447 / 517
初夏な私の下準備編
第448話 混乱の世の中といつも通りのイカルガ伝説
しおりを挟む
各地で新型の魔将が出現しているみたいなのだ。
これは日本だけではなく世界各国なんだけど、魔王が求人を出してるという噂がありまして。
しかも、世界各国の物価に対応して、フルタイムで月20日働ければ悪くない手取りになるように計算された時給が支払われる。
一体何が起こっているんだー!
「配信者はお金出してホイホイやらせるわけにいかないですもんねー」
最近は私の専属マネージャーみたいになってるルンテさんが、お肉を焼きながら言うのだった。
お母さんたるカナンさん、自由に日本中を飛び回っては旅先で配信したりダンジョン攻略しており、ルンテさんは最近忙しくて、ずっとついてまわることができない状態に!
結果的に私の担当になって、こうやって時々打ち合わせでご飯に行くのだ。
「そうだよねえ……。配信者はその人の自主性に任せる……! あと、魔王が雇った魔将ってあれバイト魔将? 使い捨てじゃなく?」
「はづきさんがやっつけた魔将は人間に戻らなかったんでしょう? じゃあ使い捨てだと思います」
「はへー、悪辣ー」
「あっお肉焼けましたどうぞどうぞ」
「あっあっどうもどうも」
本日はお高めの個室焼き肉に来ております!
配信で稼いだお金は世の中に還元しないとね。
外はしとしとと雨が降る中、いつでも焼き肉は美味しい。
私はタレ、白飯に焼き肉をステップさせたあと、パクっと食べて、ご飯をもりもり食べた。
至福~。
この幸せな世界を絶対に守らねばならない。
強く心に誓うのだった。
「はづきさん、これでカルビ終わりでーす。次何いきます?」
「豚とマルチョウ!」
「はーい」
ルンテさんはバリバリ働いてくれるなあ!
お若いからよく食べるので、私の食道楽に付き合ってくれるのだ。
まあ八割くらい私が食べちゃうんだけど。
「勇者パーティは次の講師を招いて配信してますね」
「うんうん、いろいろなタイプを招いて配信者としてぐんぐん成長するコンテンツですから! これで世界の人達に愛着を持ってもらいつつ、魔王にぶつけようというですね」
「世界が用意した対魔王決戦兵器ですねえ。こちらの世界だからこそできたアクションだと思います。ファールディアでは無理でしたねえ。みんなバラバラで」
人間族は、自分たちとは異なる亜人と呼ばれる種族を見下していたし、他の種族の人たちも人間を敵視したりしていたと。
だから協力体制になることなく各個撃破されたし、人間は傲慢さに付け込まれて内側から滅ぼされた。
もうファールディアには、純粋な人間は一人もいない。
全部滅びたか、魔王の尖兵に変わり果てているらしい。
大変だあ。
「おまたせしました、上豚バラとマルチョウ、シマチョウでございます」
「待ってましたー! あ、コーラお代わりお願いします……。あとご飯も大盛りで……」
「私はウーロン茶お代わりでー」
「かしこまりました」
届いたお肉とホルモンをバリバリ焼き始める。
ホルモンは濃いめのタレをつけて食べるのだ。
あー、焼き肉はいつどうやって食べても美味しいのだ。
お高いお店の焼き肉はこのように大変美味しいし、お安いお店の焼き肉もまた気軽に美味しさを楽しめて素晴らしいのだ。
「これこそ、この世界……地球は日本の強さですよね」
「おっ、いきなりどうしましたかルンテさん」
お代わりのご飯が来たので、これに脂したたるマルチョウとシマチョウをしっかり焼いてタレをたっぷり付けてオンザライス!
もりもりもりーっと食べる。
ホルモンは噛み切るタイミングが難しいと言うけど、味が消えた頃合いで飲み込むのがよろしい。
美味しい美味しい美味しい。
「ご飯が美味しいのは強いですよ」
「確かにー!」
おっと、箸でルンテさんを指し示しそうになってしまった!
お行儀が悪い。
「それに娯楽がたくさんあるし、人と人の好みは違っていても、同じものが好きな人たちで国を超えて繋がりあえるでしょう? これこそ、魔王が想定していなかったこの世界の強さなのだと思います」
「なるほどー。あっ、ルンテさん、豚が焼けました……」
「ああ、これはどうもどうも、イカルガトップ配信者の方にお肉を分けてもらうとは」
ルンテさんはご飯控えめで、お肉と野菜焼きで食べていくスタイル。
「パンがあれば乗せて食べるんですが、それだとお肉があまり食べられないんですよ」
「確かに~!」
「文化圏の違いというやつですねえ。でも葉っぱで巻いてお肉食べるの好きですよ。これもまたこの世界の強さですよね。様々な可能性を飲み込んでくれる。だから、たくさんの要素を合わせて魔王と戦えるんですよ」
「技術力と現代魔法の申し子ユーシャちゃん、プレイングと呪術とか個人スキルの結晶タリサちゃん、ケンタウロスのゼルガーさんとのコンビで種族を超えた関係の可能性モリトンさん、敵の力を取り込んで使うシェリーに、古代の魔法の力を蘇らせるスパイスちゃん。わけの分からないカイワレ。なるほどねえ」
「それを聞くと想像以上に勇者パーティはカオスですよね。このカオス、混沌こそが世界の強さそのものだと思います」
「確かに~! あ、お代わり注文するね」
お肉は食べ終わった!
ご飯もなくなった!
「はづきさんは、インターネットの申し子みたいなところが強さの源泉だと思いますねえ」
「えっ、私がインターネッツ!?」
私だけなんか良く分からないところから生えてきたみたいじゃないですかー!
「世界のどこにでも行って、誰とでもつながって、世界中の応援を受ける希望の象徴!」
「あひー! あまり褒めないでください……!!」
「お待たせしましたー。ご注文をどうぞ」
「あっ、ではでは、ご飯大盛りとコーラと」
「私はウーロン茶とサンチュ追加。野菜焼きも」
「じゃあじゃあ、牛タンと豚タンと上ハラミとソーセージ……」
これは日本だけではなく世界各国なんだけど、魔王が求人を出してるという噂がありまして。
しかも、世界各国の物価に対応して、フルタイムで月20日働ければ悪くない手取りになるように計算された時給が支払われる。
一体何が起こっているんだー!
「配信者はお金出してホイホイやらせるわけにいかないですもんねー」
最近は私の専属マネージャーみたいになってるルンテさんが、お肉を焼きながら言うのだった。
お母さんたるカナンさん、自由に日本中を飛び回っては旅先で配信したりダンジョン攻略しており、ルンテさんは最近忙しくて、ずっとついてまわることができない状態に!
結果的に私の担当になって、こうやって時々打ち合わせでご飯に行くのだ。
「そうだよねえ……。配信者はその人の自主性に任せる……! あと、魔王が雇った魔将ってあれバイト魔将? 使い捨てじゃなく?」
「はづきさんがやっつけた魔将は人間に戻らなかったんでしょう? じゃあ使い捨てだと思います」
「はへー、悪辣ー」
「あっお肉焼けましたどうぞどうぞ」
「あっあっどうもどうも」
本日はお高めの個室焼き肉に来ております!
配信で稼いだお金は世の中に還元しないとね。
外はしとしとと雨が降る中、いつでも焼き肉は美味しい。
私はタレ、白飯に焼き肉をステップさせたあと、パクっと食べて、ご飯をもりもり食べた。
至福~。
この幸せな世界を絶対に守らねばならない。
強く心に誓うのだった。
「はづきさん、これでカルビ終わりでーす。次何いきます?」
「豚とマルチョウ!」
「はーい」
ルンテさんはバリバリ働いてくれるなあ!
お若いからよく食べるので、私の食道楽に付き合ってくれるのだ。
まあ八割くらい私が食べちゃうんだけど。
「勇者パーティは次の講師を招いて配信してますね」
「うんうん、いろいろなタイプを招いて配信者としてぐんぐん成長するコンテンツですから! これで世界の人達に愛着を持ってもらいつつ、魔王にぶつけようというですね」
「世界が用意した対魔王決戦兵器ですねえ。こちらの世界だからこそできたアクションだと思います。ファールディアでは無理でしたねえ。みんなバラバラで」
人間族は、自分たちとは異なる亜人と呼ばれる種族を見下していたし、他の種族の人たちも人間を敵視したりしていたと。
だから協力体制になることなく各個撃破されたし、人間は傲慢さに付け込まれて内側から滅ぼされた。
もうファールディアには、純粋な人間は一人もいない。
全部滅びたか、魔王の尖兵に変わり果てているらしい。
大変だあ。
「おまたせしました、上豚バラとマルチョウ、シマチョウでございます」
「待ってましたー! あ、コーラお代わりお願いします……。あとご飯も大盛りで……」
「私はウーロン茶お代わりでー」
「かしこまりました」
届いたお肉とホルモンをバリバリ焼き始める。
ホルモンは濃いめのタレをつけて食べるのだ。
あー、焼き肉はいつどうやって食べても美味しいのだ。
お高いお店の焼き肉はこのように大変美味しいし、お安いお店の焼き肉もまた気軽に美味しさを楽しめて素晴らしいのだ。
「これこそ、この世界……地球は日本の強さですよね」
「おっ、いきなりどうしましたかルンテさん」
お代わりのご飯が来たので、これに脂したたるマルチョウとシマチョウをしっかり焼いてタレをたっぷり付けてオンザライス!
