443 / 517
伝説に続く人たち編……って伝説は私!?
第444話 傾聴、カンナちゃん配信伝説
しおりを挟む
『マロン様』
『あによ』
『バイト情報検索を一度止めて話をお聞きください』
『なんだってのよ』
『ゴボウアースが明確に我らに敵対して参りましたぞ。勇者パーティとやらはなかなか強力です。こちらも、欠けた魔将を補充するなりせねばならぬのではありませんか』
『ははーん』
マロングラーセは少し考えた。
そしてスマホに移る、バイト検索アプリを見てひらめく。
『あたしらも魔将の募集かけよっか! バイト情報出そう!』
そういうことになったのだった。
かくして、一日六時間労働、福利厚生完備、時給1700円での魔将バイト募集が開始されるのだった。
※
『なんか変なのがあるぞ師匠』
「どしたのスファトリーさん」
今日はスファトリーさんのお部屋に来ています。
暇だったカナンさんもお誘いしたらホイホイついてきた。
フットワークが軽い。
『アットホームな職場で、あなたの能力を発揮してみませんか、こちらであなたの適性を見極めて増幅し、一人前に育成します! ダンジョン運営、マロン企画だそうじゃ』
「ほんとだ! 変なのがある! ダンジョン運営……?」
謎なのだ。
でも、正規の手続きで掲載されている応募らしいから、なんか意味があるのかもね。
「二人とも。カンナのコーチングが今日も始まるぞ」
カナンさんが言ったので、私達は画面の前に集まった。
今回の配信はテレビ画面で拡大して見ております。
眼の前には、飲み物とお菓子。
本来なら私が指導に行くはずだけど、あまりにも私のやり方は独自なので参考になりづらいらしい!
なので、カンナちゃんが私のやり方を噛み砕き、理論化して伝えてくれる。
そうそう、彼女は物凄く強力な配信者になっている!
なうファンタジーでも上位じゃないかな。
聖剣カンナブレードは幾つか必殺技もあるしね。
『ダンジョン攻略をしながらやってまいりましょう。最近はダンジョンがまた増えて来ましたわね。でも、強力なダンジョンがわかりやすくなっているのは助かりますわ』
ダンジョン増えたよねー。
大魔将がいなくなってからグーッと減ったと思ったら、また私がデビューした当時くらいの数まで回復してきた。
初心者でもイケるへっぽこダンジョンも多いけど、やっぱり人が集まる場所に発生するダンジョンは強力だ。
今回はタリサ、ユーシャちゃん、モリトンとゼルガーコンビを連れてのダンジョンコーチング。
タリサの課題は、多芸多才で、多様な戦い方を駆使するからこそ、リスナーがこれぞタリサちゃん!みたいなイメージを持ちにくいということだった。
なので、登録者数の割には決定力がないと。
ユーシャちゃんの場合は新しい攻撃でも、大変ヒロイックで視覚的にわかりやすい。
だから威力が出やすいんだそうだ。
なるほどねえー。
カンナちゃんは的確だなあ。
『わらわなどその場その場で魔法を使っているが、それなりに威力は出るがな』
「スファトリーはマスコットの姿をしているから、それそのものが切り札みたいなものだろう? 私は最初のエルフ配信者というアドバンテージを使い、やはり自分自身をアイコン化して威力を高めている」
「みんなそれぞれだよねー。特化した方がキャラが立って、キャラが立つほど強くなるのは確かに~。おや? ではどうして私はこんな高さまでやってきているのだ……?」
『師匠はキャラが濃いからなのじゃ』
「はづきほど濃い人は少ないでしょ」
なんですって。
ええい、この話はやめ!
配信視聴に戻ります。
「えーっ、タリサがキャラが立ってないの!? だってタリサはこんなに強いし、かっこいいでしょ!」
「確かにタリサは強いし目立つけれど、それだけに対策が取られやすいんじゃないかな。決定力のなさはその通りだ。全ての攻撃が決定打になりうる、というのはFPS系の配信者の特徴だけど、象徴となる攻撃がないというのも特徴だ」
モリトンくんが厳しいことを言っている!
確かに、ゼルガーにまたがって放つ彼の一射は特徴的な一撃だもんねー。
ゼルガーの突撃もそうだし。
ユーシャちゃんなんか、アニメの勇者っぽいキャラの戦い方をするので、それそのものが必殺技のアイコンみたいになってる。
これは強い。
「つまり、タリサさんの特徴は、一般的なモンスターに対しては無敵の戦闘力を誇りますけど、弱点を突かねば攻略困難なボスモンスターに関しては決定打がないということになりますわ」
「ぐうー、た、タリサばかりダメ出しされてる気がする!」
「それだけ期待されているんだと思う!」
ユーシャちゃんが励ましてる!
いい子だなあ。
『登録者数も多いですー。必殺技を身につけたらぐんと伸びるですー』
なんかドローンのアフームたんにまで励まされている!!
タリサちゃんはやる気になったらしい。
今回のダンジョンでは、必殺技の開発をするんです?
どうやらそうらしい。
特徴的な技みんなで使っていって、リスナーのみんなに覚えてもらうんだと。
この勇者パーティ配信は、いろいろな配信者さんたちもみんな見ていて参考にしている。
今後のための知恵とか技術が詰まってるもんねえ。
大いに活用して欲しい。
個人配信者はとにかくたくさんいるんだけど、そのうちの大半は自己満足でやってて成長そのものが目的じゃないのだ。
で、こういう配信を見たりして勉強する一握りの人たちがぐんぐん伸びる。
更に、その中から運よく見出された人たちが跳ねる。
あるいは伸びたところを、企業に応募して企業系配信者に転生、ぐぐーんと伸びる人もいるのだ!
「私はかなり配信者に詳しくなった……」
「最近のはづきはどちらかというと外部の人間みたいなムーブをしているからね」
『師匠、引退後の身の振り方が決まったのじゃ?』
「いやいやいや、まだ十代のうちにそこまで決める気は……」
ちなみに本日の配信、タリサが編み出したのは、相手に飛びかかってからのゼロ距離連射みたいなのだった。
やればできるのだ!
磨き上げて欲しい……。
『あによ』
『バイト情報検索を一度止めて話をお聞きください』
『なんだってのよ』
『ゴボウアースが明確に我らに敵対して参りましたぞ。勇者パーティとやらはなかなか強力です。こちらも、欠けた魔将を補充するなりせねばならぬのではありませんか』
『ははーん』
マロングラーセは少し考えた。
そしてスマホに移る、バイト検索アプリを見てひらめく。
『あたしらも魔将の募集かけよっか! バイト情報出そう!』
そういうことになったのだった。
かくして、一日六時間労働、福利厚生完備、時給1700円での魔将バイト募集が開始されるのだった。
※
『なんか変なのがあるぞ師匠』
「どしたのスファトリーさん」
今日はスファトリーさんのお部屋に来ています。
暇だったカナンさんもお誘いしたらホイホイついてきた。
フットワークが軽い。
『アットホームな職場で、あなたの能力を発揮してみませんか、こちらであなたの適性を見極めて増幅し、一人前に育成します! ダンジョン運営、マロン企画だそうじゃ』
「ほんとだ! 変なのがある! ダンジョン運営……?」
謎なのだ。
でも、正規の手続きで掲載されている応募らしいから、なんか意味があるのかもね。
「二人とも。カンナのコーチングが今日も始まるぞ」
カナンさんが言ったので、私達は画面の前に集まった。
今回の配信はテレビ画面で拡大して見ております。
眼の前には、飲み物とお菓子。
本来なら私が指導に行くはずだけど、あまりにも私のやり方は独自なので参考になりづらいらしい!
なので、カンナちゃんが私のやり方を噛み砕き、理論化して伝えてくれる。
そうそう、彼女は物凄く強力な配信者になっている!
なうファンタジーでも上位じゃないかな。
聖剣カンナブレードは幾つか必殺技もあるしね。
『ダンジョン攻略をしながらやってまいりましょう。最近はダンジョンがまた増えて来ましたわね。でも、強力なダンジョンがわかりやすくなっているのは助かりますわ』
ダンジョン増えたよねー。
大魔将がいなくなってからグーッと減ったと思ったら、また私がデビューした当時くらいの数まで回復してきた。
初心者でもイケるへっぽこダンジョンも多いけど、やっぱり人が集まる場所に発生するダンジョンは強力だ。
今回はタリサ、ユーシャちゃん、モリトンとゼルガーコンビを連れてのダンジョンコーチング。
タリサの課題は、多芸多才で、多様な戦い方を駆使するからこそ、リスナーがこれぞタリサちゃん!みたいなイメージを持ちにくいということだった。
なので、登録者数の割には決定力がないと。
ユーシャちゃんの場合は新しい攻撃でも、大変ヒロイックで視覚的にわかりやすい。
だから威力が出やすいんだそうだ。
なるほどねえー。
カンナちゃんは的確だなあ。
『わらわなどその場その場で魔法を使っているが、それなりに威力は出るがな』
「スファトリーはマスコットの姿をしているから、それそのものが切り札みたいなものだろう? 私は最初のエルフ配信者というアドバンテージを使い、やはり自分自身をアイコン化して威力を高めている」
「みんなそれぞれだよねー。特化した方がキャラが立って、キャラが立つほど強くなるのは確かに~。おや? ではどうして私はこんな高さまでやってきているのだ……?」
『師匠はキャラが濃いからなのじゃ』
「はづきほど濃い人は少ないでしょ」
なんですって。
ええい、この話はやめ!
配信視聴に戻ります。
「えーっ、タリサがキャラが立ってないの!? だってタリサはこんなに強いし、かっこいいでしょ!」
「確かにタリサは強いし目立つけれど、それだけに対策が取られやすいんじゃないかな。決定力のなさはその通りだ。全ての攻撃が決定打になりうる、というのはFPS系の配信者の特徴だけど、象徴となる攻撃がないというのも特徴だ」
モリトンくんが厳しいことを言っている!
確かに、ゼルガーにまたがって放つ彼の一射は特徴的な一撃だもんねー。
ゼルガーの突撃もそうだし。
ユーシャちゃんなんか、アニメの勇者っぽいキャラの戦い方をするので、それそのものが必殺技のアイコンみたいになってる。
これは強い。
「つまり、タリサさんの特徴は、一般的なモンスターに対しては無敵の戦闘力を誇りますけど、弱点を突かねば攻略困難なボスモンスターに関しては決定打がないということになりますわ」
「ぐうー、た、タリサばかりダメ出しされてる気がする!」
「それだけ期待されているんだと思う!」
ユーシャちゃんが励ましてる!
いい子だなあ。
『登録者数も多いですー。必殺技を身につけたらぐんと伸びるですー』
なんかドローンのアフームたんにまで励まされている!!
タリサちゃんはやる気になったらしい。
今回のダンジョンでは、必殺技の開発をするんです?
どうやらそうらしい。
特徴的な技みんなで使っていって、リスナーのみんなに覚えてもらうんだと。
この勇者パーティ配信は、いろいろな配信者さんたちもみんな見ていて参考にしている。
今後のための知恵とか技術が詰まってるもんねえ。
大いに活用して欲しい。
個人配信者はとにかくたくさんいるんだけど、そのうちの大半は自己満足でやってて成長そのものが目的じゃないのだ。
で、こういう配信を見たりして勉強する一握りの人たちがぐんぐん伸びる。
更に、その中から運よく見出された人たちが跳ねる。
あるいは伸びたところを、企業に応募して企業系配信者に転生、ぐぐーんと伸びる人もいるのだ!
「私はかなり配信者に詳しくなった……」
「最近のはづきはどちらかというと外部の人間みたいなムーブをしているからね」
『師匠、引退後の身の振り方が決まったのじゃ?』
「いやいやいや、まだ十代のうちにそこまで決める気は……」
ちなみに本日の配信、タリサが編み出したのは、相手に飛びかかってからのゼロ距離連射みたいなのだった。
やればできるのだ!
磨き上げて欲しい……。
45
お気に入りに追加
248
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

社畜の俺の部屋にダンジョンの入り口が現れた!? ダンジョン配信で稼ぐのでブラック企業は辞めさせていただきます
さかいおさむ
ファンタジー
ダンジョンが出現し【冒険者】という職業が出来た日本。
冒険者は探索だけではなく、【配信者】としてダンジョンでの冒険を配信するようになる。
底辺サラリーマンのアキラもダンジョン配信者の大ファンだ。
そんなある日、彼の部屋にダンジョンの入り口が現れた。
部屋にダンジョンの入り口が出来るという奇跡のおかげで、アキラも配信者になる。
ダンジョン配信オタクの美人がプロデューサーになり、アキラのダンジョン配信は人気が出てくる。
『アキラちゃんねる』は配信収益で一攫千金を狙う!
借金背負ったので死ぬ気でダンジョン行ったら人生変わった件 やけくそで潜った最凶の迷宮で瀕死の国民的美少女を救ってみた
羽黒 楓
ファンタジー
旧題:借金背負ったので兄妹で死のうと生還不可能の最難関ダンジョンに二人で潜ったら瀕死の人気美少女配信者を助けちゃったので連れて帰るしかない件
借金一億二千万円! もう駄目だ! 二人で心中しようと配信しながらSSS級ダンジョンに潜った俺たち兄妹。そしたらその下層階で国民的人気配信者の女の子が遭難していた! 助けてあげたらどんどんとスパチャが入ってくるじゃん! ってかもはや社会現象じゃん! 俺のスキルは【マネーインジェクション】! 預金残高を消費してパワーにし、それを自分や他人に注射してパワーアップさせる能力。ほらお前ら、この子を助けたければどんどんスパチャしまくれ! その金でパワーを女の子たちに注入注入! これだけ金あれば借金返せそう、もうこうなりゃ絶対に生還するぞ! 最難関ダンジョンだけど、絶対に生きて脱出するぞ! どんな手を使ってでも!

底辺動画主、配信を切り忘れてスライムを育成していたらバズった
椎名 富比路
ファンタジー
ダンジョンが世界じゅうに存在する世界。ダンジョン配信業が世間でさかんに行われている。
底辺冒険者であり配信者のツヨシは、あるとき弱っていたスライムを持ち帰る。
ワラビと名付けられたスライムは、元気に成長した。
だがツヨシは、うっかり配信を切り忘れて眠りについてしまう。
翌朝目覚めると、めっちゃバズっていた。
俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない
亮亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。
不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。
そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。
帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。
そして邂逅する謎の組織。
萌の物語が始まる。

【書籍化】パーティー追放から始まる収納無双!~姪っ子パーティといく最強ハーレム成り上がり~
くーねるでぶる(戒め)
ファンタジー
【24年11月5日発売】
その攻撃、収納する――――ッ!
【収納】のギフトを賜り、冒険者として活躍していたアベルは、ある日、一方的にパーティから追放されてしまう。
理由は、マジックバッグを手に入れたから。
マジックバッグの性能は、全てにおいてアベルの【収納】のギフトを上回っていたのだ。
これは、3度にも及ぶパーティ追放で、すっかり自信を見失った男の再生譚である。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる