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伝説に続く人たち編……って伝説は私!?
第438話 勇者パーティ指導はじまる伝説
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「えー、ではコーチングの第一回ですけど、私担当です。こんきら~。三年目のきら星はづきです~。ついに私も人に教える立場になりました……」
※『こんきらー』『こんきら!』『はづきっちがコーチングをする人に!』『よく考えたら空前絶後の最強配信者だから何も不思議はない……』『確かになあ』
「私思いますに、強さというのは再生産可能なんで、やり方をですね、伝授していこうとですね、思うんですよね」
配信に流しながら、本日私の前にいるのは、ユーシャちゃんとタリサちゃんとモリトンくんとゼルガーくん。
シェリーとスパイスちゃんは見学組です。
人が多いと、印象がばらけるからね。
タリサちゃんも一流っぽいし、普通ならこのままでも大丈夫という気はするんだけど……。
「えーと、いきなり厳しいことを言いますが、皆さんは大魔将を倒せないレベルだと思うので、今のところは戦力外です」
「ガーン!! あのハヅキからそんな厳しいこと言われるなんて!!」
「分かってたけど、彼女に言われると誰も反論できないよね」
タリサちゃんがムンクの叫びみたいなポーズをしてくねくねする。
モリトンくんは苦笑しながら肩をすくめている。
いきり立ったのはケンタウロスのゼルガーさん。
「俺を侮辱するか! ええい、勝負だ!!」
「いいですよう」
※『話が早いw!!』『いつもはづきっちらしくない直接的な物言いだと思ったら、画面端に時計が! これ尺の都合か!』もんじゃ『後継者を促成栽培するつもりだぞ……!』
はい、そういうことになっております。
勇者パーティプロジェクトのメンバーである私は、強力な配信者たるもの、リスナーさんの集中力が持つ時間内で事を終えねばならないという考えを持っているので。
「行くぞー!! うおおお!! 嵐よ我が肉体にやどれ! シュウゥゥゥアガタイ・ヤァァァァァルッ!!」
技名を叫びながら、全身に猛烈な風をまとって猛スピードで突っ込んでくる。
これは強そうー。
魔将になら通用するでしょう!
「じゃあ撃破しますね……。あちょっ」
「ウグワーッ!?」
私は嵐ごとチョップで切り裂いて、ゼルガーさんの額をペチンと叩いた。
風が散り散りになり、ゼルガーさんがぐるぐる回転しながらぶっ飛んでいく。
そして、その後をちょっと急いで追いかける私なのだ!
はい、落下地点に先に到着。
私はゼルガーさんの馬ボディをスポッとキャッチした。
「どうです」
「ま、参った……!!」
ゼルガーさんの目が私への畏怖とかリスペクトに染まった感じがしますねえ……。
こういうのは得意ではないけど、コーチングのためなので仕方がない……。
※『ゼルガーはモリトンとコンビで、登録者数90万人の中央アジア圏上位の配信者だぞ!?』『子供扱いかよ!』『忖度抜きの必殺技を例のセリフの変化形で……』
「そうそう、コメント欄の皆さんが言う事がヒントです! なんでしょうー。三秒待ちます」
「三秒!? 早すぎるよぉー!!」
タリサちゃんが頭を抱えた。
さては反射神経で乗り切ってきた人だな?
ユーシャちゃんとモリトンくんがふーむ、と考える。
「はいっ、はづきさん!」
「ユーシャちゃんどうぞ!」
「例のセリフって、『じゃあ倒しますね』ってよく言ってるやつですよね? 確かに今、その変化系みたいなのをはづきさんが言ったと思います」
「正解でーす!」
ベルっちが出てきて、クラッカーをぱぱーんと鳴らした。
ちょっと嬉しそうなユーシャちゃん。
モリトンくんは別の回答だったようで、ふむふむ、と頷いている。
「どういうことなんだ!?」
「ゼルガーさんいい質問です! つまりですねえ」
ベルっちがパネルを持って現れる。
タイミングベストだなあ。
「お決まりのセリフになることで、リスナーさんは期待しちゃうんです。そしたら配信者のパワーがグーッと上がります。これ、私が色々調べてて気付いたんですけど……リスナーさんの期待度が高いほど同接数に加算されて強くなるんですねー」
「な、なんだってー!?」
※『な、なんだってー!?』『タリサが俺等と同じ反応を!!』『驚き役に聞き役までいるぞ』『本当に優秀な子たちなんだなあ……』
「素晴らしい驚きをありがとうございます、ありがとうございます。なのでですね、溜めて溜めて溜めて、ここぞ、というタイミングでドーン! ができると最高に強くなります。私、結果的にこれで大魔将を二柱倒しましたので」
火の大魔将は真っ向勝負でしたねー。
あれっ、そう言えば土の大魔将はどこ行ったんだろう……。
なんとなく、視界の端のカメラ脇で飲み物を口にしているスファトリーさんと目が合う。
手を振ってくれた。
応援してくれてる~。
「そういうことで、大切なのは実力よりも演出です! 演出が凄く上手いと実力以上の成果が出せるんで! ただ、みんなでやると効果が薄れるんでパーティで相談してやっていきましょうー。なお、こういうの必要ない人がいてですね」
「それは誰なんです? パーティメンバーですか」
モリトンくんがいい質問をしてくれた。
優秀な生徒さんたちだー。
「あ、はい。えっとですね、あとで合流してくるキャプテン・カイワレと、そこにいるシェリーさんとスパイスちゃんですね。シェリーさんは相手の能力をハックして自分の手駒にしますし、スパイスちゃんは魔導書を使ったスタイルを確立してますし、カイワレは意味がわからないですが打たれ強いです」
アメリカの研究者たちにも解明できなかった、カイワレの異常な頑丈っぷり!
まあ私が見たところ、私よりも頑丈なんで魔王の攻撃の直撃に耐えるのは間違いないでしょう。
なのでカイワレは絶対外せないわけです。
「はい、もう一ついいですか先生」
「先生!!」
モリトンくんが刺激的な質問をしてくる。
※『先生と呼ばれてはづきっちが飛び上がったぞ!』『モリトンは真っ直ぐなやつだなあ』『なんと気持ちの良い少年だろう』さといも『私達後方腕組み勢になっちゃうね』
「はづき先生の配信者としての技術、演出を理解しました。これは僕たちを強化するために絶対的に必要なものです。ですが、それだけでは説明できないものがあると思います。各配信における、先生のデタラメな強さとか。こちらのご教授を願えますか」
「あ、はい、それはですねー」
『私が説明しましょう!』
ここで新しい講師が参戦です!
私と付き合いが長くて、私に関する博士みたいな知識を持つ人!
「あーっ、あ、あなたはーっ!!」
驚愕するユーシャちゃん。
なんと素晴らしい反応だろう。
「カンナ・アーデルハイドさん!!」
そう!
なうファンタジー所属、私が一番最初に出会った配信者、カンナちゃんなのだ!
ただ、彼女は今忙しいのでワイプでの出演。
正式なコーチングは後日ということになったのだ。
具体的には、五月の終わりくらい。
『それまでは、動画なんかを通じて皆さんとお勉強して行きたいと思いますわ。よろしくお願いしますわね』
彼女の妙な迫力に、いいお返事を返す勇者パーティの面々なのだった。
※『こんきらー』『こんきら!』『はづきっちがコーチングをする人に!』『よく考えたら空前絶後の最強配信者だから何も不思議はない……』『確かになあ』
「私思いますに、強さというのは再生産可能なんで、やり方をですね、伝授していこうとですね、思うんですよね」
配信に流しながら、本日私の前にいるのは、ユーシャちゃんとタリサちゃんとモリトンくんとゼルガーくん。
シェリーとスパイスちゃんは見学組です。
人が多いと、印象がばらけるからね。
タリサちゃんも一流っぽいし、普通ならこのままでも大丈夫という気はするんだけど……。
「えーと、いきなり厳しいことを言いますが、皆さんは大魔将を倒せないレベルだと思うので、今のところは戦力外です」
「ガーン!! あのハヅキからそんな厳しいこと言われるなんて!!」
「分かってたけど、彼女に言われると誰も反論できないよね」
タリサちゃんがムンクの叫びみたいなポーズをしてくねくねする。
モリトンくんは苦笑しながら肩をすくめている。
いきり立ったのはケンタウロスのゼルガーさん。
「俺を侮辱するか! ええい、勝負だ!!」
「いいですよう」
※『話が早いw!!』『いつもはづきっちらしくない直接的な物言いだと思ったら、画面端に時計が! これ尺の都合か!』もんじゃ『後継者を促成栽培するつもりだぞ……!』
はい、そういうことになっております。
勇者パーティプロジェクトのメンバーである私は、強力な配信者たるもの、リスナーさんの集中力が持つ時間内で事を終えねばならないという考えを持っているので。
「行くぞー!! うおおお!! 嵐よ我が肉体にやどれ! シュウゥゥゥアガタイ・ヤァァァァァルッ!!」
技名を叫びながら、全身に猛烈な風をまとって猛スピードで突っ込んでくる。
これは強そうー。
魔将になら通用するでしょう!
「じゃあ撃破しますね……。あちょっ」
「ウグワーッ!?」
私は嵐ごとチョップで切り裂いて、ゼルガーさんの額をペチンと叩いた。
風が散り散りになり、ゼルガーさんがぐるぐる回転しながらぶっ飛んでいく。
そして、その後をちょっと急いで追いかける私なのだ!
はい、落下地点に先に到着。
私はゼルガーさんの馬ボディをスポッとキャッチした。
「どうです」
「ま、参った……!!」
ゼルガーさんの目が私への畏怖とかリスペクトに染まった感じがしますねえ……。
こういうのは得意ではないけど、コーチングのためなので仕方がない……。
※『ゼルガーはモリトンとコンビで、登録者数90万人の中央アジア圏上位の配信者だぞ!?』『子供扱いかよ!』『忖度抜きの必殺技を例のセリフの変化形で……』
「そうそう、コメント欄の皆さんが言う事がヒントです! なんでしょうー。三秒待ちます」
「三秒!? 早すぎるよぉー!!」
タリサちゃんが頭を抱えた。
さては反射神経で乗り切ってきた人だな?
ユーシャちゃんとモリトンくんがふーむ、と考える。
「はいっ、はづきさん!」
「ユーシャちゃんどうぞ!」
「例のセリフって、『じゃあ倒しますね』ってよく言ってるやつですよね? 確かに今、その変化系みたいなのをはづきさんが言ったと思います」
「正解でーす!」
ベルっちが出てきて、クラッカーをぱぱーんと鳴らした。
ちょっと嬉しそうなユーシャちゃん。
モリトンくんは別の回答だったようで、ふむふむ、と頷いている。
「どういうことなんだ!?」
「ゼルガーさんいい質問です! つまりですねえ」
ベルっちがパネルを持って現れる。
タイミングベストだなあ。
「お決まりのセリフになることで、リスナーさんは期待しちゃうんです。そしたら配信者のパワーがグーッと上がります。これ、私が色々調べてて気付いたんですけど……リスナーさんの期待度が高いほど同接数に加算されて強くなるんですねー」
「な、なんだってー!?」
※『な、なんだってー!?』『タリサが俺等と同じ反応を!!』『驚き役に聞き役までいるぞ』『本当に優秀な子たちなんだなあ……』
「素晴らしい驚きをありがとうございます、ありがとうございます。なのでですね、溜めて溜めて溜めて、ここぞ、というタイミングでドーン! ができると最高に強くなります。私、結果的にこれで大魔将を二柱倒しましたので」
火の大魔将は真っ向勝負でしたねー。
あれっ、そう言えば土の大魔将はどこ行ったんだろう……。
なんとなく、視界の端のカメラ脇で飲み物を口にしているスファトリーさんと目が合う。
手を振ってくれた。
応援してくれてる~。
「そういうことで、大切なのは実力よりも演出です! 演出が凄く上手いと実力以上の成果が出せるんで! ただ、みんなでやると効果が薄れるんでパーティで相談してやっていきましょうー。なお、こういうの必要ない人がいてですね」
「それは誰なんです? パーティメンバーですか」
モリトンくんがいい質問をしてくれた。
優秀な生徒さんたちだー。
「あ、はい。えっとですね、あとで合流してくるキャプテン・カイワレと、そこにいるシェリーさんとスパイスちゃんですね。シェリーさんは相手の能力をハックして自分の手駒にしますし、スパイスちゃんは魔導書を使ったスタイルを確立してますし、カイワレは意味がわからないですが打たれ強いです」
アメリカの研究者たちにも解明できなかった、カイワレの異常な頑丈っぷり!
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なのでカイワレは絶対外せないわけです。
「はい、もう一ついいですか先生」
「先生!!」
モリトンくんが刺激的な質問をしてくる。
※『先生と呼ばれてはづきっちが飛び上がったぞ!』『モリトンは真っ直ぐなやつだなあ』『なんと気持ちの良い少年だろう』さといも『私達後方腕組み勢になっちゃうね』
「はづき先生の配信者としての技術、演出を理解しました。これは僕たちを強化するために絶対的に必要なものです。ですが、それだけでは説明できないものがあると思います。各配信における、先生のデタラメな強さとか。こちらのご教授を願えますか」
「あ、はい、それはですねー」
『私が説明しましょう!』
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「あーっ、あ、あなたはーっ!!」
驚愕するユーシャちゃん。
なんと素晴らしい反応だろう。
「カンナ・アーデルハイドさん!!」
そう!
なうファンタジー所属、私が一番最初に出会った配信者、カンナちゃんなのだ!
ただ、彼女は今忙しいのでワイプでの出演。
正式なコーチングは後日ということになったのだ。
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