もりもりもりーっと食べる。
ホルモンは噛み切るタイミングが難しいと言うけど、味が消えた頃合いで飲み込むのがよろしい。
美味しい美味しい美味しい。
「ご飯が美味しいのは強いですよ」
「確かにー!」
おっと、箸でルンテさんを指し示しそうになってしまった!
お行儀が悪い。
「それに娯楽がたくさんあるし、人と人の好みは違っていても、同じものが好きな人たちで国を超えて繋がりあえるでしょう? これこそ、魔王が想定していなかったこの世界の強さなのだと思います」
「なるほどー。あっ、ルンテさん、豚が焼けました……」
「ああ、これはどうもどうも、イカルガトップ配信者の方にお肉を分けてもらうとは」
ルンテさんはご飯控えめで、お肉と野菜焼きで食べていくスタイル。
「パンがあれば乗せて食べるんですが、それだとお肉があまり食べられないんですよ」
「確かに~!」
「文化圏の違いというやつですねえ。でも葉っぱで巻いてお肉食べるの好きですよ。これもまたこの世界の強さですよね。様々な可能性を飲み込んでくれる。だから、たくさんの要素を合わせて魔王と戦えるんですよ」
「技術力と現代魔法の申し子ユーシャちゃん、プレイングと呪術とか個人スキルの結晶タリサちゃん、ケンタウロスのゼルガーさんとのコンビで種族を超えた関係の可能性モリトンさん、敵の力を取り込んで使うシェリーに、古代の魔法の力を蘇らせるスパイスちゃん。わけの分からないカイワレ。なるほどねえ」
「それを聞くと想像以上に勇者パーティはカオスですよね。このカオス、混沌こそが世界の強さそのものだと思います」
「確かに~! あ、お代わり注文するね」
お肉は食べ終わった!
ご飯もなくなった!
「はづきさんは、インターネットの申し子みたいなところが強さの源泉だと思いますねえ」
「えっ、私がインターネッツ!?」
私だけなんか良く分からないところから生えてきたみたいじゃないですかー!
「世界のどこにでも行って、誰とでもつながって、世界中の応援を受ける希望の象徴!」
「あひー! あまり褒めないでください……!!」
「お待たせしましたー。ご注文をどうぞ」
「あっ、ではでは、ご飯大盛りとコーラと」
「私はウーロン茶とサンチュ追加。野菜焼きも」
「じゃあじゃあ、牛タンと豚タンと上ハラミとソーセージ……」
50
お気に入りに追加
246
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない
亮亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。
不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。
そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。
帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。
そして邂逅する謎の組織。
萌の物語が始まる。
欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します
ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!!
カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。

最遅で最強のレベルアップ~経験値1000分の1の大器晩成型探索者は勤続10年目10度目のレベルアップで覚醒しました!~
ある中管理職
ファンタジー
勤続10年目10度目のレベルアップ。
人よりも貰える経験値が極端に少なく、年に1回程度しかレベルアップしない32歳の主人公宮下要は10年掛かりようやくレベル10に到達した。
すると、ハズレスキル【大器晩成】が覚醒。
なんと1回のレベルアップのステータス上昇が通常の1000倍に。
チートスキル【ステータス上昇1000】を得た宮下はこれをきっかけに、今まで出会う事すら想像してこなかったモンスターを討伐。
探索者としての知名度や地位を一気に上げ、勤めていた店は討伐したレアモンスターの肉と素材の販売で大繁盛。
万年Fランクの【永遠の新米おじさん】と言われた宮下の成り上がり劇が今幕を開ける。

底辺動画主、配信を切り忘れてスライムを育成していたらバズった
椎名 富比路
ファンタジー
ダンジョンが世界じゅうに存在する世界。ダンジョン配信業が世間でさかんに行われている。
底辺冒険者であり配信者のツヨシは、あるとき弱っていたスライムを持ち帰る。
ワラビと名付けられたスライムは、元気に成長した。
だがツヨシは、うっかり配信を切り忘れて眠りについてしまう。
翌朝目覚めると、めっちゃバズっていた。
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる