ゴボウでモンスターを倒したら、トップ配信者になりました。

あけちともあき

文字の大きさ
上 下
474 / 517
私の最終決戦?編

第475話 日本は超暑い伝説

しおりを挟む
 帰ってきました日本に!
 飛行機から外に出たら超暑い。

「ぐわあああ」

「はひー」

 私が呻き、もみじちゃんがあえいだ。
 で、カナンさんは涼しい顔をしてタラップを降りていく。
 なんで無事なんです?

「私は水の精霊を含ませた風の精霊を循環させているんだ。さらに外気との壁を作って暑さを遮断しているし、頭上には空気のレンズを作って日差しを左右に発散させている」

「精霊魔法ずるい~」

「ははははは」

 カナンさんが愉快そうに笑いながら先に行ってしまった。
 後から来たのは、バングラッド氏とホセ&パンチョ。

『まあいいではないか! この鎧をも錆びさせる湿気と熱こそ日本よ! がはははは! 不快不快! そして今夜からまたゲーム三昧だと思うと腕が鳴るわい。待っておれ、我がライバルたちよ!!』

「おおーっ、バングラッド氏が燃えてる!!」

『あんなお手軽に強敵たちと相まみえ、激闘を連続できる場は無いぞ。オンラインゲームは最高だ……。我が求めた最高の環境だ……』

 そうだったかあ。
 なお、同じ社内のドラゴン、ウェスパース氏とはライバル関係にあり、オフラインでも二人で集まってバチバチに対戦してるらしい。
 もう読み合いを超えて、人読みというか魔将読みというかドラゴン読みというか、相手ならこう動く、をやりあう達人のバトルみたいになってるとか。
 そしてそこに追いついてきて凌駕してくるネットの猛者ゲーマーたち!

 そりゃあ、ウォーモンガー(バトル大好きっ子)のバングラッド氏も満足しますわ。

 ホセ&パンチョはごきげんで、二人でなんか歌ったりしている。
 常に陽気ねあなたたち!

 配信なくてもそんな感じなのか。

「自然体だからこそ配信は続けられるからねセニョリータ」

「俺たちは何も無理をしちゃいない。本気で楽しんでるからリスナーも楽しんでくれるのさ」

「至言~!」

 世界トップランク配信者の言葉は違うわあ。
 感心していたら、タラップからマネージャーのルンテさん上がってきて、

「この後会見とかあるんだから早くして~!」とせっつかれてしまった。

 いけないいけない。
 炎天下で話し込んでしまっていた。

 空港に入ると、大変涼しい。
 生き返る~。

 ウェルカムドリンクをもらい、もみじちゃんとホセ&パンチョではははと笑いながら飲んだ。
 ラテン系二人、会ったばかりだし、陽を超えた太陽キャなのに妙なシンパシーを感じる……。

「配信のスタンスが先輩と一緒だからじゃないですか? エンタメを当たり前のものとして自然体に発揮するみたいな」

「なるほどー」

 もみじちゃんの分析~。

 イカルガのみんながお迎えに来ており、ゲートをくぐったら『歓迎! きら星はづき 鹿野もみじ カナン バングラッド』と書いてあった。
 うおー、気遣いがありがたい!

 そしてカメラのフラッシュが!
 報道陣がいる!!

「そりゃあ、一国を救ったんだから当然でしょう」

 ルンテさんがふふふと笑う。

「うちのママが妙につやつやしてるし、中国は楽しかったんでしょ?」

「なかなか……。風光明媚でお料理も美味しかった」

「それは何より。そういう話を記者会見でやってください」

「はあい」

 私はそのまま会見場に行き、中国はどうだったみたいな話をしたのだった。
 ずっと横でホセ&パンチョがBGMをやってたので、記者の皆さんはずーっと頭上に疑問符が浮かんでたように思う。

 ネットに詳しい記者さんは、すぐに彼らが誰なのか理解し、鼻息も荒く「大スクープだ!!」とか言ってたけど。

「最後に質問なのだ!」

「あっ、先頭にいる緑色の子供!! うぉっちチャンネルさん! どうぞどうぞ」

「ありがとうなのだ! きら星はづきさんは、魔王と二度目の対決をしたけど、ぶっちゃけどうなのだ? 勝てそうなのだ?」

 このストレートな質問に、会場がピリッとした。
 誰もが聞きたかったけど聞けなかったような。

 ホセ&パンチョも空気を読んで、重々しいメロディを……。
 BGMやめないのね。

「えっと、あの……いけるんじゃないですかね? 多分?」

「ありがとうございますなのだ! これで質問終わりですのだ!」

 このやり取りに、周りの記者さんたちが「えっ、終わり!?」「もっと突っ込まないの!?」「詳しい方法とか可能性とか」とかざわついてる。

「あのグリーンボーイよく分かってるぜ」

「ああ。セニョリータの前じゃ方法論や確率なんて無意味だってことだよな」

「その時の気分でどうとでもなる」

「俺達がそうだからよく分かる」

 そうだよねー。
 なんか強力な応援団がついたような気がする……。

 こうして会見は終わり。
 私達は日常に戻ることに……。

 あっ、ホセが全ての銃火器を取り上げられました!
 銃刀法違反だからねえ……。

 本人はなくなく、ソンブレロやギターやケースにモデルガンを仕込むことになってしまった。

「まともな武器を使えないのに、ダンジョン戦争の最前線で戦い続けてるハポンは本当に凄いな……」

「何を言っているんだ兄弟。俺なんか武器はサッカーだぞ」

「そう言えばそうか……。俺もハッタリとそれらしさで新たな道を模索するかな……」

「本物の武器じゃなくても、それっぽさをリスナーが感じてくれれば武器以上の威力を発揮するのが配信者ですからねえ……」

「「ゴボウマスターの言葉は説得力が凄い」」 
しおりを挟む
感想 189

あなたにおすすめの小説

社畜の俺の部屋にダンジョンの入り口が現れた!? ダンジョン配信で稼ぐのでブラック企業は辞めさせていただきます

さかいおさむ
ファンタジー
ダンジョンが出現し【冒険者】という職業が出来た日本。 冒険者は探索だけではなく、【配信者】としてダンジョンでの冒険を配信するようになる。 底辺サラリーマンのアキラもダンジョン配信者の大ファンだ。 そんなある日、彼の部屋にダンジョンの入り口が現れた。  部屋にダンジョンの入り口が出来るという奇跡のおかげで、アキラも配信者になる。 ダンジョン配信オタクの美人がプロデューサーになり、アキラのダンジョン配信は人気が出てくる。 『アキラちゃんねる』は配信収益で一攫千金を狙う!

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

借金背負ったので死ぬ気でダンジョン行ったら人生変わった件 やけくそで潜った最凶の迷宮で瀕死の国民的美少女を救ってみた

羽黒 楓
ファンタジー
旧題:借金背負ったので兄妹で死のうと生還不可能の最難関ダンジョンに二人で潜ったら瀕死の人気美少女配信者を助けちゃったので連れて帰るしかない件 借金一億二千万円! もう駄目だ! 二人で心中しようと配信しながらSSS級ダンジョンに潜った俺たち兄妹。そしたらその下層階で国民的人気配信者の女の子が遭難していた! 助けてあげたらどんどんとスパチャが入ってくるじゃん! ってかもはや社会現象じゃん! 俺のスキルは【マネーインジェクション】! 預金残高を消費してパワーにし、それを自分や他人に注射してパワーアップさせる能力。ほらお前ら、この子を助けたければどんどんスパチャしまくれ! その金でパワーを女の子たちに注入注入! これだけ金あれば借金返せそう、もうこうなりゃ絶対に生還するぞ! 最難関ダンジョンだけど、絶対に生きて脱出するぞ! どんな手を使ってでも!

底辺動画主、配信を切り忘れてスライムを育成していたらバズった

椎名 富比路
ファンタジー
ダンジョンが世界じゅうに存在する世界。ダンジョン配信業が世間でさかんに行われている。 底辺冒険者であり配信者のツヨシは、あるとき弱っていたスライムを持ち帰る。 ワラビと名付けられたスライムは、元気に成長した。 だがツヨシは、うっかり配信を切り忘れて眠りについてしまう。 翌朝目覚めると、めっちゃバズっていた。

異世界帰りの俺、現代日本にダンジョンが出現したので異世界経験を売ったり配信してみます

内田ヨシキ
ファンタジー
「あの魔物の倒し方なら、30万円で売るよ!」  ――これは、現代日本にダンジョンが出現して間もない頃の物語。  カクヨムにて先行連載中です! (https://kakuyomu.jp/works/16818023211703153243)  異世界で名を馳せた英雄「一条 拓斗(いちじょう たくと)」は、現代日本に帰還したはいいが、異世界で鍛えた魔力も身体能力も失われていた。  残ったのは魔物退治の経験や、魔法に関する知識、異世界言語能力など現代日本で役に立たないものばかり。  一般人として生活するようになった拓斗だったが、持てる能力を一切活かせない日々は苦痛だった。  そんな折、現代日本に迷宮と魔物が出現。それらは拓斗が異世界で散々見てきたものだった。  そして3年後、ついに迷宮で活動する国家資格を手にした拓斗は、安定も平穏も捨てて、自分のすべてを活かせるはずの迷宮へ赴く。  異世界人「フィリア」との出会いをきっかけに、拓斗は自分の異世界経験が、他の初心者同然の冒険者にとって非常に有益なものであると気づく。  やがて拓斗はフィリアと共に、魔物の倒し方や、迷宮探索のコツ、魔法の使い方などを、時に直接売り、時に動画配信してお金に変えていく。  さらには迷宮探索に有用なアイテムや、冒険者の能力を可視化する「ステータスカード」を発明する。  そんな彼らの活動は、ダンジョン黎明期の日本において重要なものとなっていき、公的機関に発展していく――。

【書籍化】パーティー追放から始まる収納無双!~姪っ子パーティといく最強ハーレム成り上がり~

くーねるでぶる(戒め)
ファンタジー
【24年11月5日発売】 その攻撃、収納する――――ッ!  【収納】のギフトを賜り、冒険者として活躍していたアベルは、ある日、一方的にパーティから追放されてしまう。  理由は、マジックバッグを手に入れたから。  マジックバッグの性能は、全てにおいてアベルの【収納】のギフトを上回っていたのだ。  これは、3度にも及ぶパーティ追放で、すっかり自信を見失った男の再生譚である。

俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない

亮亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。 不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。 そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。 帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。 そして邂逅する謎の組織。 萌の物語が始まる。

処理中です...