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三年目私の、新たなスタート編
第409話 突撃、ウワサのイカルガマンション伝説
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やって来ましたイカルガマンション。
……と思ったら、なーんだ。
イカルガ本社ビルの裏じゃないか。
なんかトンカントンカン建築をやってるなーとずっと思ってたら、兄のマンションが建つところだったのだ。
「ここって本来、お家賃がお高いところなのでは? 私は一人暮らしとか全然わかんないんだけど」
「ああ。ワンルームでも十万を超えるのが普通だ。そこを家賃二万でやっている」
「お得!」
なるほど、すっごくお安い社宅になってた!
基本は1LDKで、一階につき七部屋ある。
四階までがそんな感じで、五階は2LDK四部屋。
六階が3LDK二部屋とトレーニングルーム。
七階が兄と受付さんの愛の巣だ。
さらに、このマンション、あくまで居住スペースに限って一階、二階と言ってきたけど。
下の方にテナントが入れるスペースが三階ぶん用意されているので、実質十階建てなんですねえ。
そうか、私が最近通ってる喫茶店、兄のマンションに入ってるテナントだったのか……。
「二階にはイカルガエンターテイメントのアンテナショップも入っている」
「なるほど効率的……」
そこにあるのは知らなかったけど、自社ビルみたいなマンションなら家賃も無料だ。
シアワセヤさんもシアワセヤビルに直営ショップ入ってるもんね。
同じようなものかあ。
ここは都内のいい感じの土地なので、テナントのお家賃もする。
人通りが多く、平日昼はビジネスマンと観光客で、それ以外はこの辺りのお店を利用する人達で賑わうのだ。
いいところだなあ。
「よくこんなとこにマンション建てたね」
「お前の配信でビルが幾つも建つくらい儲かったと言っただろう」
そう言えば……。
私の配信が巡り巡って、イカルガのみんなの住環境を支えてるんですねえ。
さらにテナントのお家賃で、固定資産税とかを賄えるようになってるとか。
よくできてらっしゃる。
「じゃあ、お二人の愛の巣を拝見」
「やだはづきちゃんったら、愛の巣だなんて! どうぞどうぞ……! 絶対三人は子供作るから」
「つよいー」
私と受付さんでキャッキャとはしゃぎながらエレベーターに乗った。
そしたら、イカルガの社員さんも乗り込んできて、「あっ、社長! お疲れ様です」とかペコペコした。
そして私を見て、ポカーンとする。
「あ、あれ!? はづきさん!? お、お疲れ様です!!」
兄よりも挨拶の声が大きいんだが!!
「いやあ、だってイカルガの今の社員はみんなはづきさんを尊敬してますよ。掛け値なしにこの星の救世主ですし、それと女子高生とイラストレーターを同時にやってるなんて超人ですからね! あ、僕ここで降ります」
居住スペースの一階で降りていってしまった!
なんか他の部屋の扉からトリットさんが出てきて、「お疲れー」とかやってる。
配信者の人も一緒に住んでるの本当なんだなあ!
「ここね、防音も完璧だから室内で配信できるようになってるの。そこはもう、配信者の会社のビルだからね、凄くこだわったの!」
「ああ。音を気にして配信できないなんてナンセンスだからな。だが、あえてハプニングを望むなら窓を開けて配信すればいい」
なるほどお。
イカルガマンション、こだわりの造りですねえ。
マンションから出ないままに、三階には居酒屋もあるから仲間とそこで飲んで、すぐに帰宅とかできるし。
えっ、今度三階スペースにスーパー銭湯が入るんです!?
エレベーターでだけいける最上階に特設露天風呂までできる!?
マンションから出ないままで生活が完結しちゃうじゃん……。
「俺の夢の城を作ろうと思っている」
「本気だこの人」
私は戦慄した。
己の欲望に忠実!
だけど社員の皆さんも望んでいる欲望だ!
今度私も入りに来ようっと、スーパー銭湯。
さてさて、居住スペースの七階に到着。
エレベーターから出たら、もういきなり玄関なのだ。
フロアまるごと一つが部屋になってるんです?
「ああ、そうだ。まあ俺は週の半分くらいしか帰って来ないがな」
「はづきちゃん言ってあげて! この人、かわいい奥さんを放っておいて仕事しまくるから!」
「あー、やりそう」
兄は人の心が分からないのでそういうことするね!
新婚でも平気でやるね!
「でもそういうところが好き」
受付さんもそうだろうと思ったね!
お似合いなんじゃないですか?
家に入れてもらうと、いきなり入口に私のフィギュアが鎮座していた。
「あひー!?」
「我が社の象徴だ。ここに飾らずしてどこに飾る」
「ずらーっと私が並んでるんだけど!!」
「発売した全てのお前をここに並べてある。まだまだスペースがあるし、二段目も拡張できるようになっているぞ」
こ、この兄、やる気だ……!!
「シスコン~」
受付さんがなんか羨ましそうなんですけど。
その後、部屋の中を見せてもらった。
寝室は夫婦の寝室と、お客さん用が二つあって、トイレが二箇所にお風呂が一つ、超広いリビングとタイニングとキッチン、さらにシューティングスペース……。
「シューティングスペース!?」
「ここで俺は技が錆びつかないように磨きをかけている。教え子たちも呼んで訓練をつけるつもりだ。こと、ガン=カタに関してはスタジオよりもこちらの方が優れた訓練設備だからな」
「愛の巣に他の女子を呼ぶ!!」
私は衝撃でクラクラした。
受付さんが不敵に笑いながら、「絶対負けない」とか言っているのである。
兄はこう、そういう恋愛関係全く分からない男なので大丈夫だと思います。
……と思ったら、なーんだ。
イカルガ本社ビルの裏じゃないか。
なんかトンカントンカン建築をやってるなーとずっと思ってたら、兄のマンションが建つところだったのだ。
「ここって本来、お家賃がお高いところなのでは? 私は一人暮らしとか全然わかんないんだけど」
「ああ。ワンルームでも十万を超えるのが普通だ。そこを家賃二万でやっている」
「お得!」
なるほど、すっごくお安い社宅になってた!
基本は1LDKで、一階につき七部屋ある。
四階までがそんな感じで、五階は2LDK四部屋。
六階が3LDK二部屋とトレーニングルーム。
七階が兄と受付さんの愛の巣だ。
さらに、このマンション、あくまで居住スペースに限って一階、二階と言ってきたけど。
下の方にテナントが入れるスペースが三階ぶん用意されているので、実質十階建てなんですねえ。
そうか、私が最近通ってる喫茶店、兄のマンションに入ってるテナントだったのか……。
「二階にはイカルガエンターテイメントのアンテナショップも入っている」
「なるほど効率的……」
そこにあるのは知らなかったけど、自社ビルみたいなマンションなら家賃も無料だ。
シアワセヤさんもシアワセヤビルに直営ショップ入ってるもんね。
同じようなものかあ。
ここは都内のいい感じの土地なので、テナントのお家賃もする。
人通りが多く、平日昼はビジネスマンと観光客で、それ以外はこの辺りのお店を利用する人達で賑わうのだ。
いいところだなあ。
「よくこんなとこにマンション建てたね」
「お前の配信でビルが幾つも建つくらい儲かったと言っただろう」
そう言えば……。
私の配信が巡り巡って、イカルガのみんなの住環境を支えてるんですねえ。
さらにテナントのお家賃で、固定資産税とかを賄えるようになってるとか。
よくできてらっしゃる。
「じゃあ、お二人の愛の巣を拝見」
「やだはづきちゃんったら、愛の巣だなんて! どうぞどうぞ……! 絶対三人は子供作るから」
「つよいー」
私と受付さんでキャッキャとはしゃぎながらエレベーターに乗った。
そしたら、イカルガの社員さんも乗り込んできて、「あっ、社長! お疲れ様です」とかペコペコした。
そして私を見て、ポカーンとする。
「あ、あれ!? はづきさん!? お、お疲れ様です!!」
兄よりも挨拶の声が大きいんだが!!
「いやあ、だってイカルガの今の社員はみんなはづきさんを尊敬してますよ。掛け値なしにこの星の救世主ですし、それと女子高生とイラストレーターを同時にやってるなんて超人ですからね! あ、僕ここで降ります」
居住スペースの一階で降りていってしまった!
なんか他の部屋の扉からトリットさんが出てきて、「お疲れー」とかやってる。
配信者の人も一緒に住んでるの本当なんだなあ!
「ここね、防音も完璧だから室内で配信できるようになってるの。そこはもう、配信者の会社のビルだからね、凄くこだわったの!」
「ああ。音を気にして配信できないなんてナンセンスだからな。だが、あえてハプニングを望むなら窓を開けて配信すればいい」
なるほどお。
イカルガマンション、こだわりの造りですねえ。
マンションから出ないままに、三階には居酒屋もあるから仲間とそこで飲んで、すぐに帰宅とかできるし。
えっ、今度三階スペースにスーパー銭湯が入るんです!?
エレベーターでだけいける最上階に特設露天風呂までできる!?
マンションから出ないままで生活が完結しちゃうじゃん……。
「俺の夢の城を作ろうと思っている」
「本気だこの人」
私は戦慄した。
己の欲望に忠実!
だけど社員の皆さんも望んでいる欲望だ!
今度私も入りに来ようっと、スーパー銭湯。
さてさて、居住スペースの七階に到着。
エレベーターから出たら、もういきなり玄関なのだ。
フロアまるごと一つが部屋になってるんです?
「ああ、そうだ。まあ俺は週の半分くらいしか帰って来ないがな」
「はづきちゃん言ってあげて! この人、かわいい奥さんを放っておいて仕事しまくるから!」
「あー、やりそう」
兄は人の心が分からないのでそういうことするね!
新婚でも平気でやるね!
「でもそういうところが好き」
受付さんもそうだろうと思ったね!
お似合いなんじゃないですか?
家に入れてもらうと、いきなり入口に私のフィギュアが鎮座していた。
「あひー!?」
「我が社の象徴だ。ここに飾らずしてどこに飾る」
「ずらーっと私が並んでるんだけど!!」
「発売した全てのお前をここに並べてある。まだまだスペースがあるし、二段目も拡張できるようになっているぞ」
こ、この兄、やる気だ……!!
「シスコン~」
受付さんがなんか羨ましそうなんですけど。
その後、部屋の中を見せてもらった。
寝室は夫婦の寝室と、お客さん用が二つあって、トイレが二箇所にお風呂が一つ、超広いリビングとタイニングとキッチン、さらにシューティングスペース……。
「シューティングスペース!?」
「ここで俺は技が錆びつかないように磨きをかけている。教え子たちも呼んで訓練をつけるつもりだ。こと、ガン=カタに関してはスタジオよりもこちらの方が優れた訓練設備だからな」
「愛の巣に他の女子を呼ぶ!!」
私は衝撃でクラクラした。
受付さんが不敵に笑いながら、「絶対負けない」とか言っているのである。
兄はこう、そういう恋愛関係全く分からない男なので大丈夫だと思います。
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