町並みを抜けた瞬間、左に見えるのは一面の海!
「うわおー!!」「うーみー!!」「晴れてる!」「春の海きれー!!」
大いに盛り上がるバスの中。
誰も目眩とかは感じてないみたい。
『それじゃあ皆さん、海を見ながら歌っていきましょう!』
「えっ!? なんと迷宮省所有のバスの中にカラオケ機能が!?」
『もちろんです! だって、歌には魔除けの力もありますからね』
私の思わず発した疑問に、タマコさんが一瞬で回答してくれたのだった。
なるほど、ものは言いよう……!!
これならカラオケを取り付けても、文句は言われないもんね……。
ことの大本は私であろう……。
「では!」
「歌いまーす!!」
イノシカチョウが立ち上がる!!
うわーっと盛り上がる車内!
プロの配信者が歌ってみたをリアルタイムでやってくれるみたいなもんだぞ。
これは貴重だー。
「あなたは歌わない?」
委員長に聞かれて、私はうーんと唸った。
「私は実はそんなに歌うのが好きではない……」
「ええーっ!?」
委員長と、後ろの席で耳をそばだててたっぽい二人が立ち上がり、驚きの声を発するのだった。
な、なぜ驚かれるんだー!!
だが、結局私にもマイクが回ってくるわけで。
委員長と二人でユニゾンしながら、何故か入ってた自分の持ち歌を歌うことになったのだった。
なお、修学旅行バスの目撃情報だと、私が歌ってる時はピカピカ輝きながら疾走してたそうな。
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